パルティータを鳴らすまで

パルティータを鳴らすまで

小説・文芸
1,870円 (税込)

9pt

幼い日に実の母と離れ、弦楽器職人の里父のもとで育った中学2年生の時本拓実。
10年の委託期間を終え、実母の家へ戻る時間が迫っている。
音楽が導く、里親との別れの半年を描いた愛の物語。
note主催「創作大賞2023」受賞後第一作!

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    朝日新聞出版
  • タイトル
    :
    パルティータを鳴らすまで
  • タイトルID
    :
    2061615
  • ページ数
    :
    288ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年11月07日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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パルティータを鳴らすまで のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    切ないけど温かい……。読んで良かったです。
    これは子どもの立場でも、親の立場でも泣いてしまう。

    養育里親家族との別れに向き合う日々を描いた作品。里親制度を物語の軸に家族を描きながら、里父が弦楽器職人ということで音楽小説のような側面も感じました。

    養子縁組とは異なり、寄託期間が設けられ、実の親の元に戻されることが前提の「養育里親」という制度。驚いたのは、実の親との暮らしが始まれば、里親と会うことはほぼ許可されないという厳しい現実。(許可されるケースもあり)
    子どもの立場になってみると、自分では選べない従うしかない大きな環境の変化に無力さを感じるし、歯噛みしたくなる。

    理由あって子供を手放した親の気持ち。親子として過ごしてきて、一生会えなくなる里親の気持ち。実の親と里親、否応なく二度も別れを強いられる子供の気持ち。
    どの立場にもそれぞれのしんどさはあって、福祉的観点からの判断も理解できるだけに感情が追いつかずもどかしい……。

    拓実が幼いうちから自分を抑えて、いろいろなものを諦めているだろう姿に胸が痛みました。
    そして、ここまで育ててきたご両親(里親)の深い愛情を感じて涙腺が緩みっぱなし。
    頑なだった拓実の気持ちの変化が嬉しい。

    子どもの気持ちを思うと苦しいけど、周りとの関係性や心境の変化に希望を感じました。読みながら頭のなかで音楽が鳴り響いているような感覚。
    別れは辛いものだとぼんやり想像していたのに、こんなに笑顔と温もりに満ちているだなんて嬉しい誤算。

    読書から学ぶことは多い。
    子どもの行く末が明るく幸せなもので満たされていくようにと願うばかりです。
    初めて読む作家さん。良き出会いでした!


    『自分ですべて選ぶことができなくても、何かに負けてしまっても、思い出をかかえて、時々そのあたたかさに触れてみて、僕の幸せを、これから先もきっと僕なりにつくっていく。』

    『大人は親だけじゃない。一人ひとりの大人は完璧じゃなくても、みんなで助けることはできる。それに、家に閉じこもってないで、自分自身で扉を開けて、外に出ることだってできる。』

    0
    2026年02月17日

    Posted by ブクログ

    涙が込み上げてくる本に久しぶりに出会えた。
    里子の拓実が抑え込んでいる気持ち、里親の父母が想う気持ち、実の母親の気持ち。前半はそれぞれが強く相手を思うからこそのすれ違いがとても苦しく切ない場面が多かった。自分に選択肢がないことや、諦めの中に常にいた拓実だったけど、好きなことをもっと好きだと言っていいと気づかせてくれた友人との出会いや、適度な距離感で見守る祖父との関係ができて少しずつ変化していく過程がとても良かった。
    淋しさの中に優しさと愛が溢れている。

    0
    2026年02月08日

    Posted by ブクログ

    主人公の生みの母親の境遇が自分とかさなり、ぐっと物語りに入り込んでしまいました。私の息子も主人公のような思いをしてたのかなと思い、涙が止まりませんでした。とても繊細で暖かい物語りでした。

    0
    2025年12月13日

    Posted by ブクログ

    【作中に登場するバイオリン曲】
    タイスの瞑想曲
    ブラームス 子守唄
    ブラームス 雨の歌
    くるみ割り人形よりトレパーク
    ラフマニノフ ヴォカリース
    クロイツェル練習曲集 第一番
    きらきら星変奏曲
    バッハ無伴奏パルティータ第三番全曲

    アマチュアバイオリン弾きとしてはバイオリン曲がたくさん出てくるだけで嬉しいです。
    拓実君、ずっとバイオリン続けて欲しい。

    登場人物みんないい人達で、それぞれがそれぞれの形で主人公のことを考え、見守っていました。

    心が温かくなるお話でした。

    0
    2025年11月25日

    Posted by ブクログ

    感動しました。この作品で養育里親のことを知りました。主人公時本拓実が里親岸根央太郎との関係、バイオリン製作者としてのバイオリンとの関係性が実に見事に表現されていました。実母の元に帰ることへの不安やバイオリンの演奏に対する考え方などすばらしいことだらけでした。央太郎の父から教わるバイオリンの演奏場面は感動ものでした。ラストの演奏会に対する拓実の試練はもう胸がいっぱいになってしまいました。あなたも読んで震えて下さい。感動して下さい。

    0
    2025年10月29日

    Posted by ブクログ

    4歳の頃から楽器職人である養育里親の元で育った拓実。生みの母に放棄された拓実にとって、穏やかで包容力のある里親の元は居心地がよく、安心できる居場所のようだけど、いずれは生みの母の元に帰ることがきまっている。何故このままでいられないのか、何故子どもにこんな不安な思いさせる制度なのかと釈然としない。生みの母の側から見るとまた違うのだけど。
    淋しいけれど、どこか晴ればれとした読後感。

    0
    2026年07月20日

    Posted by ブクログ

    程度の違いはありますが、胸が揺さぶられる場面がたくさんあった物語でした。
    そして、おしえられることもあり、決して後ろを向いてるわけではないのですが、前を向いて生きていこう!という気になる作品でした。

    ***ネタバレ***

    また、登場人物がみなさん素晴らしい。
    そんな中でも「じいちゃん」に1番興味を持ちました。日本屈指のバイオリニストで81歳、音楽大学の名誉教授というカッコ良さ、最初は怖くて厳しく、取りつく島もないじいちゃんが、拓実にバイオリンをおしえるあたりから、だんだん優しいじいちゃんが見えてくるところが「あ、好きだな、こんなじいちゃん」と思い(笑)、拓実とじいちゃんの場面は、ニコニコしながら読んでいました。
    そして、大事な事をおしえてくれた子供たち。
    「自分がやりたい事を外に向けて見せる、背負っていい」とおしえてくれた八木沢くん。
    「そばにいる大人に幸せにしてもらうわけじゃない。自分を幸せにするのは私!」
    と、どんな環境や立場にいても、幸せは自分で幸せにするんだとおしえてくれた果鈴ちゃん。
    そして、
    最初は、どうせ自分では決めれないから、辛いだけだからと、ただバイオリンを弾く以外の事はせず、自分の気持ちをおさえ、伝えることもせず平気なふりばかりしていた拓実が、八木沢くんに自分の事を話した辺りから、自分の気持ちに正直になり、周りの人に自分の気持ちを伝え、先の不安よりも今の気持ちを大事にし、やりたいことを手放すのはやめようと、演奏会でパルティータを弾くことだけを考え突き進む姿に、私もこうであろうと、こちらも決意させられました。

    里親の父さん、母さんとの別れが待っていて、里親解除後は会えないという現実が待っていて、なんとも寂しく、切ない思いを抱きましたが、拓実くんが大人になった時は、自分の意思で会いにいけばいいよって、そんな事を想像しながらこの作品を読み終えました。

    0
    2026年05月15日

    Posted by ブクログ

    幼い頃実の母親と離れ、弦楽器職人里親のもとで育った中学2年生の拓実。
    いずれ里親との委託期間を終え実母の家へ戻ることが分かっていた拓実は、バイオリンを弾くことだけを好み淡々と日々を過ごしていた…。

    里親、養子、名前は知っていても「養育里親」という制度は耳慣れない言葉でした。
    養子縁組を前提とせず、実親に戻る可能性を考慮しながら子供を育てていくなんて…相当な覚悟が必要だと思います。
    拓実はまだ中学生なのに達観していて、里親にも「聞き分けの良い、育てやすい子だったと思われたままでいたい」と自分の気持ちを抑え込み、何でも諦めざるを得ない経験をしてきたことに胸が痛かったです。

    実母も里親も児相もそれぞれ里子のことを第一に考え、「あなたの気持ちが大事だから」と言ってくれるけど実際は里子の要望は通らず、結局周りの大人(養育里親という制度)に振り回されているように感じました。
    1番驚いたのは委託期間を終えて実親の元に帰ったら、基本的に里親と会うことは出来ないということ。
    様々な配慮の上での決まりとはいえ、子供の希望があっても交流が許されないのか…。
    ただ本作の登場人物はみんないい人ばかりなので現実は上手くいく里親家庭は少なく、双方と良好な関係を続けていける方が難しいのかもしれません。

    もう2度と会えないとしても拓実に愛情をそそぎ、行く末の幸せを祈る里親に心打たれました。
    こういう親子のお話は昔だったら子供の視点で読んでいたのに、いつの間にか親側に感情移入して涙するようになってしまいました。笑
    血の繋がりだけが家族ではない、家族の形に正解はないのだと改めて感じます。

    0
    2026年04月27日

    Posted by ブクログ

    「みんな幸せになってほしい」、読み終わってまず思ったことです。
    主人公がこの先どんな選択をしていくのか、周りの人達との今後の関わり方や関係性の変化を含め、音楽に関わり続けるのか、その先をぜひ読みたいと思いました。周りの人達の人生も気になるし、友情も深めてほしい!
    そして何より自分自身が「心ある大人でありたい」と願う作品になりました。

    0
    2026年02月21日

    Posted by ブクログ

    某サイトのレビューには「こんなのおとぎ話だ」と辛口コメントがあったけど、小説なんてそんなものじゃないの?主人公が不幸な境遇にあれば幸せを願うし、恵まれた境遇にあれば素直にいいなぁと思う。あこがれや願い、そして希望。いいじゃない、光にあふれるハッピーエンド。だってこの年になると、こどもたちが自分の人生を愛していく様を見る(読む)のが幸せなのだから。

    0
    2026年01月08日

パルティータを鳴らすまで の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    朝日新聞出版
  • タイトル
    :
    パルティータを鳴らすまで
  • タイトルID
    :
    2061615
  • ページ数
    :
    288ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年11月07日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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