殺人者の白い檻

殺人者の白い檻

1,870円 (税込)

9pt

刑務所のすぐ隣という、特殊な環境に立地する総合病院に勤務する腕の良い脳外科医の尾木敦也。彼は六年前に父母を強盗に殺害されて以来、精神的に不安定になり深刻なスランプに陥っていた。そんなある日、刑務所からクモ膜下出血で搬送されてきた「スペ患」の執刀を、院長命令で担当することになる。緊急開頭手術で命を救うことはできたものの、スペ患の正体が両親の命を奪った死刑囚・定永宗吾だったことを知り、尾木は懊悩と悔恨の迷路に彷徨い込む。そして定永は、逮捕と死刑の判決以降も自身の犯行を一貫して否認していた。術後のリハビリを通して、尾木と妹の看護師長・菜々穂は、定永という人間と六年前の事件に、改めて向き合うことになるのだが……。

憎き犯罪者と医師は、どう向き合えば良いのか? 犯罪者の生命は軽いのか、あるいは全ての人間と等しく重いものなのか? 事件の真実と真相はどこにあるのか? 死刑の意義、犯罪更生の理非、医師の倫理、それぞれの命題を通して生命の「軽重」の問いを突きつける、究極の医療ミステリ。

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殺人者の白い檻 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    とても好きな作家さん。
    今回は医療ミステリー。

    刑務所の隣の病院に勤務しているとはいえ、
    自分の両親を殺した殺人犯で死刑囚の主治医になるなんて、
    こんな偶然、小説の中でしかない。

    被害者としての感情と、医者としての矜持、
    揺れ動く心模様が絶妙に書かれている。

    そして、まさかの冤罪疑惑・・・

    0
    2024年05月19日

    Posted by ブクログ

    死刑囚を救うことに意味があるのか。況してその死刑囚が両親殺害犯だとしたら…脳外科医、敦也の言動に釘付けである。薄々感じ始めた本星の存在。豊富な医療知識に謎と真実が溶け込み、一気読み。

    0
    2023年02月09日

    Posted by ブクログ

    刑務所から運ばれてきた急患は、両親を殺害した死刑囚。
    手術後もこの喋らない死刑囚とリハビリを通して向き合うことにより、真実が明らかになる。
    再び、メスを握ったとき…。

    久しぶりにページを捲る勢いが止まらなかった。
    医師でなくても決断を迫られることはあるが、命においては、医師ほど課せられるものが多い

    0
    2022年09月22日

    Posted by ブクログ

    真犯人は想像つきながらも、最後まで気になって見逃せなかった。

    ミステリー系の推理の工程が苦手に感じてたけど、この作品は最後まで楽しく読めました。

    0
    2022年09月17日

    Posted by ブクログ

    尾木敦也45歳は明浄会Y病院に勤める脳外科医です。
    同じ病院で妹の菜々穂も看護師として働いています。
    菜々穂は理学療法士の村主叡輔と交際中です。

    尾木兄妹は六年前に両親を窃盗に家に入った定永宗吾により殺されたとされています。
    その定永が敦也の元にくも膜下出血で隣りの刑務所から運ばれてきます。

    0
    2022年09月05日

    Posted by ブクログ

    あくまで冷静な筆致で淡々と進む物語が最終盤で急展開する。この作者にしては珍しい長篇だったが、命を預かるドクターとナース兄妹の心情も描き一気読みでした。

    0
    2025年07月29日

    Posted by ブクログ

    6年前に両親を殺害された脳外科医の敦也と看護師の奈々穂の兄妹の二人が主人公。そんな二人の前に犯人が患者として運ばれてきた。患者の正体を知らない敦也と正体を知る奈々穂。後半は物語が急展開する。人が生死をさまよう時に必要なのは人の温もり。二人がとった行動に感動した。

    0
    2025年06月12日

    Posted by ブクログ

    結末にびっくり
    自分の親を殺害した人間を治療をするべきかと苦悩する医師の物語かと思っていると全然想像していなかった場所に着地しました

    読んでいる時に少々の違和感は感じていましたが最後まで読めば納得
    ラストの一文に複雑な気持ちになりますが登場人物のこの先に少し希望が持てました

    0
    2024年08月16日

    Posted by ブクログ

    一言で表すならシンプルな物語だけども奥深い作品でした。
    読みやすく、登場人物のキャラクターも凝りすぎず良かったです。
    クライマックスは、個人的には好きでした。

    0
    2024年03月09日

    Posted by ブクログ

    面白かった。。

    長岡さんの作品は初読。
    なんだろう この読後感。
    ミステリー 犯人は中盤ですぐに分った。
    最後 やたら引っ張るなぁ と思っていたら、、、
    最後の一行にやられた。
    こんなに最後の最後にやられたのは、東野圭吾さん以来かも。
    そして読後感がよい。
    読んでよかったです~。

    0
    2023年10月16日

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