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サバイブ、したのか? 俺ら。家族という〈戦場〉から。史也の中で鮮烈に残る映像は、父を殺そうと振り上げた斧だ──。痛みを伴う読書体験の先に、かけがえのない希望を見せてくれる、直木賞作家の真骨頂!《解説・早見和真》
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Posted by ブクログ
窪美澄先生と出会えたことはやはり、私の人生にとってとてもだいじなこと。まだ振り返す、大好きな家族というものに対する負の感情となかなか折り合いをつけられずにいるけれど、自暴自棄になりすぎずにゆっくりと向き合っていきたいと、改めておもえた。
父親からの暴力を受け、母親と妹を守る為に父親を殺害しようとした、史也 生まれて直ぐ、雪が降る真冬の寒空の下養護施設の門前に捨てられ梓 二人でその過去を乗り切る為に生まれ故郷である青森へ向かう。 果たして立ち直る事はできるか? 人生は人それぞれにではあるが本当の意味で考えさせられた。 強い心を持った二...続きを読む人に幸あれと思わずにいられないが感想である。
初めて読む作者さんで家族の話でしたが…。 これって普通に犯罪じゃない?と。 家族って悪い意味でも守られてしまう。 優しさを利用されてしまった子供は、大人になってからも自分の振る舞いをこれで良いのか伺って生きていかなきゃならないのってなんの罰なんだろう。 ずーっと読んでいて息苦しさを感じたけれども、主...続きを読む人公のこれからも気になります。 内容は厳しかったですが、作者さんの事は好きになりました。
書き出しから引き込まれた。DVの描写が非常に生々しい。青森の村では浮いていたモダンな建築の家で虐待を受けていた主人公が、家を撮影するカメラマンになるという筋書が面白い。彼が撮影をした家で出会った、笑わない男の子のその後に希望があることを願う。家というのは、場合によっては「外から侵入することができない...続きを読む」という本来安心するべき条件によって最も危険な場所になる。成人した主人公に謝罪する駐在さんの思いが切ない。主人公の史也と梓の二人、過去と向き合う青森の旅で、向き合うのが恐ろしい暗い記憶の中で心を通わせる二人の関係性が対比的に浮かび上がるようだった。史也にとっては伯母、梓にとっては新しい両親(すれ違いもあるが、あくまでも良い人たちであると思う)という救いがあったから、彼らはなんとか生きてこられたのだろう。人の過去はわからないことを心に刻みたい。また、被虐待児やサバイバーに気づいた、出会った際どうすればいいのだろう、ということも考えさせられた。
ぶっ刺さった。この本、私の心にぶっ刺さった。梓目線で私は読んでた。だって私と同じだから。だからまた私の過去や過去の時の考え方が蘇ったりしたの。 【この物語を必要としている人に、どうかこの本が届きますように】 届きました。読んで自分が必要としてる人だった事に驚いた本。 本屋さんで迷わずこの本を手にした...続きを読む時から出会う本だったんだな。
色んな不幸で絡まりまくった糸を丁寧に解いていくように進んでいく。 親によって不幸な幼少期を過ごした人達が大人になって、いざ親と接した時に、爆発する感情、乱暴なシーンもあったけど、酷いとも思えない内容。 綺麗事だけじゃない、人間的な内容は、さすが窪美澄先生です。
それぞれ違った苦しみを経験した2人だからこそ、分かり合える何かがあるのだと思う。確実に。 自分が経験した嫌な出来事を、自分の子供には経験させたくないってものすごく共感だなあ。
主人公の横沢史也の父親は、普段は物静かな性格なのだが、酒が入ると人格が豹変し、母親と息子の史也に暴力を振るっていた。 3歳年下の妹の千尋は、極度の恐怖からか原因不明の視力がなくなる症状が出てしまう程に、家庭は既に崩壊していた。 しかし母親はじっと耐えているだけで、子供二人を何とか守ろうとする姿勢は見...続きを読むえなかった。 史也はそんな母親に不信感を抱きつつも、父親の暴力から弱い母親と妹を守らなければと、子供ながらに使命感を感じていた。 ある日、父親の酷い暴力に反抗した史也は、その後に母親の姉宅で生活することになる。 その理由は、14歳以下の犯罪は罪を逃れることができるということを知っていた史也は、薪割りに使っていた斧を手にして父親に向かったことにあった。 父親は無事だったが、史也が幼少の頃からただ一人心を委ねることのできるのが叔母だったこともあり、生活環境を変える方法がとられたのだ。 叔母は高校を出た後には東京の大学へ進学し、少年期の出来事はは総て忘れ去り、新たに東京で生きろと史也を諭す。
とても良かった。 テーマ重たいんだけど、文体も読みやすくてサクサク進む。 子供の時はそれなりにふだれたりはあったけど、こういう本読むとやっぱり教育と暴力は違うよな、としみじみ思う。 解説の早見和真さんも言ってたけど、最後の30数ページ、蛇足っちゃ蛇足だけど、あそこがあることで読後感はとてもよいしあ...続きを読むれはあれであり。 フィクション要素もあるはあるけど是非色んな人に呼んでほしい一冊。
窪美澄さん4冊目。重い話であり、結末は甘すぎるかもしれない。それでも理不尽に父親から暴行を受け続け殺しかけた男と生まれてすぐに乳児院の前に捨てられた女が、それぞれの痛みを分かち合う努力をしながら求め合う物語は少なくとも幸せな家族を予感させるものとして終わって、私にとってはよかったと思える。それなのに...続きを読む13歳の時に男を救ってくれた元駐在さんから、男の父が男の祖父から暴行を受けていたことを聞かされる必要はなかったと思う。暴力は連鎖するとの伝説をここで想起させることで男の血にも殺しかけた父の血が流れていると問いかける必然があると思えない。希望を語るのであればDNAの話は抜きにした方がよかったと思った。
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