一本木透のレビュー一覧

  • あなたに心はありますか?

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    一本木透『あなたに心はありますか?』小学館文庫。

    流行りのAIは果たして人間と同じ心を持つことが出来るのかという難題をテーマにしたミステリー小説。

    犯人は直ぐ判るし、随分と安っぽいミステリーだななどと思いながら読み進めば、終盤の展開に全てが覆され、感動の結末が待ち受けていた。

    まんまと一本木透の術中にハマってしまったようだ。これは絶対に読むべき作品だ。

    作中に登場する岩手県立の名門女子高校とは盛岡第二高等学校のことだろうか。


    轢き逃げ事故により妻と息子を失い、自身も下半身不随となり、車椅子生活を余儀なくされている東央大工学部特任教授の胡桃沢宙太は、AIロボットに心を持たせようと、盟

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    2025年10月08日
  • 七人の記者

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    ネタバレ

    大学の新聞部に所属する 美ノ輪七海 は、学内のセクハラ問題を追ううちに、私学助成金の不正受給疑惑をつかむ。七海は学内にとどまらず、タウン誌の老記者や新聞部OBなど、さまざまな立場の人々に相談を持ちかけ、協力者を募っていく。彼女の情熱に心を動かされた人々が集結するが、現実は冷酷だった。メディアは政界からの強い圧力に屈し、さらには司法までもが敵に回る。追い詰められた記者たちは、ついに真相を記したタウン誌をばら撒く! ラストは爽快でありつつも、作品は 「ジャーナリズムの原点とは何か」 を鋭く問いかけている。⑤

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    2025年10月02日
  • だから殺せなかった

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    帯にもあるように劇場型犯罪ミステリー。新聞紙面を使って連続殺人犯と新聞記者との言葉での公開討論。

    非常に面白かった。
    お互いが知的で言葉巧みでどこか敬意をはらいながら、互いを批判しながらも互いに信頼を重ねていく様なやり取り。凄く巧緻な作品だと感じた。

    テーマは前半は「潜在暴力」かと感じてていたのだが、「家族」と「言葉」が作品全体に浸透している。

    「言葉」について考えさせられた。
    自分は新聞記者とかみたいに言葉を書く事を生業としてはいないが、声に発する言葉こそ言葉だろう。
    「その一言」っていう場面なんか自他共に嫌というほど言ってきたし聞いてきた。
    深く刺さる物も多くあり、刺さり方次第でプラ

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    2023年06月22日
  • だから殺せなかった

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    「おれは首都圏連続殺人事件の真犯人だ」。大手新聞社の社会部記者の許に届いた一通の手紙。送り主は「ワクチン」と名乗り、首都圏全域を震撼させる連続殺人の凶行を詳述したうえで、彼に紙上での公開討論を要求する。絶対の自信を持つ殺人犯と記者の対話は、始まるや否や苛烈な報道の波に呑み込まれていく。果たして、犯人の目的は――劇場型犯罪と報道の行方を圧倒的なディテールで描出した、第27回鮎川哲也賞優秀賞受賞作。

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    2022年12月02日
  • だから殺せなかった

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    とてもよかった。
    時間がなく区切り区切り読むかたちになったがそれでも引き込まれた。
    一気に読むべき作品。
    映画化に向いてる。

    「おれは首都圏内連続殺人事件の真犯人だ」主人公一本木記者のつとめる新聞社へ届く一通の手紙が届く。
    そこから記者と犯人の紙面でのやりとりが続く。

    殺人は否定すべきことどが犯人の考え方にもちょっと納得してしまうところもあった。

    真実とはなにか、真実を伝えることが是なのか?
    報道のあり方というのも考えさせられた。
    家族とはなにか、

    徐々に明かされていく犯人や真実とても引き込まれた、

    犯人も驚いたがまた最後の真実にも驚かされた

    とても濃厚な作品でした。
    みんなに薦め

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    2022年04月01日
  • だから殺せなかった

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    事件解明に紛争する主人公には
    どこまでも聖人でいて欲しい
    思い込みにまんまとやられた。

    ワクチンとの紙面上での死生観の
    言葉のやりとりも、
    真実が分かってから再読すると
    まるで別の戦いに変わる

    最後の一行まで、着地が読めず
    解釈を問われたままだ。
    その沼から抜け出せず。
    この重量感、けっこう久しぶり。

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    2022年02月13日
  • あなたに心はありますか?

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    ・読んだことのないストーリーで面白かった。
    ・AIの内容?が難しかったのと、
     いらないと思った。
    ・いらない描写が多く、飛ばし読みした。

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    2025年12月01日
  • 七人の記者

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    作者の年代感が随所に見え隠れして同年代としては「ふふ」と思い当たる。今時のオールドメディアかそうでないかの二極分裂でない中道系小説

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    2025年11月29日
  • あなたに心はありますか?

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    ネタバレ

    [衝撃]人間に焦点を当てた小説でした

    書店に行ったら、たまたまサイン本が残り一冊
    これは何かの縁かと思い購入しました。
    (後日大雨により、本の一部が染みに。。せっかくのサイン本が!!!!涙)

    小説を読み始めると、「AIロボットに心は宿るのか?」というテーマで話が進められてました。
    大学教授が1人死亡し、そしてまた1人…そして胡桃沢先生に届く脅迫メール…ミステリ要素もあるのかな?でもトリックが感じられない…
    なるほど、この小説は「AIロボットに心は宿るのか?」というテーマについて、物語形式で深掘りしていく作品なんだと思っていました。
    正直、こんな意見が分かれて結論なんて出ないようなテーマにつ

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    2025年11月18日
  • あなたに心はありますか?

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    ネタバレ

    割と早めに、KC教授がAIロボットなんだろうと思わせる描写が出てきて、このサプライズ1本で行くのかな?と思ったけど、そんなことなかった。後日談や人間の心を丁寧に描いていくことにかなりのページを割いていて、良かった。ゆいさん視点の振り返りはなく、少し残念だったけど、救いのないラストになってしまうから、仕方ないか。

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    2025年10月12日
  • あなたに心はありますか?

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    『AIは心を持てるのか』『人間とは何か』『そもそも心とは何か』作者の後書きにも書かれていますが、小説に限らず、様々なコンテンツで繰り返し語られてきたテーマであり、本作もそこに目掛けて真っ向勝負、という印象の作品でした。そしてどこか懐かしさのようなものを感じる作品でもありました。

     ただ深く内容について語ることのできないタイプの作品なので、あまり多くは語れませんが、本格ミステリとしてもかなり大胆な(物語の根幹が揺らいでしまうレベルの)仕掛けがあり、読み終わったあとに、最初のページに戻ると、物語がまったく違って見えるような作品になっています。『真相』の驚きもさることながら、その先の切ない余韻が魅

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    2025年10月09日
  • 七人の記者

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    絶対に負けられない戦いがここにある。

    富と名声を得る為なら手段を選ばない巨悪組織に、命懸けで勝負に挑んだ七人の記者達に胸が熱くなった。

    私学助成金の不正受給、複数の女性への性暴力、研究成果の横取りと悪のてんこ盛り。

    悪意と嘘が渦巻き、翻弄される記者達と同化するように自身も疑心暗鬼に陥った。

    権力に屈するメディアの現状に歯噛みし、正義を貫けない社会に悍ましささえ感じ、無償で闘う彼等にエールを送り続けた。

    終盤の大勝負は手に汗握る展開で緊張感MAX。

    正しい事を正しいと言える社会であって欲しい。
    権力に勝る真実に胸がすく。

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    2025年10月05日
  • 七人の記者

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    面白かった!元朝日新聞記者によるフィクション。権力者がやりたい放題(性暴力、助成金不正受給)で腹が立った。それにしても政権による「言論統制」は怖い。アメリカではJimmy KimmelやStephen Colbertのショーがキャンセルされているし、日本でもかなり現実的になってしまったのではないか。

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    2025年10月05日
  • だから殺せなかった

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    ちょいちょい犯人とのやりとりが堅苦しい言葉がでてきて途中わけわかんなくなってきたけど、最後の最後で本のタイトルの意味を知ってゾッとする思いと切ない思いがありました。
    おもしろかったけど、再読まではいいかなって感じます。

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    2025年05月18日
  • だから殺せなかった

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    ネタバレ

    3分の2くらいまでは面白いけど想像してたよりは普通だな⋯と思っていたが、後半がすごかった。
    犯人が誰か分かっても殺された教授をよく知らないし、そこまで感情移入できずそうなのね。としか思わなかった。しかし、陽一郎くんの手紙あたりから一気に入り込めるようになる。
    対話の相手はどうして一本木記者じゃないといけなかったのか、タイトルの殺せなかった人物は誰なのか。知れば知るほど謎が解けていくスッキリ感と登場人物たちの心情を考えてしまい苦しくなる気持ちが両方くる。

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    2024年04月23日
  • だから殺せなかった

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    文章の滑らかさが好き。語彙の多さは元新聞記者と知って納得した。
    新作出てるっぽい。買おうか文庫出るの待とうか迷う。

    売却済み。

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    2023年11月17日
  • だから殺せなかった

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    最初の驚きは主人公の名前が作者の一本木透という名前だということ。私にはけっこう難しい言葉ばかりだったけど、主人公も犯人も頭脳派の策士で言葉選びがプロだと思った。それによって読んでいるこちらもうまく誘導されたな〜というかんじ。重要な人物の登場は少なめなので犯人分かったな〜と思ったら後半また驚き。タイトルの意味もよく分かった。だから、なんだなーおもしろ!

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    2023年09月12日
  • だから殺せなかった

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    初めての作者作品。
    読み始めて「あれ?」と思ったのが
    作者と同じ名前の登場人物がいること。
    文章自体はとてもかたいです。
    哲学的な内容も含んでおり
    スルスルと読めるような内容ではありません。
    けっこう考えます。
    連続殺人犯が新聞紙面で記者と対話をするという
    形式で物語が進みます。
    読み進めていくうちに、真犯人はこの人では?と
    予想をしたのですが、外れていました。
    他にも最後に驚く事実も発覚して
    よく考えられてるなと思いました。
    内容的にはかなり重い感じがしましたが
    それほど嫌な気持ちにはならず読めました。

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    2023年05月13日
  • だから殺せなかった

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    面白かったです。作中の記者と作者さんの名前に関係はあるのかなという感じではありますが、最後のどんでん返しに驚きを感じました。作者さんご本人にも作品の題材の体験があったのかも…と感じさせるような描写でした。タイトルのだから殺せなったの意味を最後の最後に知ることになりますが、読後感としてはちょっとモヤモヤする感じが残りました。

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    2023年04月15日
  • だから殺せなかった

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    新聞記者・一本木透が連続殺人犯『ワクチン』と新聞紙上での公開討論をする。
    『ワクチン』の犯罪を止めることができるのか?

    『ワクチン』の動機、『ワクチン』の正体を討論を通して見破れるか?

    スピード感もあり、訴えかけるものもあり、読みごたえがありました。
    終盤…ん?まだ引っ張るの?てな感想も抱きましたが、読めば分かる!引っ張った理由。
    楽しめました。

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    2023年02月08日