【感想・ネタバレ】殺人者の白い檻のレビュー

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Posted by ブクログ

死刑囚を救うことに意味があるのか。況してその死刑囚が両親殺害犯だとしたら…脳外科医、敦也の言動に釘付けである。薄々感じ始めた本星の存在。豊富な医療知識に謎と真実が溶け込み、一気読み。

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

刑務所から運ばれてきた急患は、両親を殺害した死刑囚。
手術後もこの喋らない死刑囚とリハビリを通して向き合うことにより、真実が明らかになる。
再び、メスを握ったとき…。

久しぶりにページを捲る勢いが止まらなかった。
医師でなくても決断を迫られることはあるが、命においては、医師ほど課せられるものが多い職業はないのではと思った。

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2022年09月22日

Posted by ブクログ

真犯人は想像つきながらも、最後まで気になって見逃せなかった。

ミステリー系の推理の工程が苦手に感じてたけど、この作品は最後まで楽しく読めました。

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2022年09月17日

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尾木敦也45歳は明浄会Y病院に勤める脳外科医です。
同じ病院で妹の菜々穂も看護師として働いています。
菜々穂は理学療法士の村主叡輔と交際中です。

尾木兄妹は六年前に両親を窃盗に家に入った定永宗吾により殺されたとされています。
その定永が敦也の元にくも膜下出血で隣りの刑務所から運ばれてきます。

也は手術台の前では親を殺された男としてではなく一人の脳外科医としてオペを成功させます。
しかし定永はリハビリをしなければ右手を動かすことができない状態でした。
定永はリハビリを拒みます。
死刑囚は体調が万全でなければ処刑されることはないのです。

敦也はなんとか、定永にリハビリをさせようとして定永の好きな絵画の道具を買って病室に置きます。
絵を描くにはリハビリをして右手を動かせるようにしなければならないと考えると思ったのです。

そんな時、定永の目の明暗の順応力に問題があったことが発覚し殺人はできなかったのではないかという冤罪説が浮上します。

この作品は、脳外科医の敦也が定永は冤罪かそうでないか、真犯人は果たして誰なのか、真犯人をどうやって見つけるのかという、ヒューマンミステリーだと思います。

そして、すべてがわかった最後の時、敦也がどういう行動をとるのか…。
一番最後に、敦也がとった行動は泣かせます。

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2022年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 短編ミステリの雄、長岡弘樹さんの長編第2作だろうか。『風間教場』と同様、250p程度で長編としては短めだが、内容は極めて濃密だ。

 優秀な脳外科医である主人公の尾木敦也は、6年前に両親が強盗に襲われて亡くなって以来、スランプに陥っていた。そんな中、敦也は刑務所から緊急搬送されてきた囚人の手術を命じられる。手術後、彼が知った囚人の正体とは。

 その囚人とは、敦也の両親を殺害した罪で死刑が確定した、定永宗吾であった。設定だけでも凄い。定永は、死刑確定後も一貫して殺害を否認していた。敦也と妹の看護師長・菜々穂は、リハビリを通して過去に、定永に向き合うことになる。

 死刑囚のリハビリという特異なシチュエーション。病状が回復すれば、結局は死刑執行される。付き添ってきた刑務官も、回復を望んでいないのが興味深い。自身が死刑執行を担当するかもしれないのだ。いっそこのまま亡くなってくれれば。

 遺族である敦也だが、医師としての腕だけでなく、職業倫理も高いようだ。妹の菜々穂も。理学療法士とも連携して「仇」のリハビリに取り組むうちに、彼の観察眼が何かを見抜きつつあった。ちょっとした違和感を積み重ねていくと…。

 定永が熱心にリハビリに取り組みだした理由とは。その分野のプロフェッショナルではない自分に、そんなことがあるのかはわからない。短編の長岡作品でも、やや飛躍を感じることは多いが、それでも唸らせる手腕は長編でも変わらない。

 短編の長岡作品には、長編にアレンジできそうなネタが多い。本作はさすがに短編には収まらなかったか。それでもコンパクトにまとめているのはさすがである。もっと長くできたはずだが、この長さだから読者に強く訴えてくる。

 敦也の勤務先の院長もなかなかの狸だが、定永を担当させてリハビリをする意図があったのか。物騒なことを言いつつ、院長にはわかっているのだろう。敦也は医師の責務を果たすと。この終わり方は実に心憎い。また長編も書いてほしい。

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2022年08月31日

Posted by ブクログ

一言で表すならシンプルな物語だけども奥深い作品でした。
読みやすく、登場人物のキャラクターも凝りすぎず良かったです。
クライマックスは、個人的には好きでした。

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2024年03月09日

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面白かった。。

長岡さんの作品は初読。
なんだろう この読後感。
ミステリー 犯人は中盤ですぐに分った。
最後 やたら引っ張るなぁ と思っていたら、、、
最後の一行にやられた。
こんなに最後の最後にやられたのは、東野圭吾さん以来かも。
そして読後感がよい。
読んでよかったです~。

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2023年10月16日

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長岡氏の粘着質な文章はやはり肌にあわないが、ストーリやプロット自体に無理はなく、面白く拝読できた。命の軽重について語るにはかなり薄っぺらい印象の本だが、ミステリーとして読めば及第点。

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2023年04月12日

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作者さんには珍しい長編。刑務所の隣にある病院へクモ膜下出血死刑囚定永が搬送される。主治医はその死刑囚に父母を殺された主人公である脳外科医尾木だった…。因縁のある患者とどう向き合うのか、定永は冤罪なのか?事件の真相は?

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2022年09月19日

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長岡さんにしては珍しい長編。

真犯人はすぐに予想できちゃうんだけど、なかなか読ませてくれるので楽しめたw

いや…設定はハード過ぎるけどね?www

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2022年09月05日

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長岡弘樹の最新作ですが、物語の設定が良くて楽しめました!主人公の脳外科医の医師が、かつて自分の両親を殺害した死刑囚の脳手術を担当することになり、医師としての立場と被害者家族としての立場から、この死刑囚との向き合い方に葛藤しているところ、もしかしたら冤罪かもしれないとの疑念も入り、混乱しつつも、最後は両親殺害の真実にたどり着いた先に待ち受けていたものとは?という展開でした!
さすがの人間描写に、先の展開が気になって、結構一気読みに近くなってしまいました。

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2022年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2022/07/31リクエスト 4

刑務所のすぐ隣にある総合病院に勤務する脳外科医の尾木敦也。彼はもう医者を辞めようと休職していた。
そんな休職中のある日、院長の直々の依頼により、刑務所からクモ膜下出血で搬送されてきた「スペ患」の執刀をすることになる。
緊急開頭手術で命を救うことはできたが、スペ患の正体が両親の命を奪った死刑囚・定永宗吾だったことを知る。
尾木はその命を医者として救ってよかったのか悩み続ける。
当の定永は、逮捕と死刑の判決以降も自身の犯行を一貫して否認していた。
術後のリハビリを通して、尾木と妹の看護師長・尾木菜々穂は、定永という人間を観察ていたところ、ベテランのPT(理学療法士)村主に引っかかるところを見つける。
両親を殺したのは、死刑囚の定永ではないのではないか…

尾木の妹の菜々穂は、村主とお互い憎からず、というより、結婚も考えるような間柄だったにも関わらず、白紙に戻す。
そんな中、村主が脳梗塞で目の前で崩れ落ちる。
本当の、両親を殺した村主の命を救っていいのか、またもや執刀医は尾木になり…
院長にかなり難易度の高い手術だから、とほのめかされるも、やはり成功させてしまう。
その手術の最中、父から受け継いだ、
「脳外科の手術の時、患者はわかっていないかもしれないが、手をにぎること、それにより奥深いところで伝わる」
その役割を任せたのは、妹の菜々穂だった…

最後にこういう展開になるとは、思っていなかった。
いい意味で裏切られた作品です。

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2022年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

遺族が犯人の主治医となるミステリー。

短編では、わざとらしい薀蓄とオチが直結するので鼻白むことがある著者ですが、長編だと薀蓄が伏線やヒントになるのでうざく感じることはありませんでした。
そのためか、どんでん返しもなく、真相が少しづつ明らかになっていくところは好感が持てました。
短編のオチらしさっぽいラストの余韻の残し方に著者のいやらしさが透けて見えますが、多少感動させていただきました。

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2023年08月31日

Posted by ブクログ

初読みの作家さんです。
まことさんのレビューから読みたいと思い、順調待ちしていました。

読み始めてすぐに引き込まれ、先へ先へと急ぎたくなるストーリー展開。
脳外科医の尾木敦也と、妹で看護師の菜々穂は、同じ病院に勤務している。
二人の距離感にちょっと戸惑いを感じたが、6年前に両親を失う事件があったので、同じ悲しみを持つ者同士なのでしょう。

クモ膜下出血で運び込まれた患者は、冤罪を主張する死刑囚。
執刀するのは、主人公の尾木敦也。
手術後のリハビリ担当である理学療法士の村主と共に、無言のまま目をギラギラさせ、リハビリに打ち込む死刑囚。
この様子はなんとも不気味で恐ろしい。

読み進めるうちに次々と見えてくる真実。
そしてラスト!
様々な問いを投げかけてくる作品でした。

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2023年02月28日

Posted by ブクログ

長岡さんの最新作は長編医療ミステリ。
長編といっても頁数にして246頁とコンパクトに纏められていて無駄な描写がなく読みやすい。

物語の舞台は刑務所のすぐ隣にある総合病院。
優秀な脳外科医・尾木敦也がクモ膜下出血で搬送されて来た死刑囚・定永宗吾のオペをする場面から物語は展開していく。

手術は無事成功するが助けた患者は6年前、自分の両親を殺害した人物だった。

命を救う医師と命を奪った犯人の行末は…。

登場人物が少なくミステリ好きな人であれば真相は予想出来るはず。
重厚さを期待すると物足りないが、程よい緊張感を楽しめる一冊。

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2023年02月18日

Posted by ブクログ

脳外科医の尾木敦也が自分の両親を殺害した犯人の死刑囚、定永の手術をして(病院の隣が刑務所)主治医となってリハビリにも立ち会い、処刑できる体力まで戻すことに奔走しょながら、以外な真実に辿り着く。
中盤で犯人はわかったわ。
自分は空き巣に入っただけでガタイのいい犯人に羽交い締めされたといっている定永。
そして理学療法士の村主の体つきをガタイのいいって表記があり、あーこの人がって思って読む進んだよ。
でも、ベテランの理学療法士が自分たちの罪(付いていながらリハビリの途中で階段から患者が転落し、死なせてしまった事故)を隠蔽しようとし、真実を明らかにしようとした医者夫婦を殺害し、自分を犯人だと気づいた刑務官の早瀬も番しようとするなんて、とんでもない極悪人じゃん。
ちょっと内容的に?だったわ。

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2023年01月27日

Posted by ブクログ

最後手を握るのは生かすためなんだよね。
見えなくても意識がなくても五感どこかで覚えてるもんだと思う。

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2022年12月09日

Posted by ブクログ


隣から移送される特別な患者の手術や
治療にあたる脳外科医の主人公と
同じ病院で看護師として働く妹。

ここまででも、既に変わった設定だなと
思いながら読み出しましたが未だこれでは
終わらず、隣は刑務所の拘置所で移送されて
来る患者は服役囚。

かつ、主人公の両親は殺害されている上に
手術を担当した患者がその関係者。

入り組んだ設定ではないけれど、
こんな偶然があるの?と言いたくなる程
特殊で濃密な関係性の中で、主人公が
人としての感情と医師としての倫理観に
悩み迷い、葛藤しながら命と向き合う物語。

理性や意思について考えさせられる小説でした。

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2022年11月21日

Posted by ブクログ

刑務所の隣にある病院……。
何やら特殊な環境で、予想もしえないこともあるんですね。
脳外科医として勤務する彼は、6年前に父母を強盗に殺害されたことを切欠に、精神が不安定に。ある日、隣からクモ膜下出血の患者が。その患者は、両親の命を奪った死刑囚……。
医者と患者という関係で向き合う内に、違和感が押し寄せる、何かが違う……

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2022年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
半分くらいで、犯人も結末も予想できてしまうが、一気に読める。
冤罪に気づく病い、真犯人を特定する手法、事故死した父と入院してきた息子など、散りばめられたネタはむしろ短編向きなのでは、と思った。

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2022年10月18日

Posted by ブクログ

 いやぁ、これは参った!もし、仮に自分が医者だったとして、両親を殺した人物の治療ができるだろうか?医者としての自分をとるのか、被害者遺族としての自分をとるのか。大いに悩ましいところだ。

 優秀な脳外科医の尾木敦也は、両親を殺され、医者としての可能性を憂い、しばらく休業していた。院長からどうしても手術をして欲しい患者がいると言われオペをすることになったが、途中で両親を殺した死刑囚の定永であることがわかった・・・。

 ブラックに限りなく近いグレーの死刑囚、定永のリハビリを行なっていくうちに、ホワイトに近くなっていくグレー。果たして定永は本当に犯人なのだろうか。

 誰もが疑問に感じ始めた時、新たな犯人像が浮かんできて・・・。

 テーマ良かったわりに、全体的に軽い印象なのが残念。ただラストは良かった。

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2022年10月08日

Posted by ブクログ

短編の名手長岡弘樹さんによる長編医療ミステリ。

長岡さんの連作短編の面白さに味をしめている読者にとってこの長編はどこか薄味というか、間伸びした感じがする。
明暗順応とか手の記憶とか福島弁とか、散りばめられた要素は面白く、連作短編にしたら面白くなるんだろうけど、長編になると途端に平板で盛り上がりに欠け、とっ散らかった印象になる。

主人公の医師が休職するまでに至った悩みが描き切れていないから、最後に選んだ答えの感動も少なめで残念。
やっぱり長岡さんはキレのいい連作短編読みたいです。

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2022年09月23日

Posted by ブクログ

設定が良いなとは思ったけど、ちょっと全体的に薄っぺらく感じてしまった。
登場人物の心の葛藤がもう少し掘り下げられていたら、もっと入りこめたと思う。

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2022年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死刑囚とその命を助けた医者、そしてその因縁、確かに興味深い。

しかし、読み進めていくうちに、だんだん明らかになる真相と疑問。
少しご都合主義的なストーリーだったが、それでも一気にやめられすに読む。
そして、結末は余韻というのだろうか・・・

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2022年09月11日

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