国内小説 - 朝日新聞出版の検索結果
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ワル・ドクター 矯正医官シロウ
「犯罪者かどうかなんて知るか。俺の患者だ」 同僚の尊厳を守るため教授をブン殴り、 大学病院を追われた外科医・神志那士朗(こうじなしろう)。 職を失った士朗に舞い込んだのは、 刑務所で受刑者を診る医師”矯正医官”への誘いだった。 すべてのドアや引き出しに鍵がかかり、 医療者同士で名前を呼ぶことも避けられる。 これまでの病院とは全く違う環境に足を踏み入れた士朗を さっそく待っていたのは、受刑者による刑務官刺傷事件。 十年を過ごした刑務所を出たくないと零す患者、 罪を犯した弟のために治療同意はできないと言われ、死に瀕している患者……。 塀の外からは「犯罪者を救うべきなのか?」と問われるが、 患者であり受刑者である彼らと向き合ううち、 士朗の瞳には再び医師としての矜持が宿る。 己の正義のためには力づくでも道を切りひらく 型破りなニューヒーロー、誕生! 『このクリニックはつぶれます!』の著者による、かつてない刑務所医療小説。 《もくじ》 一話 来訪者 二話 大和医療刑務所 三話 塀の外へ 四話 家族 五話 矯正医官・神志那士朗 六話 Dr. プリズン -
ママはもういないんだ
かつて戦隊ヒーローの一人として活躍していた朝井蒼太。しかし、今ではすっかり売れない俳優となってしまった。生活のためにバイトを続ける蒼太だが、常に彼を応援してくれていた妻の真白をステージⅣの胃がんで亡くしてしまう。時を同じくして、バイトも解雇された彼は、保育園に通う息子・空を養うため、俳優業にも見切りをつけ、定職を探し始める。そんなままならない生活に失望する彼の35歳の誕生日に、亡き妻から手紙が届いた。そこには、「箪笥に私のへそくりが隠してあるから、それをぱーっと使ってください」というメッセージとともに、チェックポイントを示した手書きの地図が入っていた。不思議な思いを抱えながら、蒼太は空とともに車でチェックポイントとされた場所を訪ねて行く。そこで出会った人たちと語り合ううちに、彼は自分の本当にやりたいこと、そして、息子に伝えなければならないことを見つけていく。息子と旅するロードムービーの合間に、妻との恋愛時代を回顧していく、感動の家族小説。 -
平成猿蟹合戦図 新装版
歌舞伎町のバーテンダーが政治家に!? 『国宝』の著者が裏社会と選挙戦の駆け引きを描く爽快復讐エンターテインメント! あなたも応援したくなる、感涙必至の大団円 歌舞伎町でバーテンとして働く浜本純平は、ひき逃げ事件を目撃する。だが逮捕されたのは、別の男だった。 真犯人への恐喝を目論むうち、チェロ奏者のマネージャー園夕子と出会い、その手腕によって純平は地元東北から国政選挙に出馬。古参議員との一騎打ちに挑むことになる。 夫を追って新宿にやってきた子連れのホステス、どこか抜けていて憎めないバーテンダー、長崎から上京した冴えないホスト、世界的チェロ奏者と敏腕マネージャー、韓国クラブのママ、美大に通う元教員の娘、秋田県に一人暮らす老婆…… 心優しき8人が織りなす現代のおとぎ話、ここに開幕! 悪い奴らを懲らしめる、痛快無比の長編小説 -
桃井ナースはこころも看ます
人の心が家に現れて視える訪問看護師・桃井由乃は、 認知症の堀田さんを担当している。 桃井は堀田さんの夫の物忘れを知り、 家具が消えて視えることに隠された本当の想いに気づくが、 どうすることもできず……。 心がみえても、丸ごと解決できるわけじゃない。 ――それでも、救いたい。 「ナースの卯月に視えるもの」シリーズで注目を集める、 元看護師の著者が描く、あたたかな涙がこぼれる感動作! ★「心温まる言葉が溢れていた」 「勇気をもらえた」 感動の声が集まる、お仕事小説――待望のシリーズ第2弾!!★ ―――――――― 誰かの人生を救う、 なんて大げさなことは、できないのかもしれない。 それでも――壊れてしまう前に、 ほんのわずかでも進む方向を変えることなら。 ――本文より ―――――――― カバー装画=丹地陽子 カバー装丁=bookwall 【目次】 1章 ふたりの明日 2章 揺れる思い 3章 あなたの隣で、あと少し 4章 その人らしくいられるように 5章 こころを開く春 あとがき ★「桃井ナース」シリーズ第1弾★ 『桃井ナースがお邪魔します』(朝日文庫)好評発売中! 【著者略歴】 秋谷りんこ(あきや りんこ) 1980年神奈川県生まれ。横浜市立大学看護短期大学部(現・医学部看護学科)卒業後、看護師として10年以上病棟勤務。2023年、「ナースの卯月に視えるもの」がnote主催の「創作大賞2023」で「別冊文藝春秋賞」を受賞し、24年、同作でデビュー。著書に、「ナースの卯月に視えるもの」シリーズ、「潜入心理師・月野ゆん」シリーズ、『桃井ナースがお邪魔します』『人生最高ごはん』などがある。 【内容紹介】 人の心が家に現れて視える訪問看護師・桃井由乃は、認知症の堀田さんを担当している。桃井は堀田さんの夫の物忘れを知り、家具が消えて視えることに隠された本当の想いに気づくが……。心がみえても丸ごと解決できる訳じゃない。――でも、救いたい。あたたかな涙がこぼれる感動作! -
その名前をいつか
デビュー作『あなたの四月を知らないから』が、 「朝日新聞」「ダ・ヴィンチ」「an・an」「本の雑誌」など複数の媒体でインタビューや書評が掲載され、 「キノベス! 2026」にもランクイン! いま大注目の書き手の最新刊。 《あらすじ》 中学生の藤原六花にとって、舘村曜は出会った瞬間から特別な存在だった。六花は、はっきりと自覚できないまま、友達と呼ぶにはあまりに強く、密やかな感情を曜に抱く。しかし、曜の転校が決まったことを境に、二人の関係だけでなく、六花を取り巻く人間関係も揺らぎ始め──。やがて音信不通となっていた曜との再会から再び動き出す二人の関係。二十年の月日と、大切に思う人との関わり方を巡る、渾身の長編小説。 《著者プロフィール》 青山ヱリ(あおやま・えり) 1985年生まれ。大阪府出身。創作大賞2024(note主催)にて朝日新聞出版賞を受賞。『あなたの四月を知らないから』で単行本デビュー。 -
ラウリ・クースクを探して
第11回高校生直木賞&第4回加賀乙彦顕彰特別文学賞 受賞。 第170回直木賞&第40回織田作之助賞ノミネート。 1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピューター・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連の研究者として活躍する道を目指す。だがソ連は崩壊し……。時代に翻弄された人物を描き出す、かけがえのない物語。《解説・マライ・メントライン》 絶賛の声続々のロングセラーがついに文庫化 書評掲載一覧 ■「ダ・ヴィンチ」今月の絶対はずさない!プラチナ本(2023年10月6日発売、11月号) ■「女性自身」書評(2023年10月3日発売号) ■毎日新聞「エンタメ小説 今月の推し!」評者・内藤麻里子さん (2023年10月1日掲載) ■「朝日新聞」書評 評者・澤田瞳子さん ■「読書人」書評 評者・八木寧子さん(2023年9月29日発行号) ■「朝日中高生新聞」書評 書店員・江藤宏樹さん(2023年9月24日発行号) ■ 「小説現代」10月号(2023年9月22日発売) 評者・三宅香帆さん ■「好書好日」書評 「日出る処のニューヒット」(第6回) 評者・杉江松恋さん(2023年9月21日掲載) ■「週刊文春」書評 評者・米光一成さん(2023年9月21日発売号) ■「産経新聞」書評 評者・ホラン千秋さん(2023年9月9日掲載) ■「日経新聞」書評(2023年9月9日掲載) ■「週刊新潮」書評 評者・石井千湖さん(2023年9月9日発売号) ■Youtube『松井・杉江の「エンタメ丼」2023年9月号・その3』 杉江松恋さん紹介 ■「週刊ポスト」書評(2023年9月4日発売号) ■「毎日新聞」文芸月評 評者・渡辺祐真さん(2023年8月30日掲載) ■「共同通信」文芸月評 評者・渡邊英理さん(2023年8月28日配信) ■「読売新聞」書評 評者・小川哲さん(2023年8月27日配信) ■「週刊現代」書評 評者・木澤佐登志さん(2023年8月21日発売号) ■「毎日新聞」文芸月評 評者・大澤聡さん(2023年7月26日掲載) ■「読売新聞」文芸月評 記者・武田裕芸さん(2023年6月27日掲載) インタビュー掲載一覧 ■「an・an」 聞き手・瀧井朝世さん(2023年9月13日発売号) ■「AERA」 ライター・古谷ゆう子(9月14日発売号) -
空き家と移住
「何も私は芸能人やセレブが住む高級なタワーマンションを買おうっていうんじゃないのよ。庶民的な小さなマンションでいいの。その程度の物件も買えないって、この世の中はどうなってんの?」 大学受験を乗り越え、正社員として勤めている史緒里と大河。贅沢もせず真面目に暮らしているのに、都内にマンションの一つも買えないことに、史緒里は怒りとため息を抑えきれない。そんな時、都内の一等地には空き家が増えているというニュースが流れてきた。駅チカの家なのに、誰も住まずに朽ち果てていくなんて……。二人が早速、空き家の見学に行くと、近所の老婦人が話しかけてくる。隣の一軒家に一人で暮らし、日々の食事も宅配のお弁当ですませているという彼女に同情した二人は、その家の雑務をこなしたり、食事に誘うようになる。やがて彼女から、あなたちのような人に、この家を譲りたいと言われるようになり……。 一方、母が暮らしていた田舎・風穂町の実家の処分に思いを巡らせていた星野路代は、実家の売却を決め、地元で同級生が営む不動産会社を訪れる。そこで思わぬ販売価格を聞いた彼女は、夫とともに海外旅行の計画を立て始める。優雅な生活を夢見る路代だが、いつまで経っても購入者は現れず、何度となく販売価格を下げてく。同時に、ブログで田舎の良さをアピールしようと、様々な工夫を凝らしていく。そんな折、この家の購入に興味を持った史緒里と大河から連絡を受けるのだが……。 『老後の資金がありません!』の著者が描く、真面目でコミカルな現代住宅事情。 -
小児科ドクターのあんしん保育園
〈保育園に預けた経験のある保護者なら、一度は考えたことがないだろうか。 37.5度と37.4度の違いは、いったい何なのだろうかと――〉 ここ「あんしん保育園」に、そのボーダーラインは存在しない。 “ブラック保育園”を転々としてきた保育士歴十二年の堤 遥夏は、今までとはまったく違う保育体制に戸惑ってばかりの日々をすごしていた。 この園が普通ではない理由——まずは、園長先生が長い白衣に聴診器を下げた、おじいちゃん小児科医であることだ。さらには登園時にICカードをタッチするだけで電子連絡帳が連動して開かれ、お散歩では保育士がインカムとボディカメラで連絡を取り合いながら安全に公園に向かい、保護者は職場から我が子の食事風景を動画で見守ることまでできる。 働く子育て世代の様々な「あったらいいな」を叶えてくれるこの保育園に、今日も悩める保護者たちは安心を求めて訪れる。 二歳二か月の娘は、器用に野菜だけを取りのぞいていく。断固として野菜を食べない我が子と繰り返される戦いの日々に頭を悩ませている父親 は、あんしん保育園から娘がナスを食べたという報告を聞き衝撃を受ける。実は家で野菜を食べないことには、意外な理由があり――。(【第二話】楽しいごはんと栄養素) 「三歳の壁」に直面して転園先を探す保護者に、第一希望の保育園から「おむつが取れていなければ困る」と言われてしまう。なかなか進まないトイレ・トレーニングに頭を悩ませていたある日、娘のお尻を拭いたお尻拭きに真っ赤な血がついてしまう——。(【第三話】子どもたちのトイレ事情) 登園時の微熱、食べない野菜、発育や発達など——迷うことばかりなのに、世間に溢れる情報はばらばら。正解が見えない子育てに立ちすくむとき、この「あんしん保育園」では小児科医のおじいちゃん園長先生が、そっと道を照らしてくれる。 はじめて親になるのだから、知らなくてあたりまえ。現役小児科医が描く、読むだけでちょっと気持ちが楽になる医療×育児小説。 《もくじ》 【第一話】園長先生は小児科医 【第二話】楽しいごはんと栄養素 【第三話】子どもたちのトイレ事情 【第四話】乳幼児健診 エブリデイ 【第五話】優しさの成分 -
あなたの命綱
日本人は二人に一人ががんになると言われる現在、できることならがんは治る時代になったと世間に伝えたく、ノンフィクション作家の中道颯子は『がん患者の命綱』を執筆するため取材を始めた。 担当編集者の岡村誠二とともに、TML社主催の福沢倫也CEOの講演会「新時代のがん医療――唾液サイトカイン検査が拓く未来」を聞き、社長室室長の小早川蝶子を介して取材をした。 TML社はがんの悪液質を引き起こすサイトカインの検査で、急成長を遂げた医療ベンチャー企業。しかし、その異常な内情が「週刊文砲」に暴かれ、颯子は疑念を抱く。 そんな折に新聞社時代の後輩で親友の林田愛美が、ステージ4の肺がんで標準治療を受けたが、副作用に苦しむ。AIメンター(助言者)の勧める、代替療法に次々とはまった。颯子は本のために、がんの四大治療の取材をはじめる。 「目次」から 第一章 人はなぜがんで死ぬのか 第二章 マイ・ライフ 第三章 百花繚乱の失望 第四章 がんでも死なない -
七ツ下がりの女たち
どれほどしゃかりにきになっても、若い時分にすっかり戻ることはできない。 でも、世の中にこれほど楽しいことがあるとは想像してもみなかった。 水からくりの女太夫、おはつ三十七歳 伊勢型紙の職人、おもん四十一歳 時代小説の名手による 人生の七ツ下がり(午後四時過ぎ)で出会った二人の ほろ苦い友情と恋の物語。 10代のころ、水からくりの女太夫として見世物小屋を沸かせてきたおはつは、引退後、舞台裏の雑用などをこなしながら子育てと介護をしてきたが、ふたたび舞台に立ちたいと思い始めている。 仕事一筋、過去には大評判を取り、型紙職人として技巧を極めてきたおもんは、齢を重ねるにつれ体力も腕前も落ちてきていることを実感し、さきゆきに不安を抱いている。 あることをきっかけに友人づきあいをはじめた二人は、女手ひとつで子育てをしてきたこと、技量を極めたいと思っていることなど、互いに似たところがあることを知って、急速に交友を深めてゆく。 が、実際には正反対の二人は、相手には伏せていることもあって…… -
恋の幽霊
江國香織さん推薦! 「言葉によって規定されてしまう前の、繊細で野蛮できりのない‘恋’が、 容赦なく流れる時間のすきまからこぼれてくる。」 * * * 京、青澄、土、しき。 高校で4人は出会い、恋に落ちた。 身体が発熱し、恋のぜんぶを出し尽くしてしまった。 そして、あの事件が起こる。 あれから15年--。 パワハラの年下上司と体だけの関係をつづける「京」 娘を家庭に縛り付ける毒親の支配から逃れられない「青澄」 貧しい大家族のなかで愛されて育った「土」 両親の死から心身に不調をきたし社会との接点を失った「しき」 「あけましておめでとう! 久しぶり。みんなどうしてる?」 大晦日に送られた京からのメッセージが、どん底にいる「わたしたち」を動かしはじめる。 あの特別な感情を文芸の最前線でアップデートする新次元の「恋」小説! 解説:金原ひとみ -
吉田修一と『国宝』の世界
2025年、小説&映画ともに大きな話題となった吉田修一の『国宝』。 デビュー『最後の息子』から吉田作品を追ってきた同郷の評論家が、 『国宝』を中心に、『パレード』『パークライフ』『悪人』といった代表作から 最新作『ミスサンシャイン』まで、その魅力を論じる徹底ガイド。 【目次】 はじめに 吉田修一の小説 第一章 『国宝』の特徴と歌舞伎の歴史 1 『国宝』が描く歌舞伎の魅力 2 歌舞伎の歴史と『国宝』 3 『国宝』の喜久雄と『悪人』の祐一の類似 4 立花喜久雄のモデルは? 5 谷崎潤一郎の『刺青』と吉田修一の『国宝』 第二章 『国宝』が描く人間国宝と人間天皇 1 人間国宝と人間天皇 2 『国宝』と『ねじまき鳥クロニクル』 3 歌舞伎役者の苦難、大衆芸能のルーツに戻る旅 4 女形と歌舞伎座の歴史 5 歌舞伎座を設立した福地源一郎と座紋「鳳凰丸」 6 料亭「花丸」と長崎の史跡料亭「花月」 7 原子爆弾による被害と「鷺娘」の悲しみ 第三章 デビュー作「最後の息子」と初期作品群 1 段ボールの机の上で書いたデビュー作 2 初期作品の主人公――「夜の世之介」と「若い悪人」 3 「最後の息子」にみる後期作品への広がり 第四章 純文学とエンターテインメントを超える 1 『悪人』の原型――山本周五郎賞受賞作『パレード』 2 ウェブ上のコミュニケーションを先取る 3 『パレード』の若者たちの「成熟と喪失」 4 アメリカ同時多発テロ事件への応答――芥川賞受賞作「パーク・ライフ」 5 都会のエアポケットとしての「日比谷公園」 6 平凡で「かけがえのない場所」が破壊されることへの静かな抗議 第五章 『悪人』が描いた平成の原風景 1 祐一と依子の「奇妙な」母子関係 2 母親から受け継いだ「不器用さ」 3 就職氷河期を象徴する現代文学 4 非正規雇用の二人にスポットライトを当てる 第六章 逃亡劇から恋愛劇へ 1 祐一と光代にとっての長崎と佐賀 2 祐一の乗る白いスカイラインとは? 3 不器用な恋愛劇を美しい物語に昇華 第七章 『悪人』以降の展開 1 男女別の秩序に生じる「悪」の重層性 2 『さよなら渓谷』と島崎藤村『破戒』における「告白」 3 「悪」の布石としての偏執的な「愛」 4 「救いのないしがらみ」と「感情の訛り」 5 『太陽は動かない』が描くアジアの風景 第八章 二つの社会派ミステリ 1 『犯罪小説集』における日常の中の「タナトス=死の欲動」 2 裕福な専業主婦が抱える「テロリスト」のような攻撃性 3 日常と紙一重のところに潜む「危うさ」 4 映画「楽園」が炙り出す『犯罪小説集』のカタルシス 5 不器用な「悪人」たちの「逃亡劇」――『逃亡小説集』 第九章 戦後史の闇へ 1 『アンジュと頭獅王』の「理不尽な暴力」と民間信仰 2 近代史の闇に切り込む社会派ミステリ『湖の女たち』 3 『湖の女たち』と川端康成の『みずうみ』 4 松本清張『砂の器』への挑戦状――『ミス・サンシャイン』と『罪名、一万年愛す』 第十章 映画「国宝」の風土と到達点 1 映画「国宝」の風土 2 吉田作品を彩る役者たち 3 社会現象としての到達点 あとがき -
30の短編小説
豪華作家陣、揃い踏み。 文芸誌「小説TRIPPER」の“30”周年を祝した、“30”人の作家による、“30”をテーマにした小説アンソロジー。純文学作家からエンタメ作家、新進気鋭の作家からベテラン作家まで、今をときめく豪華作家が揃いました! 小説好きはもちろん、ふだん小説を読まない人も、きっとお気に入りの一作が見つかるはず! <<執筆陣>> 青山美智子「ストールは赤」 朝井リョウ「三十番目」 朝比奈秋「ネオン魚群」 伊坂幸太郎「30を信じろ/30も信じる」 一穂ミチ「プレゼント」 江國香織「若月寧音(五歳)の三十日――聞き書きにより要点のみ記述」 温又柔「きょうの花婿」 加藤シゲアキ「サーティー・ストライプス」 河﨑秋子「こひつじメリー」 木爾チレン「うちとあんた」 九段理江「30世紀少女」 呉勝浩「檸檬と定規」 小池真理子「逢瀬」 小林早代子「(15)→(30)」 佐原ひかり「世界を救ったことがある」 鈴木結生「世界文学物尽(ものづくし)」 高山羽根子「そこの関節からも曲がるんだ?」 田中慎弥「チャーチルと母」 月村了衛「三十年前、一瞬の光景」 中村文則「これを消してほしい」 西加奈子「30の春子」 町田そのこ「さよなら、過去」 町屋良平「ハンマークラヴィーア、バスキン・ロビンス」 三浦しをん「三十秒の永遠」 宮内悠介「アメリカの人魚」 宮島未奈「紗南ちゃんの便せん」 山内マリコ「もう三十代ではないことについて」 結城真一郎「やることなすこと」 吉田修一「おそらく彼女たちは」 米澤穂信「世界を変えた三十人とラストプリンスタンディング」 -
ブルーボーイ事件
1965年、東京五輪が世界中を興奮と歓喜の渦に巻き込む裏では、“クリーンな日本”をアピールするため、徹底的な風紀の取り締まり(浮浪者や、特に娼婦)の排除が行われていた。 そんな折、ある事件が起こる。戸籍上は男性である“女性たち”(ブルーボーイ〈男娼〉)を売春禁止法では取り締まれないので、対抗策として性転換手術を行う医師を見せしめに逮捕したのだ。 裁判では性転換手術の是非が問われ、証人として出廷した“彼女たち”は世間から奇異の目で見られた。 やがてこの裁判は「ある女性の幸せ」を裁く前代未聞の展開を見せる。 実話を基にした映画の小説版。 -
桃井ナースがお邪魔します
****** 訪問看護師が差し出す手は、こんなにも温かくて頼もしい。 ――前川ほまれ(小説家・看護師) ****** 桃井の明るさと不思議な力が利用者の心と謎を解きほぐす! 人気シリーズ「ナースの卯月に視えるもの」でデビューの著者、最新作! 元看護師の著者による、元気になれるあたたかなお仕事小説。 【内容紹介】 訪問看護師2年目、27歳の桃井由乃。ある日、いつものように利用者さんのお宅へ伺うと、部屋にいくつかの穴があいていた。触ってみると実際には穴はあいていない。「……家の怪異だ」。人の心が家に現れ怪異として見える桃井は、外見からは分かりづらい利用者さんの異変に気付き……。 カバー装画=丹地陽子 カバー装丁=bookwall ★医療業界から書店員さんまで、「励まされた」と感動の声、続々★ 「自分の過去や家庭にも向き合い少しずつ進んでいく彼女に大変励まされた」くまざわ書店 調布店・柴崎莉沙さん 「この本を読んで、自分だけでがんばらず、頼ってもいいんだと思えるようになりました」訪問看護師・Uさん 「ストーリーの向かう先に、心温まり元気を貰えました」理学療法士・Tさん 「きっと読んで勇気づけられる人がいる」学校図書館・荒木久美さん 「誰の尊厳も諦めない、温かいことばが溢れていて励まさました」訪問看護師・Iさん 「数々のエピソードが看護師として自分の経験したことばかりで驚きました。自分の大切な人のために訪問看護を頼むことになったら桃井ナースに来てもらいたい」訪問看護師・Kさん -
七人の記者
大学の新聞部に所属する美ノ輪七海は、学内での男性教授のセクハラ問題を追及するうち、同大出身の政治家らが絡む私学助成金の不正受給疑惑を突き止める。 大学でたまたま出会ったタウン誌の老記者や新聞部のOBに相談を持ちかける中で、七海の「真実の追及」に対する情熱に心を動かされた者たちが集い、タウン誌の小さな事務所兼自宅を拠点に取材を始める。 しかし、新聞、テレビ、週刊誌、Webニュースは、政界や広告主から圧力をかけられており、大手メディアの上層部は現政権に完全にコントロールされていた。 さらに、どこかから情報が漏れ、検察に取材資料も持ち去られる。 追い詰められた彼らは、真相を書いたタウン誌を都内中心部でばら撒く「ゲリラ戦法」を思いつくが……。