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日本文化史の大学教授・小宮山香織のもとに、教え子から相談事が持ち込まれた。山形の実家が所有する油彩画に、贋作の疑いがかけられたというのだ。明治期を代表する洋画家・高橋由一が描いたとされる《隧道図》は、真筆に近い特徴を持ちながら、いくつかの謎をはらんでいた。真贋を調べる香織はやがて、描画当時の事件が鍵を握ることに気づくが――。
明治期の不可解な失踪事件、道路事業をめぐる百姓一揆、真贋不明の奇妙な絵、そして新たな殺人。
油絵が呼び寄せた謎の先に、驚天動地の真実が待つ!
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Posted by ブクログ
翔田作品は現代を舞台にした推理小説しか読んでおらず、まあ普通の推理小説家だなあという感想しかなかったが、本作で見方を変えさせられた。100年前に高橋由一の描いた隧道図に絡む思惑と怨念が超一流のミステリー作品に昇華する様は驚きの連続で、興奮が抑えられず後半一気読み。個人的に今年最大の拾い物だと感じている。三島通庸を絡めて、明治前半の歴史的な背景も見事に活写している。著者の経歴をWikipediaでみると、美術館勤務および大学での美術史教員の経験があるとのことで、美術に造詣があることもわかり非常に納得。こうなると広沢真臣の暗殺を題材にした「参議怪死ス」も俄然興味深くなった。読んでみよう。
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