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ドラッグの売人、元ロック・スター、トップモデル、革命家、UFO研究者、分断世界の監察官、そして不滅の男ーー7つの物語が交叉する。仏哲学界の新スターによる驚異的建築物のごとき傑作。 「彼は死ねないんだよ。人が経験することをすべて経験しちゃってるんだ」(本文より) 【仏メディア、困惑と絶賛の驚異的傑作!】 *よくできた短編集ではなく、特異かつ驚異的な建築作品――テレラマ *本作をもって、トリスタン・ガルシアは短編と長編の中間にある物語集(という新たなジャンル)の作者となった。真実はときとして危険なほど超自然に接近する――ゾーン・クリティック *信仰と美と歴史と時間をめぐる7つの精神的な寓話。今年の避けては通れない10冊のうちの1冊――レクスプレス *一見多様な小説の寄せ集めにみえるこの作品は首尾一貫した構造を持っている。だが、その一貫性は見出すべきものなのである。それは読者に差し出された大いなる喜びでもある。トリスタン・ガルシアの最高の作品である――ル・ヌヴェル・オプス 「鼻血が出ない。とても孤独だ」(本文より) 7つの物語が交叉する、巨大な人生万華鏡! 「エリセエンヌ」……若返りのドラッグを求めて、閉ざされた世界の混沌へと深入りしてゆく売人。 「木管」……元ロック・スターが見つけた不思議な楽器には、過去のあらゆる名曲が刻まれていて……。 「サンギーヌ」……〈顔〉と呼ばれるスーパーモデルと、傷を負った男との奇妙な相関関係。 「永久革命」……革命を夢みた一児の母が迷い込んだ世界は、1973年に革命が成就した世界だった。 「宇宙人の存在」……宇宙人を研究する兄とその恋人のもと、すべてを疑いはじめた幼いムーンは……。 「半球(ドーム)」……国境が消え、同じ思想の者同士が〈囲い〉で暮らす完全な分断が実現した世界で、〈普遍主義者〉が見たもの。 「第七」……大量の鼻血を出して何度でも生まれなおす男が、7度目の人生でついに到達した新たな世界。 -
令和ノ迷い家 S邸に行くと言い残し消えた夫を探してください
夫が最後に残した「S邸に行く」という謎の言葉。 その言葉に絡みつく、4つの不審な死の影――。 東端省吾@higasho0107 東端省吾の妻です。 5日ほど前から夫と連絡が取れません。 夫の消息をご存じの方はこのアカウントで結構ですので、DMをください。 最後に話したとき、夫は「■■に行ってくる」と言っていました。 私は普段通り相槌を打っただけで特に興味はありませんでしたが、 いま考えると手がかりになると思います。 夫がその地域に知り合いがいたかわかりません。 どんな些細なことでもいいのでご一報くださると助かります。 よろしくお願いいたします。 ■著者 最東対地(さいとうたいち) 1980年5月9日生まれ。 大阪府交野市出身。大阪府在住。2013年より執筆活動を開始。 ホラーブログ『最東対地の嗤う壷』開設。 2016年、『夜葬』(角川ホラー文庫)で第23回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞しデビュー。 近著に『花怪壇』(光文社)、『この場所、何かがおかしい』(エクスナレッジ)、 『恐怖ファイル 不怪』(竹書房怪談文庫)、『ふたりかくれんぼ』(二見ホラー×ミステリ文庫)、 『カイタン』(集英社オレンジ文庫)、『七怪忌』(角川ホラー文庫)など -
からさんの家 伽羅の章
東京・根津。言問通りの近くに建つ古い洋館に住む 三原伽羅は、詩人で小説家で画家、 女優だったこともある多才な女性。 昭和・平成・令和と、自分に正直に生きた彼女の人生は、 この経歴からもわかるとおり、波瀾万丈。 そんな彼女に、息子の結婚相手の 義理の娘・まひろという孫が出来た。 建築家志望の柊也、新進芸術家のタロウ、 建築会社勤務の男性、バーを営む祐子、 個性的な面々が下宿している家での共同生活。 その暮らしに、様々な事件と変化が……。 ドラマ化もされた「東京バンドワゴン」や 「花咲小路」などの人気シリーズをもつ著者が描く 、新しいカタチの家族小説。 -
からさんの家 まひろの章
まひろの家族事情は、ちょっと複雑。 実の両親は幼い頃に離婚。 父親は再婚した母親とともに事故で死亡。 義母の妹に引き取られるも、彼女が結婚した 相手の転勤で北海道へ行くことになるが、 高校卒業間近だったので、同行せず、 新しい父親の母が住む家に引っ越すことになった。 義理の祖母となった三原伽羅は、詩人で小説家で画家で、 女優だったこともある多才な女性。 彼女が住む東京の下町にある古い洋館には、 新進の芸術家、建築家志望の学生、 バーを営む歌手の女性といった 個性的な面々が住んでいる。 新しい環境の中、ユニークな同居人たちとともに暮らす まひろの日常を描く。 ドラマ化もされた「東京バンドワゴン」や 「花咲小路」などの人気シリーズをもつ著者が描く、 新しいカタチの家族小説。 -
私が鳥のときは
「さらわれてきちゃった」。中3の夏、蒼子の家に突然やってきたのは、余命わずかのバナミさん――。第4回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞した傑作青春小説。書き下ろし長篇も収録。 朝倉かすみさん、久美沙織さん、柚木麻子さん絶賛! 第4回氷室冴子青春文学賞・大賞作、 書き下ろし長篇を加え待望の書籍化! 中三の夏休み、蒼子の母が元同僚で余命わずかのバナミさんをさらってきた。なんでうち。なんで今。腹を立てる蒼子だったが、ひょんなことから一緒に受験勉強に励むようになり――受賞作「私が鳥のときは」 英語の授業は気づまりだし、部活は基礎練ばかり。「社会」というもののハードさに気づきはじめた、中一のバナミと友人たち。夏休み、お屋敷に暮らす老婦人・英子さんと出会って――書き下ろし長篇「アイムアハッピー・フォーエバー」 少女と元少女たちに訪れた、奇跡のような夏の物語。 軽やかに瑞々しく、世界をあざやかに変える、傑作青春小説、誕生! -
贋品
\ 第5回大藪春彦新人賞作家 / \ 渾身のデビュー作 / \ 多くのメディアに紹介され / \ 文庫化に! / ■週刊文春 2024年5月30日号 ■週刊現代 2024年6月1日号 ■週刊ポスト 2024年6月7日・14日号 ■日刊ゲンダイ 2024年6月18日付 ■ダ・ヴィンチweb 2024年6月22日付 ■日刊ゲンダイ 2024年6月26日付 ■小説すばる 2024年7月号 ■毎日新聞 2024年7月3日付 ■小説新潮 2024年7月号 ■小説推理 2024年8月号 ■文蔵 2024年9月号 ■このミステリーがすごい! 2025年版 亡き父の友人山井からの提案が、 佐村の地獄の始まりだった――。 東大阪の施設にある本物の「ピカソ」。 それを持ち出しデータ化して、 贋作をつくり、売る! 元学芸員の鑑定で真作認定済み、 絵を持ち出す段取りも終えているという。 狙うは中国人メガコレクター! 騙し通せれば40億円以上での売却も 夢ではない。だが、バレたら死が待っている。 借金を抱えていた佐村は この危険な賭けに勝負する。 (解説:香山二三郎) -
暴走
高齢ドライバーの事故は「アクセルとブレーキの踏み間違い」と片付けられる――。 しかし、同じ家族に二度も起きた「車の暴走」は、そんな常識を覆す出来事だった。 原因を追及しようとする家族と、責任を回避する自動車会社。 辻褄合わせに奔走し、自ら矛盾を露わにしていく警察。 現実にありそうで恐ろしい暴走事故の舞台裏を描いた、リアルで痛快な物語。 巻末には、もし車が暴走したときに被害を最小限に抑えるための実践的な「まとめ」も収録。 「かもしれない話」としての読みごたえと、実用的な教訓の両方をお届けします。 -
鋼の声が僕を呼ぶ
「誰だって痛みを抱えて生きている。」 孤独な男子高校生のコテツは、島根の刀鍛冶に引き取られて暮らすことに―。 人生に立ちすくんだ少年が一歩を踏み出す、再生の物語。 青春小説の旗手が贈る、感動の傑作! 天涯孤独となった彼は、島根に住む遠縁の剱田かがりという老婦に引き取られることに。 かがりは、現代日本において唯一と言われる女性の刀鍛冶で、寡黙だが瞳に燃え盛る炎を持つ刀匠だった。 自暴自棄になり言われるまま島根にやってきたコテツだが、転校初日、己の火傷を見るクラスメイトの視線に耐えられず、学校へいけなくなる。 部屋にひきこもるコテツに、かがりは「学校へはいかなくてもいいが、そのかわり仕事を手伝え」と言う。 かがりの弟子であるコウやカンナに教わりながら手伝いをするうちに、徐々に作刀に興味を持ち始めるコテツ。 現代日本において、刀をつくる意味とはなにか? かがりや兄弟子たちと関わり、悩みながらも、鉄を打ち、その熱に溶かされ、コテツは自らの心の形も変えていく――。 -
創作者のための読書術
「読む」解像度が上がれば「書ける」ようになる! 作家は作品をどう読んでいるのか?──プロの書き手の読み方を知ることで、小説やエッセイ、漫画からウェブメディアでの執筆まで、書く技術を向上させよう 優れた作家になるための第一歩は、優れた読書家になること。プロの書き手が行っている「分析的読み方」を学ぶことで、自分の作品を書き出す一歩が見つかり、さらに書き手としてのスキルを高めることができる──そんな「書く」ための学びとなる読書術を徹底伝授。本書は、ジャンル、ナラティブアーク、キャラクター造形、語りの視点など執筆術の使われ方をひもときながら、現代の小説やノンフィクション、詩、SNS、ブログなどの豊富な引用例を繰り返し読むことで、創作に役立つ効果的な読み方(=精読)が自然と身につく一冊である。 【本書のポイント】 ・すべての「書く」人に役立つ「読み方」がわかる ・創作理論が実際の作品にどう使われているかを学べる ・言葉にする力を育て、自作の文章に応用できる ・引用作品を多角的な視点から何度も読み込むことで、分析的読書の訓練ができる ・各章末に引用作品の考察のポイントと自作のための執筆のヒント付き -
ラバウルの迷宮
〈戦後最大の“捕虜収容所×忠臣蔵”サスペンス〉 終戦直後、ラバウル。 10万の日本兵がひしめく捕虜収容所で、元情報将校に下された密命はただ一つ――「禁じられた忠臣蔵を上演せよ」。 暴動の火種がくすぶる舞台に、紙の雪は降るのか。 ・ ・ 【読みどころ】 ●実在した〈ラバウル捕虜収容所での忠臣蔵上演〉がモデルの歴史サスペンス。 ●ジャングルに舞う“雪”が暴く、戦争VS芸術の衝突。 ●密林の奥と、地下迷路に封印された〈戦中の極秘事件〉――衝撃の真相ミステリー。 ●かつて殺し合った日本兵と豪州軍人。そこに芽生える、希望の絆。 ●戦後80年、日本人の「生き方」を問う壮絶なスペクタクル。 ・ ・ 【推薦コメント】 「手に汗握る反乱劇。映画化を熱望!」 ――鴻上尚史(作家・演出家) ・ 「異色の舞台と題材、謎を呼ぶストーリー、熱い人間ドラマ。 どれもが面白く、読みどころが多すぎる」 ――細谷正充(文芸評論家・アンソロジスト) ・ ・ 戦争が終わった時、いかに生きるかの戦いがはじまった。 エンターテインメントで描く〈慟哭〉と〈感動〉の物語。 -
硝子の塔の殺人
最高到達点!!! 著者単行本売上第1位(弊社調べ) 本屋大賞ノミネート作品! 超話題沸騰!! ミステリ界が唖然、呆然、絶賛! 島田荘司「これを超える作が現れることはないだろう」 綾辻行人「ああびっくりした」 有栖川有栖「まるで本格ミステリのテーマパーク」 法月綸太郎「綱渡りのどんでん返し」 560ページ一気読み! ミステリファン必読の書!! 雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。 ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、 ゲストたちが招かれた。 この館で惨劇が起こる……。 館の主人が毒殺。 ダイニングでは血塗れの遺体。 血文字で記された十三年前の事件。名探偵・碧月夜と 医師・一条遊馬が謎を追う。 散りばめられた伏線、 読者への挑戦状、 驚愕のどんでん返し。 2022年本屋大賞ノミネート作であり、 知念実希人史上、最大ベストセラー作! 【目次】 プロローグ 一日目 二日目 三日目 最終日 エピローグ 『硝子の塔の殺人』刊行に寄せて 島田荘司 -
犬を盗む
犬だけが知る真実とは―― 驚嘆&感動の長編ミステリー 都内の高級住宅地で一人暮らしの老女が殺害された。部屋には、かつて犬を飼っていた痕跡が残されていた。 一方、雑誌記者の鶴崎は、あるスクープをモノにするためコンビニでアルバイトを始め――。 人と犬の絆に感涙、想像を超える展開に一気読み必至の傑作ミステリー! ※犬はつらい目にあいませんので、愛犬家の皆さまも安心してお読みください。 解説/村井理子 ――作家からも感嘆の声続々!―― 「細かい違和感を憶えておいて。最後に『なるほど』と思うから」――貫井徳郎さん(作家) 「人生のほとんど全てを失ってしまったかのような人間が、一匹の犬と巡り会う。 他者から見れば寂しい人生かもしれないが、一人と一匹にとっては、とても豊かな時間が流れていくに違いない。 それがはっきりと見えるラストに感動した」--村井理子さん(翻訳家・エッセイスト 解説より) -
神に愛されていた
「忘れようとしていた痛みが「ここ!」と叫んでいる」 ――――作家・町田そのこ(「解説」より) 大ヒット作家・木爾チレンの「伝説の衝撃作」、ついに文庫化! 希望と絶望、羨望と嫉妬…… 愛憎渦巻く、狂気の物語。 若くして小説家デビューを果たし、その美貌と才能で一躍人気作家となった東山冴理。 しかし冴理は人気絶頂のさなか、突然、筆を断った。 一体なぜ――。 やがて30年の時が経ち、冴理のもとへ、ひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる。 すると冴理は語り始める。 心の闇に葬った、戦慄のその過去を……。 これは才能を信じて生きた女性作家ふたりの光と影、あるいは愛憎の極致。 魂が震える傑作! 著者渾身の「文庫版あとがき」、作家・町田そのこ氏による「解説」も特別収録! -
道の果て、朝はまた来る
人生の交差点に立ったとき、 伝説の空色タクシーは現れる。 もしも「あの時」に戻れたら、 誰に、何を、伝えますか―― とめどなく、泣いて、泣いて、泣く! 切なく温かな人間ドラマに、感動の涙が止まらない! その変哲もない黒タクシーは、辛い過去を抱える者にだけ「空色」に見えるという。 ドライバーの四井創空(よつい そら)は、そんな不思議なタクシーで彼らを「目的地」へと連れて行く。 ――それは、時空を超えた「乗客の後悔が残る場所」。 「あの時」に時間を巻き戻して、大切な人へ伝えたい言葉がある。 果たして人生の岐路に立つ乗客たちは、降車先で誰と会い、何を得て、未来への一歩を踏み出すのか。 癒しのヒューマンファンタジーの名手・いぬじゅんが、人生を旅するあなたへ捧げる、極上の感涙作品! -
ムーンフォール・サーガ2 氷の揺りかご
〈シグマフォース〉のジェームズ・ロリンズ、最新ファンタジー・アドベンチャー 月が堕ちる予言とともに、少女は立ち上がる。 舞台は運命と出会い会が待つ氷の果てに── 失われた絆、裏切り、そして予言。少女は真実を求めて旅に出る。 凍てつく世界に待ち受ける謎。 奇跡の力を持つ少女は、翼をもつ弟とともに禁断の氷壁を越える。 迫る終末、揺らぐ記憶、目覚める古代―― これは、運命に抗う者たちの黙示録。 〈あらすじ〉 氷に覆われた世界で運命が目を覚ます。 真実が暴かれる時、世界は再び動き出す── ムーンフォールによるアースの破滅を予言したニックスは、それを阻止するため仲間たちとともに永遠の夜が続く大氷原を目指す。その途中で巨大コウモリ――ラーシュクの群れに襲われ、不時着した氷の下には「クレイシュ(揺りかご)」と呼ばれる世界が広がっていた。そこで出会ったダールという青年から、「オシュカピア(夢見し者)」という生き物の存在を聞かされる。オシュカピアの持つ不思議な力が導く先には何があるのか? 一方、別行動を取って南クラッシュ帝国に潜入したハレンディ王国のカンセ王子たちは、謎の鍵を握る「眠りし者」の捜索を試みるが、国内の不穏な情勢と、王国との戦争の気配に妨げられる。ようやくたどり着いたマルガードの地で、カンセたちが目にしたものとは? -
ブリタニア列王史 ――アーサー王ロマンス原拠の書
中世ヨーロッパを代表する騎士道物語として愛され、今日でも様々な文化芸術に大きな影響を与えつづけるアーサー王物語。その起点をなすのが本書『ブリタニア列王史』であり、『アエネーイス』の主人公であるアエネアースの子孫ブルートゥスが紀元前12世紀にブリタニア王国を建設してから、ブリトン人が追放されサクソン人による支配がはじまるまでの二千年近くに及ぶ歴史がダイナミックに物語られる。本書を通じてその生涯や事績がはじめて体系化されることとなったアーサー(アルトゥールス)王や魔術師マーリン(メルリヌス)らの活躍が鮮烈な印象を残す、ロマンス文学の先駆的古典。 -
どこかで叫びが
恐怖が、再定義される── 『ゲット・アウト』の監督・ジョーダン・ピールが送る 黒人作家たちによる恐怖の最前線 【ローカス賞】、【ブラム・ストーカー賞】、【英国幻想文学大賞】受賞! 【世界幻想文学大賞】最終候補作! 『ゲット・アウト』『アス』『NOPE/ノープ』で世界に衝撃を与えた映画監督・脚本家ジョーダン・ピールが編集を手がける、全編書き下ろしによるブラック・ホラー短篇集。 本アンソロジーに収録された19の作品では、奴隷制度の記憶、公民権運動のトラウマ、移民としての分断されたアイデンティティ、そして現代社会の見えざる暴力など、超自然の恐怖だけでなく、アメリカ社会に深く根を下ろした不正義や歴史的暴力といった“現実”の〈悪夢〉が描かれる。 作家陣には、N・K・ジェミシン、ンネディ・オコラフォー、レベッカ・ローンホース、タナナリーヴ・ドゥーら国際的に高く評価される作家たちが名を連ね、新進気鋭の書き手も多数参加。また、ジョーダン・ピール自身による序文も収録されている。 ローカス賞、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞を受賞したほか、Esquire、CrimeReads、シカゴ公共図書館の「年間ベストブック」にも選出された。また、英・ガーディアン紙は「今年最高のアンソロジーであるだけでなく、時代を超えて語り継がれる一冊」と絶賛している。 ブラック・ホラーの最前線を記録する、必読のアンソロジー。 あなたがまだ見ぬ恐怖が、ここにある── -
ダンシング・ガールズ:マーガレット・アトウッド短編集
『侍女の物語』前夜のアトウッド 世界的作家アトウッドの初期短編集が待望の復刊。キャンパスで繰り広げられる奇妙な追跡劇(「火星から来た男」)、記者が陥る漂流の危機(「旅行記事」)、すれ違いから各々孤独を深める夫婦(「ケツァール」)、適性に悩む医者の卵がある少女に向ける感情(「訓練」)、下宿屋で巻き起こる異文化をめぐる騒ぎ(「ダンシング・ガールズ」)など――アトウッドのぞくぞくするような「巧さ」が詰まった七編を収録。あからさまにではなく、ほんの少しだけ垣間見せるというやり方で、日常に潜む違和や世界の綻びをアトウッドは示してみせる。 「ことに「キッチン・ドア」で描かれる、形のない、だがはっきりと肌で感じる破滅の予兆は、のちの『侍女の物語』や〈マッドアダム〉三部作のディストピア世界の前日譚と見ることもでき、世界のあちこちで不穏な狼煙の上がる二〇二五年に読むと、これを訳した当時よりずっと生々しい実感をともなって迫ってくる。およそ五十年前に書かれたにもかかわらず、これらの物語は少しも古びていない、どころか読むたびに「今」の物語として更新されつづける。そのことに何よりも驚きを感じる」(「復刊によせて」より) -
怪談
「聞いていただこう、ホーイチ・ジ・イヤーレスの物語を──」円城塔 作家・円城塔が、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの名著「KWAIDAN」を直訳! ダン・ノ・ウラの戦いの物語を──最も悲哀の深いくだりであるから(「ミミ・ナシ・ホーイチの物語」) オ・ジョチューは振り返り、そうして袖を下ろすと手で顔を撫でてみせ──(「ムジナ」) スライド式のスクリーンを開け、そうして彼は見たのだったが、ランタンの光に照らし出された五人の寝姿には──首がなかった!(「ロクロ・クビ」) 日本という未知の国の物語を、英語読者に向けて語るハーンの流儀を再現すると、日本の言葉はただのアルファベットの連なりで得体のしれない音となり、読み手の前に呪文のように放り出され、全てが説明されるわけでもない。当然これは、英語読者にとって「読みやすい物語」ではなく「驚異の書」として受け止められたことだろう。(「訳者あとがき」) 1904年に英・米国で発表された「KWAIDAN」には、遥かかなたの異国「JAPAN」の物語が描かれた。 当時、本書を手にした読者は何を感じたのだろうか。 円城塔が白日の下に晒す、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの名著「KWAIDAN」の真の姿。 待望の文庫化 -
高校事変
優莉結衣(ゆうり・ゆい)は、平成最大のテロ事件を起こし死刑となった男の娘。事件当時、彼女は9歳で犯罪集団と関わりがあった証拠はない。今は武蔵小杉高校の2年生。この学校に支持率向上を狙った総理大臣が訪問することになった。総理がSPとともに校舎を訪れ生徒や教員らとの懇親が始まるが、突如武装勢力が侵入。総理が人質にとられそうになる。別の教室で自習を申し渡されていた結衣は、逃げ惑う総理ら一行と遭遇。次々と襲ってくる武装勢力を化学や銃器のたぐいまれなる知識や機転で次々と撃退していく。一方、高校を占拠した武装勢力は具体的な要求を伝えてこない。真の要求は? そして事件の裏に潜む驚愕の真実とは? 人質になった生徒たちと共に、あなたは日本のすべてを知る! -
かえるの騎士とみにくい背高女王
かえるはいかにして騎士となり、敬愛する女王のもとから去るに至ったのか。 名前もないかえるは、地下室の檻で寝起きする見世物暮らし。 ある夜、騒ぎに乗じて逃げだしたかえるは、行く先々でたくさんの人たちと出会う。 数奇な運命によって遠く離れた土地へと導かれたかえるは、やがて闇を支配する恐ろしき敵との戦いに身を投じてゆく。 「ぼくは何ものなのか」。長い旅の果てに、かえるは何を見つけるのか。 世にも苛酷で優しいダークファンタジー、ここに開幕! ●著者 十文字青(じゅうもんじあお) 2004年『第7回角川学園小説大賞』特別賞を受賞し『薔薇のマリア』(KADOKAWA)でデビュー。 著作に『灰と幻想のグリムガル』(オーバーラップ文庫)、『果てなき天のファタルシス』(星海社)などがある。 -
蜻蛉の夏
命を削り今を生きる「止観の道士」たち。 時に精神は現実を凌駕する―― 織田信長が天下統一へ向け着々と歩みを進めていた元亀元年(一五七〇年)、京の街でこれまで交わることのなかった「止観の道士」たちの運命が交錯する。 「水観」の円四郎、「炎観」の平助、「月観」の桂月。 現実と幻想の狭間で揺れる自己矛盾、その道士という生き方にあえぎながらも、厳しい修行の末に彼らが得た止観の力は、やがて到来した織田家との戦いに大きな影響を与えていく――。 歴史上一切語られることのなかった儚き者たち。 その生の輝きと熱情が、乱世の闇を鮮烈に切り裂く! 『ヒートアイランド』 『ワイルド・ソウル』 『室町無頼』に連なる 垣根ワールドのエンターテインメント最高到達点!! 「25年小説を書いてきて初めて、全てをエンタメに振り切った物語を書いた」(著者) -
ブラックスワン
元自衛官が護衛を依頼された日本人女性研究者。 彼女を監視下に置き、接触を図る中国政府と警視庁公安部。 いったい彼女は何者なんだ? 社会派ミステリ(『震える牛』『ガラパゴス』)の名手が 世界最新のハイテク戦争の真実を暴く前代未聞の逃走劇! 台湾で暮らし、警護の仕事を個人で請け負っている元自衛官の城戸護に、養女から依頼が入った。友人の福本真衣を沖縄に連れて行ってほしいというのだ。日本と台湾のハーフの真衣はカナダの大学院で応用化学を研究する27歳。裕福な父親が心配性らしい。渋々引き受けた城戸が真衣をひとまず台北市内に案内したところ、何者かが彼女を狙撃してきた。間一髪で逃れ、人脈を頼りにプライベートジェットを使って沖縄に入る2人。だが中国政府の接触を受けて、城戸は警視庁公安部にもマークされていることに気づく。 -
虚構の歌人 藤原定家
定家ほど、現在まで誤解され続けた歌人はいない。定家の新解釈本登場!! 藤原定家は、「美の使徒」「美の鬼」「歌聖」「日本を代表する近代詩人」などと讃えられ、一般には「新古今」「百人一首」の選者として有名であり、日本を代表する歌人と言っても過言ではないでしょう。また18歳から74歳にわたり書き続けた日記『明月記』は、定家を識るための資料とともに、日本中世(平安、鎌倉)の歴史資料として国宝に指定されほど貴重なものとなっています。そんな藤原定家を著者は歌人としては、天才ではないと突き放します。秀才が作る歌と・・・。そして、冷徹な眼で多くの資料を猟渉し、定家の<歌>だけでなく、定家そのものを解剖していきます。まさに名外科医の発見困難な病巣を切り刻むメスのように、定家の崇拝者たちによって作られたステレオタイプの偶像を丹念に一枚一枚剥がしていきます。 しかし、著者は、定家の現在までの評価を貶めるためにこれを書いたのではなく、歌人として、歌を学び、歌を読んできた自分が、今、定家と直接対話ができる時期がきたのではないか、そして、今まで築きあげられた虚像・定家にあざむかれず、実像・定家を世に知らしめ広げることが出来るのではないかという、熱い思いでこの本書を書いたと語っております。 著者は本書の中で「定家は『おもしろき』歌を詠む人ではない、落語を見るとき人は笑おうという姿勢でみる。和歌を見るとき人はおもしろいもんだと思ってみる。しかし定家はむしろ「もののあわれや」や「おもしろさ」を否定するために歌を詠んでいる。定家の歌は前衛であり形而上的であり、いわば「禅」なのだが、たいていの人はそこまで考えが及ばない。ある人はそれにもかかわらず、定家の歌に風情を感じようと努力してとんちんかんなことを言う。またある人は、なんだこんなわざとらしい歌、とあきれてしまう。定家はこんな具合にいろんな人に誤解される。」 と述べております。本書は今までにない定家新解釈満載の定家ワールドがこれでもかと書かれていいます。本年度文芸界の注目の一冊となることでしょう。 ※紙版とは一部、内容が異なります。 -
旦那の同僚がエルフかもしれません
祖父が営む弁当屋で働くひばりは、常連のサラリーマンと恋に落ち、数年の交際の後に結婚した。ダーリンの名前は三輪伊吹。仕事は団体職員。忙しくてなかなか帰ってこないのが玉に瑕だけど、真面目で優しい素敵な人。 ただ、時々家に連れてくる同僚や取引先のお客様が、ちょっとばかり個性的だった。金髪ロン毛で耳がエルフのように長かったり、全身見たこともない模様の刺青だらけだったり。 「みんなひばりの料理が食べたいんだ」という伊吹の頼みで、不思議なお客様に手料理をふるまうが――そう、ダーリンは勇者様。今も異世界の平和のために奔走するエージェントだったのです! エルフやドワーフの同僚、ふわふわの毛をたくわえた人狼の上司、見た目は小学生な魔王のワガママ娘。 伊吹が連れて来るお客様をもてなしていただけのつもりが、ひばりの人柄と温かい料理で、知らず知らずのうちに異世界の危機を救っていて……? 『おいしいベランダ。』『犬飼いちゃんと猫飼い先生』シリーズの竹岡葉月が贈る、 すこし不思議なおもてなしファンタジー。 ※特典として、書き下ろしショートストーリー【まるで百日紅のように】を収録しています。 -
なでしこの記憶
少年少女を救うのは、互いを想う力と一輪の花 母を亡くし絵を描けなくなった颯斗と、“いい子”の重圧に押しつぶされたあかり。 自分らしさを取り戻すための、高校生活がはじまる――。 主人公・矢崎颯斗が病気の母のために描いたのは、花瓶に生けたなでしこの絵。母を失ってからは思い出さないように逃げてきた彼の前に、小花あかりという底抜けに明るい少女が現れた。彼女の天真爛漫さに、なぜか憎まれ口を叩いてしまう颯斗だったが、正反対の二人はだんだんとその共通点と最初の出会いに辿り着く。明るさのうらに隠されたあかりの本当の姿を、颯斗は見つけ出し救うことができるのか。 -
日本エッセイ小史 人はなぜエッセイを書くのか
『枕草子』『土佐日記』の昔から日本人に親しまれてきた「エッセイ」。「昭和軽薄体」の大ブームや芸能人エッセイの人気、そして高齢者エッセイの百花繚乱ぶりなど、いつの世も「エッセイ」は時代とともにある。 では「エッセイ」とは何か? 「随筆」「コラム」「ノンフィクション」とどう違う? 「エッセイ」を読んだことのない人はいないはずなのに、意外と誰も答えられない「エッセイ」の正体。 「エッセイスト」を名乗り講談社エッセイ賞選考委員を長らく務めてきた「エッセイの専門家」である著者が、時代を彩った大ヒット名エッセイ160余作品をひもときながら、満を持して真正面から「エッセイ」を縦横無尽に語り尽くす! エッセイストがエッセイについて綴るエッセイ、ついに登場。 -
私のことだま漂流記
すがすがしく力強い声がする。 この先、人間として小説家として迷ったとき、 私はこの本の言葉に奮い立たされることになるだろう。 ーー宇佐見りん 山田詠美は常に今を生きている。それも常に今に迎合せずに。 だからこそ、誰よりも文学を愛した少女は、誰よりも文学に愛される作家となったのだ。 ーー吉田修一 初めて「売文」を試みた文学少女時代、挫折を噛み締めた学生漫画家時代、高揚とどん底の新宿・六本木時代、作家デビュー前夜の横田基地時代、誹謗中傷に傷ついたデビュー後、直木賞受賞、敬愛する人々との出会い、結婚と離婚、そして…… 積み重なった記憶の結晶は、やがて言葉として紡がれる。「小説家という生き物」の魂の航海をたどる本格自伝小説。 私は、この自伝めいた話を書き進めながら、自分の「根」と「葉」にさまざまな影響を及ぼした言霊の正体を探っていこうと思う。 ーー山田詠美 -
朝がくるたび、また君に「恋」をする。
「自分の大切な人はみんな不幸になってしまう」。高校一年生の涼風はそんな想いを抱え、人と深く関わることを避けていたがある日、隣のクラスの五十嵐に告白されてしまう。告白を断ったものの、五十嵐とふれあううちに、徐々に涼風は誰にも打ち明けられなかった本音をぶつけられるようになっていく。涼風が「自分の幸せのために生きたい」と思えるようになった頃、悲劇が二人を待っていた──。自分や愛する人にとって、本当の幸せとはなんなのか。愛しい日々のために、必死で運命に抗う切なすぎるラブストーリー。 -
一千億のif 仮想歴史研究ファイル
歴史を変える研究室へようこそ。 戦地から帰った曾祖父の「遺品」 消えた軍艦「畝傍」 地下室に眠る「亡霊」 「禁断ノ島」の謎 “異端”の歴史学ゼミが埋もれた過去に光を照らし、「もしも」の視点で史実を導く、冒険エンタメ! 就活に有利と騙され、「有賀研」に入った南武大学三年の坂堂雄基。メンバーは、とぼけた准教授と手厳しい院生の小春だけ。しかも歴史のif(もし信長が本能寺で討たれなかったら?など)を研究する胡散臭いゼミだった。 雄基は仕方なく曾祖父の海軍時代を調査する。だが、まさか「戦地から持ち帰った品」の存在が、坂堂家の根幹そして歴史をも覆すことになるとは……歴史冒険ミステリ。 ※本書は、2022年9月刊行の単行本『一千億のif』を改題し、2025年9月祥伝社文庫より刊行された作品を電子書籍化したものです -
グールド魚類画帖:十二の魚をめぐる小説[新装版]
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 英連邦作家賞受賞作品 「ブッカー賞」を受賞した『奥のほそ道』が日本でも大好評を得た、タスマニア出身の鬼才による、「英連邦作家賞」受賞作品。 時代は十九世紀、本書の主人公「ウィリアム・ビューロウ・グールド」はイギリスの救貧院で育ち、アメリカに渡ってから画家オーデュポンから絵を学ぶ。しかし偽造などの罪で、英植民地タスマニアのサラ島に流刑となる。 科学者として認められたい島の外科医ランプリエールは、グールドの画才に目をつけ、生物調査として、彼に魚類画を描かせる。ある日、外科医は無残な死を遂げる。 グールドは殺害の罪に問われ、海水が満ちてくる残虐な獄につながられる。絞首刑の日を待つグールド……その衝撃的な最期とは? 歴史、伝記、メタフィクション、マジックリアリズム、ポストコロニアルなどの趣向を凝らした、変幻自在の万華鏡。奇怪な夢想と驚きに満ちた世界が展開される。 「大傑作」(『タイムズ』)、「『白鯨』の魚版」(『ニューヨーク・タイムズ』)など、世界で絶賛の嵐を巻き起こした、作家の代表作。 色刷り魚類画十二点収録。 -
ブータン、世界でいちばん幸せな女の子
忘れられていた彼女は、誰よりも明るい大人になっていた 年齢や環境で、距離が変わるから面白い。 そんな“女友だち”の物語を書きました。――阿川佐和子 いつの頃からか、私は生涯の友というものを望まなくなった。女はいっときの悩みを共有できるともだちがいればじゅうぶんなのだ……。 四十を過ぎて、そんなことを思っていた頃、伯父の介護に通っていた病院で、「覚えてない? この顔」と、嬉しそうに駆け寄ってきた女性がいた。 彼女の名前は、丹野朋子さん。中学の同級生で、昔は存在感ゼロだった。太っていて、「ブータン」と呼ばれていた。 アラフォーになって再会した彼女は、ブータンという国に暮らしている人びとのように、世界一幸せ度の高い人間になるというのが、人生の目標になっていた。そして彼女は、夢を実現しているらしい。 ブータンに強引に連れられて、私は生まれて初めてカラオケボックスに行った。深呼吸するように、自分の思いを吐き出していた……。(第1話「ブータンの歌」より) 不思議な存在感のある「ブータン」をめぐって、さまざまな女性たちの人生が交錯する。 せつなさに胸が熱くなる、女友だちの物語。 文庫解説:中江有里 単行本 2022年6月 文藝春秋刊 文庫版 2025年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
猫吸い探偵 鎌倉かつお節店の覗き猫
謎の解決の糸口は 猫の記憶を覗く“あの”儀式。 鎌倉の人々と猫の優しい物語。 『猫を処方いたします。』著者・石田祥氏、推薦! 鰹節の芳しさと、“アレ”。――どちらも幸せな香りです。 目を閉じて、思い切り吸い込んでみたくなります。 鎌倉の片隅に佇むかつお節屋「カツヲ堂」。 夢に破れた青年・凛は、店主のおばあちゃんのもとに身を寄せていた。 ある日、近所の人に困りごとを相談され真相を探ることになったが、解決の糸口は摑めない。 そんな時、おばあちゃんから【猫吸い】の儀式を教わる。それは、猫のお腹に顔を埋めて香りを吸い込むことで、“猫が見た過去”を追体験できるというもの。 凛は猫吸いで得た情報をヒントに謎を解いていく――。 これは青年が猫に導かれれ、居場所を見つける心優しい物語。 プロローグ 第一章『カツヲ堂といなくなった猫』 第二章『僕の血液型と二度助けられた猫』 第三章『迷子の子猫ちゃんとストローおじさん』 第四章『消えたタイムカプセルと番猫』 最終章『吾輩は、ソウセキの猫である』 -
旅の怖い話
旅館の客室で目にした不気味な面… 「重岡様は、こちらが何かの面に見えるのですか」 女将が言うには、それは面ではなく鏡で… 恐ろしさのあまり狂死した死者のようなその顔は―― 収録作「無貌の面」若本衣織 より 「旅」に纏わる最恐怪異譚38話! 最恐最悪の旅! 良き思い出となるはずだった「旅」に容赦なく降りかかる禍の数々…。 趣味の離島キャンプ、深夜海中から伸びたロープを引く裸の男の姿が…「浜へ来る」 母との旅の車中、乗り合わせたのは死んだ夫と父にそっくりな二人組で…「東京見物」 ある安宿、ノックに続き「そんなんしたらあかん」という男の声が…「関西」 無断放浪癖のある元彼が送ってくる写真に写っていたのは…「元彼独り旅」 着物姿の女性が描かれた土産物の菓子を爆食した彼女は一月も経たないうちに出奔し…「竈食」 など、最恐の旅・最悪の旅38話収録! -
明日好きになる人【電子特典付き】
高瀬の推しは写真部の羽鳥。卒業式の日、羽鳥に写真のファンだと伝えるつもりのはずが、勢い余って「好きだ!」と口走ってしまう。気まずさのあまりその場から逃げ出した高瀬は、その時の記憶を「黒歴史」として刻み込んだ。8年後、アイドルのマネージャーとして働く高瀬の前に、自分が担当するアイドルのスキャンダル写真を携えたパパラッチがやってくる。スキャンダル写真なのに、そこに写る女の子はこれ以上ないくらい幸せに見えて……「この写真、好きだな」そう口に出した瞬間、高瀬はあの黒歴史を思い出す。はっとして目の前の男を見つめれば、不敵な笑みでその男はサングラスを外した。――高瀬の最推しだった羽鳥との、予想外の再会だった。 電子書籍特典 書き下ろし短編『再会前夜(羽鳥side)』特別収録。 -
最後の陰陽師とその妻
天涯孤独の身であり怪異が見える千曳泉は、「知人の嫁にぜひ」という突然の手紙に導かれ、上京する。そこで出会ったのは、怪異と戦う美しい青年・比良坂拝音。 彼は帝都を守護する最後の陰陽師であり、泉の結婚相手だった。 新婚生活の中で、無愛想ながらも泉の力を認め寄り添う拝音。特異な目を持つが故の孤独を抱えていた泉はその優しさに触れ、二人の距離は次第に近づいていく。 しかし、この結婚には国の命運をかけたある秘密が隠されていて――。 神話より結ばれし二人の、不器用な愛と絆の物語。 【登場人物】 ・比良坂拝音(ひらさかはいね) 陸軍で特任顧問を務め、帝都最後の陰陽師として怪異を滅する任を担う。 日本人離れした美貌の持ち主。 ・千曳 泉(ちびきいずみ) 天涯孤独の身であり、怪異を見ることができる”神照目”を持つ少女。 島根から上京してきた。内気な性格だが、芯は強い。 -
彼がいる場所
約束を結ぶ人だけに見えているものがある。 親戚のなかで一番優しかったおじさんと、一番怖かったおばさんの話。 \ 岸田奈美・短編小説シリーズ第一作、電子版限定刊行! / 2025年3月、SNS告知から15万人がアクセスした話題作が、ついに電子化。 【あらすじ】 ユヅルおじさんは、わたしの親戚の中で、いちばん優しい人だった。頼まれたら、断れない人でもあった。 小学生のわたしが思いつきで「ハムスターが欲しい」とお願いしたことで、月に一度、おじさん宅へ通うことに……。そこには、たいがい機嫌の悪い透子さんがいた。 透子さんは、どうして私がこんなことをとでも言いたいような完ぺきな仏頂面で、毎日毎日、ハムスターの肥満防止としてはあまりに贅沢な鳴門金時を潰していた。 ハムスターは平均寿命といわれる2年を超えても、なぜか元気に生き続けていた──。 【読者から感動の声、続々!】 「冷たそうに見える人が本当は優しい人。そんな人間の奥行きを感じた。」 「お互いの優しさや思いやりを押し付けるのではない、深いところにある人の優しさが胸に残った。」 「分かりやすい優しさも、わかりにくい優しさも、どちらも尊いことが伝わる。」 数々のエッセイを発表し、明るいユーモアと愛をもってどんな出来事も描き切ってきた岸田奈美だからこそ書ける家族小説。 -
もふもふ ふわふわ どうぶつ癒しのアンソロジー
【電子版巻末には伊藤詩都先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 水曜日に出逢うアクアリウムでの至福の時間。 珈琲店を営む店主が飼っているパグの秘密。 無邪気なレトリバーたちが引き合わせる恋の物語。 しゃべるカピバラとの、のんびりでちょっぴり自由な暮らし。 「カワイイ動物たちが大活躍!もふもふ小説コンテスト」短編部門受賞作! 犬、猫はもちろん魚やカピバラまで登場する、どうぶつの愛くるしさをふんだんに盛り込んだ至高のアンソロジー。 大人気作・『おまわりさんと招き猫』、『彼女は食べて除霊する』の書き下ろし短編も収録! -
飛博(とばく)
鳩レースは、麻薬。 巨額飛び交う違法ギャンブル。 元締めのマフィアが闇ビジネスを拡大させる、真の狙いとは――? 賭け続けるしか、勝ちはない。 仁義なき賭博小説! 男のメンツと意地を賭けた、桁外れの闇賭博。 その日暮らしのしがない中年・上田安治は、テキ屋の元締めだった亡父・松吉から、違法賭博用の「レース鳩」を相続する。 松吉のコンサルタントを名乗る堂上によれば、鳩は名鳩ぞろい。プライベートクラブのレースに参加しないのならば、台湾人の楊志偉に売却してはと提案される。 博打よりも堅実な生活を求める安治は、勧められるままに鳩を売り、自らはクラブの鳩の世話をする鳩務員の職を得て、手堅く暮らしはじめる。 ところが楊の入会をきっかけに、クラブには台湾人が激増。彼らがマフィアだと知った安治は、日本人メンバーらの不審死と退会ににわかに恐怖を覚える。 だが新たな胴元による鳩レースは、開催間近にせまっていた……。 -
女人太平記
――これまでの歳月を振り返ってみると、竹向殿と私(足利尊氏)とは、奇縁で結ばれているものですね。後の北朝初代・光厳帝の典侍を務めた日野名子〈ひのなかこ〉は、関東申次として権勢をふるった西園寺家の若き当主・公宗の正室となる。だが彼女の栄光の日々は、後醍醐院の謀略と足利尊氏の裏切りにより、あっけなく失われることに。そしてそれは、数多の武家と公家、皇族が互いに争い合う、混沌の時代の幕開けだった――。度重なる戦乱に人生をかき乱され続けた彼女が最後に見抜いた、尊氏の抱える「秘密」とは。名子が著した、最後の宮廷女流日記文学として名高い『竹むきが記』を下敷きに、激動の室町幕府揺籃期を活写する歴史長編。 -
負けくらべ
伝説のミステリー作家、入魂の現代長編! 初老の介護士・三谷孝は、対人関係能力、調整力、空間認識力、記憶力に極めて秀でており、誰もが匙を投げた認知症患者の心を次々と開いてきた。ギフテッドであり、内閣情報調査室に協力する顔を持つ三谷に惹かれたのが、ハーバード大卒のIT起業家・大河内牟禮で、二人の不思議な交流が始まる。大河内が経営するベンチャー企業は、義母・尾上鈴子がオーナーを務める東輝グループの傘下にある。尾上家との軛を断ち切り、グローバル企業を立ち上げたい牟禮の前に、莫大な富を持ち90代にして権勢をふるう鈴子が立ちはだかる。牟禮をサポートする三谷も、金と欲に塗れた抗争に巻き込まれてゆく。 伝説のミステリー作家、19年ぶりの現代長編! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『負けくらべ』 の文庫版となります。 -
ひまわりは恋の形
今、最も泣ける恋愛小説、待望の文庫化! 『桜の花びら集めてみませんか?』 大学四年生の春、就職試験に全滅した日向(ひなた)は、友人から不思議なアルバイトを紹介される。怪しいと思いつつも、彼はそこで出逢った依頼主・雫(しずく)に一目惚れをする。彼女がくれた「ありがとう」という言葉は、希望をなくしていた日向の心を鮮やかな色に染めた。自分も誰かに「ありがとう」と言われる仕事がしたい。彼女に振り向いてもらいたい。その思いを胸に、日向は新たな一歩を踏み出した。 しかし雫には、大きな大きな秘密があった……。 「本当のわたしを知ったら、きっと好きじゃいられないよ。わたしね、一年でたった七日間しか起きていられないの」 雫は一年のほとんどを眠り続けるという不思議な体質の持ち主だったのだ。彼女に逢えるのは夏のほんの一週間だけ。その事実に動揺を隠せない日向。 夢の中じゃメールも電話もできない。逢いたくても逢えない。声だって聞くこともできないんだ。そんな女の子と恋なんて絶対にできっこない。 この恋は、夢と現実の遠距離恋愛なんだ……。 どんな国よりずっと遠くて、どんな時差よりずっと永い、 究極の遠距離恋愛の物語――。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ひまわりは恋の形』 の文庫版となります。 -
喫茶ガクブチ 思い出買い取ります
「いらっしゃいませ。喫茶ガクブチへようこそ!」 東京・高円寺の街角――〈あなたの思い出買い取ります〉と書かれたド派手な看板と、元気な掛け声に吸い寄せられるように入ったカフェは、壁が大小様々な額で覆われていた。 中には靴紐や映画の半券、玩具など“誰かの思い出の品”らしきもの……? そこは、父親の跡を継いだ美咲兄妹が切り盛りする額縁店。寂れた店を復活させようと、妹の真日留は一階をカフェに大改造。兄の伸也はお客さんから持ち込まれた”思い出の品“を額装。額は客が大切に持ち帰ることもあれば、カフェの壁に飾られ、別の誰かが買っていくこともある。 店を訪れるのは、〈かつて世界中を旅し、いまは親の介護に明け暮れる多喜子〉〈カメラが趣味だった夫の遺言で、個展を開こうとしている郁恵〉〈無職の夫へのイライラが止らない梨々花〉〈大切なUFOの玩具を手にした、結婚を控える一直〉〈隣りの”おじいちゃん”の絵を持ってきた中学生の蒼空〉……。 生まれ変わった思い出が、傷ついた心と体を癒し、いつしか新しい出会いに繋がっていく。 『人生写真館の奇跡』『天国からの宅配便』著者が贈る、とっておきのハートウォーミング・ストーリー。文庫書き下ろし。
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