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谷村梢(こずえ)は小学校四年生を担任する補助教員だ。「カニは縦にも歩けます!」と理科の授業で実証し、注目されたのは、いじめられっ子・中尾文吾。梢に、スーパーである教師の万引きを目撃したと告げたまま下校。その日、文吾が襲われた。襲われる直前、梢の名前を呼ぶ声を近所の人が聞いていたという。梢に注がれる疑惑の目……。日常の謎が“深い”ミステリーに! 表題作を含む魅力の七篇! 【解説】杉江松恋
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Posted by ブクログ
長岡弘樹『波形の声』徳間文庫。 長岡弘樹らしい技巧トリックを駆使した短編集。デビュー作の『陽だまりの偽り』から一貫してスタイルが全く変わらないというのが凄い。トリック重視とも受け取れるほどの硬い文章と描写のギャップに、心して読まないと少し戸惑いを覚える。読み始めてすぐに文章に描かれる光景が目の前に...続きを読む浮かべば勝ちなのだが… 表題作の『波形の声』と『宿敵』が秀逸。『わけありの街』『ハガニアの霧』も良かった。他に『暗闇のモスキート』『黒白の暦』『準備室』の7編を収録。
短編集。 ミステリの短編集って、あたりはずれが大きい(と思っている)。 これはあたり。というか、長岡弘樹さんの短編ははずれなしだよね。 なんとなく違和感のある話が続き、だんだん疑惑が確信に変わっていき、最後にそういうことかと納得できる。 この本は繋がりのない短編を集めたものだけど、すべてそういうお...続きを読む話の構成になっている。 波形の声っていうのは、本当にそんな実験で録音再生できるのか? 最後の小学生からのメッセージは泣いた。一言だけでも、心にくるよね。 自分自身も、小学2年の時に短期間だけ(担任の妊娠出産で)臨時で来てくれてた先生いたなぁと思い出す。 名前が「みか」だから、皆「みかん先生」って呼んでた。 あの先生はあれからどうしたんだろうなぁ。 すごく些細な話だけど、その先生が児童としりとりをしてて、誰かが「ん」で終わる言葉を言ってしまったとき、先生が一生懸命「ん」から始まる言葉を探してくれていたこと、すごく印象に残っている。私も、それ以来「ん」で始まる言葉を探すようになって、外国語で「ん」から始まる言葉が見つかったとき、みかん先生に教えたいなとか思ったりした。 今もし伝えられるなら、「覚えているよ」ってことだけでも伝えられたらなぁ。 「教場」の登場人物は出てこないものの、教場シリーズのような空気感があり、長岡弘樹は教場しか読んだことないって人でも楽しめると思う。
長岡弘樹さんの短編集「陽だまりの偽り」「傍聞き」に続き「波形の声」3冊目を読みました。 長岡さんの作品は内容が多岐に渡り大変楽しめます。又、読後感も良くさらっと読めます。 この「波形の声」では *暗闇の蚊 *黒白の暦 *波形の声 *ハガニアの霧 の4作品が面白く、私の好みです。 流石に短編集...続きを読むを3冊も続けて読むと長編物が読みたくなりますが「時が見下ろす町」「白衣の嘘」も読もうと思います。
短編集。さまざまな状況があり、それぞれの心情があり、解決になるほどという納得感がある。 面白かった。
7篇を収録した短編集。この作家さんとの出会いは「教場」すごく淡々と、時には冷たいと感じるような文体が特徴的。大きな事件ではなく、日常の身近な事件を扱うことも多く、この作品の7篇もほぼ「日常もの」。どの作品をとっても、短編なのに、必ずミスリードされ、最後に思わぬ事件の真相が描かれる。それでも、短編によ...続きを読むくありがちなバタバタした展開もなく、本当にこの作家さんの凄さを感じる1冊。「傍聞き」など、短編なら、今一押しの作家さん!と思えるぐらい良かった。
長岡先生の短編集。やや古いものだが、テーマが多岐に渡っていて、この作者はもしや理系?と驚かされる作品(表題の「波形の声」など)もあり、今回も一気読み。(実際は筑波大第一学群社会学類卒なので、文系?) まだまだ未読の作品もあるので、非常に楽しみ。
短編集。「波形の声」、「宿敵」、「わけありの街」、「暗闇の蚊(モスキート)」、「黒白の暦」、「準備室」、「ハガニアの霧」の7編。 どの作品にも謎があり、最後にはそれが解明されるのだけれど、謎自体よりもそこに至るまでのストーリーが面白いかな。 「波形の声」と「黒白の暦」はトリックがこの辺だろうなと...続きを読む少しわかってしまいながら読んだけれど、それでも先が気になるので楽しんで読めた。 「わけありの街」はあまりぴんと来なかった。なぜ日記が入ってくるのかよくわからなかったし。 「黒白の暦」、動機の部分でちょっと現実味がないように思ったけどどうかな。当事者になったらそうしようって思うんだろうか。 「ハガニアの霧」が一番よかった。
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