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小学校に通わせてもらえず、食事もままならない生活を送る優真。母親の亜紀は子供を放置し、同棲相手の男に媚びてばかりだ。最悪な環境のなか、優真への虐待を疑い、手を差し伸べるコンビニ店主が現れる。社会の分断を体現する少年の魂はどこに向かうのか。《解説・杉山春》
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Posted by ブクログ
ゴヤの「黒い絵」のタイトルを思わせる小説。 こういうことって現実に起こっているのだろうけれど、こうやって小説になると、より一層現実感が強くなる。
序盤から重苦しく嫌な予感しかしないのに、結局一気に読んでしまった。『つみびと』の子どもたちはお母さんを好きなまま飢えて死んでしまったけれど、本作の子どもたちとどちらが幸せだったのだろう。
虐待と貧困の連鎖から逃れた少年ー 私たちはまだ、彼の苦しみを何も知らない(帯より) *:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:* 過去「OUT」「柔らかな頬」「グロテスク」etc…とにかく読み漁った桐野作品。 この作品のあらすじを読み、無性に読みたくなり、久しぶりに手に取りました。...続きを読む 生活する中で身近に感じることはできない、虐待・ネグレクト・貧困テーマという作品ながらも、本当にそのいち家庭の様子を覗いているかのような感覚に陥る桐野さんの圧倒的な筆力✨ 果たしてエンディングはどちらに転ぶのか⁈ …そんな思いを抱えながら読み進めた作品。 描かれていないこのストーリーの続き。 読後誰かと語りたくなる…そんなエンディングの余白もサスガの桐野作品。 オススメしたい作品です!!
面白いと表現してはいけないシビアな内容でしたが、次々と気になって読み進めました。 こんな子供がいなくなる日が来ればいいのに。
重くて救いようのない話… でも読む手が止まらず一気読みしてしまった。 読みやすい。 帯にも書いてあるように、バイアスによる違いがネックになってると思った。私たちはそれぞれ異なる環境で育ってるから、相手がどんな普通を持ってるかもわからないし、相手も同じ。その普通に苦しめられる話だなと思う。荒んだ環境...続きを読むで育ってきた優真は尚更。 これはあくまで物語だが、これと似たようなことが起こっているのだと思うと、非常に心が重くなる。
私はこの小説を読み、“こんな現実が本当に起こり得るのか”と衝撃を受けた。 亜紀のように母親としての役割を放棄し、息子より同棲相手に媚びる生き方は、あまりにも残酷だ。優真が店長に引き取られたことは、不幸中の幸いであり、唯一の救いであったように思う。 一方で、洋子の温かさは純粋で、読む側にも深く沁み...続きを読むた。しかし、彼女の花梨に対する執着は危うさをはらんでいた。優真の覗き見や窃盗のような行動は、虐待や愛着形成の欠如によって生まれる“心の穴”が原因であり、社会不適応や危険な衝動として表れる。その姿は哀れでもあり、恐ろしくもあった。 ただ私は、もしこの話が現実であれば、優真はもう少し里親に心を開く余地があったのではないかとも感じた。思春期の子どもは確かに衝動的だが、同時に“変われる最後の大きなチャンス”でもある。ここで身についた自己防衛の癖や思考は、大人になっても簡単には変わらない。 だからこそ、優真にとって最も必要なのは早い自立だと私は考えた。学校というコミュニティは狭く、息苦しい。異性への執着も強まりやすいし、周囲の視線が世界のすべてに見えてしまう。しかし、社会に出れば、人は皆それぞれの生活に必死で、他人の背景に深く踏み込む余裕などない。どれだけ容姿端麗だったり経済的に裕福であっても、街に紛れれば、過去の事情など誰も気にしない。むしろ、それが救いにもなり得る。 ただ一つ、気になった点がある。 それは、あきとの存在だ。 彼はペドフィリアの鈴木に一年間育てられた。作中に詳細は描かれないが、性的関心を向けられていた可能性は高く、その経験は成長とともに深い傷となるはずだ。人間の欲望は恐ろしい。加害者の満足と引き換えに、被害者の心には憎しみと歪みが積み重なる。そしてその負の連鎖は、世代を超えて形を変え、何度でも繰り返される。 この作品は、家庭環境が人生をいかに左右するかを痛烈に描いていると同時に、 救いとは“誰に育てられたか”より、“どの環境に移れるか”で決まる という現実を突きつけてくる。 私はこの小説を通して、 人を変えるのは“愛情”だけでなく、“環境そのもの”なのだと強く感じた。
「正しさを教えることは正義に思えるが、相手の背景を知らない正義は暴力になる」と語る解説者の言葉に納得。家庭の温もりや、そもそも生活することがどういうことなのかも分からずに育った主人公にとって、社会のルールなど言って聞かせても、分からないし、まるで自分が悪いのかと責められているような気持ちになるのだろ...続きを読むう。常識的な正論は、時には非情な責め苦になる。口は慎まなければならない時がある。深い小説でした。
ネグレクトと虐待で里親に預けられる少年、その母親、後に里親になるコンビニ経営者、3人の視点で物語が進む。 一つ一つの出来事は決して過剰なものでなく、リアル、とにかくリアル。きっと筆者は詳細な取材を重ねているのだろう。緻密な人物描写、誰もが多面性を持ち、その心情が痛いほど伝わる。物語に引き込まれる。そ...続きを読むして誰もが単純には幸せにはならない。虐待、貧困の真実はそうである。でも微かな希望は感じさせる。さすが桐野さん、本領発揮。
こういうネグレクトは実際に存在するんだらうな。自分の周りでは全く見られないのでどうしてもフィクション感があるけど。もうホントに負の連鎖。少しでも良くなるかな、と思っても、闇は深い… どうしたらいいのかわからない!本人も、里親の二人も。現実はやはりどうしようもないのか…
登場人物の心理や行動の描写がリアルで、かつ児童虐待・ネグレストという社会問題がテーマになっているので物語に引き込まれた。 特に思春期の男子の心理描写はとてもリアルに感じられ、後半の優真がどんどん危うくなっていく展開にハラハラさせられた。 救いのあるラストを望みながら読み進めたが、わずかな光が見えた程...続きを読む度で唐突に終わってしまった感じだった。やはりフィクションといえど安易にハッピーエンドにできないくらい虐待を受けて育った子どもの傷は深く、この社会問題が重いテーマなのだろう。
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