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大学の新聞部に所属する美ノ輪七海は、学内での男性教授のセクハラ問題を追及するうち、同大出身の政治家らが絡む私学助成金の不正受給疑惑を突き止める。
大学でたまたま出会ったタウン誌の老記者や新聞部のOBに相談を持ちかける中で、七海の「真実の追及」に対する情熱に心を動かされた者たちが集い、タウン誌の小さな事務所兼自宅を拠点に取材を始める。
しかし、新聞、テレビ、週刊誌、Webニュースは、政界や広告主から圧力をかけられており、大手メディアの上層部は現政権に完全にコントロールされていた。
さらに、どこかから情報が漏れ、検察に取材資料も持ち去られる。
追い詰められた彼らは、真相を書いたタウン誌を都内中心部でばら撒く「ゲリラ戦法」を思いつくが……。
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Posted by ブクログ
大学新聞記者とタウン誌記者や大小新聞webテレビ各々媒体の落ちこぼれジャーナリストが寄せ集まって、大学総長の性加害から始まり、検事、国会議員の闇を暴いてゆく物語。
私の生涯ベストたる「七人の侍」をオマージュ(「大統領の陰謀」もオマージュしてる)しているとのことなので、少し期待していたのだけど、七人が挑むという構図だけだった。
それから、大学新聞という普通小説に登場してこないジャーナリストの活躍にも期待していた。私が元大学新聞記者だったからである。しかし、そもそも政治家の巨悪を暴くという設定からして、リアリティなさすぎ。しかも、取材過程が、ちょっと都合良すぎる気もした。
いまは、大学新聞もウェブと紙媒体の両方で作っているらしい。
この機に、リアル大学新聞のweb版を2-3見てみた。事実の報道を大切にしているのはよくわかった。しかし、どういう記事を書くか、その対象選択はあまりにも当局(大学)寄りになっている気もした。また、解説記事が一切無いのも気になった。つまり極めて保守化している。国立、私立両方ともにである(2-3眺めただけで断定しない方がいいかもしれないけど)。こんな大学新聞記者からは七海のような気骨ある記者は出てくるだろうか。
偶然にも、国民の言論統制、情報統制システムを作る動きを描いた小説を、2本立て続けに読んだ。本作は(政府に都合が悪い配信をAIで察知して直ぐに潰す)「JUSTICE」という名の「分かりやすい」法案が通ってしまう未来を描いている。しかし、私には所々穴が見えて、そんなあからさまな法案通るものか!などと思ってしまう。全てを創作で描いてはいけない。既に現在ある事実を織り交ぜて作った東野圭吾の『魔女と過ごした七日間』の方が、私にはリアルな警世の書のように思えた。『魔女-』の方が、ファンタジー色を持たせて、一読では警世の書と思えなくさせているところも、更に良い。
著者は元朝日新聞記者らしい。朝日新聞のジャーナリズムとしての凋落も近年著しい。著者の忸怩たる想いには共感する。だからこそ、もう少し煮詰めて欲しかった。
志村が、トラ次郎をしっかり抱き直す。
「ひとつだけ言えることがある。問題はメディアの大小でも、立ち向かう相手の強弱でもない。まして過去の失敗でもない。常に一番強いのは真実だ。真実をつかめれば怖いモノなんて何もない」(121p)
⸺もちろん、ストーリーはそんなに真っ直ぐには行かなかったけど、この言葉は基本的に真実であるだろう、真実であってほしい。
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