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一年前、偶然出会ったお婆さんに会いたい。しかし手掛かりは、庭に良い匂いの沈丁花が咲いていたことと、その庭でお婆さんが発した不可解な言葉だけ――。思わぬトラブルによりサッカー部を辞め鬱屈した日々を送る航大。春を告げる沈丁花の香りに、親切にしてくれたお婆さんのことを思い出し、記憶を頼りにその家を探していたところ出会ったのは、美しい庭を手入れする不愛想な大学生拓海だった。拓海は植物への深い造詣と誠実な心で、航大と共に謎に向き合う。植物が絡むささやかな“事件”を通して周囲の人間関係を見つめなおす、優しさに満ちた連作ミステリ。鮎川哲也賞優秀賞受賞作。/【目次】春の匂い/鉢植えの消失/呪われた花壇/ツタと密室/勿忘草をさがして
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年12月16日
草花と謎と優しさと、の話。
高校生の航大くんと大学生の拓海くんが沈丁花をきっかけに出会い草花とささやかな謎を解き、少しずつ成長していく話。航大くんが良い子やから、こちらが感じる憤りもホッとするような優しさに昇華してくれる。今まで気にしていなかった草花が気になる、という航大くんに完全同意する。私もこれ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月23日
なんでしょうか…優しい人になった気分
もともと優しい人ですけど(●︎´艸`)ムフフ
主人公は高校生・航一
明るくてポジティブ、サッカー部でも一生懸命な爽やかな高校生です。
友達の喧嘩に巻き込まれてサッカー部を退部
帰宅部の毎日は輝きを失いイライラする自分がイヤで、ふと以前一度だけ偶然助けてくれた沈...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月11日
思いもよらぬ友人のトラブルに巻き込まれ、サッカー部を退部して以降、何をしても楽しさを感じずに鬱々としていた高校2年の航大。
入学前にサイクリング中に転倒し、手当てしてくれた親切なおばあさんを思い出し、もう一度会ってお礼を言いたくて探す途中で出会った無愛想な大学生の拓海。
この2人が、植物に纏わる謎を...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月10日
まず、表紙が素敵。こんな素敵な庭で菊子さんのような可愛らしいおばあちゃんが美味しいお菓子と飲み物でもてなしてくれるなんて最高。
だが探偵役は菊子さんではなく、孫で無愛想だけど優しい大学生・拓海。
主人公の高校生・航大が一年前に出会った沈丁花のある家に住む高齢女性を探すという、あまりに大まかな手掛かり...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月12日
ガーデニングやお花についての小さな謎、蘊蓄と共に謎解きを楽しめる展開。
「四季折々の花が咲き誇る庭で、おしゃべりしながら美味しいデザートをつまむ」
ちょっとしたことがご縁で始まった老婦人と無愛想な大学生との交流。
鬱屈した日々に射し込む穏やかで優しい時間。
ささやかだけど大切で、贅沢な時間。
航...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月19日
友達のケンカに巻き込まれ正当防衛だけど相手に怪我をさせてしまった主人公。熱心に打ち込んでたサッカー部も自発的という名の元に退部することになり、親も我慢できたのではと百かばってはくれない。心にバシバシとげができてる。そんな時に優しくしてくれたお婆さんを探すのだが覚えているのは庭のことだけ。その庭探しを...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月13日
優しさにみちた連作短編集。優しさというのは時に残酷で良いと思える行為が相手を傷つけてしまうこともある。本作はそうならないように丁寧に大切に描いていると感じた。モチーフが「花」なのもそれが起因してあると感じられる。加えて意外にといっては失礼だが主人公らの会話が良い。完全な青春小説なので同級生たちとのた...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月12日
一年前、偶然出会ったおばあさんに会いたい。しかし手掛かりは、庭に沈丁花が生えていることと、その庭で交わした会話だけ――。トラブルにより部活を辞め無気力な日々を送る航大が、一年前の記憶を頼りにある家を探していたところ出会ったのは、美しい庭を手入れする不愛想な青年拓海だった。拓海は植物への深い造詣と誠実...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月05日
草花をテーマにした「日常の謎」系のミステリ。ミステリというには非常に小さな謎だったりもしますが、この手の話にありがちな「ちょっとした日常の出来事に、実は裏ではこんな悪意が・・」みたいな読後感の悪さがほとんどないのがよかったですね。まあ人によってはそれを物足りなく感じる人もいるでしょうけども。ミステリ...続きを読む
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