国内小説 - 朝日新聞出版作品一覧

  • ゴースト
    3.5
    1巻1,500円 (税込)
    目をこらすと今も見える、あなたの隣の幽霊……鬱蒼とした原宿の館に出没する女の子、戦時中活躍したミシン、ぼけたおじいちゃんの繰り返す謎の言葉、廃墟と化した台湾人留学生寮。温かいユーモアに包まれ、涙がこぼれる七つの幽霊連作集。
  • 斎藤家の核弾頭
    4.5
    1巻1,300円 (税込)
    「国家主義カースト制」によって超管理社会となった2075年の東京。政府から立ち退きを強制された斎藤家は、理不尽な転居命令に抵抗して日本国政府に宣戦布告する! 予言的なリアリスティック・ディストピア小説。《解説・ブレイディみかこ》
  • 裁判長!死刑に決めてもいいすか
    3.5
    あなたは裁判員として、被告人に死刑の結論を出せるか。「裁判員席に座るだけでビビりそう」と尻込みする傍聴オタクの著者が、元韓国エステ嬢殺害事件と杉並親子強殺事件を「裁判員になったつもり」で傍聴。果たしてキタオ裁判員の判決は?
  • 坂の途中の家
    4.1
    1巻1,699円 (税込)
    最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。虐待事件の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇に自らを重ねていく。社会を震撼させた虐待事件と〈家族〉であることの光と闇に迫る心理サスペンス。
  • サバティカル
    4.0
    1巻799円 (税込)
    ふいに手に入れた5カ月の休暇、サバティカル。日常から外れた場所で導かれるようにひとと出会い、僕は人生の宿題〈ひとを好きにならないこと〉に向き合い始める。ひとの結びつきのかたちを新たに問う、挑戦作。《解説・吉田恵理香》
  • 錆びた太陽
    3.6
    1巻1,799円 (税込)
    「最後の事故」で、人間が立ち入れなくなった地域をパトロールしているロボット「ウルトラ・エイト」。彼らの居住区に、ある日、人間が現れた。国税庁から来たという20代の女性・財護徳子。人間である彼女の命令に従わざるを得ないロボットたち……。恩田陸の想像力が炸裂する本格長編小説。
  • 騒がしい楽園
    3.6
    都内の幼稚園へ赴任してきた神尾舞子。騒音や待機児童など様々な問題への対応を迫られる中、園の生き物が何者かに惨殺される事件が立て続けに起き、やがて事態は最悪の方向へ──。『闘う君の唄を』に連なる、シリーズ第2弾。《解説・藤田香織》
  • サンゴレンジャー
    4.0
    舞台は沖縄県石垣島。サンゴ礁を破壊する大規模な橋の建設計画をめぐる対立の渦中に、環境省の熱血自然保護官、矢島が着任する。美しいサンゴを守るべく、仲間とともに問題解決に立ち向かうが、やがて島中を巻き込む大騒動となることに…… “レンジャー”たちが熱く奔走する、痛快青春エンターテインメント!
  • 座礁 巨大銀行が震えた日
    3.8
    1巻669円 (税込)
    大手都銀・大洋産業銀行広報部次長の渡瀬正彦は、新聞記者から大洋産業銀行の総会屋への利益供与の事実を知らされる。巨額融資問題は、やがて大手証券会社を巻き込んだ一大スキャンダルへと発展する。闇の勢力との癒着の歴史に愕然とする渡瀬だったが……。1997年に実際に起きた未曾有の金融事件を基に、“呪縛”に囚われ続け、自壊していく銀行の真実をドキュメンタリータッチに描いた金融情報小説。
  • 私小説
    3.9
    1巻1,400円 (税込)
    ぼくは彼女とふたりきり。不安と危険に満ちたこの世界で、繊細すぎるこの神経を持て余しながら、苔や羊歯に囲まれて小説を書いている。愛妻家で発達障害を抱えた恋愛小説家の、日々追想発作に苛まれるスリリングで感傷的な日常を描く、刺激的な「私小説」。
  • 設楽不動産営業日誌 お客様のご要望は
    3.6
    小学3年生の時に誘拐された経験をもつ設楽真輝。祖母が経営する町の小さな不動産屋で働く彼は、物件にまつわる不可思議な事柄を解決するうち、かつての誘拐事件に繋がる糸を見つけてしまい……。過去と現在が絡み合う、日常謎解きミステリー。
  • 七人の記者
    3.6
    1巻2,200円 (税込)
    大学の新聞部に所属する美ノ輪七海は、学内での男性教授のセクハラ問題を追及するうち、同大出身の政治家らが絡む私学助成金の不正受給疑惑を突き止める。 大学でたまたま出会ったタウン誌の老記者や新聞部のOBに相談を持ちかける中で、七海の「真実の追及」に対する情熱に心を動かされた者たちが集い、タウン誌の小さな事務所兼自宅を拠点に取材を始める。 しかし、新聞、テレビ、週刊誌、Webニュースは、政界や広告主から圧力をかけられており、大手メディアの上層部は現政権に完全にコントロールされていた。 さらに、どこかから情報が漏れ、検察に取材資料も持ち去られる。 追い詰められた彼らは、真相を書いたタウン誌を都内中心部でばら撒く「ゲリラ戦法」を思いつくが……。
  • 視聴率の正しい使い方
    4.0
    「番組Aの視聴率は10%、Bは12%。Bが『勝った!』」「視聴率1%は100万人相当だから、Aは1000万人が見たことになる」。これ、どちらも間違いです! 知っているようで知らない、摩訶不思議な数字「視聴率」を、この道40年のベテラン調査マンが「読み方・使い方」とともに、やさしく教えます。誰も知らないテレビの“神”の正体がわかる、業界関係者も必読の入門書。「視聴率トリビア」も満載!

    試し読み

    フォロー
  • 死神
    3.9
    1巻1,799円 (税込)
    うだつの上がらない「作家」である私の人生の折々に登場してくる、死神。中学二年生で初めて出会ったあいつのことだけは、これまで作品には書けなかったのだが……。芥川賞作家が描く「死」と「家族」。ユーモラスにして、痛烈な新境地。
  • シフォン・リボン・シフォン
    3.7
    さびれた商店街にオープンしたランジェリーショップ。乳がんの手術後、東京から故郷に戻ってきたオーナーのかなえと、そこに出入りする人々の人生模様。繊細で美しい下着が、行き詰まった人間関係をやさしくほどいていく。解説・瀧井朝世。
  • 斜陽日記
    4.0
    太宰治の出世作『斜陽』の下敷きとなった、回想録的な日記。太宰の“愛人”として娘・治子を生んだ太田静子が、1945年の春から12月までの日々を太宰に勧められるままに綴って渡したもので、太宰が入水自殺したとき、この日記が書斎の机に置かれており、井伏鱒二らが『斜陽』の印税10万円とともに静子に返却しにきたという逸話が残っている。 『斜陽』の「人間は恋と革命のために生まれて来たのだ」の一節など、文面がまったく同じ箇所も多く見受けられ、太宰がどのように“文学”に昇華させたかがわかる貴重な資料でもある。 文庫オリジナルとして、太宰からの手紙やふたりが過ごした山荘の写真等を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 週末は家族
    4.0
    1巻779円 (税込)
    小劇団を主宰する大輔と瑞穂は、週末だけ里親として小学生のひなたを預かることになった。天才演劇少女のひなたを起用して、一風変わった人材派遣業をすることになるが──。ワケあり夫婦と親に捨てられた少女が紡ぐ新しい “家族”の物語。
  • 小説、この小さきもの
    -
    1巻2,600円 (税込)
    私たちは孤独ゆえに小説を生みだし、小説を読み書きするゆえに孤独を深めてきた─。小説の本質とは何か。私たちはなぜ物語を必要とするのか。神なき時代の叙事詩である小説の起源を探り、フィクションを「読むこと」と「書くこと」の本質に迫る本格文芸評論。
  • 植物忌
    3.3
    1巻1,699円 (税込)
    「植物」を題材とした短編10編に書き下ろし1編を加えた植物小説集。アイビーを頭皮に植えて着飾るうちに植物化する人間、植物たちの蜂起やテロにさらされる人間社会。ヒトが植物の世界に取り込まれていく虚構に、現代社会への痛烈な批判を込めた意欲作。
  • しろいろの街の、その骨の体温の
    4.1
    1巻1,899円 (税込)
    クラスでは目立たない存在である小4の結佳。女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、習字教室が一緒の伊吹雄太と仲良くなるが、次第に伊吹を「おもちゃ」にしたいという気持ちが強まり、ある日、結佳は伊吹にキスをする。恋愛とも支配ともつかない関係を続けながら彼らは中学生へと進級するが――野間文芸新人賞受賞、少女の「性」や「欲望」を描くことで評価の高い作家が描く、女の子が少女に変化する時間を切り取り丹念に描いた、静かな衝撃作。

    試し読み

    フォロー
  • 女流作家
    5.0
    1巻950円 (税込)
    京都に住む主婦の江本夏子は、大学助教授の夫の突然の辞職と留学を機に、同窓の女流作家への対抗心から小説を書き始めた。新進の推理作家、矢木俊太郎と微妙な関係を持ちながら、華やかな作風と気性の激しさで流行作家に上り詰める。ミステリーの女王、故山村美紗。「戦友」にして「恋人」でもあった著者が彼女に捧げる「事実八割」の衝撃の自伝的小説。

    試し読み

    フォロー
  • スイッチ・ライフ
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    興味のない婚活パーティーに半ば強引に参加させられた、保育士の理緒。 そこで会社員の由弦と出会うが、些細な誤解から暴言を吐かれてしまう。 翌日、何故かふたりは「経歴も仕事も家族構成も同じだが自分たちの性別だけが逆転」してしまっていた。 これまでと同じ仕事をしていても、“男である”というだけでクレームが入り、 “女である”というだけでセクハラをされる。 今まで味わったことのない不自由さを感じる中で、ふたりは自分の無意識に潜んでいた性別への偏見にも気づき始め……
  • 生を祝う
    3.8
    1巻1,699円 (税込)
    「あなたは、この世界に生まれてきたいですか? この世界に生まれてきてくれますか?」子どもを産むためには、その子からの同意が必要となる世界を舞台にした衝撃作。『彼岸花が咲く島』で芥川賞を受賞した著者による、芥川賞受賞第1作。
  • 全巻合本版 それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ【完全版】
    -
    1巻9,020円 (税込)
    天才ゲーマーの女子高生・山本洋子は、その腕を買われて千年後の未来で宇宙戦争をすることになってしまうのだが……!? 未完だった超人気作品が、完結に向けて再始動! ※本電子書籍は「それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ[完全版]」全12巻に「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコプラス【opt.PLUS】」を加え1冊にまとめた合本版です。

    試し読み

    フォロー
  • その朝は、あっさりと
    4.2
    1巻1,799円 (税込)
    元中学教師の恭輔は10年前から認知症に、ここ4年は在宅介護を受ける身だ。96歳で亡くなる3週間前、家族と介護士、看護師はどのようにかかわる? 誰もが迎える最期に何が必要? 恭輔が愛した小林一茶の句にある庶民のリズムと見捨てない温かさに包まれた、老衰介護看取り小説。
  • ソロキャン!
    3.7
    1~4巻750~880円 (税込)
    仕事で日々ストレスをためている29歳の千晶。子供のころから頻繁にキャンプを楽しんできたが、近年はめっきり足が遠のいていた。久々にキャンプを始めることにしたが……。『居酒屋ぼったくり』『ひとり旅日和』著者による書き下ろし小説。
  • タイガー理髪店心中
    3.4
    1巻1,699円 (税込)
    老いた妻の発作的な豹変に戸惑う夫の緊張感をユーモアと共に描き、選考委員諸氏に絶賛された第4回林芙美子文学賞受賞作「タイガー理髪店心中」。幼少時に亡くした母親の記憶を繰り返し反芻する老女の感慨を描く表題作。独特な土着性で伸びやかな資質を感じさせる大型新人のデビュー作。
  • 竹林精舎
    3.8
    1巻1,899円 (税込)
    福島在住の芥川賞受賞の僧侶作家が7年かけて取り組んだ長篇小説。両親を震災で失った秋内圭は出家し、学生時代の仲間と再会しとまどいながら、故郷の竹林寺での暮らしをはじめる。フクシマに何が生まれたのか? 現代に生きる気弱なブッダの弟子たちの恋と煩悩を描く力作。
  • 月神
    3.7
    1巻1,600円 (税込)
    自殺志願者から自殺に見せかけた殺人を請け負う「おれ」の前に、「砂漠の男」が現れ、世代交代を突きつける。老いた殺し屋の日常を乾いた文体で描く現在、その出生の秘密が描かれる過去。平成ライダーの名作を次々と生んだ脚本家による異形の本格長篇小説。
  • 椿宿の辺りに
    3.8
    三十肩と鬱に悩まされている皮膚科学研究員の山幸彦は、ふたごの鍼灸師のすすめで祖先の地、椿宿に向かう。山幸彦は、そこで屋敷と土地の歴史、自らの名前の由来を知り……。入りくんだ痛みとは何かを問う傑作長編。
  • 天国までの百マイル 新装版
    4.3
    会社を潰し家庭も失った40歳の主人公は、心臓病を患う母の命を救うため、天才的な心臓外科医がいるという病院をめざし、命がけの旅に出る。親子の絆、男女の悲しい恋模様を描く、累計50万部突破の感動作。文字を大きく、新装版として出版。
  • 天使はここに
    3.5
    ファミレスの契約社員として働く真由子は高校のアルバイト時代から7年のキャリアを持つベテラン。だがあまりに働き詰めの生活に、恋人にも「真由ちゃんの店、ブラックくさいわ。搾 取されてる、みたいな」とまで言われてしまう。忙しい日々の中、常連客の老紳士や信頼できるスタッフとの交流が真由子の心の拠り所だったが──。決して楽 ではない職場での人間関係と日々起こる事件の数々から、主人公の心理的成長を繊細にみずみずしく描いた物語。『あの子が欲しい』でもいま注目を浴びる、気 鋭の作家による書き下ろし長編小説!
  • 時ノアゲアシ取リ―笙野頼子窯変小説集
    -
    1巻1,309円 (税込)
    たった15枚の短篇小説さえ、無事には終わらない……作者と等身大の主人公を軸に、環境の激変に翻弄される虚実皮膜のうちに《窯変》する不思議な不思議な短篇10篇を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 特殊清掃人
    3.7
    1巻1,699円 (税込)
    誰もいなくなった部屋にこそ、住んでいた者の嘘のない生きざまが現れる──。特殊清掃業者〈エンドクリーナー〉には、日々、様々な依頼が押し寄せる。彼らの仕事をとおして、死者が抱えていた様々な事情が浮かび上がる。『護られなかった者たちへ』の著者が贈るヒューマン・ミステリー。
  • 虎と兎
    3.4
    1巻1,999円 (税込)
    幕末。アメリカへ渡った白虎隊の生き残りの少年虎太郎は、インディアンの少女ルルを助ける。虎太郎は南北戦争の英雄カスターに追われるルルを助けながら、アメリカ縦断の旅へ出るが──。歴史の敗者たちを書き続けてきた著者が送る、新世代侍ウエスタン!
  • トロイの木馬
    3.1
    1巻850円 (税込)
    バブル全盛期にチームを結成し、数々の仕事をこなしてきた老人詐欺師グループ。認知症が進むリーダーのクルスが呟いた転覆という言葉に、彼らは決意する。最後に日本国の転覆という大きな仕事を成し遂げ、死に花を咲かせよう、と。書き下ろし長篇経済小説。
  • どこからか言葉が
    4.4
    1巻1,600円 (税込)
    路地裏に迷い込む感覚、ふと思い描かれる天使の姿、机に有る「物」……日々の生活から浮かび上がってくる、豊かなことばたち。2016年9月より毎月、朝日新聞夕刊で現在も連載中「どこからか言葉が」の詩52篇を編む。
  • 中野さぼてん学生寮
    3.2
    1巻1,600円 (税込)
    伊藤は大学入学を目前に控え、突然、父親を亡くしてしまう。ひょんなことから独身寮に入寮した彼は、そこでの生活を楽しみながらも、自らの生き方に疑問を抱き、何かにつけ、仲の悪かった父親を思い出して……。著者初の自伝的小説。
  • にぎやかな湾に背負われた船
    5.0
    とある海辺の集落「浦」に、時が淀み、謎が漂う。教師と恋に落ちた少女、奇妙な昔語りにふける四人組の老人。半世紀あまりの脱線につぐ脱線の記憶と現在の物語…。筒井康隆氏から「少しほめ過ぎになるが、小生は『ガルシア=マルケス+中上健次』という感銘を得た」とも評された第15回三島由紀夫賞受賞の表題作に、第12回朝日新人文学賞受賞のデビュー作「水に埋もれる墓」を併録して文庫化。
  • 偽恋愛小説家、最後の嘘
    4.0
    1巻1,799円 (税込)
    編集者・月子は担当の恋愛小説家・夢宮宇多との恋と仕事に悩んでいた。そんな折、ベストセラー作家が真夏にもかかわらず屋外で凍死体となって発見される。アンデルセンの「雪の女王」の読み解きから、夢宮は真の犯人を突き止めていく。
  • 2011年7月24日 テレビが突然消える日
    3.4
    2011年7月24日を境に日本中のアナログテレビが映らなくなる。地上波デジタル放送が全国いっせいに実施され、6500万代台のテレビが、ゴミになる。地上波デジタル放送とはいったい何者なのか。生活にどんな影響があるのか。テレビ放送出身の老練専門家が、メディア論、テレビ論、ジャーナリズム論から徹底的に解説する。さらには、米国、英国、韓国の地上波デジタル政策と比較しながら、日本の国家としての放送政策を問い直す。この一冊で、「地デジ」騒動がわかる!

    試し読み

    フォロー
  • 日本の官能小説
    3.7
    日本の官能小説に焦点を当て、戦後の表現のなかで官能・エロスがどう描かれてきたかを歴史的・具体的に見ていく。エロスをめぐる官憲とのせめぎ合い、そのなかで時代風潮を背景にエロス表現がいかに深化していったかなど「性」から見た戦後史!
  • 日本ノ霊異ナ話
    4.0
    写経中に欲情する男、蛇にレイプされる女、天女像に射精する修行僧……独自の言語感覚でエロスを詩的に表現する詩人であり小説家でもある著者が、難解で知られる日本最古の仏教説話集『日本霊異記』を下敷きにして現代の物語を創造した。黎明期の仏教が教える人間の「性と生と死」を高度な作品世界に蘇らせ、大きな反響を呼んだ連作短編集の文庫化。
  • ニワトリは一度だけ飛べる
    3.4
    1巻720円 (税込)
    左遷部署「イノベーション・ルーム」に異動となった酒井のもとに、「ニワトリは一度だけ飛べる」という題名の謎のメールが届く。送り主は、いったいどんなメッセージを伝えようとしているのか……。笑って泣ける重松節全開の作品が、いきなり文庫化。
  • 人間みたいに生きている
    4.4
    ベストセラー待望の文庫化! 食べることに嫌悪を覚えている高校生・三橋唯。「食べること」と「人のつながり」はあまりに分かちがたく、孤独に自分を否定してきた唯が初めて居場所を見つけたのは吸血鬼の館だった。《解説・令丈ヒロ子》
  • 濡れた太陽 高校演劇の話 上
    3.8
    1~2巻1,699~1,799円 (税込)
    高校に入学したての相原太陽は、オリエンテーションで独自の「桃太郎」を演出、上演し、絶賛されたことによって脚本を書きたいと思い始める。そのため演劇部に入るのだが、すでに3年生のチームが独占している。そこで太陽は演劇部の「のっとり」を企てて……。演劇部を軸に、絡み合う恋愛、自意識との葛藤、モテない男子のリアルな会話。誰もが自分の高校時代を思い出さずにはいられない、がんじがらめの青春小説!

    試し読み

    フォロー
  • ハウ
    3.7
    婚約者にフラれ、横浜でひとり空虚な日々を送っていた赤西民夫、ひょんなことから声が出ない犬 ハウ を飼うことになる。民夫は徐々に生きる気力を取り戻していくが、突然ハウが行方不明になり──。神様のようなこころ優しい犬との感動のものがたり。
  • 墓じまいラプソディ
    4.1
    1巻1,699円 (税込)
    「夫の墓には死んでも入りたくない」義母の遺言から始まった墓問題。それは親類や子どもたちを巻き込み、墓の必要性などを考えるきっかけになっていく。「遺骨は燃えるゴミに出せばいいじゃない!」と言いたくなるほど面倒な、明日は我が身の墓騒動小説。
  • 創世の日 巨大財閥解体と総帥の決断
    3.3
    1巻1,799円 (税込)
    花浦財閥総帥の久兵衛は軍部に非協力的だったために、息子が懲罰的に徴兵されてしまう。1945年の敗戦後、GHQ主導による財閥解体の危機に直面し、苦悩する久兵衛が下した決断とは? 今こそ求められる経営者像を活写する実録長編経済小説!!
  • 八月のセノーテ
    3.3
    1巻1,799円 (税込)
    「この街は少しずつ沈んでいる」──そんな噂が流れる人工島で、タワマンに住む水泳部の仁寡は厳しい父の目を盗み、夜な夜なノートに空想の世界を描く。苦しくも美しい「中学一年生の夏」を鮮やかに描く。第10回林芙美子文学賞受賞作「森は盗む」も収録。
  • 白鶴亮翅
    4.1
    1巻1,899円 (税込)
    ベルリンで一人暮らしをする美砂は、隣人Mさんに誘われて太極拳学校へ。様々な文化的背景をもつ人々との出会い、第2次大戦前後のドイツと日本の歴史、国からの追放、女性の目から見た名作の読み直し、世界文学の旗手による初の新聞連載小説。
  • 春に散る(上)
    4.4
    1~2巻760円 (税込)
    かつてボクシング世界チャンプを目指し挫折した広岡は、40年ぶりに米国から日本へ戻る。ジムの古い仲間たちと再会し、やがて共同生活をすることになる。そこで出会ったものとは……。どう生きて、どう死ぬのか。人生の豊かさを問いかける傑作小説。
  • パルティータを鳴らすまで
    5.0
    1巻1,870円 (税込)
    幼い日に実の母と離れ、弦楽器職人の里父のもとで育った中学2年生の時本拓実。 10年の委託期間を終え、実母の家へ戻る時間が迫っている。 音楽が導く、里親との別れの半年を描いた愛の物語。 note主催「創作大賞2023」受賞後第一作!
  • パンダ・パシフィカ
    3.5
    1巻1,899円 (税込)
    副業先の同僚から小動物の世話を頼まれたモトコ。その後、彼から届くメールは謎解きのようだったが、しだいにパンダと人類をめぐる歴史がひもとかれていく。テロルと戦争の時代に命を預かること=ケアの本質に迫りながら、見えない悪意による暴力に抗うための、小さく、ささやかな営為を企てる問題作。
  • ひこばえ(上)
    4.0
    1~2巻850円 (税込)
    小学校2年生の時に別れたきりの父が亡くなった。報せを受けた長谷川洋一郎は、48年間の空白を胸に、父の人生に向き合おうとする。父は、死の直前に「自分史」を書こうと思い立っていたらしい。なぜ? そして、誰に読ませたかったのか。
  • 非情人事
    4.0
    1巻689円 (税込)
    転籍人事にかちんときた実力副社長、リストラを完遂した途端に自分の首を切られた人事部長、合併銀行の派閥を背景にした熾烈な社長レースなど、「非情人事」を拝命した企業人の複雑な思いと行動を、鮮やかな筆致で描いた短編集。
  • ひとかどの父へ
    3.5
    1巻709円 (税込)
    幼くして生き別れたおぼろげな記憶の中の父親が「在日」だったと知って、朋美は衝撃を受ける。なぜ自分に今まで黙っていたのか。そして母親が秘めていた、海峡をまたいだ物語とは。「愛せない自分」と向き合う女性を描く、著者渾身の感動作。
  • ひとつ宇宙の下
    4.0
    天文学者を諦め、単調な生活を送る井上亘。天体観測のために悲しい過去を持つ妻の一華。小学校で問題を抱える息子の彼方。しかし、自宅に巨大望遠鏡を構える謎の老人が、彼らの生活に光を与え始める。天体観測をきっかけにした家族再生の物語。
  • ひとつの祖国
    3.6
    1巻1,999円 (税込)
    第二次大戦後に分断され、再びひとつの国に統一された日本。だが東西の格差は埋まらず、東日本の独立を目指すテロ組織が暗躍し……。意図せずテロ組織と関わることになった一条昇と、その幼馴染で自衛隊特務連隊に所属する辺見公佑の二人。社会派エンターテインメント巨編。
  • 氷室の華
    4.1
    白姫澤村に住む祖父を訪ねた小学生のユウジは、彼の家系が氷室守だったことを知る。 しかし、氷を保管する洞窟で、氷室守に託されたもう一つの役割を明かされたことから、いつしか彼はよこしまな蒐集を始め……。 妖艶な雰囲気に包み込まれるサスペンスホラー。
  • 弘海 息子が海に還る朝
    3.7
    1巻530円 (税込)
    「ぼくはついに出会った。うれしくて、少しだけ泣きたくなった」……小学生・弘海は体に異変が起こり、水の中を好むようになる。心配した両親は、世界中に同じような子供がいることを知るが――少年少女の淡い恋心と家族の絆を優しく切なく描く『いま、会いにゆきます』に連なる長編小説。

    試し読み

    フォロー
  • 病巣 巨大電機産業が消滅する日
    3.8
    1巻1,699円 (税込)
    日本を代表する総合電機メーカー芝河電機は社内で粉飾決算が横行していた。買収した米国子会社の原発企業ECCの巨額損失も発覚。証券取引等監視委員会も動きだし、ついには債務超過に陥り、存亡の危機に──。現実よりもリアルで予言的な長篇企業小説!
  • ピーク
    3.7
    永尾賢治は新米記者の1年目に、野球賭博で“世紀のスクープ”を放ち将来を嘱望されたが、その後は「一発屋」と笑われる日々を送る。そんな時、自分の記事がきっかけで永久追放された伝説のエースと再会。彼は殺人事件の被告として法廷に立っていた……。
  • FUNNY BUNNY
    5.0
    1巻760円 (税込)
    自殺志願者を見分けることができる小説家の剣持とその友人の漆原。彼らとの出会いをきっかけに、自殺志願者が生きる希望を再び見いだしていく。山田孝之&林遣都が激賞のドラマ「REPLAY&DESTROY」スピンオフ小説の文庫化。
  • fishy
    3.8
    結婚したばかりの男に思いを寄せる作家志望の美玖。編集者の弓子は不倫する夫を監視しながら自尊心を守ることに必死だ。インテリアデザイナーのユリは仕事も家庭も充実しているが、その生活は不透明で真偽を見通せない。刹那を愉(たの)しむ女たちの共感を超えた新たなつながり。
  • ふくわらい
    3.9
    書籍編集者の鳴木戸定。彼女は幼い頃、紀行作家の父と行った旅先で特異な体験をする。不器用に生きる定はある日、自分を取り巻く世界の素晴らしさに気づき、溢れ出す熱い思いを止めることができなかった。第1回河合隼雄物語賞受賞作。
  • ふなふな船橋
    3.8
    父親は借金を作って失踪、母親は恋人と再婚。15歳で独りぼっちになった立石花は、船橋で暮らす決断をした。それから12年、恋人との結婚を考えながら暮らす花に、再び悲しい予感が……。ふなっしーも直筆の推薦文を寄せる、心を温めてくれる長編小説。
  • ブランケット・キャッツ
    3.7
    1巻610円 (税込)
    2泊3日、毛布付き。レンタル猫が我が家にやってきた。リストラされた父親が家族のために借りたロシアンブルー、子どものできない夫婦が迎えた三毛、いじめに直面した息子が選んだマンクス、老人ホームに入るおばあちゃんのために探したアメリカンショートヘア――。「明日」が揺らいだ人たちに、猫が贈った温もりと小さな光を描く7編。

    試し読み

    フォロー
  • プラスチックの祈り 上
    4.0
    1~2巻850~880円 (税込)
    少しずつ記憶と食い違う現実、そしてある日私のかかとはプラスチックになった──。妻の「死」以来、作家・姫野伸昌の肉体はプラスチック化と脱落を繰り返す。読者を挑発する先の読めない展開、圧巻のノンストップ問題作1400枚超!!
  • 平成三十年 (上) 何もしなかった日本
    3.8
    1~2巻880円 (税込)
    インフレと不況、高齢化と高失業、大幅赤字に苦しむ平成30年(2018年)の日本はまだ何も変わっていなかった。衝撃の未来像を緻密な予測で描き、テレビを始め各メディアを騒然とさせた”警告と提言”のベストセラー長編小説を文庫化!
  • ぼくがきみを殺すまで
    4.0
    ベルエイドの少年兵エルシアは、自らをとらえた敵国ハラの兵士に語りかける。絵が得意なハラの少年ファルドと過ごしたあの日々のことを……。架空の世界を舞台に、主人公が戦場に出るまでの物語を、美しく、そして苛烈に描く。著者渾身の一冊!
  • ぼくらは都市を愛していた
    3.6
    デジタルデータのみを破壊する「情報震」が地球上で頻発している。原因はおろか震源地すら特定できない。あらゆる情報が崩壊し、機能を失った大都市からは人の影が消えた。偵察のためトウキョウに進駐した日本情報軍機動観測隊は、想定外の「敵」と出会う……。円城塔、辻村美月、虚淵玄らが絶賛した渾身の長編が文庫化!
  • マジカルグランマ
    3.7
    正子は75歳の元女優。CMで再デビューを果たし、順風満帆かと思いきや、ある出来事で事務所を解雇され、急きょ、お金が必要な状況に。周りを巻き込み逆境を跳ね返す生き方はマジカルグランマ(理想のおばあちゃん)像をぶち壊す! 第161回直木賞候補作。
  • また会う日まで
    3.9
    1巻3,800円 (税込)
    海軍軍人、天文学者、クリスチャンとして、明治から戦後までを生きた秋吉利雄。この三つの資質はどのように混じり合い、競い合ったのか。著者の祖母の兄である大伯父を主人公にした伝記と日本の近代史を融合した超弩級の歴史小説。『静かな大地』『ワカタケル』につづく史伝小説で、円熟した作家の新たな代表作が誕生した。朝日新聞大好評連載小説の書籍化。
  • 万華鏡
    4.0
    1巻1,600円 (税込)
    性の営みは十人十色。「形」「乳」「棒」「穴」「酔」「犬」「落」「極」「月」「底」――狂おしいまでに切実に求め合う男女10組の切ない物語。どんなにその刹那に愛し合っていても、男女の仲は所詮、赤の他人。「この人は本当に私を愛しているのか?」お互いに猜疑心を抱く滑稽な妄想と、最後まで信じたい純粋な葛藤を描く傑作短編集!

    試し読み

    フォロー
  • 三淵嘉子 日本初の女性弁護士
    3.6
    1巻850円 (税込)
    時は昭和、「女性は裁判官になれない」という法曹界に怒りを燃やす人物がいた。彼女の名は、和田嘉子──のちの三淵嘉子。「女の法律家など」と言われた時代に、日本初の女性弁護士のひとりとして奔走した嘉子の夢と生き様、戦いを描く傑作評伝。
  • メイド・イン京都
    3.5
    第9回京都本大賞受賞作! 美咲・32歳。和範との婚約を機に京都へ。和範との関係性にも違和感を覚え始めたが、あるきっかけで、かつて熱中した、ものづくりに再び挑戦することに──。人生の岐路に立つ美咲の運命が変わり始める。
  • 焼野まで
    4.5
    子宮体がんを告知された主人公は、放射線センターでエックス線照射を受ける。治療法に反対する娘、肺がん闘病中の元同僚、放射線宿酔の夢に現れる今は亡き女性たち。数々の文学賞に輝く著者による、実体験をもとに病と魂の変容をめぐる傑作長編。
  • ゆっくりおやすみ、樹の下で
    4.4
    1巻1,400円 (税込)
    小学5年のミレイちゃんが「さるすべりの館」で過ごす夏休みの物語。隠されていた遠い過去の謎がつぎつぎに……。赤の部屋には誰がいるの? なぜ止まっていた時計が動き出したのか? 小学生から大人まで楽しめる著者の新境地。今日マチ子さんの絵も90点収録。
  • 四つの白昼夢
    3.5
    1巻1,799円 (税込)
    コロナ禍がはじまり、終息に向かった。退職男たちの宴会と紙袋の骨壺、店の経営が破綻し夢中になった多肉植物、遺影に写った謎の手、自然通風の家で夫婦を悩ます音の正体とは? ふと目がくらんで見える、暮らしと隣り合わせ、現実と非現実の裂け目を描く日常奇譚集。
  • ラウリ・クースクを探して
    3.9
    1巻1,699円 (税込)
    1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピュータ・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連のサイバネティクス研究所で活躍することを目指す。だがソ連は崩壊し……。歴史に翻弄された一人の人物を描き出す、かけがえのない物語。
  • ラストレター
    3.8
    ラジオ局に入社して4年目の新米アナウンサーの寺島尚人は、 ある日、聴取率0%台、誰も聴いていない深夜放送の≪大改革≫に名乗りをあげてしまう。 「みんな小さな人生を生きている。それを伝えたいと誰もが思っている筈です。 そんな葉書を……小声で、ただひたすら愚直に読んであげるのはどうでしょうか」と。 大抜擢で番組を任されることになる。 しかし自分でスポンサーも探せと命令されたり、 ライバル局に邪魔をされたりとトラブル続出。 だが新米アナウンサーの青臭い情熱が、 それまで傍観するだけだったラジオ局の人々を動かし、団結させていく。 そして、Twitterでもなく、メールでもなく、 ファクスでもなく、ラインでもなく、 リスナーから届く≪葉書≫で番組を構成していくというやり方が支持を得る。 特に、一緒に泣いたり本気で怒りながら読み上げる 「ラストレター」という企画が目玉コーナーとなり、 人気番組となるのだが……。 ラジオ局で働く仲間たちをめぐる、愉快で心温まる物語。 1981(昭和56)年から12年半、文化放送「さだまさしのセイ!ヤング」を続けてきた著者の、経験に基づく深夜ラジオ小説!!
  • レームダックの村
    4.0
    1巻1,899円 (税込)
    弱者排除主義や社会的怨嗟を動機とした犯罪が多発する、階級制が確立した近未来の日本──。〈地球の意思〉による世界同時多発テロでネット環境が破壊され、金融システムも崩壊し、人類社会はゆっくりと死に始めていた──。
  • 老婦人マリアンヌ鈴木の部屋
    3.0
    1巻1,699円 (税込)
    著者はパートナー、父、母の介護と看取り、自らの大腸がんとうつ病の25年を過ごした。今だから書ける陽気で深みのある老活小説。うば桜日和をすごす老婦人、シニア婚活に取り組む実業家、離婚し宝石に夢中のヘルパー……落語で鍛えた軽快な文章でたのしむ傑作。
  • 老父よ、帰れ
    4.6
    1巻850円 (税込)
    認知症の父親を施設から自宅マンションに引きとると決めた矢部好太郎。家族の協力を得て自宅介護を始めるも、食事に排泄の介助とままならぬことばかり。隣人からは過度に問題視され……。高齢者医療を知る医師でもある著者が介護をめぐる家族の悲喜劇を描く。
  • 老乱
    4.4
    老い衰える不安をいだく老人と、介護負担で疲労困憊の家族。介護する側の視点だけでなく、認知症の老人の心の動きをリアルに描き、親と子の幸せを探る。在宅医療を知る医師でもある著者が描く、書評・テレビでも話題になった認知症小説。解説は最相葉月氏。
  • Y.M.G.A. 暴動有資格者
    4.0
    1巻1,799円 (税込)
    20XX年。グローバリズムが進行し、日本国内では地下に治外法権の社会が広がっていた。地下住民の少女リオは仲間たちと革命を試みる──。究極の格差社会の中、懸命に生きる若者たちの友情、淡い恋情を描く、超エンターテインメント青春群像活劇。
  • 私が誰かわかりますか
    3.8
    1巻1,600円 (税込)
    追いつめられているのは、あなただけじゃない。疲労困憊しながら長男の嫁として義理の父を支える日々。文藝賞受賞の実力派作家が、実体験を交えて、理屈と本音に揺らぎながら、介護と看取りを描く新たな「世間体」小説の誕生。
  • 私だけの水槽
    4.1
    1巻1,600円 (税込)
    「私は限定された物事にしか興味が持てないけれど、だからこそ生まれた私らしさがある」。ストローでの飲み方が人と違っていたり、落ち込むことがあると無心で料理をしたり──。毎日を過ごす中で自分を見つめ直すエッセイ集。
  • わたしとトムおじさん
    4.0
    両親の別居をきっかけに、NYで暮らしていた小学六年生のニールセン・帆奈は懐かしい建物が集まる観光施設「明治たてもの村」で、祖父母と元ひきこもりの「トムおじさん」と暮らしている。「人と接すること」が苦手なおじさんとの日々を通して見えてくる人のつながりの温かさ。注目の作家が繊細に描く、不器用だけれど懸命に生きる人たちの物語。

    試し読み

    フォロー
  • 私の盲端
    3.6
    女子大生・涼子は飲食店のアルバイトや学校生活を謳歌していたが、病気のため人工肛門になり生活が一変する。その意識と身体の変容を執拗に描き、読者の内臓をも刺激する、衝撃のデビュー作。第7回林芙美子文学賞受賞作「塩の道」も併録。
  • 私は元気がありません
    3.9
    1巻1,699円 (税込)
    俳優・長井短、初の小説集! 私たちは何度も同じ夜をなぞり続ける──。変わりたくないというピュアな願いが行き着く生への恐怖を描いた表題作に加え、アップグレードする時代についていけない女子高生を描く「万引きの国」、短編「犬山くん」を収録。
  • 私をくいとめて
    3.8
    黒田みつ子、もうすぐ33歳。一人で生きていくことにも抵抗はなく、悩みは脳内の分身「A」に相談。でも、いつもと違う行動をして何かが決定的に変わってしまうのが怖いんだ……。同世代の気持ちを説得力をもって描く著者の、待望の文庫化。(解説:金原ひとみ)
  • 悪い恋人
    3.5
    昼ドラのような甘やかな不倫なんて存在しないのだ。白いスーツをまとった美貌の開発業者は、中学時代の同級生だった。沙知は、自宅裏の森を伐採するために現れた彼と再会したその日から、不可抗力のように肉体関係をもってしまう。だが、それを機に彼女の日常はくるいはじめ──。
  • 憐憫
    NEW
    -
    かつて子役だった沙良は、芸能界で伸び悩み、流されるように結婚をしたものの、どこか満たされない気持ちを抱えていた。自分のことをまったく知らない人間に出会いたい─そんな折に、偶然出会った柏木という男。愛に似て、愛とは呼べない関係を描き出す、直木賞作家の野心作。文庫化に際して、書き下ろし短編を新たに収録。《解説・松居大悟》

最近チェックした作品からのおすすめ