【感想・ネタバレ】聖母の深き淵のレビュー

あらすじ

一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その緑子の前に現れた男の体と女の心を持つ美女。彼女は緑子に失踪した親友の捜索を依頼する。そんな時に緑子が聞いた未解決の乳児誘拐事件。そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。この無関係に思える事件には恐るべき1つの真実が。ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第2弾!

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一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。彼女は失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。
そんな時、緑子は四年前に起きた未解決の乳児誘拐事件の話をきく。
そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべき一つの真実が隠されていた…。
ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第二弾。
母になった村上緑子が挑んだ事件のテーマは、母性愛。事件の引き金が育児ノイローゼだったり、育児は家族全体の仕事ではなく母の仕事という時代錯誤な思い込みだったり、母性愛の底にある闇に踏み込んでいます。
もう一つのテーマはジェンダーで、村上緑子が事件に踏み込むきっかけになったトランスジェンダーの磯島豊とバイセクシャルのヤクザ山内の苦悩や葛藤が丁寧に描いているので、より新しい形の刑事小説として楽しめます。

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2022年12月17日

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リコシリーズ どれもこれもいい
何度よんでも その都度 発見がある
柴田よしきって 緻密な仕事するなぁ
ただただ感心するのみ

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2017年06月10日

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『あたし自身を、これ以上にないくらいに「母親」という既定のものとして決定づけてしまった「子供」という存在に対して、心のどこか深いところ、あたしの中に広がる密かな闇の奥底て、静かに憎んでいるような気がする。

確かに愛しているのに。

この上もなく、可愛いのに。』

まさに、LGBT小説だな。性的人間としての美しいもの醜いもの全てを詰め込めようとしているのかな。美しいものと醜いものが見る人によって反転する矛盾した世界を見事に描いている作品。
相変わらずエグかったなぁ〜。

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2015年03月21日

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緑子の人物像がより鮮明に深まった今作。
彼女はタフだ。それはダイヤモンドのように傷つけられることがない、というものではなくて、生身の肉体を持ち傷つき、倒れながらも何度も立ち上がる強さを持っている。
LGBTの勉強にもなった、メディアに出てるフィルターをかけられたイメージではなく、彼ら自身の声を聞きたいと思った。

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2014年08月24日

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この小説はミステリーという括りだが、事件解決がメインではない。
メインはLGBT、男尊女卑、育児など社会問題と、登場人物の複雑に絡み合う人間関係。
「都合の良い人物」など出てこない、それぞれが意思を持ち、物語の中で生きている。
スーパーヒーローなんかではなく、私たちと同じく醜い部分を持ち、ときには選択を誤ることもある、そんな人物ばかりだ。

主人公の緑子だが、母親になり変わった。
無鉄砲で感情的なところは変わらないが、身の危険を感じた時に第一に子供のことを考えるようになったことで、人の気持ちにそっと寄り添うことができるようになった。
私は今の彼女の方が好きである。

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2014年04月30日

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まず、読み終わって思ったことがこの作品が1990年代に(1996)でた作品だと知った驚きでした。
長く、思ったよりも読むのに時間がかかってしまいましたが、暴走刑事の活躍魅惑的な脇役たち、赤裸々な性描写(笑)によりあまり飽きません。
ですが、長いのでぼくの場合伏線を忘れて読み返すことがありました。
ャラがたっている気がするが長い割には掘り下げられてない印象もある。
この作品は、緑子さん主役の2作目とのこと。
ストーリー、今回の事件に対しては根本が薄い印象。
ですが読みやすく、古さを感じさせないキャラがとてもいいです。

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2013年03月18日

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麻生が語る「女」を知っていなかったら、おそろしく騙されたんだろう。第二弾。母親になっても仕事に必死で、なんだかたくましくなった緑子。麻生や静香や及川やもろもろ、のちの「聖なる」の人物たちを違う目で見るのってすごく面白い。スピンオフは逆だ。クライマックスは疾走感あふれて一気に読んだ。かっこいいー。そして本当の本当の真実。ここを読むと何百ページ乗り越えた甲斐があったと思う。ほどいてほどいてほどききったものが弾丸になって消えた。

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2013年03月15日

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「天使になる」

緑子の強さに惚れました。練に対抗するなんてありえない……。柴田作品に出てくる女性って本当にかっこいい。強い
そして麻生と練の切なさに激しく悶えました。先に聖黒読んでてよかった、この二人の関係重たすぎて本気でツボ。ほんとに愛してるんだなあ。

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2012年12月23日

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緑子シリーズ2作目。母親という立場・子育て中の危うさやジェンダーの問題がたっぷり書き込まれています。

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2025年02月08日

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麻生龍太郎と山内蓮のその後がからむ
蓮はパワーアップしてる
ハードボイルド
義久と緑子の関係はやっぱりスッキリしない

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2023年02月20日

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ネタバレ

評価は4。

内容(BOOKデーターベース)
一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。彼女は失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。そんな時、緑子は四年前に起きた未解決の乳児誘拐事件の話をきく。そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべき一つの真実が隠されていた…。ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第二弾。

会話文が兎に角長い・・全ての会話を文章にした感じである。しかし、文章は読みやすいしストーリーは面白いのであっという間に読み終えちゃう。
皆それぞれ悩みもあり、足りない部分もあり、そして他人を羨ましがりながら生きている姿は現代社会そのものである。緑子の鋭い洞察力や○クザに対する毅然とした姿は頼もしく感じるが、ふとしたおりに「私は・・私なんて・・・」と言って無茶をするが。最終的にこの人だけが全てを手に入れているんじゃ無いの?。
その上子供までいるのにこの貞操感の無さ。何かと理由をつけて自分を正当化しているが駄目でしょう。緑子の性格に評価が1マイナス。

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2017年03月27日

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ネタバレ

1作目より緑子のモノローグのテンションが落ち着いて読み易くなった。相変わらずの迂闊さで身を危険に晒したり人が死んだりするけど。
麻生と練の関係が濃密でその後が気になる。

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2015年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

山内完全覚醒(笑)。
極悪非道なのに憎めないのは
麻生に対する健気さからか。
怒らせたり辛かったり暴力振るったりしながら
こっちを見てって必死に訴えてるみたいで。
前の奥さんとのことも踏まえて
この人はほっといちゃダメだと思ってるようにみえた。
事件は・・牧村さん切ないな。

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2015年07月06日

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主人公の緑子が一児の母になり、一作目には感じられなかった母性を発揮している。
ただ、正義感で暴走してしまう面は相変わらずでしたが。
夫婦間、親子間、異性間、同性間、様々な形の愛情がここでは描かれていますが、やはり一番強烈なのが麻生と練の2人だと感じた。
『聖なる黒夜』のその後を知りたくて、こちらを読んだのですが、どうして、こうなってしまうのか……。
ここで一番切なかったのが、壊れてしまった佐智子さんでも、犯人でもなく麻生と練でした。

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2015年05月06日

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女性であることの正の面、負の面。女性であることで背負ってしまう諸々のこと。
大人の女性であることの責任。
そして母になることと母であること。

男性が当たり前に乗り越えていく人生の重大事を、女性であるがために精神的にも身体的にも社会的にも障害を越えなければならなくなることがある。
割と多く。

この事件にかかわる人たちの多くは、ただ弱かっただけ。
そしてボタンを掛け違っているところを悪意を持った人たちに利用される。
それは、誰にでも起こりうること。決して他人事ではない。
弱かったというそれだけで、こんなにもひどい目にあわされなければならないのかと、怒りを覚えながら読み終わる。

緑子も、失踪した保母も、何度も言う。
子育てを一人で抱え込まなくていい、と。
身体的に母になることと、精神的に母になることと、社会的に母であることを要求されることは全然違うんだよ。

主人公のことは相変わらず好きにはなれないけど、男社会の警察で、女だからと侮られながらも、安心して子どもを預けられる環境に感謝しつつ、身体を張って刑事という仕事を全うする緑子。

男にとっての可愛い女ではなく、1人のきちんとした大人の女性になりたいと言った豊の成長。

ずっしりとした読みごたえ。
これで主人公が好きになれたらなあ。

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2014年10月10日

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やっぱ練と麻生のお話はイイ!
本作は麻生主役じゃないですか!?
ラストの練とリコが酒場で相対する場面、特に好き。。。

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2014年04月28日

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Bonnie Pinkの『Last Kiss』聴くとBLが読みたくなる。この曲のサビの♪痩せた指にキスをした あのぬくもりを覚えてるよ 例え離れ離れでも 最後のキスを思い出すよ♪ここを聴くと特にそうなる。そしてたまたま休憩室で「聖なる~」を読んでいて、この曲が流れたときが麻生の「愛してるんだ」だったんだ・・・なんだこのシンクロ感!!!!!偶然麻生を街中で見掛けた緑子が優秀な刑事だった麻生の後をつけて、その探偵振りを見た後の下りで、麻生が緑子に促されて刑事を辞める経緯を語る場面で丁度ウォークマンから「i do」が流れて、あまりにも場面にマッチしていて驚いた。

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2012年11月22日

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主人公のリコが刑事のわりに奔放すぎて共感できませんでした(^_^;)

なにより麻生と練のインパクトが強すぎて誰が主役なんだか…(笑)
前作を読んでないのでリコの心の動きがあまりわからず…

ラストの、麻生の人生を投げうった暴挙がいちばんの衝撃でした。

もうそこまでの内容がすべて吹っ飛ぶぐらい。

覚悟を決めた人間は、おそろしい。

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2012年03月15日

Posted by ブクログ

RIKOシリーズ2作目。
やっと麻生と山内が出てきて嬉しくなったけど、「聖なる黒夜」の時のように2人が中心ではないから、ちょっと物足りなく感じてしまった笑

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2024年11月12日

Posted by ブクログ

RIKOシリーズ第2弾
リコは母親になってもやっぱり奔放なのね
でもやっぱり面白かった
そしてやっと麻生と練がいた
探偵になった麻生はやっぱりかっこよく
若頭になった練はどこまでも残忍で脆かった
次も早く読みたい

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2021年03月31日

Posted by ブクログ

麻生と練と安藤が好きで、ひたすらシリーズ読み続ける。とりあえず、リコちゃん·····その、お股を閉じなさい✋前作より、やっと刑事ものらしくなり良かった。ケド、ど~もリコに???となりながら読んでる。もう、麻生と練の為に読んでる感じ(^^;;

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2019年01月20日

Posted by ブクログ

リコシリーズ、えげつないけど面白くて、ついつい夜更かししてしまった。
同性愛やトランスジェンダーの人物が多数出てきて、両者の明確な違いもやっとわかった。しかし本書の初版が96年、今ではLGBTが一般に広がったが、その当時はまだまだ知られていなかっただろう。作家の先見の明を感じる。

リコ個人に関しては共感出来ない部分も多々あるし、他のキャラも皆割と好感度が低いけど、なんだろう、ダークな登場人物ゆえに感じる面白さがある。そんな中で私立探偵の麻生はなかなかのナイスキャラ、麻生探偵シリーズが別にあるらしいので、そちらを読んでみたい。

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2018年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第一作目よりはあまり面白いと思わなかった。
犯人がまた後だしじゃんけんのような人だったから、それもなんだかな~…という感じ。
緑子は犯されてばっかりだし。また子供ができちゃうんじゃない???って心配になってしまう。
でも、今回は安藤さんと結婚という考えが沸いてきたのかな~と。それはよかったと思う。

他の話の、麻生と練に何の秘密があったのだろう?この本では明らかにされていないから、聖なる黒夜とか読めばわかるかな~。

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惨殺されて廃工場に捨てられた主婦。男の肉体を持つ美女。消えた乳児。覚醒剤漬けの売春婦。元刑事の私立探偵と、悪徳弁護士と、悪魔のように頭のよいヤクザ……二歳たらずの男児を育てながら、複雑な事件に取り組む女刑事・緑子が、生命の危機にさらされながら迫った驚くべき真相とは?そして緑子は、母性や愛に対する人々の幻想の向こう側にぽっかりと聞いた暗黒の淵を覗き込む事となった―――。
新鋭女流作家による、まったく新しいタイプの本格的ハードボイルド警察小説!(表紙より)

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2018年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

RIKOシリーズ第2弾。
4年前に起こった乳児誘拐事件と、麻薬中毒になった親友を探す性同一性障害の美女の話が絡みあう。麻生さんは警察をやめて私立探偵に。
山内練がやっぱりたまらないキャラクターで、ほんとそれだけのために
この本を買ってもいい。

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2014年01月20日

Posted by ブクログ

RIKOシリーズ第二弾。
前回と同じく共感できない部分、いきすぎ感もありましたが、母親となったりこには同じ女性として共感できる部分もでてきたかな。
すごく面白い訳ではないのだけど、なんとなく読んでしまうシリーズ。

【一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。彼女は失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。そんな時、緑子は四年前に起きた未解決の乳児誘拐事件の話をきく。そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべき一つの真実が隠されていた…。ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第二弾】

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2014年01月05日

Posted by ブクログ

今回もRIKOというキャラに馴染めなかったです。彼女は一児の母になったのですから、本能の赴くままの行動は慎んで、もっと自覚を持って欲しかったです。
物語は一人で育児を背負い込む女性の苦労や、性同一障害の苦悩等、本書のテーマである『母性とジェンダー』に関してはとても考えさせられ、読み応えがありました。
また、別々の事件だと思っていた乳児誘拐事件、主婦惨殺事件、狙撃事件が徐々に絡まってくる展開は読み応えありました。

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2013年10月01日

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前作は官能小説チックだったので、また同じだったらヤダなぁっと思いつつ読みましたが、今回はいちおう警察小説でした。
といっても相変わらず奔放な緑子さん。いろいろ言い訳してますが、、結局好きなんだよねぇ。(*p´д`q)゜。

緑子よりも麻生と山内のほうが興味惹かれました。
聖なる黒夜、読んでみよー。

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2013年07月02日

Posted by ブクログ

RIKOシリーズ第二弾。前作同様、超長編作。ジェンダーの理子が他の刑事と関係を持ちながら事件を解決する点は前作と同じだが、そこまで描かなくともと思う。女性の作者にしてはきわどい表現。ストーリー展開は悪くないが、長くて飽きそうになる。

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2012年08月20日

Posted by ブクログ

麻生と山内が出てきたり、シリーズ作品の繋がりが要所で見られて面白い。

麻生たちがあまりに強烈なので、途中で何のシリーズ作品を読んでいるのか分からなくなるという…。


緑子は相変わらず。愛してるだの何だの良いながら他の人ともくっついたり離れたり泣いたりしていてよくわからん。
共感はできない。
あと、麻生と緑子が2人で飲むところの表現も非常にこっぱずかしい感じ。緑子が言うなら分からなくもないかな?とは思った。

ラストの麻生の「手錠」のくだりがあまりに切ない。あれがあるから余計に、誰が主人公??となるけど。
見事な終わり方でした。

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2012年06月05日

Posted by ブクログ

相も変わらず主人公が「緩い」。
刑事としての生き様云々ではなく同じ女として
歯がゆい部分多し。
しかし作家の柴田さんは女性。
男性同士の心の揺れの描写はリアルに
書かれている気がして「ほぅ…」と思った。

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2011年08月18日

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