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Posted by ブクログ
タイトル通り不思議な世界に連れ込まれる四遍の白昼夢のお話。「多肉」だけが不穏な空気感で、ゾワゾワした。アガベに取り憑かれた男が、妻、息子、母を失い、仕事、金、人との繋がりも全て遮断しアガベとだけの世界で生きていく。その先に待ち受けていた最後は?
篠田節子さんといえば「女たちのジハード」。
若い時に読んで共感と感動の嵐だった!
そして、2年前のこの一冊。気づけば篠田節子さんも70歳をこえている。描く世界のなんと深淵で慈悲深いことか!円熟した作家さんというのは、こういう文章とストーリーが書けるのか!
今回は、また違った感動に震えた。
「屋根裏の散歩者」
お気に入りの賃貸戸建に住み始めたが、屋根裏で不思議な音が。ミステリーではなく、
主人公の祥子と貴之も穏やかな愛すべきキャラ。
微笑ましいストーリー。
「妻をめとらば才たけて」
電車に骨壷の忘れ物?
ただし、ミステリーではない。
純愛ストーリーだ。
与謝野鉄幹の詩が浮かぶ。
浅羽さんと禮子さんの大人の純愛。周りの理解なんかいらないのだ、本物の愛ならば。
そして「多肉」
悍ましく、悲しい話。
今まで味わったことのない読後感。
究極に悲しい人生だけど、
本人が何かひとつのものに
取り憑かれのめり込めたのなら、
それは逆に至福となるのか?
とても深い話だ。
最後に「遺影」
これは最後のデザート的存在。
義母の遺影写真。どこで誰と撮ったものか?
え?肩に手を回されて、幸せそうな笑顔?
お相手は、まさか?
少しユーモラスなオチでお口直しになる。
年齢と経験を重ねて
こんな豊かな着想と展開と
さすがの筆致と。
脱帽でした!
聡明な歳の重ね方をしていらっしゃる篠田節子さんを
ずっしりと受け取りました。
Posted by ブクログ
久しぶりに篠田作品を読んだ
日常に起こりそうな
不思議なストーリー
引っ越したお気に入りの一軒家で
不思議な音が聞こえる
なんと 隣のオタクの男性が
育てる亀だったワシントン条約違反のチチュウカイコハクガメ
人間に懐いている
動物園には相談したくない
結果的にはそのままになるが
その人間模様が面白い
他の作品も日常に起こりそうな
出来事で考えさせられる作品
離婚しピアノ奏者と再婚した男
コロナ禍で経営がうまくいかず
もらったサボテンに夢中になり
最後はサボテンに食べられる男
認知症の母と一緒に写っていた男性は
猿だったのではないかという推測
あっと言う間に読んでしまった
Posted by ブクログ
ホラーとファンタジーが無理なく日常に混じって練り上げられている。
他人から見たらホラーでも、本人にとっては、現実からの幸せな解放だったかもしれず、
あんな人とは釣り合わない、うまく行ってないに違いないと外野は勝手に思い込んでいるが、ちょっとやっかみが入っていないか、とか。
ほんとうはしあわせなおはなし。
『屋根裏の散歩者』
すぐに連想するのは、江戸川乱歩の同名の小説。
ボタニカル系の人気イラストレーター祥子は、生活の拠点を自然の中にある郊外の借家に移す。
庭に自然の植物が繁り、ナチュラル嗜好の祥子の趣味にぴったり。
ところが夜中に天井裏から、ずるずると何かを引きずる音や、ズシン、という響き。
5才年下のチェリストである夫の貴之は、ぽっちゃり系でおっとりしているが、いざという時に大胆な決断をする。彼の人柄が救い。
『妻をめとらば才たけて』
市役所の同僚だった三人の男は、定年退職後に一緒に呑むようになった。
浅羽は芸術的趣味があり、ヴァイオリンの名手。司書と学芸員の資格もあり、わざわざ公立コンサートホールに併設された資料室へ希望を出して転属、出世コースからは自ら外れた人。
一度は役所内のしっかり者の保健師と結婚したが、有名ピアニストと不倫をして再婚をした。
彼は、妻の骨壷を、故意に電車の中に置き去りにしたのか?
『多肉』
コロナ禍で飲食店の苦戦が続く中、多肉植物「アガベ(?)」に魅入られた、レストランオーナーの転落
『遺影』
義母が亡くなり、遺影に使う写真を探すが、難航していたところ、人見知りで警戒心の強かった義母が珍しく晴れやかに笑っている写真を夫が見つけてくる。
しかし、義母の肩には隣にいる初老の男の手が掛かっていた。
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