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Posted by ブクログ
なかなかズシっと精神的に重い本でした。しかし読んだ価値はある貴重な小説。
妻を亡くし78歳で独り暮らしをしている幸造さんが主人公であり、ヒシヒシと押し寄せてくる認知症への恐怖と、彼を取り巻く家族の心理状態の描写が非常に細かくリアルでした。久坂部羊さんは医師でもあるので、よく分かった上で執筆しているのだろう。
幸造さんが単に老いを感じ始めてから、どんどん認知症が進行していく様が、彼の毎日書いている日記にあらわれはじめ、漢字が書けなくなったり、車をぶつけたり、孫の名前が思い出せなくなり…徘徊が始まり、免許や預金通帳を取り上げられ、家族がわからなくなり…病院に入院…その後、施設に入居する費用を捻出するために、息子夫婦が妻との思い出がたくさん詰まった家を売りに出す…仕方のないことだが、儚いものだ。
これから老いを迎える人、そしてその家族…生きている以上避けられない定めがあるが、心の準備をしているかどうかでも多少は違うのだろうか。問題作ではあったが、読んでよかったと思える小説でした。
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