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大手都銀・大洋産業銀行広報部次長の渡瀬正彦は、新聞記者から大洋産業銀行の総会屋への利益供与の事実を知らされる。巨額融資問題は、やがて大手証券会社を巻き込んだ一大スキャンダルへと発展する。闇の勢力との癒着の歴史に愕然とする渡瀬だったが……。1997年に実際に起きた未曾有の金融事件を基に、“呪縛”に囚われ続け、自壊していく銀行の真実をドキュメンタリータッチに描いた金融情報小説。
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Posted by ブクログ
第一勧業銀行の報道の裏側で何が行われていたのかがリアルに伝わってきた。 個人的には、実際の事件を仮想現実に置き換えている分、この人は実際の人物にすると誰か、などを考えながら読み進める作業になって、若干まどろっこしく感じた。あと、「川」という字のつく人が多くて、え~と誰だっけ・・・と思うこともあったり...続きを読む。(^^; 隠そうとすればたたかれ、正しい姿勢を貫こうとすればつつかれる。 総務部長が行ってきた行為の善悪は別として、銀行という大きな組織の中で、やらざるを得なかった心情はとても共感できた。 渡瀬さんが格好良すぎ w
江上剛 元銀行員の作家 実際の銀行の現実を知る著者だからこそ、描ける世界。 『金融腐蝕列島』のモデルとなった人物。 テレビのコメンテーターとしても、メディアに登場することもある。 2002年デビューながらも、既に多数の作品を世に送り出している。 銀行の広報部次長が、ある記者との出会いから物語...続きを読むが始まる。 それは銀行が、総会屋に巨額の融資を行っていたという事実を突き付けられること。 総会屋と総務の結びつきとは?! 広報部次長が駆けずり回るが、総務は口を閉ざしたまま。 そこで、同様の別の事件が世間の明るみ出る。 記者会見を開き、事なきを得るが、その数百倍にも上る巨額の融資の事件については、、、 トップまで巻き込んだ、銀行のスキャンダルを、広報部次長がどう対応するのか。 銀行の”事なかれ主義”が生んだ膿が、暗雲が白日の下に晒される。 バンカーとして、企業人として、一番大事なものは?! コンプライアンスとは?! 多数の人物が出てきて、少々わかり辛い面もある。 最後の方の尻つぼみ感が否めないが、江上剛の作品らしく、物語の世界に引き込まれて、一気に通読してしまう。 江上剛の自書伝とも言うべき作品。
企業小説は、フィクションであっても、ノンフィクションのように思わせる骨太な語りのものがいい。 これは、まさにそんな好みにぴったりな話でした。 大きくなればなるほど、会社には触れられたくない暗部があるものですよね。。。
いつもながら、江上剛の銀行を舞台にした小説はリアリティがある。 それもそのはず・・この「座礁」は本人が第一勧業銀行の広報次長だったときのことを小説としているのだ。 (もちろん登場する企業や組織などは架空の名ではあるが) 巨大組織の前では、個人の正義が「呪縛」によって否定される・・ この小説のような...続きを読む大きな話ではないが、サラリーマンたるもの身につまされる思いが多少・・(笑 また、危機管理時に必要なシュミレーションにもなりうる小説かもしれない。
著者江上剛の実経験、ほぼノンフィクションと言われる一冊。 古くからの銀行の総会屋への不適切な融資が、公になっていく銀行の物語。 最初の小さな過ちから、嘘に嘘を重ね、誤魔化され、大きな過ちになっていく。 この「呪縛」と言える過ちを正そうと勇気を持って現れた人間も、マスコミの餌となってしまう。 しか...続きを読むし、この大きな事件によって、たくさんの犠牲と数人の勇気があったからこそ現代の銀行は大きく健全化されることになった。 一社会人として思う事は、過ちを隠さない、誤魔化さない勇気は自分だけでなく後輩のためになると言う事。 一度隠してしまうと、必ず大きくなってしまう。自分で倒せないような大きな敵になる前に、立ち向かわなければならない。
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座礁 巨大銀行が震えた日
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江上剛
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