ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
8pt
追いつめられているのは、あなただけじゃない。疲労困憊しながら長男の嫁として義理の父を支える日々。文藝賞受賞の実力派作家が、実体験を交えて、理屈と本音に揺らぎながら、介護と看取りを描く新たな「世間体」小説の誕生。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
谷川直子さんの軽妙な文体がその軽妙さとは裏腹に薄っすらと寒気を感じるような怖さが時折迫ってくる、そんな小説でした。地方の村落共同体、義父の介護、長男の嫁という強烈なワードでこの物語は語られる。いまだ機能し続ける地方における『世間』。ここでは個人は個人として振舞うことを決して許されず、共同体の構成員は...続きを読む主に役割に相応しい振る舞いが半ば強制されている。そこに介護が絡むともはや無間地獄かと思われるが、地獄は地獄でも時折ボケ老人のチャーミングな言動や、そこに生きるたくましい女たちのバイタリティと処世術に、ふと学ぶことの多さを感じる。歳をとって失うものはたしかに増え続けるが、そこで削ぎ落とされて露わになっていくかつての体裁の下に眠っていたものの力強さに目を見張る。老いるとは、死への旅路とは決して失われていくだけのものではないということが。あるいは長きに渡って埋没していた個、役割から解き放たれた本来の自己を再発見するために老いというものはあるのかもしれず、そう思うと介護という過酷にすぎる現実にも何かしらの意味というものがあっていいのかもしれない。死にゆく者へ費やされる時間が無駄なわけがない。そして介護される者だけではなく介護する者にとっても、それは自己を再認識する機会ともなり得るのかもしれない。他者に尽くすということが自己再生なり自己救済になるとも読めるこの物語の根底にキリスト教的な下地があるとする読みは流石に深読みだろうけれど、この作品を読み終わったときに訪れる魂の浄化の感覚はたしかな実感の伴うものだった。『私が誰かわかりますか』という言葉が、叫び声だったとしても、あるいは祈りだったとしても、たぶん本当にはその答えは必要ではない。言葉にした時点でもうそこには意味があるのだろうから。
認知症になった夫の父親を、長男の嫁として看取った桃子の話。 姉妹の長女で、一人息子の長男の嫁である私は、70代後半の両方の両親が幸いとても元気でいてくれているので、この先の4人の介護には、ある意味心づもりはしています。でも、もしかしたらまだ覚悟は出来ていないのかもしれません。 この手の本を読む度...続きを読むに、他人事でない、切実、とあれこれ思いを巡らせますが、いつか来るその時には、人としての尊厳を大切に、尊敬の念を持って接する介護が出来たらと思っています。 最後の5ページ、死と老いと世間への考察が深い。 世間に縛られていた桃子でしたが、介護には世間の目が必要と気づき、義務感が義父への愛情へと変わっていったのは、義務を果たした故なのだと思わされます。 「私が誰かわかりますか」の質問への答えが、最後まで「桃子じゃろ」だったのは、桃子への最高のご褒美だったと思います。
田舎の長男の嫁の置かれた過酷な現実。人間の内面の酷さ、世間の冷たさ、現実を誇張せず隠しもせずありのままに描いていた。重たい問題なんだけどさらりと書かれているのでさわやか。介護の病院で働く桃子が主人公。理不尽なことの多い介護だが義務を果たした者だけが見れる風景があることに慰められる。看護、介護は避けて...続きを読む通ることができない。だからする側される側も幸せでなければならない。お互いにありがとうの感謝の気持ちを忘れずに。
地方の長男の嫁、私は2ヶ月で義両親との同居を解消したので、この本の中の長男の嫁のように我慢をするとか無理だなと…読んでいるだけでも苦しくなる。他に世話をしてやるものがなければ、受けて立たないとと奮い立つ女の人たち。私たちの両親の世代くらいまでは、何の疑問も持たなかったのだろうか。介護、老いていく親、...続きを読む夫との関係、苦しい読書時間でした。
テーマは介護と看取り キーワードとなるのは「長男の嫁」 再婚を機に東京から地方都市に移住した桃子を待っていたのは義理の父の介護 「長男の嫁」と言うだけで当然のごとく介護を押し付けられてしまいます。 義父を在宅介護する友人の恭子、育児と仕事と介護の三つ巴につぶされそうになる瞳、死んだ夫の両親に家政...続きを読む婦のように扱われている静子 この3人も「長男の嫁」 昔に比べれば少しは変化したのかも知れないけれど、本作に登場する村社会では介護=長男の嫁の義務と言う思想が根強く残っています。 私の周りには自分の親の介護でさえ一杯一杯になり苦しんでいる人もいるのに痴ほう症を患う義理の親の介護を嫁がするのが当然の事だと思われたら救いがありません。 そして感謝されるどころか、「当然」だと思う家族達。 義理の父の下の世話をする妻、心も身体もボロボロになるまで頑張っているのに、全く手助けしない夫やその兄弟姉妹達。 呆れて物も言えません。 世間の目を気にし、奮闘する桃子に感情移入しながら読み進めました。 良心や情をいくら持ってしても、介護は綺麗事だけでは済まされない。 日本が高齢化社会になっている今だからこそ、家族全員の協力、病院、介護施設、ヘルパー等、様々な面での丁寧で細やかな充実を1日も早く実現出来る様になって欲しいと切に願いました。
みんな苦しいんだなと理解はできるけど、さすがに旦那はクズがすぎる。しっかりリアリティもあって、結婚したくないなと思った。
読んでいて苦しくなってきた。 けれど予想に反して、着地の仕方が穏やかだった。 桃子は優しいなあ。 地方の長男の嫁の大変さを一身に背負って、あれだけ大変な思いをしながら、最後にあのような感想を持てるなんて。 全国に桃子と同じような「長男の嫁」がたくさんいて、同じように自分を犠牲にしているはずだけれど、...続きを読む桃子ほどやさしくなれるだろうか。 家族の形が変わっていく中で、「貧乏くじ」を引いてしまう女性はたくさんいると思うが、女性の敵は女性、とか考える前に、「ずるいんじゃない?男!」、と言いたい。
九州の田舎町で義父の介護をする嫁の桃子。 義母、親戚、友人、介護や、田舎のしがらみにまつわるいろいろがかなりリアル。 介護しているうちにわく嫌な感情も、愛おしい感情も、すべて実際にあると思う。 いつかは自分にも訪れる老い。 健康に老いることを目標にしても、病は突然になったりするもので、迷惑をかけない...続きを読む保証はない。 いろいろ考える本だった。
ボケ−とにかく、油断しちゃダメだよ。期待を裏切ってくるからね 子育てなら苦労してもいつか終わって報われるけどさ、介護って報われないもん。時間の浪費以外の何物でもない ティッシュを貯め込む 仮性作業/収集癖という 会えいない間に妻を理想化する 夫が妻に対して気遣いを怠るのは、家に換えると同時に...続きを読む(気遣いの)脳のスイッチがオフになっているからだ 高齢出産を選んだから介護と育児がダブルに追い込まれちゃったんです ふつうボケてくると、男は妻を、女は金を取られるという妄想に取りつかれる 死後離婚 夫が死んだ後に死後離婚すれば、義理の親の面倒を見なくて住む
長男の嫁なので義理親の介護をしなければならない立場になった女性たちのストーリーがリアルに語られています♪ 福岡近郊の田舎町を舞台に方言を駆使して彼女達の踏ん張る姿が面白おかしく進みながら認知症の親とのやりとりが展開して、読者も深刻にならずに介護に関わる知識や情報が解る仕掛けになっていました。実体験の...続きを読むある作者ならではの内容なので経験ある人も未知の人も読む価値のある好適な作品です!地味ながらもオススメ です。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
私が誰かわかりますか
新刊情報をお知らせします。
谷川直子
フォロー機能について
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
愛という名の切り札
あなたがはいというから
ある朝のできごと
運命の闇の中で
大きな天使
おしかくさま
仮想粒子
カレイドスコープ
「谷川直子」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲私が誰かわかりますか ページトップヘ