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月とアマリリス
本屋大賞作家の新境地となるサスペンス巨編! 声なき声が届くなら、今度こそ記者を諦めない。 『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞後、『星を掬う』『宙ごはん』で同賞に3年連続ノミネート。人間ドラマを中心に執筆してきた町田そのこさん、初のサスペンス巨編! 北九州市の高蔵山で一部が白骨化した遺体が発見された。地元のタウン誌でライターとして働く飯塚みちるは、元上司で週刊誌編集者の堂本宗次郎の連絡でそのニュースを知る。 遺体と一緒に花束らしきものが埋めれられており、死因は不明だが大きな外傷はなかった。警察は、遺体を埋葬するお金のない者が埋めたのではないかと考えているという。 遺体の着衣のポケットの中には、メモが入っていた。部分的に読めるその紙には『ありがとう、ごめんね。みちる』と書かれていた。 遺体の背景を追って記事にできないかという宗次郎の依頼を、みちるは断る。みちるには、ある事件の記事を書いたことがきっかけで、週刊誌の記者を辞めた過去があった。 自分と同じ「みちる」という名前、中学生のころから憧れ、頑張り続けた記者の仕事。すべてから逃げたままの自分でいいのか。みちるは、この事件を追うことを決めた──。 -
逃亡犯とゆびきり
親友が、シリアルキラーになった。 フリーライターの世良未散のもとに「女子中学生墜落死事件」の執筆依頼が入った。エロやお笑い記事を書きながら、いずれは社会派のルポをと願っていた未散には願ってもない仕事だ。 転落死した15歳の少女・清水萌香は、死亡時スマートフォンを所持しておらず、「あたしは一一七人に殺された」という遺書を残していた。周囲の人間の、萌香に対する評価もさまざまだ。深まる謎に翻弄されつつ書いた記事の「前編」が雑誌に掲載された日、未散のスマホに着信が入る。それは、高校時代、未散にフリーライターとしての基礎をもたらした、親友・古沢福子からだった。「記事、読んだぞ」「2-Aの神崎を思い出したよ」とだけ告げて電話は切れる。しかしその言葉は、萌香の抱えていた闇を明らかにするものだった。 事件の真相に迫る「後編」の記事は評判を呼び、未散はライターとしての知名度を上げる。しかしそれを福子に伝えることは叶わない。なぜなら、福子は4人の男女を殺害した容疑で指名手配中の身だからだ。どこにいるかも、連絡先もわからない。次第に、未散は福子からの電話を心待ちにするようになる。それが、前代未聞の事件の端緒になるとも知らずに……。 -
森江春策の災難
日本推理作家協会賞・本格ミステリ大賞ダブル受賞記念 緊急出版決定! 小説も戯曲もパロディも! 名探偵森江春策の蔵出し傑作選! 《森江法律事務所》にかかってきた敏腕女性検事・菊園綾子からの電話は、花村カオルという札付きのワルが身辺をかぎ回っているようだから気をつけろと警告するものだった。その数分後、コート姿の怪しい人物が《森江法律事務所》に入ってゆき、直後に死体で発見される。果たして、森江春策の事務所でいったい何が起きたのか? 一風変わった犯人当てである表題作をはじめ、森江春策がヘンリー・メリヴェール卿と共演する「密室法廷」や神津恭介、星影龍三とともに密室について語り合う「架空座談会」、鉄人28号の物語世界へと読者をいざなう「寝台特急あさかぜ鉄人事件」、舞台劇の脚本として書き下ろされた「探偵が来なけりゃ始まらない――森江春策、嵐の孤島へ行く」など、日本一地味な探偵・森江春策が活躍する十三編の異色な事件簿! 「年譜・森江春策事件簿〔第二版〕」も特別収録! -
饗宴
ようこそ、恐怖の“肉食系”ミステリーへ。 この島は何かがおかしい―― 大手新聞社を定年退職した夜、連れて行かれたショーパブで一人の女性と出会った鮎子。 アサミと名乗る彼女はショーの演出を手がける立場で、出演ダンサーのオーディションを近々行うという。そのオーディションに立ち会って欲しいと、鮎子は初対面にもかかわらずなぜか頼み込まれる。 禁断の出会いをきっかけにアサミに翻弄される鮎子。新宿、浅草、バリ島を舞台に、アサミに心身をとりこまれた先で彼女が体験したのは、想像を絶する「宴」だった―― ようこそ、大藪賞作家が仕掛けた、世にもおぞましい“美食”の狂宴へ……! 【注意】全てが伏線。一行たりとも目を逸らしてはいけない。 -
毒警官
すぐには、死ねないぜ。 窃盗の罪で横浜刑務所横須賀刑務支所に収監されていた利根太作は、身柄引受人の保護司が見つかったことで仮釈放された。社会復帰後は、保護司の娘・小海友紀が営む辻堂のレストランを住み込みで手伝うことになる。 友紀の同居人である阿久津晴也は、窓際警官“ごんぞう”として鳩裏交番に勤務する傍ら、立件しづらい家庭内暴力や性虐待の加害者を、“毒”をもって殺さず粛清していた。利根が見込まれたのも、窃盗のスキルを期待してのことだったのだ。 「盛り盛りの毒が全開!」 --相場英雄氏(作家) 「現代の黙示録」 『震える牛』の著者が震えに震えた 危険極まりない悪童警察小説! -
賞金稼ぎスリーサム!
若い夫婦は、なぜ殺し合ったのか? 国際指名手配のテロリストを追い詰め、ルワンダ政府から一億円の報奨金を手に入れた藪下、淳太郎、一花の3人は、日本初の刑事事件専門調査会社「チーム・トラッカー」を立ち上げた。警察庁による捜査特別報奨金制度が適用された事件を独自に調査する。 早速噂を聞きつけ扉を叩いたのは、2年半前に起きたとある事件の遺族だ。吉祥寺のアパートで若い夫婦が死亡したという。死亡した男は警察官僚一族の息子で、事件は「殺し合い」ということで決着している。 仲が良かった夫婦が、なぜ殺し合わなくてはいけなかったのか? 現場に残された、おびただしい血痕と署名済みの離婚届。司法解剖鑑定書を決して開示しようとしない夫の遺族。警察が何かを隠している可能性もある。3人は現場へ向かった──。 江戸川乱歩賞作家・川瀬七緒の凸凹トリオシリーズ第2弾! -
B・D・Tシリーズ 合本版
不法滞在外国人問題が深刻化する近未来東京。爆発的に急増した身寄りのない混血児たちは「ホープレス・チャイルド」と呼ばれ、その多くが犯罪者となっていた。彼らが巣食う東新宿はスラムと化し、いつしか、街は「B・D・T」と呼ばれた。無法地帯となった最も危険な街で、私立探偵ヨヨギ・ケンが依頼された仕事は、失踪したホープレス出身の女性歌手の捜索だった――。女の足跡を追うケンを次々と襲うトラブル、そしてケンの目の前に、その巨大な組織が正体を現す! 圧倒的なスピード感で描く、傑作冒険アクション。――『B・D・T[掟の街]』 ムービーアイランドと称される人工島を拠点に映画産業が隆盛を誇り、一方で「ネットワーク」と呼ばれるテレビ産業が人々の生活を支配する近未来、新東京。報道を牛耳るネットワークで視聴率のために殺人予告が横行するなか、引退した私立探偵のヨヨギ・ケンはかつての友人の依頼を受け、新東京に舞いもどる。予告された殺人は仕組まれた陰謀なのか? 調査を進めるケンが行き着いたのは、人工島・ムービーアイランドだった――。パンドラの匣を開けたケンに容赦の無い運命が迫る。深まる謎、鮮烈なアクション。一気読み冒険エンターテインメント! 『B・D・T [掟の街] 』続編。――『影絵の騎士』 -
五色の殺人者
高齢者介護施設・あずき荘で働く、新米女性介護士のメイこと明治瑞希(めいじ みずき)はある日、利用者の撲殺死体を発見する。逃走する犯人と思しき人物を目撃したのは五人。しかし、犯人の服の色についての証言は「赤」「緑」「白」「黒」「青」と、なぜかバラバラの五通りだった! ありえない証言に加え、見つからない凶器の謎もあり、捜査は難航する。そんな中、メイの同僚・ハルが片思いしている青年が、最有力容疑者として浮上したことが判明。メイはハルに泣きつかれ、ミステリ好きの素人探偵として、彼の無実を証明しようと奮闘するが……。不可能犯罪の真相は、切れ味鋭いロジックで鮮やかに明かされる! 選考委員の満場一致で決定した、第30回鮎川哲也賞受賞作。/第30回鮎川哲也賞選考経過、選評=加納朋子 辻真先 東川篤哉 -
灼熱
復讐のために、女は整形し、身分を変え、憎い男の妻となった……。人は復讐のために、どこまで非情になることができるのか? どれだけ身を焦がす日々に耐えることができるのか? 医者である英雄と一見、幸せな結婚生活を送る絵里。しかし彼女の本当の名前は咲花子といい、英雄が元夫を殺した証拠を探していた――。物語は一年半前に遡る。咲花子は刑事から当時の夫が転落死したこと、何件もの詐欺を働いていたことを知らされる。詐欺師の妻として彼女自身もマスコミに叩かれる中、夫殺しの容疑者だった英雄の不起訴が確定。希望を失った彼女は、自殺サイトで知り合った絵里という女性と自殺を試みるのだが……。『暗黒女子』『絶対正義』で話題の著者、慟哭の最新作を電子書籍化。 -
嘘
これから少年に嘘をつく――。主人公は、かつて幼い息子を水難事故でなくした、絵本作家の里谷千紗子。彼女は父・孝蔵との間に確執があり、長いあいだ絶縁状態にあったが、独りで暮らす孝蔵が認知症になったため、田舎に戻ってしぶしぶ介護をはじめることになった。ところが、久しぶりに再会した旧友と町で飲んだ帰り道、旧友がひとりの少年を車ではねてしまう。幸い大きなケガはなかったものの、少年は記憶を失ってしまっていた。ただ彼の身体に虐待の跡を見つけた千紗子は、少年を自分の子供として育てることを決意するのだった……。ひとつの“嘘”によってはじまった少年と千紗子の母子、そして認知症が進行する父親の三人の生活は、豊かな自然のなかで、しだいに新しい家族のかたちを育んでいく。しかし、そのひとときの幸せな生活にも、やがて破局の足音が近づいてくるのだった――。新進気鋭のミステリ作家が紡ぎ出す、感動&衝撃のストーリー。 -
令和忍法帖
忍者はあなたのすぐそばに 普段は会社員、キャバクラ嬢、小学生…… しかしひとたび事件が起これば、命をかけて日本を守る! 江戸時代、徳川幕府の安寧を陰から支えてきた「忍び」たち。明治維新を機にひっそりと姿を消したと思われていたが……実は新政府の警察制度に組み込まれていた。 警視庁警備企画課諸犯罪対策係、通称マルニンに所属する甲賀忍者、白神蝶三郎を司令塔に、現代に生きる忍者たちが躍動、疾走する。 手足に微細な毛を持ち、どんなところでも上ることができる木陰良則。 相手の懐から物を抜き取る「懐中殺」の使い手、雲川セイラ。 どんな毒でも死なない体を持つ毒術使い、赤味敦彦。 手裏剣をはじめ小物を巧みに操り、敵を攻撃するくノ一、一ノ坂はるみ。 息継ぎなしで長時間水中活動ができる潜水術の名手、小岩瀬新八。 現代まで忍法を受け継いできた甲賀流忍者たちが、 最後に闘うこととなる、最強の敵集団とは!? 忍者たちの日常と活躍を描く連作ミステリ短篇集! -
サマーレスキュー 夏休みと円卓の騎士
ゲームの中の10億円を追え 行方不明の幼馴染を探すために、少女たちはアナーキーなオンラインゲームの世界へ飛び立った 舞台は世界的大ヒットゲーム「ランドクラフト」。 世界中で売れた本数は三億本。プレイヤーが多いことからゲームの中では RMT(リアル・マネー・トレード)と言われる現金のやりとりも行われている。 最近「ランドクラフト」内で10億円相当の宝が眠っているという噂が流れ、 世界中のプレーヤーがその宝を探している。 中学二年生の巧己と祥一は、夏休みをいいことに「ランドクラフト」に没頭し、 あわよくば10億円をゲットしようと連日ログインしていた。 が、ある日祥一が行方不明になってしまう(ゲームの中でも現実でも)。 祥一が何かトラブルに巻き込まれたに違いないと思った巧己は、幼馴染の千香に助けを求める。 千香はかつて「ランドクラフト博士」と呼ばれるほどにこのゲームに詳しく、助けになってくれるかもしれなかった。 しかし千香は、あることがきっかけで「ランドクラフト」をやめていた。 いまは8月のTOEICの試験に向けて勉強をがんばらなくちゃいけないのに……。 千香は、しぶしぶ「ランドクラフト」にログインして巧己と共に祥一を助ける旅に出るが、 そこで自らの過去と向き合うことにもなる。 中学生たちが、夏休みに「もう一つの世界」を旅しながら成長する、ゲームアドベンチャー。 読み終えたとき、昨日よりもちょっとだけ自分のことを好きになれる青春小説です。 -
眠れる美女たち
はじまりは小さな町ドゥーリングの女子刑務所だった。受刑者たちが眠りにつき、白い繭に覆われていく。女性だけが眠りに落ち、目覚めなくなるこの奇妙な現象は「オーロラ病」と名付けられ、やがて世界中に発生する。さらに、起きている者が「オーロラ病」患者を無理矢理起こそうとすると、凶暴化して見境なく人を襲い始めてしまう特徴があり……。 人々が恐怖でパニックに陥る中、ドゥーリングには唯一、病を恐れる様子もなく静観する“謎の女”がいた。彼女の正体とは? <恐怖の帝王>スティーブン・キングとその息子オーウェン・キングが贈る、SFホラー巨編。 ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
月面にアームストロングの足跡は存在しない
新世紀の月開発プロジェクト「アルテミス5」。同計画のクルーとして月軌道プラットフォームゲートウェイ(LOP-G)に滞在する六人の男女は、NASAから不可解な指令を受ける。曰く「1969年のアポロ11号は月面に着陸していない。この事実を隠蔽するため、アームストロング船長の足跡を捏造して欲しい」というのだ。船長のロバートとヴェテラン宇宙飛行士のジョンは、この指令に「従うべき」という立場をとるが、副船長のサイラスと民間人クルーのキャサリンは「人類への冒とくだ」として強硬に反対する。日本人宇宙飛行士コウタ・イシグロと医師アカネ・モチダは、態度を決めきれない――。船内がバラバラに分裂する中、突如として制御を失った人工衛星がLOP-Gに激突する……! 地球に生還できるのは、誰なのか? 捏造ミッションの真相は、何なのか? 地球から38万km、超極限状況のサバイバル・ミステリ! -
競争の番人 内偵の王子
謎の脅迫状に巨大カルテル、恋敵(?)も現れて……この業界も私もヤバい。 ドラマも絶好調! 霞が関でも話題沸騰の「公取委」ミステリー。 著者より)全国の働き者に捧げます。仕事帰りの豚骨ラーメンのような一冊です。―新川帆立 公正取引委員会の審査官、白熊楓は、九州事務所への転勤を命じられる。ところが配属先は、前任者が次々と離職しているいわくつきの部署だった。上司のパワハラ、人員不足、慣れない土地での生活に苦しみながらも、内偵業務のエース、常盤とともに、呉服業界の内偵に乗り出す。内偵を進めるなかで、巨大なカルテルの可能性が浮上。本局第六審査長(通称ダイロク)のメンバーたちも博多にやってきて、調査を開始するが……。呉服業界を覆うぶ厚い雲を、白熊たちは取り払うことはできるのか? 『競争の番人』シリーズ第2弾、新天地で開幕! 「法律の描写がファクトに忠実だ」と、公取委職員もうなる物語。担当記者のバイブルにしたい。―毎日新聞社会部 柿崎誠 お仕事小説の真髄は、当該職業従事者ならではの矜持を描くことにある。その矜持──公正取引委員会が「競争の番人」たるゆえんが明かされた瞬間、小説自体がひと回り大きな変貌を遂げた。この小説は、古き良き、今どき新鮮な「正義のヒーロー」を出現させる試みだったのだ。主人公は中央(霞ヶ関)から地方へと転勤したものの、中央の仕事の下請けであらざるを得ないことから、仕事に対し苦悩と葛藤を抱く。そして二転三転する厚みあるストーリーをくぐり抜けた先で、主人公が正義のヒーローへと変身する瞬間が現れる。この変身こそが、『競争の番人』シリーズの最大の快感であるとともに、読者へのメッセージでもある。なぜなら自分なんて「正義のヒーロー」からはほど遠いと思っているあなたもまた、変身できる、と断言してくれるからだ。―書評家 吉田大助 -
さよならが言えるその日まで
ねぇ、嘘だって言ってよ、お父さん――。 その日、ありふれた日常がひっくり返った。 教え子を誘拐したまま、事故死した父。 親族、警察、マスコミ――誰も何もわかってない! 遺された娘は、父の名誉にかけて、真相を追う。 「静岡県三島で交通事故が発生。運転していた男性一名が死亡――」ニュースを見た森遠伊緒は愕然とする。亡くなったのは自分の父だった。だが、悲嘆にくれるのも束の間、追い打ちをかけるように驚愕の事実が判明する。事故発生当日の未明に失踪した少年の痕跡が、事故車から発見されたという。自分の父は誘拐犯だったのか――いや、そんなわけがない。周囲からあびせられる非難、マスコミの追求、警察からの圧迫。折れそうな心を奮い立たせ、伊緒は真相を知るべく、行方不明の少年を探すと決意するが……。 ミステリ界期待の新星が書き下ろす、「家族のカタチ」を問う傑作ミステリー! -
ハムレット殺人事件
学生時代の同級生に助けを求められる夢を見た。大学を休学して、ぼくの前から去っていった夏日薫。いまでは、彼女が大女優として活躍する一方で、ぼくは妻を失い細々と探偵業を続けている。ところが夏日薫が手がけた舞台『ハムレット』の最終リハーサルを前に、彼女を含む主要キャスト五人が死亡するという事件が起きた。あの夢はお告げなのか? しかし何をしたらいいのかわからない。だから同業の笹野里子さんに電話をかけてみたのだが……。センセーショナルな事件に、夢想の探偵・山浦歩&危険な女探偵・笹野里子が挑む。独特の推理と、芦原文体が絡み合う魅惑の長編ミステリ。 -
タイトルはそこにある
謎の人物が主催する、行方不明の女性の誕生会。そこで浮かび上がる醜い人間関係――第一話「主役のいない誕生会」。クリスマスイブの夜、ホテルで繰り広げられる過去の暴露大会――第二話「ニンジンなんてキュウリなんだよ」。互いに何かを隠しつつ進む、二人の男の愛憎渦巻く会話劇――第三話「おしゃべりな男たち」。あなたは必ずやり直せる。さあ立って。自首する前に、ご家族に会いに行きましょう――第四話「雪月花の女たち」。大女優の舞台出演を実現させるため、大御所脚本家が遺した最後のクイズに五人の男女が挑む――第五話「タイトルはそこにある」。編集者が次々繰り出す難題に、鬼才はどう応えたか? ベストセラーとなった『公開処刑人 森のくまさん』の著者が贈る、全編書き下ろしの作品集。巻末には本書の成立過程を記したあとがきを収録する。 -
白い久遠
香芝涼子は今日も、閑古鳥の鳴く店でひとり店番をしている。二年前、店主の祖父が病で倒れた際、美術館の学芸員という職と恋人を捨て、実家の『藤屋質店』に戻ってきた。将来に漠然とした不安を感じつつ、看板猫を撫でていると、外国製の陶製人形を男子大学生が持ち込んでくる。男性二人組という質屋には珍しい客に当惑しつつも、品物を預かって貸し付けしたところ、後にそれが盗品だったと分かり……。人間国宝作の萩焼の写し、いわくありげな櫛とかんざし、未発表の藤田嗣治の絵画など、不思議な縁で質屋に持ち込まれた品々を巡る謎、揺れ動く涼子の思いを優美に描く連作ミステリ。 -
残照 アリスの国の墓誌
新宿ゴールデン街に店を構えるバー『蟻巣』。ミステリ好きの客たちが夜な夜な推理を戦わした日々も今は昔、ついに閉店の日を迎える。大家に鍵を返却するまでのわずかな時間、ママの近江由布子と常連客たちが思い出すのは、看板猫・チェシャをなでながらパイプをくゆらせていた物静かな巨匠、やはり常連客だった今は亡きマンガ家・那珂一兵の姿――。別れの酒の肴にと語られた、一兵が遭遇したというふたつの衝撃的な事件の経緯と真相とは? 『蟻巣』閉店までの数時間を昭和のマンガ・アニメ史とともに描く本格ミステリ。日本推理作家協会賞受賞の『アリスの国の殺人』より35年、辻ミステリの集大成! オールスターキャストで贈る長編ミステリ。 -
ブラッド・アンド・チョコレート
日々をだらだらと過ごす、19歳のフリーターのぼく。ある日ぼくは、フリージャーナリストである、従兄のダイ兄ちゃんに呼び出される。《知性の窓》という怪しげな能力研究団体の取材に、協力してほしいというのだ。なぜなら、主宰者の娘であり、「生きた奇跡」として団体のシンボルに祭り上げられているのは、ぼくの幼馴染である未来だったからだ。後日、ぼくたちは人里離れた山奥にある、団体の研究所への潜入に成功。いわくありげな研究員や数々の自称能力者たちと出会い、未来とも再会する。しかし、研究所内の密室で、首を切断された死体が発見され……。横溝正史ミステリ大賞作家が描く、鋭利な青春本格ミステリ。 -
武蔵野アンダーワールド・セブン―意地悪な幽霊―
「多重迷宮」事件から遡ること二年、南北に分断された、もうひとつの日本。“禁止区域”での壮絶な過去を背負う神子都だが、相棒・颯平と保護者・秀秋に見守られながら女子高生として平穏な毎日を送っている。夏のある日、神子都も所属する地下世界研究会に依頼が舞い込む。女子大学の地下劇場「13シアター」で多発する転落事故の原因を調べて欲しいというのだ。依頼主は四人の女子学生による演劇サークル「ビッチ・バッコス」。しかし調査の最中、四人の中の一人が犠牲者に――。七ツ森神子都が挑むのは究極の階段密室! 横溝正史ミステリ大賞作家による青春ミステリ。 -
すべては、嘘から始まった
愛と嘘が交差する。愛と欺瞞のサスペンスミステリー。 高校時代の同窓会をきっかけに、止まっていたはずの時間が再び動き出す。 主人公・立花隼人は、婚約を控えたある日、罪悪感とともに記憶に残り続けていた同級生・佐藤亜由美へ連絡を取る。8年ぶりに再会した彼女は、誰もが知る人気女優へと変貌していた。しかしその再会は、過去に封じ込められていた“ある事件”の記憶を呼び覚ます。 高校時代、同級生の死を巡って囁かれた数々の疑惑。毒物、消えた真相、そして交錯する嘘と想い。あの頃、何が起きていたのか。 現在と過去が交錯するなかで、隼人と亜由美、そして彼らを取り巻く人々の関係は少しずつ歪みを露わにしていく。守りたかったもの、手放してしまったもの、そして今も胸に残り続ける後悔。真実に近づくほどに、見えてくるのは残酷な現実か、それとも救いなのか。 恋愛、友情、嫉妬、裏切り。誰もが抱える心の傷と向き合いながら、過去の事件の真相に迫る青春サスペンス。 -
月夜行路 Returns
あなたのことを、もっと知りたい。 夫と子どもたちとの生活のなかで孤独感を募らせ、家を飛び出した沢辻涼子は、洞察力と推理力に優れた美しいBARのママ、野宮ルナと出会い、共に大阪の街を巡った。人生を変える旅から東京へ戻った涼子が、ためらいながらも再びルナに会いたいと彼女の店を訪ねたちょうどそのとき、ルナのもとに古い型のノートパソコンが届けられる。開こうとするとパスワードに阻まれるが、ルナはパスワードを知らず、送り主にそれを聞くこともできないという。いったい誰が、何のために送ってきたものなのか。わからないまま涼子は、大阪で自分を助けてくれたルナのために、パスワード探しを手伝うことに。ヒントは、パスワード入力画面に設定された1冊の本ーー『吾輩は猫である』。 手掛かりの本を発端に行く先々で事件に巻き込まれながら、パスワードを試していく二人。ここにたどり着いてほしいーー願いを込めた仕掛けに挑めるチャンスは、5回。 -
警視庁公安部喫茶課
ページをめくる手が止まらない 圧倒的なリアリティのスパイお仕事小説! ★ SNSのアイコンを用いて、意中の相手と親密になる ★ 苦手な相手とも、“猫の距離感”で仲良くなる ★ 電柱の何でもないマークで、こっそり連絡を取り合う etc…… 元公安の「中の人」だった著者だからこそ、 本当の心理戦、情報戦をここまでリアルに描けた! 【 警視庁公安部 】 とは ……国家の安全を守るために、 テロやスパイ活動、過激派、サイバー攻撃などの脅威を 未然に防ぐ捜査・情報収集を行う部署 ――― あらすじ ――― 喫茶「ハム屋」の店主・稲見には、 お客さんや家族にもナイショにしていることがある。 それは以前、警視庁の公安部(※)に勤めて 情報活動をしていたという過去。 日本を外国の脅威から守るため、 数々の心理戦を行ってきた彼は 職業柄、人と人とのコミュニケーション術に長けている。 だが、そのために困ったことに!! 「ハム屋」にはいつも、 ご近所さんからの様々な人間関係のトラブル相談が 舞い込んでしまうのだ。 ◎挨拶しても無視される同じマンションの住民 ◎ママ友LINEグループでのいやがらせ ◎女子高生同士のいじめ etc…… 人の頼みを断れないお人好しな性格も手伝い、 けっして乗り気ではなくても、 元公安の技術を使って店主はそれらのトラブルを“渋々”解決していく。 そんなある日――。 店主・稲見は誰かに監視・尾行されていることに気付く。 いったい誰が!? まさか…… “スパイごっこ”に関わるあの人物!? 穏やかだった「ハム屋」の日常は、 徐々に緊迫感を増していき、 喫茶店は開店休業状態に。 ついには国家的サイバー犯罪に巻き込まれ、 大ピンチを迎えることに――! ―――――――――――― -
変な地図
主人公はあの栗原さん!! 『変な家』『変な絵』に続く、雨穴「変な」シリーズの集大成! 2015年、大学生の栗原は、意外な事実を知る。 彼の祖母が、正体不明の古地図を握りしめて、不審死を遂げたという。 その古地図には、7体の妖怪が描かれていた。 これはいったい何なのか。なぜ、祖母は死に際にこんなものを持っていたのか。 謎を探るため、栗原は旅に出る。 そこに待ち受けていたのは、海沿いの廃集落、不可解な人身事故、潰れかけの民宿、因縁に満ちたトンネル、そして古地図に秘められた悲しい事実だった――。 祖母はなぜ死んだのか? 妖怪の正体は? ホラー、ミステリー、サスペンス、冒険、青春、恋愛…… 2024年書籍売り上げ1位! 雨穴が送る異形の王道小説。 あなたには、この「古地図」の謎が解けますか? ※イメージふくらむ「考察マップ」も収録。 ※著者・雨穴による『沖上喜見子の手記』朗読動画付き! -
閲覧厳禁 猟奇殺人犯の精神鑑定報告書
この報告書を絶対に読んではいけない――あなたの世界が恐怖に一変する読書体験!! 【このファイルは、先日都内で発生し、世間を震撼させたあの恐ろしい大量殺人事件の犯人の精神鑑定にあたった精神科医の記録をまとめたものである。これを読むことは、皆さんに対して予期せぬ精神的な影響を及ぼす可能性がある。そのため、決して読むことを強制しないし、読みはじめても皆さんが望めばいつでも途中でやめることも可能である――】 東京郊外で起きた大量殺人事件の記録には不審な点がいくつもあり、それは恐ろしい秘密の手がかりだった。犯人である八重樫信也の精神鑑定を担当した医師・上原香澄のインタビューから徐々に明らかになる事件の真相。犯行時の八重樫は「何」に怯え、一体「何」に襲いかかったのか。ずっと八重樫を見ていたという「ドウメキ」の正体とは? 医療ミステリーのヒットメーカーによるスマホ本ホラー『スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ』と対をなす、戦慄の読書体験! ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
はみだし者
少年鑑別所に行くほどヤンチャだった僕でも、理容師になる夢を実現できた。 「無茶をしろ!こわがるな!スキなものを追求しろ!」 自分を曲げることができずに生きてきた男が、〝いまを生きる若者〟に贈る、熱すぎるメッセージ! 僕はずっとはみだしてきた。 これからもはみだし者であり続けるだろう。 だが「はみだせ!」とは言えない。はみだすことが目的ではないからだ。 目的はあくまで〝自立〟であり、〝好きなモノ〟を追求することだ。 その過程を恐れるな。 はみだしてもなお、あなたは社会の一員なのだ。 それを忘れないで欲しい。それはきっとあなたを光り輝かせる。(「終わりに」より) -
木漏れ陽
映画監督・藤井道人氏推薦「人は、人生最後の日に、誰を想い、何を残していくのか? 沖田臥竜渾身の感動作が生まれたことに、心から嫉妬し、感嘆した。」関西を拠点とする暴力団・中山連合に在籍する小泉拓朗は、目上の者にも平気で歯向かう気性のヤクザだった。そんな小泉が雪乃という女性と出会い、変わり始めていく。やがて娘が生まれ、二人は夫婦になる。そんな中、親分である川中が襲撃され死亡。それを機にカタギになる決意をした小泉は、昔から夢見ていたマンガ家を目指し、バイトをしながら原稿用紙に向かい続ける。息子が生まれ4人家族になったが、徐々にすれ違っていった雪乃との関係は、気づいた時には大きな溝になり、二人は離婚。毎週末、子どもたちに会うことを生き甲斐に、マンガの連載を目指し日々奮闘する小泉。そこには「きれいな金で子どもを育てたい」という想いがあった。そんな中、小泉はステージ4の肺がんという診断を受け、余命宣告をされてしまう。愛する子どもたちのため、叶えたい夢のため、小泉は残された人生をどう使い、何を残すのか――。 -
団地メシ!
ベストセラー『じい散歩』『団地のふたり』(ドラマでも評判!)の著者による、人生が愛おしくなる団地と散歩の物語!「ゆっくりでいいよ、わたしはいつも花の味方だよ」16歳の花は高校になじめず、ずっと休んでいる。そんなある日、母方のおばあちゃんのゆり(70歳)から、むかし住んでいた「つつじが丘の団地に行ってみたい」と言われ――そこからふたり(たまにいとこも参戦)は、つつじヶ丘、狛江、豊洲……といろいろな団地をのんびりめぐって、お寿司、蕎麦、カレー、ケーキ、ラムネなどおいしい御飯やスイーツを楽しむことに。花&ゆりの年の差コンビが、お互いを思いやりながら、ちいさな幸せをみつけていく。 -
きこえる
あなたの「耳が」推理する。「音」が導く真相に驚愕する。 読者を1ページ目から未知の世界へ連れて行く。 謎が「きこえて」くる。 衝撃が、あなたの耳に直接届く。 物語×音声。小説を立体的に体感する、まったく新しい「謎解き」の新体験型エンタメ、誕生! 突然死んでしまったシンガーソングライターが残した「デモテープ」。 家庭に問題を抱える少女の家の「生活音」。 何十年ぶりに再開した二人の男の「秘密の会話」。 夫婦仲に悩む女性が親友に託した「最後の証拠」。 古い納屋から見つかったレコーダーに残されていた「カセットテープ」。 私たちの生活に欠かせない「音」。 すべての謎を解く鍵は、ここにある。 ※本作は、音声と小説を融合させた誰も経験したことのない「体験型ミステリ」です。小説を読み進めると、作中の様々なタイミングで「二次元コード」が登場します。そのコードを読み取り、音声を再生してください。それはあなたを新しい世界に連れて行ってくれる「音」です※ -
海原鮮魚店のお魚ミステリー日和
彼女の父親と一緒に食事に行き、一番高い刺身を頼んだところ「下ネタは嫌いだ」と不機嫌になってしまった理由とは? 料理人の顔も持つ著者が魚料理に関する謎を集めたお仕事ミステリー開幕! 大学卒業後定職につかずバイト生活をしていた山中幸太は父から将来について問われると勢いで料理人になりたいと応えてしまう。すると父から旧知の料理屋「天倉」を紹介されバイトすることになる。やる気のない幸太だが、出入りの魚屋「海原鮮魚店」の娘、海原波美や天倉五助のもとで修行をしたかった料理人、川上洋子との交流のなかで料理人になるという思いが強くなっていく。 -
カラークロウ COLOR CROW
「命をかけて守りたいものが、ある。」 忍者+戦士=鴉(クロウ) 絶望から這い上がった彼らに 日本は守れるのか――!? 映画化&舞台化! メディアミクスで展開する人気作「COLOR CROW(カラークロウ)」。 そのすべての物語の根幹をなす原作小説、ここに登場!! 男たちの戦いと絆を描く、最高に熱いエンタメ冒険活劇!! 防衛省・国家特別防衛課(トクボウ)内に、ひそかに生まれた「COLOR CROW(カラークロウ)」。 それは過酷な試練を乗り越えて戦闘に特化した能力を身につけ、国を守る戦いに身を投じると決めた男たちの総称だった。 妹を殺された「阿佐美煉」、祖母と母を失った「乃木杏莉」、悲運の父母と死に別れた「羅生聖護」、家族を惨殺された「蒼田三月」。 そして、彼ら若き「鴉(クロウ)」を束ねる指揮官「椿泰親」。 それぞれの抱える過去の悲運と昏い闇の向こうに、果たして希望の光は輝くのか。 役者・内田裕也 = 作家・中原裕也 衝撃のデビュー作!! -
残星を抱く
第73回日本推理作家協会賞短編部門受賞『夫の骨』の著者、受賞後初の長編ミステリー! 罰を受けるべきなのは誰―― 次々と身の回りで起こる不穏な出来事に、刑事の妻・柊子は追いつめられていく。 愛する家族を護るため、彼女が取った行動は――!? 「あなたを、殺したいと思って」 母娘二人だけのドライブの帰り道、青沼柊子は峠の展望台で、暴行の現場を目撃する。 暴漢たちは柊子たちを逃がすまいと車の前に立ち塞がるが、構わず柊子がアクセルを踏むと、サイドミラー越しに、男の影が崖下へと転落していくのが見えた。 あの男は死んだのか? 思い悩む柊子だが、県警捜査一課の刑事を務める夫の哲司には、正直に話せない。 すると翌日、マンションのポストに告発文めいた脅迫状が投函されており……。 血の因縁が浮かび上がらせる、二十年越しの真実! -
競争の番人
弱くても戦え! 『元彼の遺言状』著者、注目の新鋭が放つ面白さ最高の「公取委」ミステリー。 ウェディング業界を巣食う談合、下請けいじめ、立入検査拒否。市場の独り占めを取り締まる公正取引委員会を舞台に、凸凹バディが悪を成敗する! 公正取引委員会の審査官、白熊楓は、聴取対象者が自殺した責任を問われ、部署異動に。東大首席・ハーバード大留学帰りのエリート審査官・小勝負勉と同じチームで働くことになった。二人は反発しあいながらも、ウェディング業界の価格カルテル調査に乗り出す。数々の妨害を越えて、市場を支配する巨悪を打ち倒せるか。ノンストップ・エンターテインメント・ミステリー! 「デビュー2年目の勝負作です。わくわくドキドキ、ちょっぴり身につまされ、不思議と力が湧いてくる。理屈抜きで面白い王道エンターテインメントを目指して書きました。エンタメの幕の内弁当、どうぞ召し上がれ!」―新川帆立 -
ヒポクラテスの悔恨
これから一人だけ誰かを殺す。自然死にしか見えないかたちで――。 斯界の権威・光崎に宛てた犯行予告。悪意に潜む因縁とは!? 斯界の権威・浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授がテレビ番組に出演した。日本の司法解剖の問題点を厳しく指摘し、「世の中の問題の九割はカネで解決できる」と言い放つ。 翌朝、放送局のホームページに『親愛なる光崎教授殿』で始まる奇妙な書き込みが。それは、自然死に見せかけた殺人の犯行予告だった。 早速、埼玉県警捜査一課の古手川刑事とともに管内の異状死体を調べることになった助教の栂野真琴は、メスを握る光崎がこれまでにない言動を見せたことに驚く。 光崎は犯人を知っているのか!? やがて浮かび上がる哀しき“過ち”とは……? 死者の声なき声を聞く法医学ミステリー「ヒポクラテス」シリーズ、慟哭の第4弾! -
今昔百鬼拾遺 月 【電子百鬼夜行】
昭和29年春から夏にかけて続く怪事件。 「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。しかも斬り殺されるんだという話でした」 昭和29年3月、駒沢野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪奇と見える事件に不審を覚え解明に乗り出す。(「鬼」) 複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るが―。山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。(「河童」) 是枝美智栄は高尾山中で消息を絶った。約二箇月後、群馬県迦葉山で女性の遺体が発見される。遺体は何故か美智栄の衣服をまとっていた。この謎に旧弊な家に苦しめられてきた天津敏子の悲恋が重なり合い―。『稀譚月報』記者・中禅寺敦子が、篠村美弥子、呉美由紀とともに女性たちの失踪と死の連鎖に挑む。天狗、自らの傲慢を省みぬ者よ。憤怒と哀切が交錯するミステリ。(「天狗」) 解説 綿矢りさ -
空想クラブ
吉見駿は空想好きな中学生。祖父から受け継いだ「能力」によって、見たい風景を「見る」ことができる。小学生のときの親友・真夜の葬儀の帰り道、駿は河川敷で幽霊となった彼女に再会する。川で溺死した真夜は、死の瞬間の謎のために河川敷の、半径二十メートルの範囲に捕らわれてしまったという。塾からの帰宅途中、河川敷を自転車で走っていた真夜は川の方から「助けて!」という叫び声を耳にした。少女が溺れていることに気付いた彼女が川に入ったそのとき、木の枝を踏んだような音と共に意識を失ったという。「能力」のためか、自分だけが真夜の姿を見ることができると知った駿は、仲間と共に彼女の死の真相を探っていく。溺れていた少女を捜していくなかで、町の不良・郷原の関わりが見えてくるが……。 -
償いの流儀
正義の鉄槌? なんて柄じゃないけど オレオレ詐欺に遭った「角のおばちゃん」の仇を取ろうと 証拠をつかんだ詐欺集団を匿名で警察に通報したつもりが、 逆に逮捕を逃れた残党に居場所を知られ、復讐の標的に。 背後の組織をつかみ切れない奈美が選んだ窮余の策とは? 企業のトラブル請負という仕事をめぐって最愛の恋人・雪江と師を続けて亡くした西澤奈美は心の整理がつかず空虚な日々を送っていた。そんな彼女が親しみを寄せるタバコ屋の上井久子がオレオレ詐欺に遭う。 久子を慰める術を持たない奈美だったが、自分が入居する雑居ビルのオーナーから隣のビルに入った怪しげな会社が詐欺集団ではないかという見立てを聞き、密かに証拠をつかみ匿名で警察に通報する。しかしその後、逮捕を逃れた残党の影がちらつき、たびたび襲撃を受けるように。 奈美は、彼女が育った児童養護施設の後輩で雪江を慕っていたという松井の協力を得て久子を騙した犯人を突き止め、ついには自ら拉致されて敵地に辿り着くという無謀な賭けに出る……。 満身創痍の西澤奈美、絶体絶命! -
潜在殺
元マル暴特捜刑事絶賛! 「この小説を読むと、刑事時代の苦しみややり場のない怒り、そして途切れる事のない緊張感が懐かしさとともに甦る。ここには刑事の〈迫真〉が詰まっている!」 超王道・警察小説の誕生!! <静岡市内で勃発した暴力団同士の抗争事件。緊張感が高まる中、ついに発砲事件が発生した。県警中部署・刑事二課(マル暴)の沖田警部補と相棒の反町巡査部長を中心に大規模な捜査に乗り出すのだが、発砲に使われていた銃が警察の正式拳銃・ニューナンブである可能性が浮上した。 警察は箝口令を敷きつつ、一刻も早い事件解決を目指す。しかし秘密裏に行われていた組事務所へのガサ入れは不発に終わり、さらに拳銃密造で内偵していた容疑者が死体となり発見される。 警察内部に内通者がいるのでは……そこで浮上した男は、薬銃のエースにして沖田の同期・五十嵐亮介警部補であった。>