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生まれてくるか、こないかを自分で決められるならば、あなたは、この世界に生まれてきたいですか? 子どもを産むためには、その子からの出生同意が必要となる世界を舞台にした、芥川賞受賞作家による衝撃作。《解説・朝井リョウ》
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Posted by ブクログ
この作品の舞台は
子供を産むためには
その子供の本人からの同意が必要になる
「合意出生制度」が浸透した近未来の世界。
子供自身が
「生まれる意思」を持って生まれたからこそ
自分の生を恨むことなく
後悔せずに力強く生きることができる。
だからそれは正しい制度だと
多くの人々は信じて疑わない。
子供が「生まれたい」と同意した時は
それでいいだろう。
「生まれたくない」と結果が出た時
胎内に子を宿してから
胎動を感じ 愛情を注ぎ続けた
母親の気持ちは
激しく踏みにじられてしまう。
「合意出生制度」の検査が
本当に正しいものだと
誰も確実には言えないのに。
従わなければ
法を犯すことになってしまうなんて…。
人間はより良い社会にするために
日々努力をしているけれど
その努力した先に
このような法律ができてほしくないと
強く感じた。
母である彩華は
「人生の初っ端から自分の意思が
無視されたという事実が、この子にとって
一生解けない呪いになるかもしれないって
そんな気がするの。
私は自分の子供の出生に、呪いじゃなくて
祝いを捧げたい、
それが合意出生制度がもたらした
最大の恩恵でもあるでしょ?」
そして自分の身勝手な願望の産意で
産んではいけないと決断した。
それはその社会で生きているからこそ
そういう考えに至ったのかもしれない。
私はその社会に生きていなくて
本当に良かったと思った。
人生は幸せばかりではない。
辛いこともたくさんある。
それでも そんな人生でも
私はこの世に生まれてきて良かったと
何十年も生きてきて
やっと 今
心から感じられるようになったのだから。
そう思える自由がある
現代社会に生まれてよかったと
この作品を読みながら感じました。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。
何を言っても蛇足な感想に思えて、あまりにも答えの出ない内容だった。
妊婦さん、子供がいる人、いない人、子供が欲しい人、欲しくない人、どっちでもいい人、人生が楽しい人、つまらない人、まだまだ生きたい人、死にたい人などなど、本当に色々な立場の人に読んだ感想を聞いて回りたい。
主人公は合意出生制度で産まれており、冒頭で、自分自身の人生で辛いことがあっても自分が望んで産まれてきたという事実があるから乗り越えることが出来た、と言っている。
「自分で選択した」という信念が自分を生かすというのは、この小説の世界でも今私達が生きている現実でもそうそう大差は無いのではないかと思った。
産まれる前に選択したか、産まれた後に人生の分岐の中で選択したか、というタイミングの違いなだけで。
けどやっぱり病気や事故など自分の選択ではどうにもならないこともあるのも確かで、出生を選択することが出来たという事実は自分の人生を支えることになるのだと思った。
「産まれたくない」子供の意思が尊重されたとき「産まれてきて欲しい」両親の意思は尊重されなくなる。その時にあんなにも合理的で素晴らしいと思っていた合意出生制度が不確かで、怪しくて、憎いものになる。
人間は自分に不都合なものと判断した場合突然それを受け入れることが出来なくなる。
この瞬間、今までお守りだった「自分で選択した」という事実が「自分で選択したのだから受け入れなければならないもの」になるのではないか。
そんなショッキングな状況に出くわした場合でも「自分で選択して産まれた人生だから」と受け入れることができるほど人間は強いのだろうか。
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