新潮社作品一覧

非表示の作品があります

  • 探偵事務所23
    -
    都心の一角に私立探偵事務所を構える田島英雄は、公安委員会から拳銃の所持を許された数少ない民間人のひとりだ。腕は極めつきだが、仕事のやり方は強引で荒っぽい。こんど警視庁捜査一課長からひそかに依頼されたのは、密輸業者たちの上前をはねている一味の組織に囮として潜入してくれ、というものだった。拳銃使用の黙認を条件に仕事を引きうけた田島は……。連作痛快譚6編。
  • みちづれ 短篇集モザイクI
    4.5
    1~3巻561~638円 (税込)
    宝石のような短篇を百篇綴り、壮麗なモザイクに組上げる、著者独創の連作シリーズ第一巻。青函連絡船から海峡へ花束を投じる男に、見知らぬ女の視線がからむ表題作。四十近くなった娘が幻の父と対面する、その一瞬の情愛がせつない川端賞受賞作「じねんじょ」、寝静まった家に、夜毎すすり泣きの声が響く「すみか」など、僅か数ページに封じこまれた人の世の怖れと情味。
  • たんぽぽ団地のひみつ(新潮文庫)
    3.8
    1巻781円 (税込)
    取り壊しが決まった団地に暮らす祖父を訪ねた六年生の杏奈。そこはかつてドラマ『たんぽぽ団地のひみつ』のロケ地だった。夢の中で主演の少年、ワタルくんに出会ったことをきっかけに、杏奈と祖父、そして住民たちは、団地をめぐる時空を超えた冒険に巻き込まれて――。大人たちが生きた過去への憧憬と、未来へ向かう子どもたちへの祝福に満ちたミラクルストーリー。『たんぽぽ団地』改題。
  • 【単話版】オネエ上司と後天オメガ 第1話
    完結
    -
    全8巻110円 (税込)
    後天性オメガである夏目祥子は、人目を避け、ベータに擬態して暮らしていた。そんな彼女の前に現れたのは、オネエなイケメン上司、一之瀬紫。偏見なく、周囲の人と接する一之瀬の姿に心を開き始めた夏目は、偶然が重なり、一之瀬の前で発情してしまう――。「大丈夫よ。すぐに楽にしてあげるから」男性恐怖症の地味オメガとオメガに襲われた過去をもつイケメンオネエアルファ。痛みを抱える二人の恋の行方は――?
  • 【単話版】俺、寝取られたいんです!!! 第1話
    -
    1~4巻165~220円 (税込)
    寝取られ性癖を拗らせすぎて“寝取られ”がないと興奮できなくなってしまった主人公『明日葉 君影(アシタバ キミカゲ)』。どんな女性、どんな恋愛、どんなシチュエーションであっても「もし寝取られだったら……」と自分の性癖で考えてしまうクセがあり?! 拗らせた性癖ゆえに恋愛を諦めた明日葉であったが、彼の本心にはまだ「恋愛をしたい」という願いがあって――……。
  • 【単話版】俺のワクチンだけがゾンビ化した世界を救える 第1話
    -
    1~23巻110~198円 (税込)
    ゾンビで溢れかえった世界で天才科学者のサニーと出会い、ゾンビ化した人を元に戻せる力を得た及川優。しかしその方法が、“エッッッッッッッ”な方法で……世界の命運は彼のワク“チン”に託された!?
  • 【単話版】けがわとなかみ 第1話
    完結
    3.0
    全30巻88~165円 (税込)
    ある日、食べようとしたうさぎに告白されるきつね。きつねの戸惑いをよそに、「あなたが好き」と伝え続けるうさぎ。果たして、食うものと食われるものは共に生きることができるのか――? 「泣いた」という声続出の、異種同士の愛と友情の物語。
  • 【単話版】これが最後の×××かも 第1話
    5.0
    1~10巻132~198円 (税込)
    30代女性の性をリアルに描くオムニバスストーリー! 第1エピソード「ひとりで生きていくふたり」→佐野美嘉子は35歳、独身。彼氏はもう10年はいない。仕事仲間は既婚者が多いけど、べつに死ぬ気で出会いを求めているわけではない。あまり結婚も子供も興味ないし、一人で生きていけるし……。そんな彼女の前に現れたのは、チャラめな営業・橋元。「孤独死上等」とのたまう彼に興味を持った美嘉子だが……!?
  • 【単話版】縛って見つめて 第1話
    完結
    -
    全17巻165~198円 (税込)
    食品スーパー本社の販促課で課長を務める沢田。上と下との板挟みになり、苦労が絶えない。残業後のある日、一杯飲もうと店を探していると「フェティッシュバー」と書かれた看板が目に入る。扉を開けると彼を迎えたのは、網タイツにボンデージ姿の女性たち!? 人気ナンバーワンの女王様・ナナによる緊縛を体験した沢田は、今まで感じたことのない快楽と解放感を味わい……。
  • 【単話版】徳川埋蔵金はアメリカにござる 第1話
    続巻入荷
    4.0
    時は享保、徳川吉宗の治世。幕府は財政危機に陥っていた。この事態を打開する切り札、それは家康が残した莫大な『徳川埋蔵金』! その在り処が示された地図を手に『忍びの虎次郎』が向かうのは、未だ国はなく先住民族と移民が割拠する新大陸アメリカであった! そこで出会った先住民族の女と埋蔵金に数奇なつながりがあり……。未開のアメリカを舞台に、歴史には語られないもうひとつのゴールドラッシュが始まる!!!!
  • 【単話版】射干玉の夢 第1話
    -
    1~5巻220~242円 (税込)
    ヒトには誰にでも洞がある。飛ぶ鳥を落とす勢いの人気小説家・干塚の新担当となった僕。初めて会った先生は、本人の作品からうける印象とは真逆の、とげとげしく気難しい退廃的な印象で少し怖い。特に、弟子の若い青年に対する態度ときたら殊更に可笑しく……。弟子と小説家の情は爛れ、捩れ、やがて芳しく満つる――。
  • 【単話版】配信アンダーマイコントロール 第1話
    完結
    -
    全19巻110~132円 (税込)
    絶賛彼氏&仕事募集中の山影米子はマッチングアプリで暗くて冴えない増山操に出会う。話をするうち、動画配信者としてのポテンシャルを感じて操に顔出し配信を提案するが……。ポジティブ女がネガティブ男の背中を押す、配信者成長物語!!
  • 【単話版】#違法ガール 履歴書に書けない私の裏バイト 第1話
    3.0
    1~13巻110~198円 (税込)
    第1部は「ビンタ1,000円」のオプションが話題になり、社会問題にまで発展した“JKリフレ”がテーマの「リフレガール」編。主人公はどこにでもいる普通の大学1年・加奈子。友達に誘われ、とある事情から「リフレ」で勤務することになり――。※この物語は取材をもとに構成したフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切関係ありません。※本作品はWEBマンガサイト「くらげバンチ」連載の「リフレガール編 第1話」が収録されています。
  • 【単話版】ムシバミヒメ 第1話
    4.0
    1~24巻110~198円 (税込)
    【『テセウスの船』東元俊哉最新作!】小説家志望の大学生・田中愛は、募集サイトで知り合った山口美羽とルームシェアすることにしたのだが――。目が離せない、同居人サイコホラー。
  • 大絵画展(新潮文庫)
    3.8
    バブル期に180億円で落札されたゴッホの『医師ガシェの肖像』。だがその十数年後、この絵は厳重に警備された倉庫の中で、モネやルノワールなど134枚の世界的名画とともに眠っていた。同じ頃、荘介と茜は投資詐欺に遭い、膨大な借金を背負う。追い込まれた二人は絵画強奪を持ちかけられ……。息つく暇ない騙し合いの末、最後に笑ったのは!? 痛快な大どんでん返しが待つ傑作美術ミステリー。 ※電子版には、カラー口絵はつきません。(解説・村上貴史)
  • 第九身体 1巻
    1.0
    西暦2232年、シタデル東京。パワードスーツを纏い、活動拡大を企図する国際テロ組織・メガスダボ。事態を重く見た政府は迫る脅威に対抗すべく、漂流移民で構成された軍事組織・ヌーマと接触する。中でも[衛星(ステラ)]を操るヒライズの戦闘形態・第九身体に、心を奪われて――。
  • 大黒屋光太夫(上)
    3.9
    天明2年(1782)、伊勢白子浦を出帆した回米船・神昌丸は遠州灘で暴風雨に遭遇、舵を失い、七カ月後にアリューシャンの小島に漂着した。沖船頭・光太夫ら十七人の一行は、飢えと寒さに次々と倒れる。ロシア政府の意向で呼び寄せられたシベリアのイルクーツクでは、生存者はわずかに五人。熱い望郷の思いと、帰国への不屈の意志を貫いて、女帝エカテリナに帰国を請願するが……。
  • 大黒屋光太夫(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,210円 (税込)
    天明2年(1782)、伊勢白子浦を出帆した回米船・神昌丸は遠州灘で暴風雨に遭遇、舵を失い、七カ月後にアリューシャンの小島に漂着した。沖船頭・光太夫ら十七人の一行は、飢えと寒さに次々と倒れる。ロシア政府の意向で呼び寄せられたシベリアのイルクーツクでは、生存者はわずかに五人。熱い望郷の思いと、帰国への不屈の意志を貫いて、女帝エカテリナに帰国を請願するが……。 ※当電子版は新潮文庫版『大黒屋光太夫』上下巻をまとめた合本版です。
  • だいこんの花(前)
    -
    1~2巻1,265円 (税込)
    元海軍大佐・巡洋艦艦長の永山忠臣は、14年前に妻の繁子に先立たれていまは、雑誌「女性時代」の編集者である彼の倅・誠(次男坊)と男ふたり暮らし。忠臣の良き友は、元部下の源助・石川酒店の店主、京太郎・小料理屋「日高」の主人。誠は比呂子にプロポーズの気配。お妃教育は元部下の家族に頼まなければと忠臣も落ちつかない。しかし大失恋。その真相を知った忠臣の目に涙……。

    試し読み

    フォロー
  • 大常識(新潮新書)
    3.6
    どう考えてもおかしいやろ。政治家は余計なことばかりしている。自称リベラルは多数の意見を踏みにじっている。人権派は犯罪者のほうばかりを向いている。願うだけで平和が維持できると考えるバカがはびこっている。新型コロナワクチンの批判はタブーになり続けている。道徳心がない奴がのさばっている――非常識に満ちたこの世界に、今こそ必要なのは「大いなる常識」だ。ベストセラー作家が振るう怒りの鉄拳!
  • 大女優物語―オードリー、マリリン、リズ―
    3.3
    オードリー・ヘプバーン、マリリン・モンロー、エリザベス・テイラー。ハリウッドを代表する三人の大女優に、共演は一度もないが、その運命は思わぬ場面で絡み合っていた。オードリーより先に『ローマの休日』の王女役に名前が挙がったリズ、『ティファニーで朝食を』の主演を熱望していたマリリン――最も華やかな時代の映画界を舞台に、デビュー秘話からスキャンダルまで交えて描き出す、美貌と野望の物語。

    試し読み

    フォロー
  • 代替医療解剖
    4.4
    ワシントンは血を抜かれすぎて死んだ。瀉血が信じられていたからだ。壊血病患者は重労働を課された。ビタミンCが未知だったために。ナイチンゲールの登場以降、医療効果を科学的に測定しようという試みは、2000年代、ついに代替医療へと──。鍼、カイロ、ホメオパシー他の最新の科学的評価とは? 知られざる逸話とともに語られる、代替医療の真実。『代替医療のトリック』改題。
  • 大地のゲーム
    3.3
    二十一世紀終盤。かの震災の影響で原発が廃止され、ネオン煌めく明るい夜を知らないこの国を、新たな巨大地震が襲う。第二の地震が来るという政府の警告に抗い、大学の校舎で寝泊まりを続ける学生たちは、カリスマ的〈リーダー〉に希望を求めるが……極限状態において我々は何を信じ、何を生きるよすがとするのか。大震災と学生運動をモチーフに人間の絆を描いた、異色の青春小説。
  • 大統領たちの五〇年史―フォードからバイデンまで―(新潮選書)
    4.0
    ベトナム敗戦に始まり、冷戦終結、九・一一、グローバル化、イラク戦争、貧富の格差、米中対立までの五〇年――カーター、レーガン、ブッシュ父子、クリントン、オバマそしてトランプと、最強の超大国を動かした九人のリーダーたちの功罪と知られざる内幕を一気読み。「次のアメリカ」を見通すための政治外交史の決定版!
  • 台所のニホヘト
    4.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 春野菜の味わい方、ひとりのときの食事、我が家の定番とっておきのカレー。地に足がついているのに、どこかおしゃれな暮らしぶりで人気のスタイリストが、台所まわりで実際に行っている家事をどーんとご紹介。「イロハ」の次の、毎日の暮らしをバージョンアップさせる十四の鍵が、ぎゅっと詰まった写真エッセイです。
  • 大放言(新潮新書)
    3.8
    思ったことや軽いジョークを口にしただけで、クレーム、バッシングの嵐。求められるのは人畜無害な意見ばかり。こんな息苦しい世に誰がした? 数々の物議を醸してきた著者が、ズレた若者、偏向したマスコミ、平和ボケの政治家たちを縦横無尽にメッタ斬り。炎上発言の真意から、社会に対する素朴な疑問、大胆すぎる政策提言まで、思考停止の世間に一石を投じる書下ろし論考集。今こそ我らに“放言の自由”を!
  • 大本営が震えた日
    4.0
    昭和16年12月1日午後5時過ぎ、大本営はDC3型旅客機「上海号」が行方不明になったとの報告を受けて、大恐慌に陥った。機内には12月8日開戦を指令した極秘命令書が積まれており、空路から判断して敵地中国に不時着した可能性が強い。もし、その命令書が敵軍に渡れば、国運を賭した一大奇襲作戦が水泡に帰する。太平洋戦争開戦前夜、大本営を震撼させた、緊迫のドキュメント。

    試し読み

    フォロー
  • ダイヤモンドの四季
    3.0
    ダイヤモンドでの出来事に写しとられた、様々な喜びと悲しみ――。古ぼけたファーストミットに死んだ兄の青春を辿る少年、ホームプレートに戦災で失くした家と家族への思いを重ねる老審判など、生涯の四季それぞれを迎えた人々の姿を描く表題作ほか、「一球譚」「夏の日の巡礼」の全3編を収録。一投一打に宿った記憶が、いつしかそれぞれの人生への優しいオマージュを語り始める。直木賞作家による珠玉の作品集。
  • 第四間氷期(新潮文庫)
    4.1
    現在にとって未来とは何か? 文明の行きつく先にあらわれる未来は天国か地獄か? 万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発して事態は急転直下、つぎつぎと意外な方向へ展開してゆき、やがて機械は人類の苛酷な未来を語りだすのであった……。薔薇色の未来を盲信して現在に安住しているものを痛烈に告発し、衝撃へと投げやる異色のSF長編。(解説・磯田光一)
  • 蛇蠍のごとく
    -
    娘が、親の知らぬまに妻子ある男性とマンションを借りていた。突然来たダブルベッドの配送確認からそれを知った父親は、早速マンションに乗込むが……。度々の衝突、葛藤、懊悩の果て、父親は、蛇蝎のように憎んでいた相手の男に奇妙な共感と友情を抱くようになる。男が誰でも自分の中に飼っている一匹の“虫”をめぐり、一つの事件の顛末を克明に描いた表題作など全6編を収録する。

    試し読み

    フォロー
  • 「だから、生きる。」(新潮文庫)
    4.1
    シャ乱Qのボーカルとしてデビューしモーニング娘。の成功まで音楽と共に駆け抜けた日々。3人の子を授かり仕事も絶頂を迎えたそのとき、突然つきつけられた癌宣告。「声帯摘出」という残酷な運命の中で、自らの〈本当の幸せ〉を見出し生きることを決意した著者。その言葉は、困難な人生を生き抜くための、かけがえのない肯定力を与えてくれる。涙なしには読破できない圧倒的な希望の歌!
  • だから混浴はやめられない
    3.0
    混浴と聞けば日本各地はもちろん、アジア、アフリカ、南米まで世界中の温泉地を求めて回る……そんな女性温泉ライターがその醍醐味を紹介する。豊富な体験談、裸のコミュニケーション論、神話に残る温泉発見伝説や興隆を極めた江戸の銭湯事情など――。明治期まで日本人にとって当たり前だった混浴。そこは何より鬱陶しい日常から解放される場であり、人との関わりを学ぶ場であったのだ。失われし風習を今一度。

    試し読み

    フォロー
  • だから日本はズレている
    3.4
    この国の「大人たち」は、いつもどこかズレている。ジョブズのようなリーダーに憧れ、夢と絆で一つになれると信じ、「日本の良さ」は必ず伝わると疑わず、若者には変革を期待し、学歴や就活は古いと嗤い、デモやSNSで世界は変わると訴える。この「勘違い」はどこからくるのか? 迷走を続けるこの国を二十九歳の社会学者が冷静に分析。日本人が追い続ける「見果てぬ夢」の正体に迫る。
  • だからヤクザを辞められない―裏社会メルトダウン―(新潮新書)
    3.4
    今やヤクザは食えない稼業だ。最大時約18万4000人を数えた暴力団構成員は、現在約2万8000人。しかし離脱届を出しても法律の縛りは厳しく、就職もままならない。反社排除に過敏な世間に受け入れられない彼らの行き着く先は? それでも辞めた者、辞めきれず元に戻った者、暴力団を嫌い半グレになった者……彼らの肉声に「暴力団博士」が耳を傾けながら、裏社会の危うい橋を渡り続ける男たちの実情に迫る。
  • 脱出
    3.7
    1巻572円 (税込)
    昭和20年夏、敗戦へと雪崩れおちる日本の、辺境ともいうべき地に生きる人々の生き様を通し、〈昭和〉の転換点を見つめた作品集。突然のソ連参戦で宗谷海峡を封鎖された南樺太の一漁村の村人の、危険な脱出行を描く表題作。撃沈された沖縄からの学童疎開船・対馬丸に乗船していた一中学生の転変をたどる「他人の城」。東大寺の仏像疎開作業に従事する僧侶と囚人たちをめぐる「焔髪」など5編。

    試し読み

    フォロー
  • だってバズりたいじゃないですか(新潮文庫nex)
    値引きあり
    4.4
    芸大生の秋都(あきと)は、三年前に恋人の楓(かえで)を失った。彼が撮影した楓の最期の日々は、大人達により「感動の実話」として映画化され、大ヒットする。だが、秋都は事実が美談として歪んだことに虚しさを覚えていた。そんな折、音楽系インフルエンサーを名乗る千歳(ちとせ)に彼女のバズるMVの制作を依頼され、秋都の運命は再び動き出す――。切なさとエモさが止められない、SNS時代の青春小説!
  • 脱獄者は白い夢を見る
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    祭太鼓が轟くなかで、一人の模範囚が忽然と消え失せた。四十八時間以内に脱獄者を確保せよ――女子刑務所は騒然となった。異変に気づいていたのは若手刑務官のみ。「白い夢」にアクセス出来る彼女だけが、逃亡先を知っていた……。仰天の仕掛け、感泣のラスト。内部を知悉する作家だけが成し得るサスペンス長篇。

    試し読み

    フォロー
  • 脱資本主義宣言―グローバル経済が蝕む暮らし―
    3.8
    1巻1,056円 (税込)
    ミリオンセラー『完全自殺マニュアル』著者、12年ぶりの新作完成! 自動車・洋服・自販機・電力……無理やり作られていく需要のからくりとは? そして豊かな国々の浪費こそが、貧しき国々を苦しめる! 経済成長至上主義、過剰消費、食料、貧困、環境破壊――今この世界の“本当の問題”が見えてくる、21世紀必読の書!

    試し読み

    フォロー
  • 「脱・自前」の日本成長戦略(新潮新書)
    3.5
    「失われた30年」と呼ばれて久しい日本の低成長。その根本原因は一体どこにあるのか? 変革を恐れ、外部との連携を妨げるタコツボ社会、その根底に宿る「自前主義」こそが問題だ。これからの日本に必要なのは「脱・自前」。デジタルを活かし、他と連携しながら、自らの強みを再発見し、それを磨き上げることで社会全体としての最適を目指す。豊富な具体例をもとに、日本を成長へと導く戦略と方法論を提言する。
  • 脱スマホ脳かんたんマニュアル(新潮文庫)
    3.7
    集中力が続かない。時間の使い方がヘタ。いつも寝不足。原因は、もしかしたらスマホにあるのかも。スマホを使っているとき、脳には一体何が起きている?――勉強しているときスマホを隣の部屋に置くと効率アップ。何かを覚えるときはタブレットではなく紙で読もう。睡眠が記憶を定着させる。SNSを使いすぎると幸福度が下がる? 知っておけば絶対安心、スマホとかしこく付き合うための本。
  • 脱炭素化は地球を救うか(新潮新書)
    3.4
    地球が温暖化しているのは事実だが、果たしてそれは「人間の活動」が原因なのか。そもそも温暖化は「悪いこと」なのか。悪いことだとして、それを止めるための手段は本当に脱炭素化が最適解なのか。科学的データは、そうした問いにいずれも「イエス」の答えを返さない。いま必要なのは、温暖化問題をイデオロギーから解放し、「適応策」を積み重ねていくことである。硬直的な脱炭素化推進に一石を投じる論争の書。
  • 脱DNA宣言―新しい生命観へ向けて―
    3.4
    いまやDNAの天下である。個人の外見や体質はもちろん、性格や運命までもがDNAに支配されているかのような言説が幅を利かせている。しかし、実は最新の科学では、DNAの絶対的地位は揺らぎつつあるのだ。気鋭の生物学者がわかりやすくユーモラスに遺伝子の基礎知識からRNA研究の最前線までを解説。そろそろDNA至上主義から解放されようではないか。その先には新しくて自由な生命観が待っているのだから。

    試し読み

    フォロー
  • ダブルオー・バック
    4.5
    シャクリと呼ばれるポンプ・アクション6連発銃、ウィンチェスター・M12。その銃を手にした男たちのそれぞれの生き方――自分の射撃スタイルに最後まで固執した選手、一人前の男として生きる姿勢を身をもって息子に教えた父、悪徳養豚業者と闘う陽気なマスター、スパイらしき男と闘争を余儀なくされた老人。銃が人を巡り、生みだされた四つの切ない物語。ハードボイルド連作短編。
  • 騙されてたまるか―調査報道の裏側―
    4.3
    国家に、警察に、マスコミに、もうこれ以上騙されてたまるか――。桶川ストーカー殺人事件では、警察よりも先に犯人に辿り着き、足利事件では、冤罪と“真犯人”の可能性を示唆。調査報道で社会を大きく動かしてきた一匹狼の事件記者が、“真実”に迫るプロセスを初めて明かす。白熱の逃亡犯追跡、執念のハイジャック取材……凄絶な現場でつかんだ、“真偽”を見極める力とは? 報道の原点を問う、記者人生の集大成。※新潮新書版に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • 騙されてませんか―人生を壊すお金の「落とし穴」42―(新潮新書)
    3.3
    うまい話に、騙されてませんか。「保険料が半額になります」「100億円あげる! キャンペーン実施中」「老後の新しい不動産活用法です」「ふるさと納税なら、絶対損しない」――あなたを狙うセールストークのここが「落とし穴」だ! 投資から保険、老後資金、節約術まで、人気経済ジャーナリストが徹底解説。ポイントや電子マネーと上手く付き合うコツも伝授する。決断ひとつで大損する前に、読んでおきたい42篇。
  • 欺す衆生(新潮文庫)
    4.4
    1巻1,155円 (税込)
    戦後最大の詐欺集団、横田商事。その崩壊を目撃した隠岐隆は同じく元社員の因幡充に勧誘され、嫌々ながら再び悪事に手を染める。次第に才能を開花させる隠岐。さらには二人の成功を嗅ぎつけ、経済ヤクザの蒲生までもが加わってきた。口舌で大金を奪い取ることに憑かれた男たち。原野商法から海外ファンドにまで沸騰してゆく遊戯の果てに見えるのは光明か地獄か。山田風太郎賞受賞の犯罪巨編。(解説・酒井貞蔵)
  • 黙ってられるか(新潮新書)
    4.0
    「Jリーグ」を誕生させ、日本をサッカーW杯常連国にまで押し上げた。“チェアマン”“キャプテン”として、時には“独裁者”と呼ばれながらも、 改革を推し進めてきた。80歳を超えてなお多くのスポーツ関係者から相談を受け、建て直しを乞われる著者が指導者論、組織論、メディア論、そして日本サッカーヘの本音を隠すことなく語り尽くす。かつて「犬猿の仲」とされた渡邉恒雄・読売新聞グループ主筆との特別対談も収録。
  • だめだこりゃ
    4.0
    2005年3月で1周忌を迎えた、いかりや長介の自伝。音楽は四流、笑いは素人。それがドリフターズだった。東京の下町に生まれ、バンドマン生活を経て、ドリフターズに加わったいきさつ。お化け番組「全員集合」の陰でネタ作りに追われた日々と、メンバーの知られざる素顔。そして、「踊る大捜査線」の大ヒットまで。豪快半生と秘話の数々。

    試し読み

    フォロー
  • ダメージ―そこからはじまるもの―
    3.7
    「まず、傷ついている自分を認める。どんなに好きな人であっても、傷ついて泣いている自分を受け容れること――」。女性の心理を書かせたらピカイチの著者が、あなたを慰め、叱り、元気づける。20代の女性なら誰もが抱える恋愛や友情、人生の悩みに、乃南さんが真摯に向き合って語りました。エッセイのようにも小説のようにも読める、そんな深い味わいが魅力の傑作モノローグ集。
  • 堕落論
    4.2
    単に、人生を描くためなら、地球に表紙をかぶせるのが一番正しい――誰もが無頼派と呼んで怪しまぬ安吾は、誰よりも冷徹に時代をねめつけ、誰よりも自由に歴史を嗤い、そして誰よりも言葉について文学について疑い続けた作家だった。どうしても書かねばならぬことを、ただその必要にのみ応じて書きつくすという強靱な意志の軌跡を、新たな視点と詳細な年譜によって辿る決定版評論集。

    試し読み

    フォロー
  • 誰かカフカを守って 1巻
    完結
    4.0
    ネットで話題の都市伝説「片面男」は、顔の右半分が焼けただれ、その正体は半獣半人の新生物、凶悪犯、UMA、妖怪等様々な姿で語られていた。とある中学校に突如現れた「片面の男」から生徒を救う為、勇敢にも立ち向かった女教師だったが、謎の爆発によって腕2本を残して消滅してしまう……。この爆発と男との因果はあるのか?「片面の男」は都市伝説の「片面男」と同一なのか……!?謎が謎を呼ぶ戦慄のSF巨編スタート!
  • だれかさんの悪夢
    3.9
    1巻649円 (税込)
    大金持ちになりたい。魅力的な女と結婚したい。おもしろおかしく毎日をすごしたい。超能力を身につけたい。国家元首になりたい。宇宙を征服したい。早く刑務所から出たい。――平凡なことから途方もないことまで、ああもしたい、こうもしたいと限りなく広がる人間の夢。だが、その夢が実現してみると……。欲望多き人間たちがひきおこす悲劇喜劇を軽妙に描く傑作ショートショート集。
  • 誰が「道徳」を殺すのか―徹底検証「特別の教科 道徳」―(新潮新書)
    -
    戦後七十数年を経て、道徳は「特別の教科」として教科化された。その狙いは? 新しい教科書の中身は? 先進各国が教えるモラルは? 道徳教育こそ国民性を表すと考える著者が、修身にはじまる歴史を辿りながら、日教組の影響、様々な提言が封じられてきた経緯、教科書の盲点等、幅広い視野から問題点を炙り出していく。道徳は一部の政治家や官僚、教師に任せるべきものではない。国民が逃げずに向き合うべき課題なのだ。
  • 誰が農業を殺すのか(新潮新書)
    4.0
    日本の農政は「弱者である農業と農家は保護すべき」という観念に凝り固まっており、産業として独り立ちさせようという発想が全くない。農家の減少は悪いことではない。数が減れば「やる気のある農家」が農地を持つことになって、生産性は上がるのだ。一方で、あまりにも内向きで国際的な趨勢についていけない対応が理由で、米価が中国の先物市場で決まってしまう未来も見えてきた。農業ジャーナリストが返り血覚悟で記した「農政の大罪」。
  • 誰の味方でもありません(新潮新書)
    3.7
    炎上したいわけではない。でも、つい言いたくなる。みんなが当然のように信じている価値観や正論って、本当にただしいのだろうか、と。いつの時代も結局見た目が9割だし、観光名所はインスタの写真に勝てないし、血がつながっているから家族を愛せるわけじゃない。“目から鱗”の指摘から独自のライフハックまで、メディアや小説など多方面で活躍する著者が「誰の味方でもない」独自の視点を提示する。
  • 誰も書かなかった自民党―総理の登竜門「青年局」の研究―
    4.7
    安倍晋三、麻生太郎、海部俊樹、竹下登……多くの総理大臣を輩出した「青年局」とはなにか? 自民党の強さ、しぶとさを底支えしてきたこの組織については、今まで、ほとんど語られてこなかった。だが、五五年体制以降の栄枯盛衰の蔭には、常に「青年」達の暗闘があったのだ。元総理や小泉進次郎前青年局長など、当事者たちの貴重な証言と徹底取材から浮かび上がる、知られざる組織の実像。
  • 誰も知らない憲法9条(新潮新書)
    4.0
    本当に憲法9条を読んだことがありますか? それは本物の憲法9条ですか? はっきり言いましょう。そんなはず、ありません――挑発的な文章から始まる本書は、これまで論じられなかった視点を提起する。「日本国憲法は平和主義なのか」「教科書はどのように偏向しているか」「自衛官はどう考えているか」等、護憲派も改憲派も、総理も共産党も目からウロコ間違いなし。まったく新しい「9条」入門の誕生。
  • 誰も知らない「3つの殺人」――首謀者は塀の外にいる! 「凶悪殺人犯」の驚愕告発
    -
    「未発覚の殺人事件があります」。元暴力団組長、後藤良次は殺人と強盗致死の罪で死刑判決を下され、現在、最高裁に上告中の身である。その後藤が、他に2件の殺人と1件の死体遺棄を行っており、闇に埋もれていると証言。取材の結果、信用性は極めて高いものと判明した。警察も知らない3つの殺人事件の全貌とは――。「新潮45」2005年11月号の特大スクープを電子化。

    試し読み

    フォロー
  • 団塊絶壁(新潮新書)
    -
    団塊世代の足元に、人生の“断崖絶壁”が広がっている。認知症、がん、人間関係、お金等々、問題は山積。うまくやっている人、やれない人は何が違うのか? ビートたけし、堺屋太一、弘兼憲史、ガッツ石松、山折哲雄、曽野綾子……医師から各界の賢人、達人に総力取材。「『決まり事』を作って認知症に備えよ」「『安楽死』は誤解だらけ」「男性ホルモンが幸福の源になる」――知らなかったでは勿体ない「70歳から」の歩き方。
  • 断崖、その冬の
    3.5
    西田枝美子は「北陽放送」の看板アナウンサー。「ミス北陽」と謳われた美人である。その枝美子も、今年で三十四歳。冷たく澱んだ北陸の冬は、身辺にも迫ってきた。ラジオへの転属をほのめかされ、孤独を味わう日々。が、そこへ一人の男が現れた。六歳年下のプロ野球選手の志村は、若く荒々しく甘美な情熱で枝美子を虜にする。その冬の終わり、男は枝美子の希望そのものであった。
  • 談志が死んだ
    3.8
    その死は弟子たちにも伏せられていた。立川談志、享年七十五。この不世出の落語家に入門したのは十八歳の春だった。それから四十年近く惚れ抜いた師匠から突然の破門宣告。「てめえなんざクビだ」。全身が震えた。怒りの理由が分らない。振り回され、腹を立て、やがて気づいた。大変だ。壊れてるんだ、師匠は――。偉大な師匠(おやじ)の光と影を古弟子(せがれ)が虚実皮膜の間に描き尽す傑作長篇小説。
  • 談志歳時記―名月のような落語家がいた―
    4.4
    わたしは十五歳の時、末広亭で彼の真打披露興行を見て、人生が決まってしまった――。落語を芸術に高めた男・立川談志との五十年を描く慟哭のメモワール。談志はどれだけ落語に愛され、どれだけ落語を愛し、破壊し、創り直していったか。老いや病そして落語と格闘し続けた最後の五年間を間近で克明に記した日記を附す。

    試し読み

    フォロー
  • 談志のはなし(新潮新書)
    3.0
    「情報を疑え、常識を疑え、地球儀なんぞ信用するな」。〈最後の名人〉と謳われた立川談志が逝ってはや十年。その活躍は落語界に留まらず、多くの著作や音源で金言・名言、芸論等を遺してきた。没後十年の節目に、高座などでは分からない「普段の談志」をもっと知って欲しい――前座生活十六年半。弟子の中で一番長く談志と時間を共にした著者だからこそ知る、唯一無二、笑いはもちろんホロリとさせるエピソードが満載!!
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)
    3.7
    美術評論家のおれが住む家のまわりでは喧嘩がたえまなく繰り返され、老いた母と妻、娘たちを騒ぎから守ろうとおれは繰り返し対応に四苦八苦。そこに死んだはずの父親や息子が繰り返し訪ねてきて……。コピー&ペーストによって執拗に反復され、奇妙に捩れていく記述が奏でるのは錯乱の世界か、文学のダンスか? 巨匠が切り開いた恐るべき技法の頂点にして、前人未到の文学世界!
  • ダンス
    3.5
    1巻1,870円 (税込)
    同じ部署の三人が近頃欠勤を繰り返し、その分仕事が増える私はイライラが頂点に。ある日、三人のうちの一人、先輩女性の下村さんから、彼らの三角関係を知らされる。恋人を取られたのに弱っているのか開き直っているのか分からない下村さんの気ままな「ダンス」に翻弄される私は、いったいどうすれば――新潮新人賞受賞作。
  • 男性恐怖症だった私がAV女優になるまでの話 1巻
    -
    児童虐待、不登校、自殺未遂――。元AV女優が自ら執筆する衝撃の自伝。中学時代は男子が半径5メートル以内にいるだけで動悸と息切れがした。男性恐怖症になった原因は家族からの虐待。逃げ場のない生活の中で、少女が見つけた光は――?
  • 段取りの“段”はどこの“段”?―住まいの語源楽―
    3.3
    段取りの“段”はどこの“段”? 几帳面の“面”はどこの“面”? 埒があかないのラチ、沽券にかかわるのコケンって何? 意外と答えられない人も多いのではないでしょうか。言われてみると気になる謎の数々、実はその由来は「住まい」「建築」関連の専門用語や業界用語だったのです。厳選された51の言葉の語源、変遷を徹底的に解説。思わず他人に披露したくなるようなトリビア満載の住まいの語源“楽”講座、開講!※新潮新書版に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • 断片のアリス(新潮文庫nex)
    4.3
    雪と氷に閉ざされた現実世界から離れ、人々は生活のほとんどをVRシステム―ALiS―の中で過ごしていた。傷つくことのない穏やかで平和な仮想空間で。しかし突如、椎葉羽留は囚われた。痛覚も“死”も存在する恐怖のVRクラスタに。ログアウト不能の狂気の館で、連鎖する殺人。そしてたどりつく、この創られた世界の真相と、彼女の正体とは !? 衝撃の結末に驚愕するVR脱出ミステリ。
  • ダンボール城の王子様 Episode1 ガールmeetsホームレス!?
    無料あり
    -
    1~30巻0~51円 (税込)
    ド田舎のビンボー家庭で育った安居桜子は、何が何でも東京で玉の輿と結婚したかった。相手を見れば年収がわかる桜子の前に、年収測定不能の超絶イケメン男・九条冬夜が現れ、運命の出会いを確信する桜子だったが…。

    試し読み

    フォロー
  • 断薬記―私がうつ病の薬をやめた理由―(新潮新書)
    -
    二〇一〇年、うつ病と診断された。大量の向精神薬や睡眠薬を飲み、通院する日々。執筆意欲は衰え、日常生活を律することも叶わず、自殺未遂を三度も起こしてしまう。「薬はもう飲みたくない」。その思いから医療関係者への取材を敢行、「減薬」に挑み、そして遂に「断薬」に――。心の支えとなる主治医との出会い、専門医との協力、副作用への対処、荒行のような湯治……試行錯誤の過程をすべて明かした、大宅賞作家による衝撃の私記。
  • 団欒
    3.5
    なぜ自分にこの親、この兄弟姉妹なのか。いつもやたらとベタベタしているのに、実はバラバラだったりする。「家族」って、よくよく考えてみれば、ヘンなものだと思いませんか? この本には、なかでもきわめつけのヘンな家族が登場します。深夜、息子がいきなり彼女の死体を連れて帰ってきたり、夫婦の寝室に「ママ」がいたり……。これに比べれば、お宅はまだまだ大丈夫でしょう?
  • ダークネス
    3.9
    1巻2,750円 (税込)
    私の愛した男たちは皆行ってしまった。私の魂を受け止めてくれる相手はもうどこにもいない――衝撃作『ダーク』から20年、村野ミロは生きていた。そして息子のハルオは「悪」を知る旅に出るが……。息子を守るため、凍る火の玉、ミロの最後の闘いが始まる。圧倒的迫力で描く、著者渾身のエンタテインメントの結末は。
  • ちあきなおみ 沈黙の理由
    3.5
    最愛の夫であり、プロデューサーでもあった郷鍈治の死を機に、ちあきなおみは芸能界から姿を消した。しかし、彼女の歌声を懐かしみ、永遠の歌姫の復活を願う声は絶えない。なぜ彼女は歌を封印してしまったのか。28年間にも及ぶ沈黙の理由と彼女の意外な素顔を、郷の死去を挟み8年間、側で支えた元マネージャーが初めて明かす。
  • 小さいおじさん(新潮文庫nex)
    3.3
    市役所建設課に勤める新米女子職員の千秋はある日、給湯室で不思議なものを目にした。歌をうたいながら踊る着物姿のおじさん――驚くべきことに、その身の丈は15センチほどしかない。孤独な人にだけ見える、小さい(だけどへそまがりで態度はやたら大きい)おじさんの力を借りて、5年前の殺人事件の謎解きに挑む千秋だったが……。史上もっとも凸凹なコンビで贈るミステリ、誕生。
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み
    3.8
    妻を失い、新しく芸術に生きようとする作家の覚悟と、残された小さき者たちに歴史の未来をたくそうとする父性愛にあふれたある夜の感想を綴る『小さき者へ』。“君”という語りかけで、すぐれた画才をもちながらも貧しさゆえに漁夫として生きなければならず、烈しい労働と不屈な芸術的意欲の相剋の間で逞しく生きる若者によせた限りない人間愛の書『生れ出づる悩み』の2編を収める。

    試し読み

    フォロー
  • ちいさこべ
    3.9
    江戸の大火ですべてを失いながら、みなしご達の面倒まで引き受けて再建に奮闘してゆく大工の若棟梁の心意気がさわやかな感動を呼ぶ表題作、藩政改革に奔走する夫のために藩からの弾圧を受けつつも、真実の人間性に目を見ひらいてゆく健気な女の生き方を描く『花筵』、人間はどこまで人間を宥しうるかの限界に真正面から挑んだ野心作『ちくしょう谷』など、中編の傑作4編を収録する。

    試し読み

    フォロー
  • 小さな天体―全サバティカル日記―
    -
    アイスランドの火山灰から福島第一原発の放射能まで。地球がいかに小さな天体であるか、改めて知らされたこの一年。春夏はデンマークのコペンハーゲン、秋冬はアメリカ西海岸サンタバーバラに暮らし、帰国したのは「震災後」の日本だった――。見ること、考えること、人とともに生きることを積み重ねた、サバティカルの全記録。

    試し読み

    フォロー
  • チェレンコフの眠り(新潮文庫)
    4.0
    猫のまたぐらよりも暑い夏の日、マフィアのボス、チェレンコフは、武装警官隊に襲撃され、殺された。独り残されたペットのヒョウアザラシのヒョーは、空腹に耐えかね、アザラシ専用ゴルフカートに乗り、荒廃した外の世界へ飛び出す――。ヒョーのつぶらな瞳に映る、汚染された土地、プラスチックの雨、そして奇妙な人々……。唯一無二の読後感、ユーモアと悲哀に満ち溢れた、不条理で美しい、旅の物語。(解説・大森望)
  • チェーホフの手帖
    -
    「手帖」は、チェーホフの円熟期に当る一八九二年から一九〇四年まで、また「日記」は、一八九六年から一九〇三年まで、そして「題材・断想・覚書・断片」も、ほとんど同時期のもの。いずれも幾多の名作を、その背景に持っており、生の小さな出来事や、生のありのままの姿を具体的に捉え、具体的に表現することを信条とする巨匠の、楽屋裏ともいうべき、整然と丹念な私録である。
  • 地下アイドル潜入記 デフレ社会のなれのはて
    2.8
    「濱野さん、地下、行ってみます?」AKB古参オタクからの誘いにより、筆者の日常は一変した。ほとんどマスメディア(=地上)に露出することのないけれど、無数に存在する「地下アイドル」たちの世界。なぜ、異様なまでの〈進化〉を遂げているのか? そこには「失われた20年」と呼ばれる経済低迷期の中に生まれた新たな社会の可能性があった。
  • 地下室の手記
    4.2
    極端な自意識過剰から一般社会との関係を絶ち、地下の小世界に閉じこもった小官吏の独白を通して、理性による社会改造の可能性を否定し、人間の本性は非合理的なものであることを主張する。人間の行動と無為を規定する黒い実存の流れを見つめた本書は、初期の人道主義的作品から後期の大作群への転換点をなし、ジッドによって「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」と評された。
  • 地下水路の夜(新潮文庫)
    3.8
    銀座の地下を流れる水路で、絵本を読み聞かせる美女に出会った少年の日。あれは全部、夢だったのか? 本を人生の友とする男の芳しき幻想譚(「地下水路の夜」)。死んだ少女に捧げる奇妙な言辞。そのリフレインが巻き起こす摩訶不思議な出来事とは(「朗読者」)。源氏物語、ギリシャ神話、夢十夜。短編の名手が古今東西の名作と共に、あなたを不思議な世界へと誘う。全ての本好き(ブッキッシュ)に贈る12の物語。
  • 「地球のからくり」に挑む
    4.4
    地球は謎の塊である。その塊からエネルギーを次々に獲得し、万物の長となった人類は、今やエネルギー中毒に罹っている。なぜこんなことになったのか? そもそも地球の定員は何人か? 宇宙から飛来した石油の源、毒ガス開発学者が生み出した新肥料、未来の新エネルギー……第一線の地球科学者が工学、文化人類学、文学などの広範な最新知見を縦横に駆使し、壮大な物語を綴る。科学と文明史が見事に融合した快作。

    試し読み

    フォロー
  • 地球の履歴書
    4.4
    科学の発達とともに、私たちは少しずつ地球の生い立ちを解明してきた。戦争や探検、数学の進歩や技術革新などのおかげで、未知の自然現象の謎は氷解したのだ。海面や海底、地層、地下、南極、塩や石油などを通して地球46億年の歴史を8つのストーリーで描く。講談社科学出版賞受賞のサイエンティストによる意欲作。※新潮選書に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • ちぎれた夜の奥底で(新潮文庫)
    4.0
    1巻605円 (税込)
    業績悪化に苦しむ損保代理店課長の田口(42)は、法人契約をまとめた部下の千咲(32)と寝てしまう。彼女には社内結婚した年下の夫がいた。危ういダブル不倫は爛れてゆく。深夜のオフィスや屋上での交接、ウリセンボーイとの乱交。その度に千咲の知的な美貌は羞恥に歪んだ。刹那の快楽こそが救いだった。だが快感に溺れ切った田口の心は、やがてちぎれていく……。官能ノワール長編。
  • 千曲川のスケッチ(新潮文庫)
    3.6
    明治三十二年四月、詩集「若菜集」などにより、すでに新体詩人として名声を得ていた藤村は、教師として単身、信州小諸へ赴いた――。陽春の四月から一年の歳月、千曲川にのぞむ小諸一帯の自然のたたずまい、季節の微妙な移り変わり、人々の生活の断面を、画家がスケッチをするように精緻に綴った「写生文」。「詩から散文へ」と自らの文学の対象を変えた藤村の文体の基礎を成す作品。(解説・平野謙)
  • 血腐れ(新潮文庫)
    3.7
    1巻693円 (税込)
    亡き夫に唇を触れられたと語り出した義妹(「魂疫」)。縁切り神社で行われる“儀式”(表題作)。忌まわしき伝承を持つ鐘が鳴るとき(「声失せ」)。原因不明の熱に苦しむ息子に付き添う私に近づいてきた女(「影祓え」)。身近な者の災難や死が切り裂いた日常。煉獄の扉を開くのは、無念を抱く冷たい死者か、あなたの傍らで熱を放つ家族か。禁忌を踏みこえた先に見える真相。戦慄のホラー・ミステリー短編集。(解説・杉江松恋)
  • 知財戦争
    3.4
    青色発光ダイオード、医療技術特許、CGアニメ、「浜崎あゆみ」……。特許や著作権などの知的財産権は、うまく活用すれば莫大な富を生み出す。先進国のビジネスはもはや、知的財産権を抜きにしては語れなくなった。知財ビジネス、知財振興政策の大競争時代に、世界はどう動き、日本はどう対応しようとしているのだろうか――。「見えない戦争」の最前線をレポートする。

    試し読み

    フォロー
  • 痴者の食卓
    3.5
    1巻1,144円 (税込)
    なぜ、カッとなると後先のことを考えず、女であろうが容赦せず、思うさまに怒りを爆発させてしまうのか──。同棲する恋人への暴言、暴行、燃えたぎる憤怒が鎮火した後の激しい後悔と罪悪感をも描く五篇。二度は戻れなかった生育地への、長年心の奥底に引っかかっていた残影を描く一篇。平成の無頼派真骨頂の最新私小説集。
  • 地上最強の男―世界ヘビー級チャンピオン列伝―(新潮文庫)
    4.0
    ボクシングのヘビー級チャンピオン。彼らは地上最強の男であると同時にアメリカの近代史を動かす存在でもあった。圧倒的な強さを誇り白人社会を挑発したジャック・ジョンソン、国を背負って闘い黒人の地位を引き上げたジョー・ルイス、そしてベトナム戦争をめぐり反権力の象徴となったモハメド・アリ……26人の王者たちの栄光と悲哀を追いながら、彼らが生きた時代をも活写する感動の巨編。(解説・宮崎正博)
  • 痴情小説
    3.0
    岡山弁で「いじる」は「いらう」、「舐める」は「ねぶる」――。洗面台に手を突かせると、背後から真っすぐ硬くなっているものを尻の割れ目に押しつけてきた。男は女の耳たぶを噛みながら囁く。「結婚しちゃる。じゃけん、もう一人の男とは別れるんじゃで」――男は執拗にいらい、女は必死にねぶる……そこに恐怖を潜ませながら。官能と恐怖。ふたつが混ざり合ったときそこには究極のエロスの世界が開かれる。著者だけが探り当てたエロスの最奥13編。

    試し読み

    フォロー
  • 地図―初期作品集―(新潮文庫)
    4.0
    1巻649円 (税込)
    石垣島制圧に沸く琉球国を、祝賀のため訪れた蘭人たち。彼らが献上した軸物を見るや国王はたちまち顔面蒼白になった……。表題作「地図」をはじめ、「怪談」「花火」など同人誌等掲載の初期作品を通して、中学生津島修治から作家太宰治誕生までのドラマを読む特別篇。後年、太宰の筆と確認された「断崖の錯覚」や、文庫初収録の「貨幣」「律子と貞子」など文豪への出発点を刻印する作品群。(解説・曾根博義)
  • 知性の未来―脳はいかに進化し、AIは何を変えるのか―
    NEW
    -
    40億年前にDNAが誕生し、ニューロンが発生して脳になり、やがて人間の脳が言語を発明する……生命の壮大な歴史を、AIの最新の研究成果と比較しながら辿り直し、5つのブレイクスルーが知性を発展させてきたことを解き明かす。そして今、「第6のブレイクスルー」が目前に迫る――。異能のAI起業家が到達した「必然的ビジョン」。
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    4.0
    父・露伴の死にゆく姿と、続く葬儀の模様を綴り、刻々の死を真正面から見つめた者の心の記録とした『父―その死―』。掃除のあとで、念を入れるために唱えなければならない呪文「あとみよそわか」のことなど、露伴父子の日常の機微を伝えるエピソード七話からなる『こんなこと』。誠実に生き、誠実に父を愛し、誠実に反抗した娘が、偉大な父をしのんで書き上げた、清々しいまでの記録文学。
  • 父、断章
    3.5
    1巻1,408円 (税込)
    怒りに駆られ、私の胸ぐらをつかんだ父。旅先の宿で、ふと姿を消した母。混雑するプラットフォームで、私を探し続けた恋人――。訪れた土地や手に取った書物の中に息づく過去の断片が、作家自身の記憶を揺さぶるとき、もう二度と会うことのない人への思いが湧き上がる。自伝的要素の強い表題作ほか、全7篇を収める短篇集。
  • 父と暮せば
    4.5
    「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹造は、実はもはやこの世の人ではない――。「わしの分まで生きてちょんだいよォー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる、魂の再生の物語。
  • 父と子
    4.1
    農奴解放前後の、古い貴族的文化と新しい民主的文化の思想的相剋を描き、そこに新時代への曙光を見いださんとしたロシア文学の古典。著者は、若き主人公バザーロフに“ニヒリスト”なる新語を与えて嵐のような反響をまきおこしたが、いっさいの古い道徳、宗教を否定し、破壊を建設の第一歩とするこのバザーロフの中に、当時の急進的インテリゲンチャの姿が芸術的に定着されている。
  • 父の威厳 数学者の意地
    3.9
    冷徹なはずの数学者が、涙もろくて自他共に認める猪突猛進!? 妻、育ち盛りの息子三人と暮す著者。健全な価値観を家庭内に醸成するためには、父親の大局的認識と母親の現実的発想との激論はぜひ必要と考えるのに、正直、三人の部下を従えた女房の権勢は強まるばかり。……渾身の傑作「苦い勝利」、文庫初収録の15編など、父、夫、そして数学者としての奮戦模様を描いて、本領全開の随筆66編。
  • 父・藤沢周平との暮し(新潮文庫)
    3.3
    幼い日、会社勤めをしながら、男手ひとつで子育てに奮闘した父。夜なべで幼稚園の手提袋を縫い、運動会のためにのり巻を作ってくれた姿。育ての母を迎え、親子三人が川の字になってテレビを見ながら寝た夜。そして、娘の心に深く刻まれた「あいさつは基本」「自慢はしない」「普通が一番」という教え。やさしいけどカタムチョ(頑固)な父・藤沢周平の素顔を、愛娘が暖かい筆致で綴る。
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)
    4.0
    地下鉄を東京に走らせる。〈非常識〉な大事業を決意した早川徳次。経験も資金もゼロだったが、大隈重信、渋沢栄一を口説き、ついに上野―浅草間を開業する。日本初の自動改札機やATSを導入、日本橋三越本店直結の駅も作った。だが、ライバルが現れた。のちの「東急」の五島慶太である。地下鉄の路線をめぐる非情な戦いが始まった……。夢を追いかけた非凡な実業家の波乱の生涯を描く傑作。(解説・酒井順子)

最近チェックした作品からのおすすめ