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Posted by ブクログ
一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。彼女は失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。
そんな時、緑子は四年前に起きた未解決の乳児誘拐事件の話をきく。
そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべき一つの真実が隠されていた…。
ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第二弾。
母になった村上緑子が挑んだ事件のテーマは、母性愛。事件の引き金が育児ノイローゼだったり、育児は家族全体の仕事ではなく母の仕事という時代錯誤な思い込みだったり、母性愛の底にある闇に踏み込んでいます。
もう一つのテーマはジェンダーで、村上緑子が事件に踏み込むきっかけになったトランスジェンダーの磯島豊とバイセクシャルのヤクザ山内の苦悩や葛藤が丁寧に描いているので、より新しい形の刑事小説として楽しめます。
Posted by ブクログ
この小説はミステリーという括りだが、事件解決がメインではない。
メインはLGBT、男尊女卑、育児など社会問題と、登場人物の複雑に絡み合う人間関係。
「都合の良い人物」など出てこない、それぞれが意思を持ち、物語の中で生きている。
スーパーヒーローなんかではなく、私たちと同じく醜い部分を持ち、ときには選択を誤ることもある、そんな人物ばかりだ。
主人公の緑子だが、母親になり変わった。
無鉄砲で感情的なところは変わらないが、身の危険を感じた時に第一に子供のことを考えるようになったことで、人の気持ちにそっと寄り添うことができるようになった。
私は今の彼女の方が好きである。
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