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死者が生者を呑み込み、絶滅に至らしめる謎の現象「デス・ストランディング」によって、国家は崩壊し、人々は分断され孤立して生きていた。死の世界から帰還する能力を持つ伝説の配達人、サム・ポーター・ブリッジズは、育ての母である合衆国最後の大統領・ブリジットから、都市や人々を繋ぎアメリカを再建する任務を託される。ゲーム『DEATH STRANDING』完全ノベライズ!
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Posted by ブクログ
ゲームの世界を小説にしたものだそうだ。プレイステーションは持っていないので、ゲームはプレイしたことがない。 ほとんどの人類が死滅し、残された人類で国家を再建するためにひたすら荷物を運ぶ主人公。生者と死者との境目が曖昧で、生者の世界に死者が存在したり、生者でありながら死者の世界へ行った後生者の世界に帰...続きを読むってきたりもする。 今までのところ、動物の描写が出てこないので、殆どの生物が死滅しているのだろう。雨に直接当たらないよう、防備している描写から昆虫から鳥、動物も全てやられたのだと考えられる。 多くの疑問を抱えつつ、自らの任務を全うすべく西に向かって歩き続ける。 下巻に続く。
小島秀夫原作、野島一人著『デス・ストランディング 上下巻』(新潮文庫、2019年)はゲーム『DEATH STRANDING』の小説である。謎の現象「デス・ストランディング」が起きた未来のアメリカが舞台。STRANDINGは座礁の意味。死の世界から反物質が現世に座礁し、生者と接触することで消滅を引き起...続きを読むこす。これによって、国家は崩壊し、人々は分断され孤立して生きていた。主人公サム・ポーター・ブリッジズは都市や人々を繋ぎアメリカを再建する任務を託される。 サムは特殊能力を持っているが、他人との物理的接触を忌避する接触恐怖症である(上巻18頁)。握手も嫌がる。かつて主人公は能天気な前向きキャラが定番であったが、『エヴァンゲリオン』などから他人との関係作りが下手なタイプが増えている。その方が物語の奥行きが深まる。 サムは一匹狼的であり、組織に束縛されることを嫌う。自分にとって有益な端末であっても、自分で外すことができなければ、「あいつらがどんな理屈をこねようと、人を束縛する鎖以外のなにものでもない」(上巻63頁)。現代日本では利益になるという名目で負担や我慢を強いる論理が横行しているが、その欺瞞を明らかにする。 以下の独白もある。「こちらの都合などおかまいなしだ。あいつらは、架け橋などと称しているが、つなげられる側のことなど何ひとつ考慮していない」(上巻64頁)。マンション投資の迷惑勧誘電話などに対して使いたい言葉である。 サムは仕事を押し付けておきながら、さらに支障がないかと口を出す態度にも腹を立てる。「これこそが、人を守るといっておきながら人を束縛する態度だ」(上巻64頁)。表面的には支障がないかを気にする態度は気にかけているように見え、気にかけないよりもずっと良いと思われるかもしれない。しかし、そもそも気にかけるならば相手に負担を押し付けなければいい。気にかけているポーズをすることで、相手に負担を押し付けたことを相殺しようとする自己正当化に過ぎない。責任逃れの無能公務員の卑怯な手法である。
ゲームが苦手なので、つながりをテーマにしたデスストランディングをプレイできないのが心苦しかった。なので書籍で読めたことが何よりも喜びでした!とくに自分はこのテーマに興味があったので嬉しかったです。 この本はメタルギアシリーズの生みの親としても知られる小島秀夫監督の『DEATH STRANDING...続きを読む』のノベライズ化です。 作品の舞台は謎の現象「デスストランディング」によって人々の分断を余儀なくされた北米大陸。地上には生者と接触することで大爆発を起こす謎の化物BTが闊歩し、触れたものの時を進めて老朽化させる時雨が降っている。BTは死者の肉体を48時間以内に焼かないと発生してしまうことや人々の分断を求める過激派がテロを起こすので集団で住んだり国家のようなつながりは危機となる。そのため、人々は小規模のシェルターにわかれており、その間の物資を運ぶ配送人が重宝されている。本作は主人公の配達人サムがアメリカ再建の夢を任され、北米大陸を横断する話です。 こんな世界なので人々はどこか諦念しており、逼塞している。そんな人々のもとへ配送や新たなアメリカへの勧誘を行うなかで、「つながり」に対する様々な考えがみられるのはとても魅力的に自分は思いました。 とくに自分はヴィクトールの思いからいろいろと考えてしまいました。ヴィクトールはSNSや配信などいろいろな人やモノが繋がっていた時代とそれを失い希望もなく閉じられた世界の両方を経験しています。だからこそ再び人々のつながった世界にするためのアメリカ再建を彼は志しています。 自分はあまりSNSをしないけど、たまに使っては人と繋がれています。アニメや映画を映画館やオンデマンドなどで観れて、そして感動や勇気、自分の気持ちの整理などができています。それらのおかげで嫌な仕事や現実から少しの逃避行となり、明日への希望になっています。彼のパートは対面やオンラインいずれの形であれ、人や社会と関われているのは活力になることを再認識してくれました。 もちろん、SNSとかは人と関わるストレスにもなるし、作品によっては分断を引き起こしかねないものもある。ここに繋がりに関する良し悪しがあって難しいこともまた再認識することにはなります。 この「つながり」という生きていくうえでの命題に喧々諤々しているのが登場キャラの心理描写などから楽しめるのが本作の魅力だと思います。それは繋がりについて色々と考えてしまう自分にとっては考えの整理にもつながります。その一方でゲームと違い風景などの描写が乏しいのは残念かもしれません。 下巻でさらなる「つながり」の行く末を読んでいきたいです。
小島秀夫ゲーム作品のノベライズ。映像も音楽も使えず表現するハンデは大きい。ただ、モリンゲンとロックネのエピソードが上手く再構成、表現さらていたのが印象的。
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