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誰にでも、いつかは必ずやってくる人生の終わり。旅立ちの手助けを生業とする人たちがいる。葬儀社社員、湯灌師、納棺師、復元師、エンバーマー、火葬場職員……。なぜこの職業を選んだのか。どんな思いを抱いて働いているのか。忘れられない経験とは。著者は、「死」と向き合うプロたちの言葉に耳を傾け、葬送の現場を見て歩く。光があたることのなかった仕事を描破した感動のルポルタージュ。
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Posted by ブクログ
寺山修司『懐かしのわが家』 “ぼくは不完全な死体として生まれ、何十年かかって、完全な死体となるのである” 人体の水分比率は60〜70%で、人間、焼いたら気体になって空に昇って雲になる。 雲は水になって降りてくる。その繰り返し。 人なんて、あってないようなもの まじで葬送の仕事師のみなさまには頭が...続きを読む下がる 火葬場で実際に焼くお仕事の人たちの話すごいなぁ きれいにちゃんと焼けるように、手作業で、遺体を棒で動かしながら焼く…! 棺に入れた花とか思い出のものたちはすっかり燃え尽きるのかと思ってたけど、炉の温度を下げたり火の回りを悪くするからって途中で除けられる…! 本当にもう職人技だし感謝と尊敬しかないわ いやぁやっぱしロッカー式とかビル内で管理されるお墓とか考えられんわぁ全然成仏できる気がしない お通夜お葬式は簡素化大賛成だけど、お墓はねぇ… 雑草抜いたり手がかかるの込みでお墓参りっしょ 死=心が肉体から離れて自由になることだから、死亡後の肉体は生物的役割を終えたもので、極端に言えば“使用済みのゴミ” 使用済みのゴミを尊んでも意味がないのに、なんで葬式の形式が要るのか 一方で、霊魂は不滅だから、心のうちでは亡くなった人は永遠に生き続ける
『ほどなくお別れです』を読んだ後、葬儀社の人達の仕事を知った。けれど、それ以外にも葬送に関わる人達がいる。 様々な死に方をした人がいる。望むと望まざるに関わらず、人間の体は亡くなった時から腐敗が始まる。亡くなってすぐに葬儀が行われ、荼毘に付される方はいい。亡くなって、すぐに見つけてもらえず腐敗が進...続きを読むんだご遺体、事故や災害でまともな状態ではないご遺体。それを復元し、家族に最後のお別れをさせてあげられるのが復元師、エンバーマーと言われる人達だ。著者の井上さんは、彼らに取材し、その仕事ぶりも、彼らの仕事に対する意識の高さもていねいに書かれていた。 エンバーミングは、アメリカで南北戦争の際、亡くなった兵士の遺体を遺族の元に長距離搬送する必要があったことから広まったという。遺体の一部に小切開を施し、端的に言うと、動脈に衛生保全液を注入し、静脈から血液を排出することにより、遺体の腐敗を遅らせるという仕組みになっている。 現在ではアメリカとカナダで七割以上、北欧とイギリスでも六割以上の遺体に施術されているという。時々テレビで有名な人が亡くなった時、葬儀が何日間にもわたって行われる事がある。あれはしっかりエンバーミングされているのだなと納得だった。 もうひとつ目からうろこだったのは、火葬場で働く人達についての取材だった。 私は今まで何度も収骨を経験してきたのに気づかなかった。井上さんも書いているけれど、今どきの火葬場では炉前で火葬開始のスイッチを押せば、人手を要することなく遺体は自動的に焼かれるものだと思っていた。 「最初の十分ほどで棺が焼けて、ご遺体がむき出しになります。バーナーが頭の上にあるので、先に頭部の方から火葬が進むんです。炉の中を火が回りますが、下半身のほうの火はどうしても弱いので、頭の側にある小窓からデレッキを入れて、ご遺体の脇の下に当てて、手前に持ってくるんですね。」ちなみにデレッキとは、先端部分がL字に曲がった鉄の棒のこと。そして、私達が収骨しやすいように焼け残ったお骨を並べて下さっているのだ。 私達は故人の思い出の品々を棺に入れ、花で埋める。でもそれはかえって、火葬を燃えにくくしてしまっているらしく、きれいに火葬してあげるなら、何も入れない方がいいと言われていた。でも、それはそれで遺族としてはやっぱり棺の中は故人の好きなもので埋めてあげたいし、私は好きな本と、好きな花に囲まれて火葬してほしいなと思う。 今まで知らなかった仕事師について知る事が出来て面白かった。生々しい描写もあって、賛否両論かもしれないけれど、こういう仕事があるということを知るのもいいかもしれないと思う。
葬儀に関わる仕事をしている方々にスポットを当てたルポルタージュ。 葬儀業界への就職を希望する専門学生、湯灌や復元、エンバーミングを行う人たち、火葬場で働く人たちへの丁寧な取材を読む事ができる。 特に衝撃だったのが、ご遺体の復元をされる際に、本来であれば感染防止のためにゴム手袋をしなければならないのに...続きを読む、ご家族の前だからという理由で素手で復元作業を行い、その都度ひっそりと消毒液に手を浸していた場面。これはもう本当に素晴らしいプロ意識だと感じた。 ご遺体を背負って運んだり、湯灌や復元の際にご遺体に話しかけながら作業を行ったり、こんな仕事だからと見下されたり、火葬場で喉仏がないと怒鳴りつけられたり、様々なエピソードから「人の死」というタブー視されがちな部分にまつわる仕事について考えさせられた。 正直この本を読むまでは、人は亡くなったらその瞬間で終了だと思っていたが、その後もこんなにも尽くしてくれる人たちがいるのだと思うと、真の意味の孤独死なんて存在しないんじゃないのかという希望を抱かせてくれる本だった。
葬儀社社員・湯灌師・納棺師・復元師・エンバーマー・火葬場職員、どの職業も死者に対し尊敬念を持ち誇りを持って仕事をしているのが垣間見られた。「死」という誰もが通る道だが、その時にどう有りたいかを話す機会はなく「縁起でもない」として忌み嫌う傾向にある。また、身近な人の死に直面すると、悲しみが強く、一連の...続きを読む流れに身を任せているうちに終わってしまった虚しさが残ることも多かったが、淡々とこなす仕事も、自分達が悲しみに浸れるようにしてくれていたのかもと本書を読み感じさせられた。
普段、全く意識していなかった葬送の仕事。葬儀社、エンバーマー、火葬炉で働く人々など、壮絶な仕事の姿が書かれていた。 うつ病で何度も死にたいと思う経験をしたが、死んだ後自分がどう送られるのかを考えたことがなかった。本著で書かれた葬送の仕事師たちの思いの中で送られるのなら、死ぬこともそう悪くないなと思っ...続きを読むた。一方で遺族のことを考えると、死ぬときはできるだけきれいに死にたいもんだと思うようになった。 死を身近に感じることができる一冊。 いかに自分が死んだ後のことに無知だったかを思いしらされた。身近なひとたちの死は避けられない。だからこそ生きている今を大切にすることと、死んだ後にどのような思いで弔うかにも想いを馳せることは大切なように思える。 葬送の仕事師たちの言葉から、生きることと死ぬことは続いているのだということをつくづく思い知らされて、生きていることに清々しさを感じることができたように思う。
ある日ふと目に留まり、 気になっていたものの手に取るまでに ある程度の月日を要する。 購入したのは父が亡くなり10年目の年。 読み始めるまでに時間がかかる。 大事な大事な友人が亡くなり、 この本からまた遠ざかりたくなったが 「読まなければならない」ある日ふとそう思った。 葬儀社社員、湯灌師、納棺...続きを読む師、復元師、 エンバーマー、火葬場職員… 旅立ちを支える人たち。 彼らは日々「死」と真正面から向き合い、 悲しみに打ちひしがれる遺族だけではなく 亡くなった人にも寄り添う。 きれいな遺体ばかりではない。 家族や友人に囲まれて旅立つ人ばかりではない。 どんな場合であろうと、真摯な姿勢は変わらない。 そこに仕事と割り切っている人はいないのだ。 「辛くて読めないかもしれない」 そう思っていたわりに比較的冷静に読み進められたけど、 火葬場職員の話のところは相当苦しかった。 火葬場のひんやりとした空気、 さらに冷たい炉前に並ぶ無機質な火葬炉。 全て鮮明に残っていて、 何度か本を閉じては開くの繰り返し。 「きれいに焼く」 言葉だけ聞けば過激でもあり誤解され、 不愉快に思う遺族もいるだろう。 でもそうじゃない、わたしも今だからこそ、 その言葉の本当の意味と重みがよくわかる。 火葬場職員の方々を考えてみたことがあっても わたしは浅いところしか考えてなかった。 こんなにも沢山の「作業と苦労」があったなんて。 そして職員たちの思いの強さも わたしの想像をはるかに超えていた。 火葬場職員だけじゃない。 葬送を生業としている人たち。 彼らがこれほどの想いだったなんて。 この本を読まなければわたしはずっと 気づけないまま、知らないままだった。 「死」を語ることはタブーとされている風潮は 今だに根強いと感じる場面も少なくない。 でも「生」と「死」は切り離すことはできない。 この本を「読んでみて」など決して言えないし、 言う意味もないと思う。 必要な人には自然と手に取る時がくるかもしれないから。 父が亡くなった頃、映画『おくりびと』が大ヒットした。 どんなに好きな俳優が出ていても 「絶対観られない、観たくない」と拒絶したし この先も観ることはない。 だからこそ、この本を読むことができて本当に良かった。 父を大事に送ってくれた 葬送の仕事師たちに感謝しながら。 父、祖母、叔母、そして友人を想いながら。 追記。 大人の事情、取材相手に対する誠実さなのだろう、 取材先の歴史なども詳しく書かれている。 それがやや過剰な印象。 同じ書くにしてももう少しシンプルな書き方だと 気持ちがぶつ切りにならず、 入ったまま読み終えることが出来たように思う。
人をお看取りするまでが我々の勤めであるが、きれいに亡くなる方ばかりではない。 病気のために亡くなった方でも痩せてしまったり顔色が異なる様となってしまった方を戻す技術、また遺族と亡くなった方を繋ぐ技術と思いがあることを学んだ。 読み返す度8/10
本書でエンバーミングという言葉を初めて知った。南北戦争時代のアメリカ発祥の技術とのこと。 そして一番印象的だったのは、人がどう焼かれていくかということを語ってくれた火葬場の方達のお話。想像するとグロテスクではあるが、骨をキレイに残すのも技術がいるのだなと感心した。
葬儀社に3年程勤めていて転職した。理由は「儲からないから」いい経験になったとは思っている。 当時を懐かしみながら読んでみて、ビジネスとして見ると、それこそ死ぬほど勉強して、新しい形態を作るのが必要な業界だと思う。 2027年以降、団塊の世代が死に近付いていく年にはどうなっているのだろうか。
約20年前、父親を、亡くしました。そして去年、祖母を亡くしました。父親の時と祖母の時、葬儀会社は異なるものの、時代のせいか、葬祭業に携わる人たちの年代が20年前と比べて若いなぁと感じてました。 そして私は、若い時、生花店に勤務して、婚礼も、葬祭も大きな収入源となる業務でした。人生の大イベントに携わる...続きを読む仕事に誇りを持ってました。 若者たちが仕事のイメージを変えてくれる。希望ある業界だと思います。
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葬送の仕事師たち(新潮文庫)
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井上理津子
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