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Posted by ブクログ
なんだか作中ずっと雪がしんしんと降っている曇天のイメージで読み切った。
何かがおかしいのに、何がおかしいのは分からないという気持ちをずっと引きずって一章を終え、2章に入った途端徐々に明るくなっていく感じだった。
正直に言うとお嬢さんのことを小学生ぐらいかと思っていたので、成人されていてびっくりした。
登場人物の行動などから全体的にすごく若いと思っていたが、ある程度分別つく大人の話だったのでまたこれも驚いた。
自分ですら仕事のことで引きずったり心にずっと残っていることがあるのに、人の生死が関係している話は心のケアというのが非常に難しい話だとは思う。
真相というか理由にたどり着いた時は、やはり人は少しずつ壊れていくんだなと思った。
Posted by ブクログ
第44回横溝正史ミステリーホラー大賞優秀賞受賞作。
雪の夜、職務質問から逃げた不審者の乗る車を追跡した結果他の車両を巻き込む大事故に発展、5人を死なせてしまった刑事の松野徹。警察への批判が高まる中、逃げた男・藤池光彦が事故直前に強盗致傷事件を起こしていたことが判明し風向きが変わる。
12年後、光彦の冤罪を疑う家族から再調査を依頼された松野は、いまだに抱える自責の念から引き受けてしまう。
冤罪はあり得ず、新事実など何も出てきようがない、はずだった……
面白かった。
ホラーの要素は一切なく、ミステリ要素のみ。文章は端正で読みやすく、主人公の造形もよく、読み出すとどっぷりはまった。
光彦は冤罪なのか、そうで無いとしたら何故また罪を犯したのか、と掴みはバッチリ。組織の論理に潰されそうになりながらの調査、そして明らかになる事件の裏にあった真相。
後半はガラリと目線が変わり、どうなった?と思う間もなく突然の展開。ここでこうなるか?と思いながらその後さらに明らかになる真実の姿。もう、二転三転でした。
ただ、真実の展開は意外で、ここは好き嫌いが分かれるところ。ただ、一つの事件の周辺で起こる関係者へのいわれのない差別や中傷への作者の思いを描くために必然の展開だったのかもと理解した。
タイトルの「責任」は、「責」だったのを改題したというが、責任に加えて自責の念、他者からの責めという意味も含めて「責(せめ)」の方が良かったのではと感じた。
それにしても、この作品に限らず刑事がよく正式な捜査でなく一人で動くことがまかり通っているけど、現実でそんなことはできるんだろうか。そんなに暇じゃないと思うんだけど…
Posted by ブクログ
刑事の松野徹が、2010年不審車両に遭遇し、職務質問中に運転手の藤池が急発進した後、家族4人が乗る車と衝突し死亡する大事故となった。
追跡した警察への批判が強まりかけたとき、藤池が強盗致傷事件を起こしていたと判明するが…。
それから2022年の現在、藤池の墓碑の前に居た松野が、藤池の父の稔と会う。
藤池の両親から再捜査を懇願される松野は、自責の念に誘われるように引き受けるが…。
新事実など出てくるはずもないと一人で動いたていた松野が、暴きだした真相とは…。
松野の抱える葛藤と真実を知ろうとする行動にページを捲る手が止まらなくなる。
警察内での様子も隠蔽か…と思ったが、松野の娘・莉帆の強さと父を思う気持ちが真実まで辿りついたのかもしれない。
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