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遊廓の名残りをとどめる、大阪・飛田。社会のあらゆる矛盾をのみ込む貪欲で多面的なこの街に、人はなぜ引き寄せられるのか! 取材拒否の街に挑んだ12年、衝撃のノンフィクション。
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Posted by ブクログ
人間の欲を凝縮している街、飛田。 著者が12年かけて取材した渾身のルポ。 昭和を色濃く残す街であるが、事情がある人が集まり、 外からの人間を拒絶する。 写真を撮ることも簡単ではない街での取材、女性目線からの取材は興味深い。
世間をお騒がせの橋下大阪市長が過去に顧問弁護士をしてた、とかからの興味で読みました。 壮絶な人生が、お姉さんの数だけではなく経営者や曳手と呼ばれる客引きの人にもあることを知らされる内容でした。 だから、締めにある「客として行ってお金を落とすのは構わないが、物見遊山では行くな」には同意。
正直、著者の生の感情は鼻につく。 けれど、調べられた歴史や語られる取材内容の面白さに、ぐいぐいと読み進めることになった。
そこは桃源郷か地獄か。 大阪に残る色街、飛田新地。大きな声で語る人がいない、中の人も外の人も語りたがらない飛田について徹底した取材を元に書かれた労作。売買春は悪か、そんな話をするのではない。そこに生きた人、生きる人が口を開いた言葉を記録したものである。 性を売るのは自分の勝手ではないか。そういう...続きを読む意見の人もいるだろう。売春は悪いことだから廃業させなくてはいけない。そういう運動もあるだろう。だけどここに書かれているのは、他に行くことがなくて飛田に来た人がいて、飛田にいる人を蔑視する人がいるかということだ。そして悪いことだから辞めなさいと言って辞められるものではなく、他に生きる術を身につけさせて一人立ちさせるところまでやらないなら、この仕事はなくせないということだ。 あと読み終えて感じたのは、満たされてないことが他人への攻撃性を育てるのではないかということだ。貧しくても満足しているなら、自分を無理矢理持ち上げて、相手を下げる必要がない。近年日本でも海外でも閉塞感からか分断が広がり、自分と異なる者への攻撃が激しくなっているのは、それだけ満たされていない人が増えているからだと思った。
私はすき。
飛田新地に興味があるのですが、 女性なので中にはいることが出来ないので この本で飛田新地の歴史なども知ることも出来て とてもすきです。
10年以上に及ぶ飛田での取材に基づいたルポ。筆者は豊中の人で、ところどころ「綺麗な北から、ごちゃついた南への視点」を感じてしまったのは、私の私情からだろうか。貧困の末に飛田でしか生きられない女。非合法と知りながら黙認する社会や男。構造がつらい。
飛田新地のルポ。10年かけて、紆余曲折ありながら着実に情報を集めて形にした一冊。 性を搾取する場所があるなんてとんでもないというスタンスで取材をはじめる。しかしそのスタンスが取材を経るにつれてどんどん変容していくところが面白い。 本書の最後は「興味半分で行くな、お金を落としていけ」と締め...続きを読むる。 今も昔も女性が色街で働く理由は「お金」である。売りたい側買いたい側が存在し続ける以上このような場所はなくならない。
大阪でも有名な「飛田新地」についてのドキュメンタリー。かつて友人に連れられて怖いもの見たさで訪れ、その光景にただ驚くばかりであった記憶がある。この本を読んでからまた行くかと言われると、あとがきにもあった通り物見遊山で行くところではない。表の煌びやかに見える部分に隠されて、裏の知られざる世界があるとい...続きを読むうこと。そこに作者がまあこれだけ取材御法度の街を調べ上げたことに頭が下がる。
取材禁止の大阪府ミナミの色街・飛田について、様々な資料を調べ、様々な人にインタビューして、細かに書き上げた本。こんなところがあるなんて知らなかった。現代社会の一つの側面が見える。
飛田ほど異様な街は、この日本にそう多くはない。21世紀の法治国家においてそういう街が公然と存在していること自体が本来おかしな話なのだが、日本一の高さを誇るあべのハルカスの徒歩圏内、住宅地と商店街に囲まれたその領域が放つ異世界感も尋常なものではない。 しかし、そうした異世界も日本の近現代とは無縁でなく...続きを読む、異世界であるからこそかえって社会や制度の変遷に強く影響を受けながら今の姿にたどり着いたのも事実。そして当然そこに住む人働く人がいて、彼らが綿々と紡いできた営みの帰結でもある。飛田を知ることは、日本が歩んだ近現代の歴史の一側面を知ることでもある。ただ性的な関心や倫理的な正義感だけでは語り尽くせない射程を飛田はもっている。 ところが、飛田を知ろうとしても、飛田に関する文献資料はその知名度に比して驚くほど少ない。域内に百数十ある「料亭」はウェブサイトすら持たないし、関係者も多くを語らない。一般的なメディアで飛田が取り上げられることはほとんどない。もちろん域内での写真撮影が厳禁なのはご存知の通り。 そんななかで、10年という長期に渡って広範な文献資料と多くのインタビューを収集し、飛田の歴史からそこに集う人々までを描写した本書は単なるルポとしてだけでなく、日本の近現代を読み解くための資料としての価値も極めて高い。ノンフィクションとしてのつっこみの甘さは指摘されているものの、その後出版された料亭経営者自らによる手記を除けば、ひととおりまとまった唯一の文献であると言える。そして、その存自体が非合法である以上明日すぐにでも消滅するかもわからない飛田の記憶を、散逸してしまう前にこうして残しておくことは意義のある行為だろう。 とはいえ、飛田という土地の異様さや異世界感は、本書を読むよりも実際にその地を訪れた方がよほどよくわかる。飛田の光景を見れば、普段眠っている倫理観や問題意識が湧き上がってくる。日本の近現代を見直すうえで、飛田はいちどは訪れておくべき土地だと思う。
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