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Posted by ブクログ
古くは映画『CUBE』があり、映画『saw』のヒット以降、後を追うように作品が量産された作品ジャンルがあります。最近では「ソリッド・シチュエーション・スリラー」なんて仰々しいジャンル名が付けられているようですが。つまるところ、密室に複数の人間が監禁されており、そこから脱出するためにあるいは協力、あるいは戦いを繰り広げていく作品群です。たとえば、外海良基さんのマンガ『JUDGE』や土橋真二郎さんのライトノベル『扉の外』、『unknown』や『NINE』といった映画もございました。そして本作『出口なし』もその系譜に名を連ねる作品の一つです。
けだし、このジャンルの難しい点は2つあります。一つは「作品の大部分での差別化が難しいこと」。先にあげた作品のいずれもが、「気づかぬうちに謎の密室に閉じ込められている」「黒幕を思い、疑心暗鬼に陥る」といった共通要素が見られます。もはや様式美? その中で、たとえば「ゲーム」を取り入れ、そのゲーム内容によって差別化を図るなどの対策がとられるようですね。
もうひとつに「オチが期待されてしまうこと」があるでしょう。『saw』の「オチ」が秀逸すぎたために、それを超えようと思いながらも、超えきれない作品の多いこと。どうしたって「納得のいかないオチ」になってしまいがちのように感じます。『saw』が凄かったのは「後残りのないオチ」を用意したように思い込ませた点なんだろうなー。それに比べると、他作品は「え? 結局アレはなんだったの?」になってしまう。
さて、自分のなかの考えを整理するのはここでおしまい。『出口なし』について考えてみます。本作も典型に漏れず、「差別化を図る要素」を用意して、「オチを工夫する」という試行錯誤が垣間見られます。しかし、だからといって手放しで「スバラシイ!」と言える作品かといえばやや疑問が残るなあ。「ソリッド・シチュエーション・スリラー」作品の一つとして、及第点といったところでしょうか?
【目次】
出口なし
解説 杉江松恋
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