田中宏和の作品一覧
「田中宏和」の「全員タナカヒロカズ 無料お試し版」「全員タナカヒロカズ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
昨日、高校の卒業年次が同じ連中を集めて同期会をやりました。部活単位とかクラス単位とかいつも麻雀やっていた仲良しとかでなくただ卒業アルバムに乗っている人という漠然とした人が対象です。毎年なんとなくやっているのですが、毎回恐る恐る新たに参加してくれる人もいます。実は高校3年間、一度も話したことがなくても、記憶から零れ落ちている人でも「あの頃あの場所」で過ごしたということで盛り上がれるのが、なんか不思議に感じたりもします。ああ、これがこの本で言っている「ゆる友」の気分なのかな?と思いました。ただこの本での「あの頃あの場所」は「全員同じ名前」というのが「ゆる」は「ゆる」でも「スペシャルゆる」なのでした。でも、それはユニークでもなく名前としてはごくごくフツーな感じの名前であるところがポイントなのです。フツーをスペシャルにしていく活動記録として楽しみました。それが会社という存在にまで至っていくのです。タナカヒロカズ株式会社の企業理念に書かれている「あたりまえを、あたらしく」のフレーズではちょっと感動してしまいました。前半、おもしろプロジェクトでの出会いと気づきのレポートですが、後半は現代社会のコミュニティ論になっていくのも驚きました。「コミュ二ケーティング」覚えておきます!この本、著者の類稀なる活動量が目立ちますが、その裏側を支えるのは類稀なる読書量であることも、なんとなく感じました。
Posted by ブクログ
著者初読。
ある日ニュースを見ていたら、職場の同僚「タナカヒロカズ」さんが写っていた。
同じ名前の人で集まるコミュニティ?
そこから興味を持った本書。
全員タナカヒロカズを読み終えたとき、胸に残ったのは不思議な静けさだった。奇抜な設定に心を掴まれながらも、物語が辿り着く場所は決して奇をてらったものではない。むしろ、誰もが一度は抱く「自分とは何者か」という根源的な問いへと、まっすぐに向き合う誠実さがある。
同姓同名という偶然。その偶然によって結びつく人々の姿は滑稽でありながら、どこか切実だ。名前は本来、他者と区別するためのもののはずだが、本作ではそれが逆説的に「共有」される。その状況下で浮かび上がるのは、肩書きでも経歴でもない、“その人だけの人生の重み”である。
読み進めるうちに気づかされるのは、私たちがどれほど「名前」というラベルに安心し、また縛られているかということだ。ありふれた名前であることへの不安、替えのきく存在であるかもしれないという恐れ。しかし物語は、静かに、しかし確かな筆致で告げる。
――たとえ名前が同じでも、人生は決して重ならない。
一人ひとりの選択、躊躇、挫折、そしてささやかな希望が、その人を唯一無二の存在へと形づくっていくのだと。
ユーモアの裏にあるのは、深い肯定だ。誰かと同じであることは、無価値であることではない。むしろ、同じ名前を持つ他者と出会うことで、自分という存在の輪郭はより鮮明になる。その過程が、温かく、優しく、そしてどこか眩しい。
読み終えた後、自分の名前をそっと声に出してみたくなる。そこには誇らしさでも虚勢でもなく、「これが私だ」という静かな実感が宿る。本作は、特別になろうと焦る現代に対して、穏やかな光を投げかける。
特別でなくてもいい。だが、あなたは唯一無二である――その真理を、軽やかさと重厚さを併せ持つ物語のかたちで示してくれた作品だった。
奇抜な設定に始まり、深い人間肯定へと着地するその構成は見事であり、読後に残る余韻は長い。静かな感動とともに、自分という存在を少しだけ愛おしく思える、そんな力を持った一冊である。
エッセイ的な
タイトルから、死んだ〇〇の大群みたいなものかと思ったら、まさかの作者が同じ名前を集めていた。
なんちゅう行動力だ。
自分の苗字は百均の判子でみつかりにくいから、真似出来ない。
田中だから出来たことだなこれ。
Posted by ブクログ
さらば青春の光の番組で知り、面白そうだと思った。
著者がギネスに挑戦したこと、すぐに記録が破られたことなどを楽しく語っていたから。
同姓同名で集まる楽しさがあるなんて、思いもよらなかった。
「たまたまおんなじ」がこれほど盛り上がるとは。
なぜ盛り上がるかを、きちんと考察しているのもいい。
名前や共同体、偶然性など、様々な資料を集め、著者なりに考察している。
同姓同名だからこそ、「人間は誰一人として同じでない」ことに気づくのは、著者ならではの経験があってこそ。
当たり前の言葉ではあるけれど、実体験が伴っているから重みがある。
昔からぼっち気質だけど、ちょっとだけ、「どこかに所属したいな」と思えた。