ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
デザイナーの水樹は、自社が服飾業から撤退することを知らされる。45歳独身、何より愛してきた仕事なのに……。途方に暮れる水樹のもとに中高の同級生・憲吾から、恩師の入院を知らせる電話が。お見舞いへと帰省する最中、懐かしい記憶が甦る。幼馴染の三兄弟、とりわけ、思い合っていた信也のこと。〈あの頃〉が、水樹に新たな力を与えてくれる――。人生に迷うすべての人に贈る物語!
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
45歳。自分の来し方と行く先を 見つめる。 長年続けてきた服飾デザインの仕事が、突然事業閉鎖に。 女子トークから始まり、軽い内容かと思いきや、主人公水樹の人生は幼少期から甘いものではなかった。 幼い頃、貧しい団地生活の中、同じ団地に住む正浩、信也、悠人の3兄弟とは、家族同然に過ごしてきた。 同級...続きを読む生の憲吾、恩師の遠子との再会をきっかけに、27年間の空白を経て、水樹は信也と再会する。信也のことが好きだという気持ちをしっかりと自覚して。 その再会の場面は描かれず、読者にラストは委ねられる。 結果がどうであれ、 自分の過去、周りの人達の過去、 今の自分、将来の自分、これだけしっかり 深く理解できていたら、それだけで十分だと思った。 藤岡陽子さんの経歴が、生きてきた年月が、小説を作り上げているんだな。 45歳。人生の折り返し地点。自分の人生の終わりも見えてくる。水樹の気持ち、手に取るようにわかる。その歳になって初めて自分の親の気持ちや状況が理解できたりする。 心に強く響いたフレーズ (記憶を頼りにしてるので正確ではない) 1、人は3つの層からできている。 生まれついた性格、環境で形成される性格、努力して身につけた人格。 2.リレーのバトンは気持ちをつなぐんだ。 3.人にはそれぞれの戦い方があるんだ。 小説として、現在から過去に遡り、また現在に戻る構成が良かった。 登場人物、ひとりひとりの輪郭が際立っていて、ドラマのように情景が浮かんだ。 文学部出身、記者、司法事務、タンザニア留学、看護師、と様々な経験に裏打ちられた。無駄のないリアルな筆致が良い。 今、藤岡陽子さんブームであと4冊積んである。楽しみ。大好きな作家さんだ。
子どもの頃の友達の家族のことって、どのくらい知っていただろう。ほとんど全く知らないのが普通じゃないだろうか。中学生になってから知り合った異性の同級生なら、なおさら。 登場人物のそれぞれは、一見おしゃれな女子だったりイケメンだったりスポーツマンだったりするのだけど、それぞれが家族に何か背負っていて。 ...続きを読む正浩くん、ええ子すぎる… そして、小学生が自分たちと違う子を見つけた時のえげつなさ… 高校生の恩師のありがたさ… いつも藤岡陽子さんの本の中に勇気付けられる言葉を拾うのだけど、 ドッジボールでボールを受けられずに怯えるせいでいじめられる弟の悠人に正浩が言う台詞。ボールを受けなくていいから、相手を見ながら走って逃げろ。 『これが悠人の闘い方や。人によって闘い方はそれぞれ違うんや。だから、自分の闘い方を探して実行したらええねん』 その言葉が、弟たちと水樹の人生を後年切り開いていく。
それぞれが苦しくても必死に前を向き進んでいくまたたまに立ち止まりそうになっても友達が助けてくれるそんな青春時代や大人になってからの苦悩などを丁寧に描いていて私もじんわり心があったかくなるような作品でした
昭和の時代、京都の団地で育った幼なじみたちの人生。 貧しくても淡々とそれを受け止めて生きている。 夢なんて考えたこともない。生きるのに精いっぱいだから… でも、誰かが気づいてくれたら。背中を押してくれたら。話を聞いてくれたら。そこからの人生は全然違うものになる可能性がある。そんな誰かに出会えるかど...続きを読むうかが運命の分かれ道なのだろう。 登場人物がみな、苦しい現実の中でも前を向いて進もうとする姿に感動した。良い本に出会えてよかった。
樹木に比べれば人の人生なんて短い。 「いまこの瞬間にある本当の心を大切にしなければ、なんのために生きているのかわからなくなってしまう」 本当の心を大切にして、それが叶わなくても後悔はしない。 水樹と信也はやむを得ない事情で遠回りしたが、いつまでも自分の中の真実を大切にしていた。そして家族を護り続けた...続きを読む。それだけにクライマックスが嬉しい。水樹が旧友との再会で、自分のやりたいことを投げ出さなかったことも嬉しい。 人はこれが最後の別れになると気付かずに出会いと別れを繰り返す。 ずっとこの時間が続くという錯覚を取り払って生活しなくては。そんな思いが強まった。
最初から最後まで、しみじみと泣けます。大人になっても、昔好きだった人を思い続ける物語。家族を愛し、他人を受け入れる大切さを説く。藤岡さんが描く、受容性のある京都もまた魅力。素晴らしい小説です。
藤岡陽子さんの作品はじわじわと読み手の心を揺さぶっていく力があると思う。何気ない登場人物のことばだったり置かれている状況に共感を覚えて所々懐かしさを感じる。
泣きそうになった〜。感動ポイントを簡潔に書こうとするとチープになってしまいそうだからあえて書かないけど本当に良かった。
藤岡陽子さん、最近ちょこちょこと読んでいましたが、とても好きです。 服飾系産業の未来だったり、団地の付き合いだったり、発達障害とその兄弟についてだったり、色んな要素が入っているけどスッキリしていて、なんとなくずっと色の濃い青春の香りがするようなお話。 親がそこまで子どもに時間をかけられない家庭の...続きを読む方が兄弟仲は良い気がする。 "ミは水樹のミ"なんて、誰かの支えになれるような人生、憧れる。
大好きな藤岡陽子さんの大好きな作品。時々、読み返したくなる。 決して明るいストーリーではないのに、いつもとても心に響き、励まされ、温かい気持ちになる。そして、自分の生き方と未来を考えさせられる。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
手のひらの音符
新刊情報をお知らせします。
藤岡陽子
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
満天のゴール
わたしの名店
いつまでも白い羽根
海とジイ
おしょりん
きのうのオレンジ
金の角持つ子どもたち
この世界で君に逢いたい
「藤岡陽子」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲手のひらの音符 ページトップヘ