作品一覧

  • あなたに心はありますか?
    4.0
    1巻869円 (税込)
    AIに心は持てるのか?慟哭のミステリー! 「つまり、君が言いたいのは、漱石の『こころ』で描かれたような苦悩や葛藤や陰影がなければ、心じゃないということだね」(本文より) 東央大工学部特任教授・胡桃沢宙太(くるみざわ・ちゅうた)は、交通事故で家族を失い、自身も車椅子生活を余儀なくされている。彼はAIロボットに【心】を持たせるべく、盟友の二ツ木明(ふたつぎ・あきら)教授と助教授の石神結衣(いしがみ・ゆい)で産学官共同の巨大研究開発「KC(ココロ・クリエーション)プロジェクト」を立ち上げ、世間の耳目を集めていた。 ある日、AI研究に携わる胡桃沢を含む四人の教授が、シンポジウムのため壇上に上がった。会の終盤、一人の教授が壇上で倒れ、帰らぬ人となってしまう。やがて届いた連続殺人を告げるメール。だが、それはほんの端緒に過ぎなかった。 AIから離れられなくなった現代、私たちの心が試される。最後に泣くのは誰か―。ドラマ原作『だから殺せなかった』著者が放つ慟哭のミステリー。 解説は『屍人荘の殺人』シリーズ、『でぃすぺる』の著者・今村昌弘氏! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『あなたに心はありますか?』 の文庫版となります。
  • 七人の記者
    3.6
    1巻2,200円 (税込)
    大学の新聞部に所属する美ノ輪七海は、学内での男性教授のセクハラ問題を追及するうち、同大出身の政治家らが絡む私学助成金の不正受給疑惑を突き止める。 大学でたまたま出会ったタウン誌の老記者や新聞部のOBに相談を持ちかける中で、七海の「真実の追及」に対する情熱に心を動かされた者たちが集い、タウン誌の小さな事務所兼自宅を拠点に取材を始める。 しかし、新聞、テレビ、週刊誌、Webニュースは、政界や広告主から圧力をかけられており、大手メディアの上層部は現政権に完全にコントロールされていた。 さらに、どこかから情報が漏れ、検察に取材資料も持ち去られる。 追い詰められた彼らは、真相を書いたタウン誌を都内中心部でばら撒く「ゲリラ戦法」を思いつくが……。
  • だから殺せなかった
    3.7
    1巻779円 (税込)
    「おれは首都圏連続殺人事件の真犯人だ」大手新聞社の社会部記者に宛てて送られてきた一通の手紙。そこには、首都圏全域を震撼させる無差別連続殺人に関して、犯人しか知り得ないであろう凶行の様子が詳述されていた。送り主は自ら「ワクチン」と名乗って、ひとりの記者に対して紙上での公開討論を要求する。「おれの殺人を言葉で止めてみろ」連続殺人犯と記者の対話は、始まるや否や苛烈な報道の波に呑み込まれていく。果たして、犯人の真の目的は――劇場型犯罪と報道の行方を圧倒的なディテールで描出した第27回鮎川哲也賞優秀賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • あなたに心はありますか?

    Posted by ブクログ

    一本木透『あなたに心はありますか?』小学館文庫。

    流行りのAIは果たして人間と同じ心を持つことが出来るのかという難題をテーマにしたミステリー小説。

    犯人は直ぐ判るし、随分と安っぽいミステリーだななどと思いながら読み進めば、終盤の展開に全てが覆され、感動の結末が待ち受けていた。

    まんまと一本木透の術中にハマってしまったようだ。これは絶対に読むべき作品だ。

    作中に登場する岩手県立の名門女子高校とは盛岡第二高等学校のことだろうか。


    轢き逃げ事故により妻と息子を失い、自身も下半身不随となり、車椅子生活を余儀なくされている東央大工学部特任教授の胡桃沢宙太は、AIロボットに心を持たせようと、盟

    0
    2025年10月08日
  • 七人の記者

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大学の新聞部に所属する 美ノ輪七海 は、学内のセクハラ問題を追ううちに、私学助成金の不正受給疑惑をつかむ。七海は学内にとどまらず、タウン誌の老記者や新聞部OBなど、さまざまな立場の人々に相談を持ちかけ、協力者を募っていく。彼女の情熱に心を動かされた人々が集結するが、現実は冷酷だった。メディアは政界からの強い圧力に屈し、さらには司法までもが敵に回る。追い詰められた記者たちは、ついに真相を記したタウン誌をばら撒く! ラストは爽快でありつつも、作品は 「ジャーナリズムの原点とは何か」 を鋭く問いかけている。⑤

    0
    2025年10月02日
  • だから殺せなかった

    Posted by ブクログ

    帯にもあるように劇場型犯罪ミステリー。新聞紙面を使って連続殺人犯と新聞記者との言葉での公開討論。

    非常に面白かった。
    お互いが知的で言葉巧みでどこか敬意をはらいながら、互いを批判しながらも互いに信頼を重ねていく様なやり取り。凄く巧緻な作品だと感じた。

    テーマは前半は「潜在暴力」かと感じてていたのだが、「家族」と「言葉」が作品全体に浸透している。

    「言葉」について考えさせられた。
    自分は新聞記者とかみたいに言葉を書く事を生業としてはいないが、声に発する言葉こそ言葉だろう。
    「その一言」っていう場面なんか自他共に嫌というほど言ってきたし聞いてきた。
    深く刺さる物も多くあり、刺さり方次第でプラ

    0
    2023年06月22日
  • だから殺せなかった

    Posted by ブクログ

    「おれは首都圏連続殺人事件の真犯人だ」。大手新聞社の社会部記者の許に届いた一通の手紙。送り主は「ワクチン」と名乗り、首都圏全域を震撼させる連続殺人の凶行を詳述したうえで、彼に紙上での公開討論を要求する。絶対の自信を持つ殺人犯と記者の対話は、始まるや否や苛烈な報道の波に呑み込まれていく。果たして、犯人の目的は――劇場型犯罪と報道の行方を圧倒的なディテールで描出した、第27回鮎川哲也賞優秀賞受賞作。

    0
    2022年12月02日
  • だから殺せなかった

    Posted by ブクログ

    とてもよかった。
    時間がなく区切り区切り読むかたちになったがそれでも引き込まれた。
    一気に読むべき作品。
    映画化に向いてる。

    「おれは首都圏内連続殺人事件の真犯人だ」主人公一本木記者のつとめる新聞社へ届く一通の手紙が届く。
    そこから記者と犯人の紙面でのやりとりが続く。

    殺人は否定すべきことどが犯人の考え方にもちょっと納得してしまうところもあった。

    真実とはなにか、真実を伝えることが是なのか?
    報道のあり方というのも考えさせられた。
    家族とはなにか、

    徐々に明かされていく犯人や真実とても引き込まれた、

    犯人も驚いたがまた最後の真実にも驚かされた

    とても濃厚な作品でした。
    みんなに薦め

    0
    2022年04月01日

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