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八月の母
『イノセント・デイズ』を今一度書く。そして「超える」がテーマでした。僕自身はその確信を得ています――早見和真 長い間歪み続けた愛や母性の歴史、地層のように積み重なる闇に確かな兆しを探し続けた。神なるものへの幻想と呪縛を解き放つ祈りとその熱に、心が確かに蠢いた。――池松壮亮(俳優) 私も命を繋いでいく役目を担うのだろうか。微かな光と絶望に怯えながら、夢中で読み進めた。どうしようもない日々に、早見さんはいつだって、隣で一緒に座り込んでくれるんだ。――長濱ねる(タレント) 自分の奥底に隠しておきたい暗い何かをわかってくれている、という書き手がこの世に一人でもいること。そのことに救われ、気持ちが軽くなる読者は少なくはない。――窪美澄(小説家) 容赦などまるでない。「母」にこだわる作家が、母という絶対性に対峙した。確かなものなど何ひとつない世の中で、早見和真は正しい光を見つけようとしている。その試みには、当然異様な熱が帯びる。――石井裕也(映画監督) ラストに現れるヒロインの強い覚悟と意思の力に、私たちは元気づけられる。辛く暗く苦しい話だが、そういう発見があるかぎり、小説はまだまだ捨てたものではない。――北上次郎(書評家)(「カドブン」書評より抜粋) 八月は、血の匂いがする――。愛媛県伊予市に生まれた越智エリカは、この街から出ていきたいと強く願っていた。男は信用できない。友人や教師でさえも、エリカを前に我を失った。スナックを営む母に囚われ、蟻地獄の中でもがくエリカは、予期せず娘を授かるが……。あの夏、あの団地の一室で何が起きたのか。嫉妬と執着、まやかしの「母性」が生み出した忌まわしい事件。その果てに煌めく一筋の光を描いた「母娘」の物語。 -
仁義なき戦い〈死闘篇〉 美能幸三の手記より
昭和38年4月17日深夜、山村組組員が打越会会員を急襲、一人を射殺した。この一発の銃声が、敵対する両組による“広島ヤクザ戦争”の引き金となった。しかも背後には、力による日本制覇を狙う神戸の山口組、本多会の二大勢力がひかえていたのだ。殺(や)られたら殺(や)りかえせ――ヤクザ同士の血で血をあらうすさまじい抗争は、その一応の終結をむかえるまでに、組員のほか、巻きぞえにされた一般市民を含め、なんと40名を上まわる生命が奪われていった。これは、その渦中にあった美能組元組長・美能幸三の手記をもとに構成した、迫真のドキュメントである。 -
遺跡発掘師は笑わない イクパスイの泪
北海道の南部、日本海を望む上ノ国町の中世の館らしき遺跡の調査に派遣された西原無量たちは土の中から漆塗りのイクパスイを発見する。 イクパスイとはアイヌ民族が神(カムイ)に祈りを捧げる時に用いる祭祀の道具。 美しさに息を飲む一同だったが、その遺物と全く同じ姿形のものを地元の住人が所有していたことが判明する。 それは戊辰戦争時に旧幕府軍の兵を助けた礼として「土方歳三から贈られた御礼の品」だと一族には伝わっていた。 そのイクパスイに添えられた書面には、旧幕府軍に〈龕灯と蝋燭〉を貸し渡した際の担保として預けたことが記載されているのみで、およそ500年前の土坑跡から見つかったイクパスイとの接点は見いだせない。 無量とソンジュはこの2つのイクパスイのつながりを解明すべく、調査を開始する。 時を同じくして、明治元年に江差沖で座礁した開陽丸の水中発掘調査のため北海道にやってきていた司波孝たちに、突然「水中発掘をやめるように」との連絡が入る。 どうやら江差沖で新たに発見された謎の和船の船箪笥にその理由があるようで、調査チームも困惑する中、ついに調査用ボートの船外機が何者かによって破壊されてしまう。 萌絵と忍は、中止要請を出した者とその目的を探ることになったのだが、謎の和船について調べを進めると、沈没時に〈龕灯と蝋燭〉を積んでいたことが史料から明らかになった。 「としぞうのイクパスイ」と沈没した謎の和船に現れた〈龕灯と蝋燭〉という共通のことば。 幕末の出来事と現代の事件に影を落とす、そのことばの意味は果たして…? 大人気発掘ミステリシリーズ第20弾は果てなき大地へ…北海道編! -
ミステリークロック
――命がけの推理劇がはじまる―― 人里離れた山荘での晩餐会。招待客たちが超高級時計を巡る奇妙なゲームに興じる最中、 山荘の主、女性作家の森怜子が書斎で変死を遂げた。それをきっかけに開幕したのは命を賭けた推理ゲーム! 巻き込まれた防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、時間の壁に守られた完全密室の謎に挑むが......(「ミステリークロック」)。 表題作ほか計2編収録。『コロッサスの鉤爪』と2冊で贈る、防犯探偵・榎本シリーズ第4弾。 本書は、単行本『ミステリークロック』収録の4篇のうち、「ゆるやかな自殺」「ミステリークロック」の2篇を分冊して文庫化したものです。 他の「鏡の国の殺人」「コロッサスの鉤爪」は、同時に発売された『コロッサスの鉤爪』に収録されています。 -
魔王城ホテルの悪役令嬢 お客様のお悩みは、悪の知識で解決いたします
尊敬する父親に陥れられ悪役令嬢とされたラヴィニア。復讐のための資金稼ぎの場に選んだのは魔王城を改築したホテル・アルハイムだった。魔王の末裔であり総支配人の美青年ルードベルトを篭絡して経営権を奪おうとするが、あっさり失敗。何故か清掃メイドとして採用される。しかし成り上がりを目指すラヴィニアは、“悪の知識”で宿泊客の悩みを次々と解決してゆき――。魔王のホテルで繰り広げられる野望と人情の物語! -
唐陀国後宮異聞
栄国第八王女の春燐は、絵を描く以外に興味を示さない変わり者。 城内ではれ物のように扱われている彼女に、争いが続く西の隣国、唐陀国への輿入れが決まる。 到着早々、結婚式で初めて目にした王の鬼嶽は、強面の武人だった。 しかも挙式に乱入した暗殺者を一刀両断する。 あまりの恐怖に周囲は凍りつくが、返り血を浴びた花嫁は言った。 「好きです、結婚してください」 最恐最悪の出会いからはじまる、政略結婚夫婦の中華謎解き物語! -
濱地健三郎の幽たる事件簿
年齢不詳の探偵・濱地健三郎には、鋭い推理力だけでなく、幽霊を視る能力がある。新宿にある彼の事務所には、奇妙な現象に悩む依頼人のみならず、警視庁捜査一課の強面刑事も秘かに足を運ぶほどだ。助手の志摩ユリエは、得技を活かして、探偵が視たモノの特徴を絵に描きとめていく―。郊外で猫と2人暮らしをしていた姉の失踪の謎と、弟が見た奇妙な光景が意外な形でつながる(「姉は何処」)。資産家が溺死した事件の犯人は、若き妻か、懐具合が悪い弟か?人間の哀しい性が炙り出される(「浴槽の花婿」)など、驚きと謀みに満ちた7篇を収録。ミステリの名手が、満を持して生み出した名探偵。待望のシリーズ、第2弾! -
成り代わり令嬢のループライン 繰り返す世界に幸せな結末を
「ユール・ラキス、お久しぶりね。これを機に私と二年くらい婚約しましょう」「分かった。その婚約を受けましょう」 派遣社員だった八瀬咲良は、ある日友人の真砂からお願いを受ける。「異世界に行って二年後に起きる惨劇を止めて欲しい」と。『妖精姫物語』の主人公ローズィアとして新たな人生をスタートさせた咲良を待ち受けるのは、”妖精契約”の失敗により世界が破滅する未来――。一度は失敗し、気づけば二年前に死に戻ったローズィアは、何度もループする悲劇の歴史を打破するため、もっとも信頼する人物に助けを求めた。 ユール・ラキス――ローズィアの幼馴染であり、身分を偽る隣国の王子とともに、咲良はもう一度人生をやり直す。願わくは、死んでしまう運命のこの人も救えるように。 大切な人を救うためには手段を選ばない成り代わり令嬢と、彼女に振り回される不遇な青年の知られざる駆け引きと戦いが幕を開ける。 大ヒット『Unnamed Memory』の古宮九時が贈る、圧倒的に面白いループファンタジー! -
大江戸なりあがり伝
裸一貫の男が、伊豆国から江戸を目指してのしあがる! 「夢を叶えるにはどうしたらよいのか。そのヒントが散りばめられている」(解説より) 歴史時代作家 谷津矢車氏太鼓判! 「俺はちがう。俺は抜け出してみせる」家も土地もなく、毎日牛馬のように朝から晩まで働くも、先の見えない暮らしを送る徹之助。江戸から遠く離れた伊豆国奈古屋村で、彼は富士を望むがごとく成功を夢見ていた。そんな徹之助に村長の娘おあゆは想いを寄せ、時に励ましていた。ある時、火事から村長の弟を救ったことがきっかけで資金を得て、徹之助は椎茸栽培で一世一代の大博打に出るが……。痛快時代シリーズ第1弾! -
不思議の国のアリス+鏡の国のアリス 2冊合本版
ある昼下がり、アリスが土手で見たものは、チョッキを着た白ウサギ――。ウサギは時計を取り出しながら、急ぎ足に通り過ぎ、生垣の下の穴にぴょんと飛び込みました。アリスも続いて飛び込むと、そこはチェシャーネコや三月ウサギ、帽子屋にハートの女王などなど、一癖もふたくせもあるキャラクターたちが繰り広げる夢と幻想の国。ユーモア溢れる世界児童文学の傑作を、原文の言葉あそびの楽しさそのままに翻訳した画期的な新訳決定版『不思議の国のアリス』と、部屋の鏡を通り抜けて、おしゃべりする花々やたまごのハンプティ・ダンプティたちが集う不思議な国で女王を目指すアリスの冒険を描いた『鏡の国のアリス』の2冊をあわせた合本版が登場! ジョン・テニエルの美しい挿絵を収録した、決定版! -
ジャッカルの日
黒幕は秘密軍事組織、プロの殺し屋が狙う〈大統領暗計画〉。 フランス、秘密軍事組織が企てたドゴール大統領暗殺――。依頼を受けたのは、一流の腕を持つ外国人殺し屋、暗号名“ジャッカル”。国内全土で頻発する強盗事件を捜査するなか浮かび上がってきた暗殺計画に、政府には激震が走った。殺し屋の正体を突き止め、計画を阻止すべく、極秘捜査が始まる。国家最大の難題に挑むのは、国内一の刑事、クロード・ルベル。国際謀略小説の巨匠フォーサイスのデビュー作にして最高傑作の新組版! 【目次】 日本語版に寄せて フレデリック・フォーサイス 第一部 陰謀の解剖学 第二部 追跡の解剖学 ※下巻目次 第二部 追跡の解剖学 第三部 暗殺の解剖学 あとがき 訳者 解説 手嶋龍一 -
文豪ストレイドッグス×角川文庫 コラボアニメカバー作品 【6冊 合本版】
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信! 6作品をまとめて楽しめる合本版。≫ ――コラボカバー名作・6作品紹介―― ◆中島 敦『李陵・山月記 弟子・名人伝』 中国古典に材をとり、人間の存在とは何か、を鮮烈に問いかける著者の代表作六編を収録。 ◆太宰 治『人間失格』 自己の生涯を極限までに作品に昇華させた太宰文学の代表作。 ◆国木田独歩『武蔵野』 初期の名作を収録した独歩の第一短編集。中島京子氏による豪華解説つき。 ◆江戸川乱歩『D坂の殺人事件』 乱歩が残した作品群から、推理・探偵小説を選りすぐった傑作集! ◆谷崎潤一郎『痴人の愛』 日本人離れした家出娘・ナオミの魔性に捕らわれた男の狂おしい愛の記録。 ◆芥川龍之介『羅生門・鼻・芋粥』 夏目漱石に賞賛された文壇デビュー作「鼻」ほか、理知と清新な抒情、卓抜な虚構と明晰な文体を示す作品群。 <シリーズ累計250万部突破!「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。 舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰 治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――! 【小説「文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦」の冒頭部分が巻末に収録されています。】 -
虚魚
怪談師を生業としている三咲は、訳あって“本当に人が死ぬ”怪談を探している。相棒は「呪いか祟りで死にたい」というカナちゃんだ。新たな怪談が見つかると、死ねるかどうか確かめてくれる。 ある日、カナちゃんが「釣ると死ぬ魚」の噂を聞きつける。静岡県のある川の河口付近で見たこともない魚を釣った人が、数日のうちに死んでしまったというのだ。類似する怪談を知らなかった三咲は、噂の発生源を辿って取材を始める。すると、その川沿いには不思議なほどに怪談の舞台が集まっていることが分かってきた。これは偶然か、それとも狗竜川には怪異の原因が隠されているのだろうか。 自分が生涯追い求めてきた“本物”の怪談の気配を感じ、三咲は調査にのめりこんでいく。しかし、うまくいくということは、カナちゃんが死んでしまうということだ。自分はそれを望んでいるのだろうか――? 解説:小野不由美 -
「疫病神」シリーズ
「わしのケジメは金や。あの爺には金で始末をつけさせる」 映画製作への出資金を持ち逃げされた、ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。失踪したプロデューサーを追い、桑原は邪魔なゴロツキを病院送りにするが、なんと相手は本家筋の構成員だった。禁忌を犯した桑原は、組同士の込みあいとなった修羅場で、生き残りを賭けた大勝負に出るが――。 第151回直木賞受賞作にして、エンターテインメント小説の最高峰「疫病神」シリーズ! 2016年12月刊行予定の、『破門』の続編『喧嘩』冒頭を収録した電子特別版!! ※本作品は 2016年11月24日まで販売しておりました単行本電子版『破門』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。 -
ゲーム・メーカー 沈黙の侵略者
東京湾浦賀航路上で、大型商船2隻が続けて爆発・炎上した。当初、事故かと思われた事案は、海中に仕掛けられた機雷による爆発と判明し、日本はかつてないテロの恐怖に晒される。どこの国が、いったい何者が、機雷を仕掛けたのか。さらに東京湾上空を哨戒していた、『P―1』対潜哨戒機が地上から撃墜され、日本は、空と海の動きを封じられる。かつてない危機に、株価は暴落し、経済は壊滅的ダメージを受ける。掃海母艦『うらが』に乗艦した、海上自衛隊掃海隊群司令の岡本は、湾岸戦争の死地を経験した機雷処理のスペシャリスト・奥寺一佐を現場へ送り込むことを決意する──。 -
兵、北の関ヶ原に消ゆ 前田慶次郎と山上道牛
戦国時代に異彩を放つ二人の男がいた。一人は、北条、上杉と戦い、織田信長、豊臣秀吉に仕えた猛将の山上道牛。そして一人は天下の傾き者・前田慶次郎。相反する二人はどのように邂逅したのか──1556年秋、山上城城主の山上氏秀は、関東を席巻する北条軍に城を包囲されていた。近隣諸侯に援軍を求めるも、北条を怖れて二の足を踏む事態に、氏秀は徹底抗戦を余儀なくされる。武勇で鳴らす氏秀の活躍も空しく、城は陥落寸前。重臣たちの説得により降伏を選択した氏秀は、北条氏康により領地追放となる。城を失った城主……己にできることは北条と戦うのみ。出家し、山上道牛となった男は、北条に敵対する佐野家を頼り、新たな戦場を求めるが──。 -
「孤狼の血」シリーズ
常識外れのマル暴刑事と極道の、プライドを賭けた戦い。作家、マスコミほか多くの賞賛を集めた、圧巻の警察小説。 昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく――。 -
日本人の発酵史 うまみのフォークロア
発酵の専門家であり、発酵ジャーナリスト&アーティストである著者・小倉ヒラク。世界中から注目されている発酵デパートメントを下北沢で展開し、世界中の発酵ファンのハブとなっている。 本書は、日本の食文化を通して日本の歴史の起源に触れ、日常的に無意識に食する土地土地から生まれる食材の製法と起源と、日本における食と信仰の関りについて語る。 万葉集の時代に生まれた「日本そのものを指す言葉=食国(おすくに)」の観点に立ち戻り、日本という国の神と民による、食をめぐる生成と循環をダイナミックに俯瞰しつつ、細部まで目配りする。 米や醤油などの食材を取り上げながら日本の食文化の「オモテの顔」を、雑穀や芋、肉や鯨などの地方に根ずく食文化から「ウラの顔」を掘り下げ、「日本の海川山野の味なもの」を求め、「百味の飲食」を重ね、「食国」の行方を展望する食いしん坊の巡礼記。 -
闇祓
転校生の白石要は、少し不思議な青年だった。背は高いが、髪はボサボサでどこを見ているかよくわからない。優等生の澪は、クラスになじめない要に気を遣ってこわごわ話しかけ徐々に距離を縮めるものの、唐突に返ってきた要のリアクションは「今日、家に行っていい?」だった――。この転校生は何かがおかしい。身の危険を感じた澪は憧れの先輩、神原一太に助けを求めるが――。学校で、会社で、団地で、身の周りにいるちょっとおかしな人。みんなの調子を狂わせるような、人の心に悪意を吹き込むような。それはひょっとしたら「闇ハラ=闇ハラスメント」かもしれない。「あの一家」が来ると、みんながおかしくなり、人が死ぬ。だから、闇は「祓わなくては」ならない――。辻村深月が満を持して解き放つ、本格長編ホラーミステリ! -
ふたりの恋人
水田信一には恋人がふたりいる。金持ちの娘で何不自由なく暮らす関口麗子と、病気がちな母親のためにレストランで働く相川広美だ。ある日、麗子が乗った車が海辺で事故を起こし、麗子は死亡。事故死と思われたが、彼女の首には何者かに絞められた跡があった。知らせを聞いた真一は驚くが、彼の親友・柏木忠男から、広美が行方不明になっていることを知らされる。さらに、広美の母親は何者かに殺されていた。殺害された恋人と、姿を消した恋人。彼女たちに何があったのか。真一と忠男は事件解明に乗り出すが、重要人物として警察に目を付けられ、刑事に追われることに。さらにふたりの命を狙う謎の殺し屋まで現れて……。著者の代名詞、傑作ユーモアミステリー開幕! -
オペラ座の怪人
十九世紀末、パリ。華やかなオペラ座の舞台裏では奇怪な事件が続発していた。首吊り死体、シャンデリアの落下。そして、その闇に跳梁する人影……。「オペラ座の怪人」と噂されるこの妖しい男は一体何者なのか? オペラ座の歌姫クリスティーヌに恋をしたために、ラウルは、この怪異に巻き込まれる。そして、その運命の夜、歌姫とラウルは、まるで導かれるように、恐ろしい事件に飲み込まれてゆく。オペラ座の地下で、闇を支配する怪人と対峙したラウルが目にした、想像を絶する光景とは? そして怪人と歌姫の真実とは? 不朽の名作『オペラ座の怪人』の新訳決定版、ついに刊行! -
妖精令嬢のふたつめの恋
かつてこの王国に攻め入り支配しようとし、人間に敗れ去った悪しき妖精。 その特徴である赤い目と髪を持って生まれた伯爵令嬢のリコリスは、《妖精の取り替え子》として、家族にも領民にも忌み嫌われ生きてきた。 だが、第2王子であるシルヴァだけは違った。 彼に侍女として仕える中で、リコリスは彼に恋心を抱きながらも、叶わぬ願いと思い、そっと彼の幸せを願っていた。 しかし建国にまつわる祝祭の夜、シルヴァが何者からか襲撃を受け、彼をかばおうとしたリコリスも重傷を負ってしまう。 彼だけでも助かって欲しいと切に祈り、リコリスは命を落とした――はずが、時は彼と初めて出逢った1年前に巻き戻っていた。 シルヴァの死の運命を変えるため、リコリスは1年後の祝祭の夜までに真実を解き明かそうと決意する。 だが、初対面のはずのシルヴァから、「一目惚れした」となぜかいきなり求婚されてしまい……!? 「十番様の縁結び」シリーズの著者が贈る、死に戻り×西洋風ロマンス! -
人生パンク道場(角川文庫)
相談1 顔のきれいな若いどす黒い女に騙されるおじさんが許せない。相談2 フリーター 金たまらず。相談3 昔の彼と別れて後悔。相談4 引きこもりの幸せ。相談5 彼の話ばかり。相談6 阪神ファン。相談7 息子の進路。相談8 酒。相談9 女遊び。相談10 男女。 相談11 趣味。相談12 内定。相談13 1限目に間に合わない自分に喝を入れてほしい。相談14 想像の中で人を殺していいか。相談15 酒をやめられない。相談16 頼まれごとを断りたい。相談17 善意による迷惑。相談18 片想いに悩んでいる。相談19 バンドのメンバーの中で彼と別の男を好きになってしまった! 相談20 愛人になるべきか。 など、日常の不安に満ちたバラエティに富んだ質問に、目からウロコのお答え。爆笑エッセイ。 文庫化にあたり、新たに3つの質問に答える書き下ろし収録! -
死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発
2011年3月、日本は「死の淵」に立った。福島県浜通りを襲った大津波は、福島第一原発の原子炉を暴走させた。日本が「三分割」されるという中で、使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いを展開した男たちがいた。 -
小説 劇場版モノノ怪
アサは文字書きの仕事にあこがれ大奥へやってきた優秀な新人女中。一方、同期のカメは仕事が不得意で先輩にいじめられてばかり。アサは彼女のお世話に追われるが、それでもカメといるときはからっぽな自分の中に何か豊かなものを感じることができるのだった。大奥では集団に染まるために、大切にしてきたものを捨てろという。自分の想いを殺すこと、それでも捨ててはいけないもの……。少女たちは悩み、そして――事件は起こる。様々な過去を背負い大奥にやってきた女中たち。大奥を舞台に繰り広げられる、彼女たちの情念がモノノ怪を生みだす――。そこに現れるのは、謎めいた薬売り。形、真、理が揃ったとき、薬売りの退魔の剣がモノノ怪を斬る! -
たとえ祈りが届かなくても君に伝えたいことがあるんだ
高校2年生のなずなのクラスメイト・鈴白くんが、突然命を絶った。 彼は明るくて容姿も成績も良い、学校の人気者。 だから、彼に限って自殺なんてありえない……皆そう思っていた。 「彼の悩みに気付いていたら」。後悔が膨れ上がり、 その晩なずなは鈴白くんと一緒に作った思い出の砂時計に「時間を巻き戻したい」と願って眠る。 翌朝目覚めたなずなは、なんと1ヶ月前にタイムリープしていた。 笑顔で登校してきた鈴白くんの姿に安堵するなずなだったが、 ひと月後、彼はまた死を選んでしまう。 鈴白くんの死を止めるため、何度もタイムリープを繰り返すなずな。 そんな彼女の行動に、ひとりだけ気づいている男子生徒がいて――。 なずなは残酷な運命を変えられるのか。 何気ない毎日が愛おしくなる、祈りと叫びの青春物語。 -
改訂・携帯版 日本妖怪大事典
古から現代まで、全国津々浦々に跳梁跋扈し、語り継がれてきた妖怪たちを、この一冊に収めた“究極の妖怪事典”。総項目数1602、水木しげるの妖怪画を357点収録。 -
「作ってあげたい小江戸ごはん」シリーズ【全3冊合本版】
読めばスッキリ、心が晴れる。頼りないけどまっすぐな青年店主と、かわいい看板娘がお出迎えする「たぬき食堂」へようこそ! 【収録作品】 『作ってあげたい小江戸ごはん たぬき食堂、はじめました!』 小江戸・川越の外れにある昔懐かしい「たぬき食堂」。頼りないけどひたむきな青年店主・大地と看板娘のたまきが経営するこの店は、訪れる客一人ひとりに合わせた特別な料理「小江戸ごはん」を出すという。「食べれば悩みが解決する」――そんな噂を聞きつけて、地元のイケメン僧侶やバツイチのお父さんなど、悩みを抱えた人たちが今日も食堂にやってきて――。 『作ってあげたい小江戸ごはん2 まんぷくトマトスープと親子の朝ごはん』 ある晴れた春の日。大地とたまきの営む「たぬき食堂」へ、結婚式の食事会で店を貸し切りたいという依頼が。花嫁は大地の同級生で、初恋の人でもあった。彼女の父が結婚に反対していると知り、どんな料理を出すか悩む大地。ずっと近くにいたからこそ、上手く言葉で伝えられない。そんな不器用な親子の気持ちを繋ぐ、意外な一皿とは……? 『作ってあげたい小江戸ごはん3 ほくほく里芋ごはんと父の見合い』 ほっとする優しい味と、看板娘・たまきの明るさでファンを増やし、軌道にのってきた「たぬき食堂」。夏も近いある日、青年店主の大地に見合い話が舞い込む。しかし話をよくよく聞けば、大地ではなく、父・昇吾への縁談だった。母が他界して20年、まさか再婚する気はないと思っていたのに――、戸惑う大地に、相手の孫娘・遥香が、縁談の意外な目的を明かす。 ※本電子書籍は「作ってあげたい小江戸ごはん」シリーズ全3冊を1冊にまとめた合本版です。 -
埼玉おいしい出張レシピ
26歳の春、根岸は6年間勤めていた料理店を辞めた。長年お世話になったオーナー夫妻と板長、そして同僚たち。その全員の顔を根岸は未だに覚えられない。人の顔を認識できない脳機能障害の一種、相貌失認を抱える根岸は、もっと自分に向いている働き方を探し続けていた。そんな根岸が次の道として選んだのは「出張料理人」。出張料理人は依頼人の元へ出向いて料理をするため、不特定多数の客を迎える機会はなくなるからだ。幸運にも埼玉・与野でぴったりな物件にめぐり逢い、新しいスタートを切った根岸。そんな根岸の元へ、結婚記念日のサプライズメニューのオーダーが入る。張り切る根岸だったが、物件が地元で愛された名店の跡地だったことから、その名店の跡継ぎだと誤解されていて――。依頼人の心に寄り添いながら供されるおいしい料理たちと、駆け出し出張料理人の奮闘記!
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