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Posted by ブクログ
藤岡さんの小説は大好きですが本書もやはり…好き。
婚約を機に仕事を辞め婚約者の実家のある京都へ…が、思いもよらぬ京都のしきたり、家業を継いだ婚約者の変貌、何の為に好きな仕事を辞め京都へ来たのか、戸惑う十川美咲32歳。
東京で仕事をしている頃には持てなかった【時間】を手にした彼女が元々好きであった物作りへの衝動に駆られミシンを動かし始めたところから美咲の人生が大きく変わって行く。
自分は何がしたいのか、どうやって生きていきたいのか、事あるごとに立ち止まりながら、臆病になりながらも自分の気持ちと向き合い一歩一歩自分の足で人生を歩き始める…そんな美咲の人生から目が離せませんでした。
誰だって傷付きたくない、傷つく事は怖い、自分に自信が無くて臆病で決断が出来なくて自分には無理…と始める前に引いてしまう…美咲のそんな心の揺れが手に取るように分かる。
何か大きな新しい事を始めるのは想像以上に心の体力とエネルギー、覚悟と本気が必要だ。
そして時に才能、技術、資金も…。
それらの葛藤を抱えながら必死に動こうとする美咲の人生に気付いたらのめり込んでました。
運を良くしたいなら人に信用される事。
動かないと何も始まらない。
過去は変えられない、時間も戻らない、ならば今しかない、今をどう生きるか。
自信を持つ、自分を信じる、今の気持ちをまっすぐに口に出来る人間になりたい。
これらはとても印象に残った言葉たち。
そう、動かないと始まらない!
「考えるより動く」…が大事な時がある。考えると怖くて面倒で動けなくなるから。
そんな時はまず動く…動いたエネルギーでその先が変わるかもしれない…動いた事で人生が追いかけてきてくれる事もある。
慎重になる事も大事!でも自分の気持ちをきちんと口にし、気持ちに正直に動く事が人生を大きく変えてくれる事もある…美咲のように。
Posted by ブクログ
単純に京都が好きで、オススメもされたので読んでみた。手に職というか、技を持つ人に憧れる側の人間にとっては、まず羨ましいが先に立ってしまったが、こういう仕事邁進話は気持ちが良い。自分も含めて今はタイパとかコスパで、一生懸命がむしゃらにやる人が減ってるように思うから。現実はこんなに上手くいかないとは思いながら、ちゃんとモデルがいるというところに驚いた。仕事は真っ直ぐ進むのに、恋愛では変な意地をはる主人公にモヤっとしたけど、最終的には応援したくなった。
「運は信用に値する人間のもとにしか訪れません。あなたがこれまで運が良かったというのであれば、それはあなたが周りの人に信用されていたからですよ」
自分も運が良いと思っていたので、本当にそうなら良いなと嬉しくなった。動かなきゃ何も始まらないのは確か。
Posted by ブクログ
おもしろかった。
「リラの花咲くけものみち」の主人公が学生に対し、こちらは結婚を控えた大人の女性。
どちらの作品も悩み、葛藤しながら自分の生き方を模索する主人公を応援したくなります。
美大を卒業しインテリア会社に勤める美咲と銀行マンの和範。家業の跡継ぎとして帰郷する彼とともに、会社を辞めて彼の実家で同居することになります。
京都独特の文化、婚約者家族の威圧的な態度、これまで知らなかった婚約者の意外な一面を知っていく美咲。
日常の些事にも神経をすり減らし、疎外感、孤独感を増していく毎日。
これは辛い、先が思いやられる…。
そんな苦しさの中、美咲が少しずつ作る楽しさを思い出して、作業に没頭することで息を吹き返していく。やがては広い世界へと泳ぎだす様子に私もすごく嬉しくなった。
読むと、ちょっとお高い一点モノ商品をじっくり見てみたくなります。
美咲と圭太との静かで穏やかな時間が、心地よくて好きでした。
新たな一歩を踏み出す美咲の姿が心に響く。
ほぼ一気読みでした。
『行きたい場所にはロケットのようにまっすぐ飛んでいき、興味があることはとにかくなんでもやってみた。正解も成功も成果も気にしない。なにか新しいことを始める基準は一つ。自分が楽しんでいるか、わくわくしているかどうか。』
『運は信用に値する人間のもとにしか訪れません。あなたがこれまで運が良かったというのであれば、それはあなたが周りの人に信用されていたからですよ』
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