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「神」とまで呼ばれた天才少女はなぜ、自身の手がける舞台の上演中に死んだのか?
演劇女子学校に入学した結城さやかは、劇作家を目指している。同学年には同じく劇作家志望で、学内一の天才と謳われる設楽了がいた。了は俳優の能力を引き出し、観客を魅了する舞台を作り上げる卓越した才能をもっていた。了の手がける舞台に上がりたい、了に認められたいと俳優志望の生徒達はこぞって渇望する。次第に周囲から「神」とまで崇められた了は、横暴な振る舞いをしても良い舞台を作るためだと許された。しかしそんな了は突然、自分の手がける演劇の上演中に舞台から転落死する。不幸な事故だと片づけられたが、翌年の春に入学してきた新入生・藤代貴水は全校生徒の前で高らかに宣言した。「わたしは、設楽了の死の真相を調べに来ました」――さやかは貴水に巻き込まれる形で、了と生前の関わりのあった生徒を調べることになり・・・・・・演劇を愛する生徒達が内に潜んだ「殺人者」を暴き出す、眩く鮮烈な学園ミステリー!
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Posted by ブクログ
途中で急に不穏な空気が流れて、あとは一気に引き込まれていきました
ミステリーという区分に対して特段意識はなかったんだけど、この本をきっかけにもしかしたら私はミステリーが好きなのかもと思い始めました
犯人はなんとなく想像できちゃったけど...!
「チェーホフの銃」という話が文中に出てくるだけであって、全ての出来事が最後にちゃんと意味付けられていてすごいなって思った。
シェイクスピアに関して全く素養がなく、、マクベスの内容に関してはさっぱりでしたが...笑
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具体的な目標と努力の方法が示されている状態は、綾乃の精神を安定させた(p.101)
うろたえる了の姿は、間違えて言い直された台詞や、舞台の上に落とされた小道具のようだった(p.235)
入っていいかとも訊かず、するりと体を滑りこませる。彼女が持ち込んだ朝の空気が肌に触れるのを感じた。(p.273)
なんとなくわかる、とさやかは思った。自分じゃない誰かのことを簡単に「わかる」とは言いたくないので、口にはしなかったけれど。(p.362)
語彙集
・業を煮やした貴水は(p.219)
・彼は薫陶を垂れた(p.231)
Posted by ブクログ
★★★★ 何度も読みたい
演劇の名門・百花演劇学校で最大の公演・定期公演の最中、脚本の天才・設楽了が事故死した。そんな天才の下、万年2位だったさやかと、百花には了の死の真相を探りに来たと豪語する貴水が、了の最後の作品・『百獣のマクベス』の関係者を調べていく話。
物語が進む中で明らかになっていく様々な少女の苦悩に読む手が止まらなかった。いじめられていた過去を抱える少女も登場し、その過去や現在とのつながりに胸が締め付けられることもあったが、そこまで生々しい演出ではない。
「舞台のためにすべてをー限りなく全てに近いものを犠牲にできる人はいるのだろう。舞台に立つために生まれてきたとか、舞台を作れないなら生きる意味がないとか、心からそう思える人たち。たぶん了はそうだった。さやかは違う。舞台を作るのが好きで、本気で脚本家、演出家を目指していて、その仕事に一生をかける覚悟だってあるつもりだが、必ずしもそれを最優先にはできない。いくらいい舞台を作るためでも、誰かをむやみに傷つけることはしたくない。(略)もしも舞台っくりに携わることができなくなったらー考えるだけで暗闇に放り出されたような気持ちになるけれど、それでも自分は生きていくだろう。観客として演劇を楽しみながら、他にやりたいことを見つけて、それなりに幸せに生きていく気がする。
嫌になるほど、自分は普通だ。(略)少なくとも了のように特別ではないし、麻衣の言うような舞台人でもない。わかっていても認めたくはなかった。そうでなければ夢は叶わないのではないか、舞台人である他の人たちに敵わないのではないかと、常に不安だった。
だから貴水が「おかしい」と断言したのは衝撃だった。貴水はそこに引け目を感じたりはしないのだ。鈍感なのか、大物なのか。いずれにせよ痛快な気分にはならなかった。それどころか、自分が目を逸らしてきたコンプレックスを直視させられたようで、うらめしく感じた。」
中盤のさやかのこの感情には非常に共感した。その上で、自分は了にも貴水にもなれないと認め、それでも演劇に関わっていくのだと決意した終盤はよかった。
Posted by ブクログ
演劇に特化した全寮制の女子校で起きた公演中の転落事故。1人の少女が亡くなり、その一年後、一人の生徒が入学する。その死の真相が知りたいー。
私は、この始まりだけでドキドキしてしまう。「幕が上がる」そんな言葉が浮かび上が上がって物語は始まる。
登場人物は多くない、ほぼ学園内での話。コンパクトで読みやすい。それでいて、人間関係や青春、夢にかける必死さが多面的に示される。登場人物の出身地が北海道や大阪など地方でのエピソードがあったり、作中の時間の流れが空間的・時間的広がりを与えている様に感じた。
読みやすい、面白い。作中、「マクベス」が出てくるけど、知らなくても大丈夫。知っていたらきっと、尚更面白い。
真相はフェアで示されているけど、私は気が付かなかった。全体的にモヤモヤしなくて良いミステリー。学園もの、青春もの ミステリーが好きな方におすすめです。
Posted by ブクログ
演劇専門学校で発生した、"神"と崇められた生徒の事故死。
最初はただの事故として処理されたが、何故緞帳の降りた舞台で下がった迫りに落ちたのか?何故上がる必要の無い舞台に上がり事故にあったのか?等の
謎が残る事件となっていた。
そこへ、新入生の『貴水』が事件に隠された真相を調べに学校へ入学してくる事により物語は進んでいく。
個人的にこの作品は世界観へ引き込む文体をしてると感じました!
読めば読む程この世界への没入が深くなりました。
気付けば一気読みでした。
特に、登場人物の心理描写はとても好きでした!
『人の心の奥の奥までは見えない』
この台詞に濃縮されてる意味が濃くて好きでした!
物語展開と謎解きへの伏線としての台詞等は「アレ?」と違和感を抱いたり、「これは!」と解る台詞が多かったのに、全てが推理仕切れない所もミステリーとしてとても良かったです!
読みやすく楽しめるミステリーで、人の心と秘め事の大切さを痛感する物語でした!
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