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泥棒は二度パンを焼く
天才錠前師の錠二が、元パン屋の強盗・太陽に向けた殺意。その瞬間、世界は二つに引き裂かれた。一方は、太陽を撃ち殺して冷酷な「ボス」として裏社会に生きる道。もう一方は、拳銃の故障で殺せず、太陽と共に「パン屋」になる明るい道。泥棒とパン屋――正反対の並行世界を歩む二人の錠二。交わるはずのない二つの運命が、ある「違和感」をきっかけに混ざり合い、物語は予測不能の終局へ加速する。幸せを手にするのは、泥棒か? それともパン屋か? 世にも奇妙な平行世界ミステリー! ※本作品は2023年1月に刊行された単行本『ボス/ベイカー』を改題し、加筆・修正したものです。 -
クズリ
\\累計25万部突破// 『暗殺』の著者が放つ戦慄のクライムノベル! ウクライナ、ロシア、中国…… 麻薬市場の利権をめぐる暗闘の影で “伝説の殺し屋”が蘇る! クズリ――「小さな悪魔」と呼ばれる獰猛なイタチ科の動物。 ハロウィンで賑わう六本木で、ピエロ姿の男が外国人を射殺した。 被害者はロシア系ウクライナ人工作員。 銃弾の線条痕から、凶器は1980年代に暗躍した殺し屋「クズリ」が使っていた銃と判明。 だが彼は死んだ筈だ――。 背後に浮上する麻薬市場。 警察庁警備局外事情報部の中瀬は蘇った亡霊の影を追う。 「クズリ」は本当に生きているのか? -
プラネット・ダイアリー
1977年9月、ボイジャー1号が打ち上げられたとき、アメリカ合衆国フィラデルフィアで生まれたアディーナ。 母親と二人で暮らす彼女は、4歳で自身が宇宙人であることを自覚し、以来故郷のコオロギ・ライス星の「上官」宛てに、ファックスを通して地球の生き物たちについての報告を続けている。 「ビューティーランド」での母との思い出、親友との出会い、9・11との遭遇、思いがけない別れ・・・・・・。ニューヨークの片隅で生きる異星人が綴る、この地球の不思議と発見。 2025年アメリカン・ブック・アワードを受賞した長編小説。 (Beautyland by Marie-Helene Bertino) 【著者略歴】 マリー=ヘレン・ベルティーノ Marie-Helene Bertino ペンシルヴェニア州フィラデルフィア北東部生まれ。著作に短編集『Safe as Houses』(University of Iowa Press、2012年)、『2 A.M. at The Cat's Pajamas』(Crown、2014年)、『Parakeet』(Farrar, Straus and Giroux、2020年)、2作目の短編集『Exit Zero』(FSG Originals、2025年)など。本作で全米批評家協会賞の最終候補に選出、アメリカン・ブック・アワードを受賞。 【訳者略歴】 小澤身和子 Miwako Ozawa 東京大学大学院人文社会系研究科修士号取得、博士課程満期修了。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン修士号取得。「クーリエ・ジャポン」の編集者を経て翻訳家に。訳書にウォルター・テヴィス『クイーンズ・ギャンビット』、シルヴィア・プラス『ベル・ジャー』、C.S.ルイス『ナルニア国物語』シリーズ、デルモア・シュワルツ『夢のなかで責任がはじまる』など。 -
ラウリ・クースクを探して
第11回高校生直木賞&第4回加賀乙彦顕彰特別文学賞 受賞。 第170回直木賞&第40回織田作之助賞ノミネート。 1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピューター・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連の研究者として活躍する道を目指す。だがソ連は崩壊し……。時代に翻弄された人物を描き出す、かけがえのない物語。《解説・マライ・メントライン》 絶賛の声続々のロングセラーがついに文庫化 書評掲載一覧 ■「ダ・ヴィンチ」今月の絶対はずさない!プラチナ本(2023年10月6日発売、11月号) ■「女性自身」書評(2023年10月3日発売号) ■毎日新聞「エンタメ小説 今月の推し!」評者・内藤麻里子さん (2023年10月1日掲載) ■「朝日新聞」書評 評者・澤田瞳子さん ■「読書人」書評 評者・八木寧子さん(2023年9月29日発行号) ■「朝日中高生新聞」書評 書店員・江藤宏樹さん(2023年9月24日発行号) ■ 「小説現代」10月号(2023年9月22日発売) 評者・三宅香帆さん ■「好書好日」書評 「日出る処のニューヒット」(第6回) 評者・杉江松恋さん(2023年9月21日掲載) ■「週刊文春」書評 評者・米光一成さん(2023年9月21日発売号) ■「産経新聞」書評 評者・ホラン千秋さん(2023年9月9日掲載) ■「日経新聞」書評(2023年9月9日掲載) ■「週刊新潮」書評 評者・石井千湖さん(2023年9月9日発売号) ■Youtube『松井・杉江の「エンタメ丼」2023年9月号・その3』 杉江松恋さん紹介 ■「週刊ポスト」書評(2023年9月4日発売号) ■「毎日新聞」文芸月評 評者・渡辺祐真さん(2023年8月30日掲載) ■「共同通信」文芸月評 評者・渡邊英理さん(2023年8月28日配信) ■「読売新聞」書評 評者・小川哲さん(2023年8月27日配信) ■「週刊現代」書評 評者・木澤佐登志さん(2023年8月21日発売号) ■「毎日新聞」文芸月評 評者・大澤聡さん(2023年7月26日掲載) ■「読売新聞」文芸月評 記者・武田裕芸さん(2023年6月27日掲載) インタビュー掲載一覧 ■「an・an」 聞き手・瀧井朝世さん(2023年9月13日発売号) ■「AERA」 ライター・古谷ゆう子(9月14日発売号) -
環境省武装機動隊 シベリアの魔女
環境を破壊する者には「魔女」が天罰を下す――。ニューヒロイン誕生! 西暦二〇三八年、急激な温暖化で海面が上昇し、沿岸都市が水没。 世界は、自然環境の保護が最大の正義とされ、自然を守るためなら武力行使をいとわなくなっていた。 ある日、コンテナ船のジャック事件が発生。 要求に従わなければ爆弾が炸裂。船の燃料が流出し、深刻な環境汚染を起こすかもしれない。 その時、ヘリから舞い降りコンテナ船に現れたのは、環境省の特殊部隊員である「シベリアの魔女」こと新島怜だった。 怜の手腕によって事件は解決したかに思われたが、その陰には人類の脅威となる巨大な陰謀が隠されていた――! 江戸川乱歩賞作家が描く、近未来ディストピア・ミステリー。 -
その謎を解いてはいけない 黒歴史について語るときに我々の語ること
相次ぐ怪事件。犯人の狙いは? 最悪の探偵、絶体絶命!? 「気を付けろ、大滝瓶太が潜んでいるぞっ」 杉江松恋(解説より) 中二病全開の自称名探偵・暗黒院真実は黒陵高校探偵部部長・天野川恒星からとある事件の捜査協力を依頼される。 助手の女子高生・小鳥遊唯と赤い文字〈春〉が残された事件現場に向かうと、新たな事件が発覚し、今度は〈夏〉の文字が……。 白歴史探偵・白日院正午も現れ、混迷する連続事件の結末は? 異能の著者が贈る新感覚本格ミステリ第2弾! 【目次】 第一部 第二部 解説 杉江松恋 カバーイラスト/遠田志帆 カバーデザイン/坂野公一(welle design) -
心眼
最新鋭AIとの対決- 人間の眼が、真実を射抜く 〈見当たり捜査班〉を描く、傑作警察小説! 声優界と書店界のレジェンドふたりが推薦! 目で見る物語。 心の眼で捉える想い。 焦点が合うその刻を、見逃すな。 杉田智和氏 声優 人間を描きながら、 社会問題にも切り込む。 相場さんの真骨頂。(解説より抜粋) 栗澤順一氏 さわや書店 有楽町駅で殺人事件発生- 停電で防犯カメラ機能せず! 街頭に立ち、顔を見続け、指名手配犯を炙り出す、 通称〈見当たり捜査班〉。 時代遅れと揶揄されるアナログな手法に、 若き刑事・片桐は戸惑いながらも不可解な事件を追う……。 新たに就任した捜査一課長はハイテク捜査を実施、 「見当たり捜査班不要論」をぶち上げる。 信じられるのは、高性能レンズか、人間の執念か。 圧倒的リアリズムで描く、警察小説の到達点! 解説/栗澤順一 【目次】 第一章 定点 第二章 駐留 最終章 見当たり 解説 栗澤順一 -
警視庁裏金課
その裏金は「適切」に使われているのか? エリートキャリア警察官だけに都市伝説として語り継がれている『警視庁裏金課』。 正式名称は『総務部第九別室』だが、いつの間にか、『裏金課』と呼ばれる存在に。 警視総監、警察庁長官でさえ、恐れおののく、アンタッチャブルなセクションという。 それもそのはず、主な業務は『裏金作り』『裏金の管理』『裏金が適切に使われているかの裏監査』『勝手に作った裏金(闇裏金)の取り締まり』。 さらには、『裏金を用いての正義の執行』だからだ。 警視庁・警察庁・道府県警、警察組織内の裏金関係すべてを取り仕切る闇の部署に所属するのは、十二億円を横領したという室長の美波晃一、記憶が飛びがちな掃除屋の九条屋カオル、領収証の声が聞こえる新人の山田楓子の三名のみ。 今日も『不正な』裏金を見つけるべく、裏捜査に奔走する三人。 ついに国を揺るがすほどの巨大な闇裏金に行き当たるが、いきなり銃弾を浴びせられてしまい!? ダーティマネーを巡るサスペンス・アクション! 書き下ろし長編。 -
定時までに解決します!
窓際部署の名探偵!? 新感覚警察ミステリー 警視庁の窓際部署で働く事務職員の久米川さくら。 定時退庁をモットーに気楽に雑用をこなす日々を送っていたが、捜査一課のエリート刑事・元加治が持ち込んだ密室殺人の真相を、華麗に解いてしまう。 以来、難事件の解明に協力することに。 無差別殺人、窃盗、爆破予告……今日も〈定時までに〉解決します! (『さくらだもん! 警視庁窓際捜査班』改題) ■第一話 密室だよ さくらちゃん ■第二話 不祥事発生! さくらちゃん ■第三話 極秘任務だよ さくらちゃん ■第四話 無差別殺人!? さくらちゃん ■第五話 容疑者がいっぱい さくらちゃん ■第六話 時間がないぞ さくらちゃん ■書き下ろし掌編 ある日の元加治くん -
マビノギオン ――中世ウェールズ幻想物語集
英雄たちの闘い アーサー王が活躍する物語など計11編を収録。 詳細な注を付したウェールズ語原典からの完訳 アーサー王(アルスル)が活躍する物語など、古来カムリ人たちが語り紡いできた数々の伝承を収録。詳細な訳注を付したウェールズ語原典からの完訳。 === カムリ人と呼ばれるケルト系の人々がウェールズの地で古来語り紡いできたさまざまな伝承や神話。それらを11世紀以降に修道士たちが収集しまとめあげたとされるのが、散文物語集『マビノギオン』である。その内容は、神話の影響を色濃く受けた不思議話から宮廷文学風のロマンスまで多岐にわたり、『マビノギオン』という書名の由来となった「マビノーギの四つの物語」のほか、アーサー王(アルスル)が活躍する話や、聖杯探索で知られるパーシヴァル卿の原型となった人物であるペレドゥルの冒険譚などが収録されている。詳細な訳注と解説を付した、ウェールズ語原典からの完訳。 【目次】 日本語版の刊行によせて/『マビノギオン』への長い旅 マビノーギの四つの物語 ダヴェドの大公プイス スィールの娘ブランウェン スィールの息子マナウィダン マソヌウイの息子マース カムリに伝わる四つの物語 マクセン・ウレディクの夢 スィッズとスェヴェリスの物語 キルッフとオルウェン ロナブイの夢 アルスルの宮廷の三つのロマンス ウリエンの息子オウァインの物語、あるいは泉の貴婦人 エヴラウクの息子ペレドゥルの物語 エルビンの息子ゲライントの物語 訳注/解説/『マビノギオン』の物語を追って/参考文献/地名一覧/人名一覧 -
虹いろ図書館 司書先輩と見習いのぼく
高校卒業後、憧れの図書館で働き始めた犬上健介。しっかり者の青柳先輩、破天荒な霜月先輩たちの背中を追いかけながら、立派な図書館員を目指すけれど――? 大人気シリーズ、第4弾! 犬上健介、18歳 今日から憧れの図書館で働きます。 心が虹いろになる、青春×お仕事×図書館小説! 大人気シリーズ、イヌガミさん編スタート! 高校卒業後、小さい頃から大好きだった図書館で働き始めた健介。 しっかり者の青柳先輩、破天荒な霜月先輩たちの背中を追いかけながら立派な図書館員を目指すけれど、基本は人見知りで内気。 初めての電話、お客さんの質問、読み聞かせ、と毎日大変! そんなある日、いたずらっ子ちーが現れて――? 【目次】 Ⅰ 春がきた。 Ⅱ 『ぼくはうみわたしはひかり』 Ⅲ 『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』 Ⅳ 『変身』 Ⅴ 『いやいやえん』 Ⅵ 『みんなのかお』 Ⅶ 『とこちゃんはどこ』 Ⅷ 「月月に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」 Ⅸ 『歩くひと』 Ⅹ 『ライ麦畑でつかまえて』 Ⅺ 『おおかみと七ひきのこやぎ』 Ⅻ 『まどから おくりもの』 ⅩⅢ『はなをくんくん』 ⅩⅣ ふたたび春がきた。 -
江戸の戯作絵本
徹底的にいじり倒す 一流浮世絵師たちが描いた荒唐無稽なストーリー 杉浦日向子さんも愛読した名アンソロジーを文庫化 過激な政治諷刺からテレビだったら放送できない下ネタまで。自由奔放な江戸黄表紙の世界をご堪能下さい! === 江戸時代の大人の漫画「黄表紙」。その発想力、表現力は、とても250年前とは思えぬ斬新さ。本巻には、黄表紙というジャンルの創始者、恋川春町、朋誠堂喜三二、黄表紙の全盛期をもたらした山東京伝、芝全交らの作品を収録。個々の作品に共通するのは荒唐無稽なストーリーと圧倒的な馬鹿馬鹿しさ。神や仏が遊郭に入り浸り、うどんと蕎麦が薬味を従え、江戸名物の座を争う……。黄表紙は大ベストセラーとなり、もてない男が金に物を言わせて色男の真似事をする『江戸生艶気蒲焼』の主人公・艶二郎の顔は、手ぬぐいの柄にまでなった。傑作として名高いアンソロジーを、図版を撮り直し、全4冊で刊行。 === -
ぞくりぞくり 読むと寿命が減る話
怪談巧者三人が持ち寄った恐怖! 背筋が冷えるだけでは終わらない! 怖気とまでは言わずとも寒気をおぼえるような、仄かに恐ろしさが滲む怪談の数々! ひょんなことで集まった三人が披露する。 ・先輩に強引に入らされたバイト先で見た忌まわしいモノ「不動明王のいる店」 ・患者を看取る医者の身に起こった怪異「うらみぶし」 ・再生回数を稼ごうと入り込んだ凄惨な痕の残る事故物件、その顛末「逃走経路」(黒木あるじ) ・警察関係者が話す事故現場の怪異「もうひとりいる」 ・飼い犬のトレーニング先の家で遭遇した奇妙なモノの正体「白い犬部屋」(冨士玉目) ・都内のとあるゴミ捨て場の怪異「ゴミ箱ベロベロ」(平山夢明) ――など三様のぞくりの味わい、ご堪能あれ。 -
レーモンドさんの小さな家
婚約者の両親と初めての顔合わせで緊張する美里は、自分が苦手なもののせいで、両親を嫌な気持ちにさせていないかと不安になってしまう。どうすれば自分らしくいられるのかと悩む美里は、東京タワーを写真に撮ろうとしているのか、四苦八苦している青年に出会って言葉を交わす。彼が敬愛するレーモンドさんという建築家が手掛けた「ここにいていいよ」と言ってくれるような場所と聞いて、聖オルバン教会に足を踏み入れた美里は、張り詰めていた気持ちがふっとやわらぐのを感じる(「風が見える教会」)。ピアニストの道を諦めた良治は、娘が楽しくピアノを弾くのをいつも見守っていた。娘のコンクールの下見のため、娘とその友人を連れて音楽センターを訪れた良治は、娘の思いがけない言葉を耳にしてしまう。そんな中、建物そのものに感激している不思議な青年に出会って――(「ホールに満ちる生命の息吹」)。自然との調和を大切にした建築家アントニン・レーモンドの造った場所は、時間を超えて人々の「居場所」となっている。本当に大切なものに気づかせてくれる温かな短編集。 -
フーコーの振り子
「あの陰謀は本当なんです…殺されるかもしれない」 乾いた銃声とともに電話は切れ、助けを求める友人ベルボが失踪した。行方を追うカゾボンは、フーコーの振り子を抱くパリ国立工芸院に向かう。 テンプル騎士団の秘密にまつわる原稿が持ち込まれたミラノの出版社で、3人の編集者たちは錬金術や歴史の陰で囁かれてきた「陰謀」に引き寄せられていく。 カバラ、錬金術、グノーシス、薔薇十字、古代の超大陸から現代イタリアまで、古今東西の知識や伝承、オカルトや奇想が引用された博覧強記の冒険的ミステリー。 記号学の世界的権威であり、中世史については専門家をしのぐ著者が著した畢生の大作、待望の復刊。 巻末に、訳者による作品紹介『「語り」と「騙り」の見分け方――「フーコーの振り子」のメッセージ』を収録。 【全3巻】 -
シャーロック・ホームズは引退しました
名探偵シャーロック・ホームズの物語が人気を博する1932年、こちらロンドンはベイカー街。ホームズの作中住所に建つアビー・ロード住宅金融組合には、かの探偵の実在を信じる人々から依頼の手紙が届き続ける。組合で働くハリエットは、そんな手紙にひたすら「シャーロック・ホームズは引退しました」と断りの返事をタイプする日々を送っていた。しかしあるとき、メイドの失踪にまつわる切実な依頼を読んだ彼女は、ホームズの秘書を名乗り自ら調査に乗り出すことに……。名探偵に代わり挑む、変装、尾行、推理。清新なミステリシリーズ、堂々封切り!/解説=北原尚彦 -
陽と月
“才能がない者のためにバンドがあって欲しい。 上手く言葉が出ない者のために歌があって欲しい。 そのどちらもロックが昇華して欲しい。” 吃音の作詞家が、最愛の親友へ贈る、最初で最後のラブレター バンドで成功することを目指し、夢と現実の狭間を生きる、吃音症のバンドマン・月。太陽のような性格で天然だが、音楽の才能に溢れている親友のバンドマン・陽。 対照的な2人のバンドは、当初はどちらも華々しくデビューした。 しかし両者はその後、まったく違う道を歩んでいき…… 夢は叶わなかったら不幸なのか。売れたら本当に幸せなのか。そんな想いの中で揺れ動きながらバンドマンとして進んだ先に2人が見たものとは。 吃音症でもある「LEGO BIG MORL」のギタリスト・タナカヒロキが描く、圧倒的青春小説。 -
生まれ変わるなら犬か猫
【電子版巻末には秋鷲先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 【子犬編】大雨の日、目覚めたら子犬になっていた私を助けてくれたのは、不健康そうなお兄さんだった。決めました。激務の彼を、散歩に連れ出し運動もさせて、健康的な人生へと導くのです! 【子猫編】異世界で冷静な執事さんと明るい領主様に拾われた子猫の私は、その可愛さでお邸の人たちを虜にしている。そんなある日、大ピンチに見舞われた旦那様達を「愛されている猫ならでは」の方法で助けることに……! ――現実でハイスペック男子に溺愛される子犬と、異世界で陽キャのご主人様と冷静執事に溺愛される子猫。 もふもふに転生した女子が贈る、しあわせいっぱいの「愛され」物語。 -
ハンドレッドノート
YouTube総登録者数100万人&再生回数9億回突破!! 【ハンドレッドノート公式小説】 眠り姫・恵美まどかが「記憶」を駆使して数々の謎を解く! 「答え合わせをしよう」 「だって仕事したくないんだもん」 恵美まどかは、見たもの全てを記憶する天才。 しかしこの世の何よりも寝ることが好きで、眠り姫とも呼ばれている。 恵美が事務所を抜け出し、喫茶店《ライム》で仮眠をとりながらサボっていると、少女がドアを開けて入ってきた。 亡くなった彼の事故の真相を調べていると言う。 恵美は《ライム》のマスター・康介に言われ、仕方なく少女の話を聞くがーー -
LAフード・ダイアリー
LA(ロサンゼルス)に渡った映画研究者が、「食」を通して考えたアメリカ。 料理本批評エッセイ『食べたくなる本』で話題を呼んだ著者による、 ユニークな食生活エッセイ&体験的都市論。 文庫版の推薦コメントに三宅香帆!! 文庫版限定でタコスのレシピも特別収録。 「スロー対ファスト」とか「オーセンティック対リミックス」というような、 私自身これまで少なからず囚われてきた対立構図がある。 LAの食には、それを軽々と超える自由闊達な生命力があるようにも思えた。 「多様性」とは何か、それをいま、どう擁護しうるか。 こんにち最も切迫したこの問いに対する貴重なヒントを、 私はここでいくつも得ることになる。(本書「まえがき」より) 【目次】 なぜアメリカへ? LAフリーウェイとIN-N-OUTバーガー 季節のない寿司 ゲリラ・タコス カナダの自然食 ヴェニスのエキゾティシズム ジョナサン・ゴールド USC 「映画と牛の関係について」 LAの友人 記憶の襞 多様性と画一性 -
ワンダーキッド・レオ セレクション編 2巻 平凡なサッカー少年がイギリスの地で世界最高峰リーグに挑む話
<B>カバーイラスト、小林有吾さん(『アオアシ』)描き下ろし! 霜降り明星・せいやさん推薦! 「文字だけでここまでサッカーの試合を観られるのか!」 世界17カ国で出版!シリーズ累計40万部! 大ヒットサッカー小説の第2巻!</B> [推薦文] ファンタジーなのに、ファンタジーじゃない。 心躍るサッカー少年の冒険譚だが、ピッチ上での出来事は解像度が高くリアリティがある。 戦術眼を磨き、プレイ精度をあげていくレオ少年は、英国リーグのどこまで這いあがれるのか? ──幅允孝(ブックディレクター) アメリカの小さな町で生まれ育ったレオ・K・ドイルは、海を見たことも飛行機に乗ったこともない12歳のサッカー少年。ある日、レオのプレイを目にしたプロのスカウトから、プレミアリーグのビッグクラブ「ロンドン・ドラゴンズ」のユースチーム(通称〝アカデミー〟)のセレクションに招待される。 なんとか一次選考を通過したレオだったが、ライバルからのいやがらせや、まわりとの技術の差など課題は山積み。 セレクション合格へ向けた、レオの本当の挑戦が始まる。 ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
見習い同心と冥府の使者
押し込み強盗の捜査をしていた見習い同心の高村周(たかむらあまね)は、情報提供者に裏切られ左目を負傷する。生死の境をさまようなか獄卒だという青年――冥(めい)が現れ、自身の左目を周に与えることで命を救った。そして冥は命を救った礼として周に仕事を手伝うように要求する。周は同心の仕事の傍ら冥とともに未練を残してさまよう霊を冥府へと導くために奔走することに!? -
うちの若殿は化け猫なので
梓木奏一郎は、国許から突然江戸に呼び出され、若殿つきの小姓を命じられた。若殿の母たる殿様の御正室が化け猫で、いつぞや助けた化け仔猫が若殿だったというのだ。驚く奏一郎は若殿が屋敷から出ないように見張ることを仰せつかる。屋敷の周りに出没するあやかしたちを夜な夜な若殿が退治しており、大切な世嗣に万一のことがあってはならぬゆえに、ということらしい。そして、藩主は具合が悪く伏せっているというのだが――。 -
ジェームズ・ボンド・シリーズ
イギリスが誇る秘密情報部のスパイ、007のコードをもつ男――ジェームズ・ボンド。祖国の平和と安寧のため、さまざまな国を飛びまわり危険な任務を遂行する。パリ郊外の森で、最高機密の入った書類ケースを運んでいたイギリス陸軍通信部隊の伝令係が殺害された。秘密情報部の責任者Mの指令でボンドが犯人を追う表題作のほか、Mの友人であるジャマイカのハヴロック夫妻が無惨に殺され、ボンドが実力行使の正義をくだす「読後焼却すべし(フォー・ユア・アイズ・オンリー)」、イタリアで麻薬密売ルートを探る「危険」など全5編を収録。名手による新訳で贈る傑作短編集!/【目次】薔薇と拳銃/読後焼却すべし(フォー・ユア・アイズ・オンリー)/慰藉の定量/危険/稀少種ヒルデブラント/解説=吉野仁 -
本屋さんのある街で
本屋さんを愛する5人の作家が、 本屋さんを描く5つの物語 幼いころに読んでもらった絵本、 はじめて自分で買った小説、 発売が待ちきれなかった雑誌、 人生を変えた一冊……。 本との出会いを心の栄養にして、 ひとは成長していきます。 そんな本を届ける最前線にいるのは、 ままならないことの多い人生に向き合いながら店を開き、 日々、お客さんを迎える街の本屋さん。 人気作家5人が書店とそこで働く人たちへの愛をこめて贈る、 珠玉のアンソロジー。 【収録作】 『続きは書店で』 瀬尾まいこ 書店でバイトしたいと占い師のもとにやってきた若者。 店はあと1ケ月ほどで閉店することが決まっていた。 『歌うように生きて』一穂ミチ 飲み会で出会った中国出身の劉陸海。 「桜を見に行きませんか」と誘う彼が指定したのは、 意外な場所だった。 『手に取って見てみろよ』坂木 司 本屋の前でふられた。 結婚も考えていた職場恋愛の彼女に。 その勢いで退職し、友人の誘いで雇われ店長に……。 『小鳥たち』凪良ゆう 結婚生活を終わらせ、父の書店を継ぐことを決めた。 改装中のある日、かつて淡い想いを抱いていた同級生がやってくる。 『見晴らし書店の一日』三浦しをん 東京の西の郊外で曾祖父がはじめた小さな書店。 いまは、祖母と父親、失恋した私で営んでいる。 -
めしのせ食堂
ご飯が進む「めしのせ」が主役の小説です。 東京の東、葛西の住宅街にある「めしのせ食堂エコ」はカウンター5席の小さな店。デパートを定年退職し、自宅を改造して始めた女将の自慢のメニューは羽釜で炊いたご飯と味噌汁やスープなどの汁物、そして各地から取り寄せた「ご飯のおとも」の数々。そんな店にしたのは「めしのせの伝道師」こと長船クニヒコとの出会いがあったから。長船はバイヤーとして日本中を飛び回り、各地の名産や逸品、新商品を買い付けては店へ持ってきてくれる。醤油や味噌のコク、ニンニクやキムチ、カレーの風味などは食欲をそそり、オリーブオイルやラー油に漬けたものはパスタにも合う。営業時間は夜6時から深夜12時まで。出勤前のスナックのママや仕事を終えた会社員、工事現場の作業員、アルバイトの若者たちで、連日、賑わいを見せる。今宵も女将は「めしのせ」を薦めると、なんとはなしに語り出す客の身の上話に耳を傾けるのだったーー。『山口恵以子のめしのせ食堂』(小学館)から小説を大幅に加筆して待望の文庫化。小説家・山口恵以子の大人気文庫作品『食堂のおばちゃん』『婚活食堂』『ゆうれい居酒屋』に続く「食と酒」の新シリーズが誕生。 ※この作品はカラーが含まれます。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『山口恵以子のめしのせ食堂』 を加筆した文庫版となります。 -
土地と風水の怖い話
忌み地と龍脈。地球レベルの怪。 一族を根絶やしにする闇の風水術のカラクリとは? 土地建物の因果のエキスパート 漫画でお馴染み、あの工務店と設計士の「先生」が登場! 異能の者たちが暗躍する建築現場の最前線・怪事件異談録 運気の良い場所と悪い場所。目には見えない力が土地に作用しているとしか思えない事案がこの世にはある。 それら気の流れを巧みに操る呪術師は風水の力で繁栄を呼び込む一方、闇の建築技術を用いて凶を齎すこともできる。 そうした〈特殊事案〉に対応するある工務店と設計士の先生が実在する。 彼らのもとに持ち込まれたきな臭い案件、東北地方の旧家を巡る忌み地と龍脈の壮絶なる怪事件…「龍脈怪道」ほか、 飢饉で亡くなった者が遺棄されていた広島方面の忌み地に纏わる怪奇…「ナメラスジ」 一族の直系を根絶やしにする井戸じまいの因縁と障り…「井戸を埋める」 繰り返し夢に出てくる四ツ目の狐の正体と不動明王の力…「外来」 など恐怖と神仏奇瑞の体験・事象を蒐集した壮大なる異談全37話を収録! 「そいつは何だろうな。土地の因縁を流用したのか、はたまた土着の信仰を借りてやってるのかまでは現場を見ねえと判らねえが、面白そうな話じゃねえか。いいよ、引き受けてやるさ。だが今は抱えの件があるから、一週間後ってとこだな……」 腕を組んでニヤニヤと漏らす笑いは、まるで嫁いびりを楽しむ姑のような含みを帯びている。 とにかく先生は口が悪く態度も横柄に感じるが、付き合いの長い田中さんは、先生がこういう態度を取った時はむしろ「途轍もなく興味をそそられている時」なのを知っている。 ――「龍脈怪道(朱雀の章)」より -
怪談七変幻 紫紺
不思議を超えた異端の怪異譚集 異彩を放つ奇話ばかりが凝集! 7つの異形アンソロジー 「顔面にびっしり集まったガーベラ、肩口付近に密集する百合…」 動画に登場した奇怪すぎる妖の姿――(黒木あるじ「ムスビくん」より) 新人とベテランの怪談巧者が7名揃って、クセ強めな怪談でさまざまな恐怖を綴るアンソロジー。 ・引っ越しの手伝い中、四つん這いの男に追われる「廃棄品」(牛抱せん夏) ・生きる希望を失くしかけた女性の前に現れた戦慄の生物「黒い蠢動」(のっぺらぼう) ・送られてきた奇妙なメールと因果話「ユースト・トゥ・ラヴ・ハー」(鷲羽大介) ・生物を解体する夢を見続けていたある日の訪問客「ミナミカワ」(クダマツヒロシ) ・お受験教室の先生の恐怖「光るチョコレート」(多故くらら)、場末で生きる女性の異様な独白「飛田新地の姥ザクラ」(花園メアリー) ・ファミレスのガラスに見つけた奇怪な汚れ、そこから始まる奇譚「さるがお」(黒木あるじ) ――など。強烈な個性が刻む暗黒の味わいをご堪能あれ。 -
狂街怪談
人間の業はかくも恐ろしい… ヒト怖×心霊 報酬に釣られた怪しいバイト先、誰もいない店に現れる老婆の謎――「スキマバイト」より ヒト怖と心霊がクロスオーバー! 日常の隙間から覗く新たな恐怖の数々──。 ・夜の駅前での弾き語りライブの途中、立ち尽くす女が見ているのは…「なんで知ってるの」 ・握手会の警備中、推しカラーを身に着けた男が突然…「地下アイドルの警備」 ・ティッシュありますか? と声をかけられ振り向いたら巨大な男性がそこに「サンプリングバイト」 ・やさしそうな女医に治療を受けようとしたら…「歯科医院にて」 ・合コンで知り合った男性と二人きりになったら突然ハンマー を取り出した! 「どんどん崩れてるから」 ――など50話収録。 恐怖は闇の中どころか白昼でも襲いくる。逃げ場など、ない。 -
1+1
何を食べて、何を飲む? 人生に寄り添う 愛おしい味がある 俳句結社「水軍」の同人である瑤子は、行くべきかためらっていた。 同じ結社で人たらしの拓郎から誘われた、自宅での食事会。 直前に取った1本の電話が、その意味を変えてしまったから…… (「鱚のフライと白ビール」) それぞれの人生、それぞれの背景を持った、多様な登場人物たち。 当人たちが抱える“心のもや”が、 「ペアリング」を通して、少しだけポジティブへと変わっていく。 料理と飲み物、そして味わう2人。 2つの「ペアリング」をモチーフにした24編。 極上の掌編小説集を、ご賞味ください。 -
透明な夜の香り 燻る骨の香り
熱を帯びた薫りは、絡みついて、重く残る――。 『透明な夜の香り』『赤い月の香り』に続く、「香り」シリーズ最終作! 江戸時代から続く京都の香老舗・瑞雲堂。社長の娘である真奈には、飛びぬけた香の才能を持つ妹・丹穂がいた。亡くなった彼女の遺体を荼毘に付す際、あたりを満たしたのは、するはずのない最高級の沈香・伽羅の薫り。 葬儀から数か月後、真奈の前に「伽羅の骨」を探す男・新城と、生前の丹穂との約束を果たしに来たという調香師・小川朔が現れ・・・・・・。 香りのサロンを開く前、20代の朔を描いた前日譚にして完結編。 【著者略歴】 千早茜(ちはや・あかね) 1979年北海道生まれ。幼少期をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。翌年、同作にて第37回泉鏡花文学賞を受賞。13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。『ひきなみ』『赤い月の香り』『マリエ』『グリフィスの傷』『雷と走る』、食エッセイ『わるい食べもの』シリーズなど著書多数。 -
新版 御堂関白記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
摂関政治の頂点を極めた藤原道長の日記『御堂関白記』。著名な「この世をば」の歌が詠まれた夜の狂騒、政敵たちとの優美な暗闘、自身の病――、華やかな王朝文学の背後で、政務に邁進し、苦悩する道長の人間臭い実像を活写する。ユネスコの「世界の記憶」にも登録された自筆本等の現存する膨大な記事から、研究の第一人者が真実を伝える鮮烈な条を抽出して現代語訳。絶頂期を築いた男の視点から、平安貴族たちの正体に迫る。 平安時代というのは、ともすれば『源氏物語』に代表される文学作品を基にして考える傾向が強かった。平安貴族が実際に恋愛と遊宴にばかり熱中しているように誤解している人が多かったのである。しかし、女房文学も一面での真実を伝えているとはいえ、平安貴族の真実の姿、特に男性貴族によってとり行なわれる政務や儀式は、古記録を読み解くことによってしか解明できない。 『御堂関白記』の現存三八二四条の記事のなかから、比較的短めで初心者の方にも面白いものを選んで、現代語訳、訓読文、原文で掲げた。原文は誤字・脱字や漢文の誤りも、原文のとおりにした。長い記事については、なるべく一部のみを抜粋して掲げた。興味を持たれた方は、現代語訳でも訓読文でもいいから、『御堂関白記』の他の条もご覧になっていただきたい。『御堂関白記』と道長、ひいては平安貴族のすごさを、きっと実感していただけるものと思う。【はじめにより】 -
恋とはどんなものかしら
冷たくなった婚約者の王太子に悩むヴィクトリアはある日、“舞踏会で婚約破棄される当て馬令嬢”に転生していたことに気づく。ここは前世で攻略した乙女ゲームの世界。そして自分を待つのは、公衆の面前で婚約を破棄された上、幽閉という最悪の結末!? 未来を変えるべく逃亡計画を企てる中、ヴィクトリアは同級生の男爵子息シグルドに出会う。凄腕冒険者として活躍する彼の手を借り逃亡準備を整えていると、特待生(ゲームのヒロイン)に夢中になっていた王太子が何故か距離を詰めてきて──!? 「カクヨムコンテスト10」ファンタジー恋愛部門《大賞》を受賞した、身分差から始まる一途な溺愛ロマンス。 -
ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~
鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その店主は古本屋のイメージに合わない、きれいな女性だ。そしてその傍らには、女店主にそっくりの少女の姿が--。ビブリア古書堂の「その後」を描くシリーズ最新刊。 -
少女Aが消えたとき
千葉県美浜市のスーパーマーケット駐車場から、十四歳の少女が行方不明になった。誘拐・連れ去りの恐れから情報封鎖が実施されるが、報日新聞の記者「事件持ち」こと永尾は、ある手がかりを基に少女が姿を消したことをつかむ。県警幹部との取引で誘拐の報道をしないと約束する永尾。だが、この事件の報道を巡り支局内でトラブルが巻き起こる。一方、県警は同時刻に駐車場にいた前科のある人物を誘拐の容疑者として絞り、捜査を進めるが、県警捜査一課の刑事・津崎はその見立てにかすかな違和感を感じていた。少女が消えた理由とは? 警察と報道の存在意義とは? 事件を追う執念とあまりに切ない真相が心を飲み込む、一気読み必至の社会派ミステリ。 -
夏迷宮
柴田元幸、斎藤真理子、石沢麻依、推薦! きのう第三次世界大戦が始まった。銃後の日本に開園した大型テーマパークで起きる異変と、ユーラシア大陸を人魚とともに旅する1600歳の少女と戦災孤児たち――。時空を超えた物語が交差するとき、世界の歴史が書き換えられる。 オルタナティブな世界への祈りを込めた、新しい世界文学の誕生。 「さあ、世界を妄(みだ)りに変えましょう」と登場人物は呼びかける。「妄りに」の一言にこれほど豊かな意味が込められたことがかつてあっただろうか。その一語から伝わってくる作者の覚悟、気迫、恍惚。 ――柴田元幸 古川日出男は一作一作、日本に太い杭を打ち込むようにして歩いてきた。今、世界を踏み抜き、人類の記憶の爆心地に至る。渾身のその先へ。小説にはまだこんなにもできることがある。 ――斎藤真理子 不老の戦災孤児を生み、「平安」を推すテーマパークに酔う戦争と飢餓の時代。時間の箍が外れ、国境を越えて続く人魚と尼僧の旅と水脈が、迷宮を覆す舞踏のステップと共鳴したその時、歴史の不死性が結晶化する。戦争の影に覆われ平和を消費する世界の行方を、緊密な層をなして描き上げた素晴らしい小説。 ――石沢麻依 飢餓状態でヨーロッパとアジアの境界をさまよう日本人兵士は、禁断の人魚の肉を食べて不老の身となった尼と子供たちに出会う。原発事故後に招致された大型遊園地「郡山ピースランド」では、人気アトラクション「夏迷宮」に呼び起こされ、地中の湖に棲む幻獣が目覚めはじめる――。現代と古代、日本とユーラシア、神話と現実が呼応して生み出す圧倒的スケール。新たな戦争の時代に、古川日出男が放つ予言的長篇小説! -
月夜行路 Returns
あなたのことを、もっと知りたい。 夫と子どもたちとの生活のなかで孤独感を募らせ、家を飛び出した沢辻涼子は、洞察力と推理力に優れた美しいBARのママ、野宮ルナと出会い、共に大阪の街を巡った。人生を変える旅から東京へ戻った涼子が、ためらいながらも再びルナに会いたいと彼女の店を訪ねたちょうどそのとき、ルナのもとに古い型のノートパソコンが届けられる。開こうとするとパスワードに阻まれるが、ルナはパスワードを知らず、送り主にそれを聞くこともできないという。いったい誰が、何のために送ってきたものなのか。わからないまま涼子は、大阪で自分を助けてくれたルナのために、パスワード探しを手伝うことに。ヒントは、パスワード入力画面に設定された1冊の本ーー『吾輩は猫である』。 手掛かりの本を発端に行く先々で事件に巻き込まれながら、パスワードを試していく二人。ここにたどり着いてほしいーー願いを込めた仕掛けに挑めるチャンスは、5回。 -
練馬純情伝
「泣きそうなときは、宇宙(そら)を見るのだ」 「マガジン」も「ジャンプ」も奴らがいたから今こんなに面白い! 夢がみんなを駆動させた昭和40年代 実話に基づいた漫画家の卵たちの青春物語! 「夢に真摯に向かう姿って、こんなに泥臭くてかっこいい! 心の中で何かがキラキラした気がしました」 須原屋 ビーンズ武蔵浦和店 岩谷 妙華さん 世界に愛される「マンガ」 その一歩をつくった若者たちの泣き笑い青春ドラマ 手塚治虫、トキワ荘世代に続く、スター漫画家の登場前夜。 花森ミチオは、23区の西のはしっこ練馬でアシスタント生活を送っていた。 先生は、人気少女漫画家・牧村美弥子と、独特な作風で30歳を前に燻っている柿本あきら夫妻。 漫画漬けの日々をがむしゃらに生きる青年は、デビューの夢をつかむことができるのか? 明日は今日よりいい日になる 夢追うミチオの物語は、きっとあなたを熱く、幸せにする! -
半分の半分の半分
韓国日報文学賞受賞! 何歳になっても、泣いて笑って怒って愛して。人生はきっとなんとか大丈夫! あたたかくて生々しい傑作短編集。 ●収録作品 「私たちは私たちの味方となって」――旧友の娘に惹かれインタビューする小説家。 「父親になっておやり」――50年連れ添った父と「偽装離婚」した母の意外な言葉。 「半分の半分の半分」――チョゴリを脱いで水遊びする祖母。人生が輝く瞬間の記憶を描く。 「雲丹」――「おばあさん、すいませんが、この子をちょっと見てくれますか?」花見旅行は思わぬ展開に。 「ミョンジャさんに似て」――アメリカで父に守られてきた母。父を喪った後の人生の旅。 「私のやさしい乳首」――世を去ろうとしているキ・ギルヒョンさんの病室を訪れる女たち。 「春の夜」――老女二人の家に、ある日、赤ん坊を抱いた少女がついてきた。 「他の顔」――異国で暮らして30年、初めて盗難事件に遭って……。 「禁煙キャンプ」――年代も性格も生き方もさまざまな8人は、果たしてタバコをやめられるのか? ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
前崎中央高校科学部の事件ファイル
2年生に進級のタイミングで、東京の男子校から群馬県立前崎中央高校に転校してきた安井良。特別教室で活動している部活でも見学に、と思った放課後、化学室で奇妙な女子生徒を見かける。着崩した制服の上に白衣を羽織った金髪ギャルは、何と牛タンを焼いていた!? その女子生徒は、理系クラスのトップで科学部の2年生・木暮珠理だった。こんな強烈な出会いから科学部の面々と交流することになった良は、図書室の呪いの忌書事件、黄泉からの手紙事件、トンネルの悪霊事件に巻き込まれていく――。「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」優秀賞を受賞した、学園化学ミステリ!/【目次】#33 図書室の忌書事件……図書室である本を手に取ると呪われる!?/#34 黄泉からの手紙事件……下駄箱に届く白紙の手紙は黄泉からのメッセージ?/#35 トンネルの悪霊事件……丑三つ時にトンネルのまん中で手を叩くと悪霊に憑かれる!? -
虹いろ図書館のかいじゅうたち
心凍らせた少女かおりといじめを受けた少年ケン。体の中にかいじゅうを飼い、出口を探す二人にイヌガミさんと図書館の人々は――? 大好評シリーズ第3弾。世界は決してあなたを見捨てない。 『虹いろ図書館のへびおとこ』『虹いろ図書館のひなとゆん』に続く 大人気シリーズ第3弾! 柿ノ実町にある古い図書館。司書のイヌガミさんは今日も大忙し。 ある日図書館にやって来たのは、小学六年生のケンと、かおり。 図書館と学校の図書室が居場所のケンは、クラスのはせがわくんにいじめられていた。 お姫様の物語が大好きだったかおりは、ある出来事で心を凍らせている。 イヌガミさんとうつみさん、スタビンズくんたち図書館の人々と 本のあたたかさが、二人の心をじんわりと溶かしていく―― 【目次】 I 図書館に来た少年 II 『蛙の王さま、または鉄のハインリヒ』 III 『白鳥』 IV 『おかえりなさいスポッティ』 V 『やっぱりおおかみ』 VI 『チョコレート戦争』 VII 『アナンシと五』 VIII 『かいじゅうたちのいるところ』 IX 『時計つくりのジョニー』 X 『チューリップの絵本』 XI 『スイミー』 XII 図書館のおにいさん -
Disney Winnie the Pooh くまのプーさん ストーリーアート絵本
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 映画『くまのプーさん/完全保存版』の短編3話を収録! 『くまのプーさん』の世界観を、美しいデザインでじっくり味わえる、大人のためのアート絵本。 代表作3話を、映画のアートを用いて大胆にデザイン! 眺めるだけでも楽しい、オリジナルデザインのストーリー絵本です。 2026年10月14日、『くまのプーさん』は原作100周年をむかえます。 長年、多くの人たちに愛されてきたプーのお話や、たくさんの魅力的なキャラクターを、 美しいアートデザインとともに、じっくり味わってみませんか? 大切な人へのプレゼントにもおすすめです。 オールカラー96ページ ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
Disney Winnie the Pooh くまのプーさん プー語録
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『くまのプーさん』原作100周年! ありのままに、そのままに。いつでも”ぶれない”プーたちの心に響く言葉集。 長編アニメーションの中に出てくる、キャラクターたちの名言・迷言が一冊に! いつも自然体で、ありのままの自分を受け入れて過ごすプーと、その仲間たち。 勇気の出る言葉、心温まる愛の言葉、癒やしの言葉…彼らの言葉はきっとあなたの心を癒やしてくれるでしょう。 自分の心のお守りに、大切な人へ贈るギフト本としてもおすすめです。 オールカラー96ページ -
巴
バブル崩壊後の東京。ジゴロになって虚しく日々を送る男、大槻俊一は金蔓の一人としていた女を見送った後、偶然かつての仕事仲間と再会した。その仲間に強引に紹介された書家の篝山柾道という老人、その孫娘の朋絵という少女との出会いが、その後の大槻を翻弄することになる。 篝山は日本では公開不可能と思しきエロティックな映画制作を目論んでいるというのだ。朋絵はその映画に出演していた。大槻は映画制作に関わることを篝山に求められた。 大槻は気乗りのしないまま、映画制作に引きずりこまれていく――。 官能と暴力、謎と幻想……その後の著者の小説世界を予見させる、知的でありながら娯楽性をも湛えた著者初の長篇小説、初の文庫化。 -
メニューのないビストロ・コンプリス 悩める夜のマリアージュ
恵比寿にあるこぢんまりとしたビストロ・コンプリスは、料理担当の藤堂朱莉と、お酒担当の椎名透がふたりで営む、マリアージュが評判のお店。客の好みに合わせて提供される唯一無二の料理とお酒は、そのおいしさで心をほぐし、時に人間関係まで「調和(マリアージュ)」させてしまうようで……? 彼女とうまくいかない男性、正反対な友人同士、ぎこちない父娘などの悩みを、おいしく解決するコージーミステリ! -
それは誠
きらめきに満ちた、高校生の一日限りの冒険 第40回織田作之助賞、第74回芸術選奨文部科学大臣賞をW受賞!! 青春小説の新たな名作にして、第169回芥川賞候補作。 修学旅行で東京を訪れることになった高校二年生の「僕」、佐田誠。 誠は、スクールカースト上位の大日向やクラスの人気者の小川楓から、いつも余りものになってしまう男子たちまで、奇妙な七人がそろった「三班」の一員となった。 東京修学旅行では、このメンバーと二日目の自由行動をともにすることになる。 皆が東京で行きたい観光地の名を提案し合うなか、誠にはどうしても行きたい場所があった。 それは生き別れになった、大好きなおじさんの住むところ。 彼らは自由行動の一日を使って、先生たちにも秘密の小さな冒険に出ることに。 道中のきらめく景色とささやかな会話が、やがて誠たちのかけがえのない一日に満ちてゆく。 高校生たちの生の輝きを捉え多くの人々の胸を揺さぶった、青春小説の傑作。 【絶賛の声、続々】 あやうく落涙するところでしたよ。 ――川上弘美さん(作家・芥川賞選評より) 胸がじんじんして、家の中を歩き回ってしまった。 ――堂園昌彦さん(歌人) 数多ある青春小説の名作と並べてもまったく見劣りしない。 ――吉田修一さん(作家・芥川賞選評より) 小説を読む喜びが、ことばにも、ことばのすきまにも、詰まっている。 ――いしいしんじさん(作家) 傑作。衝き動かされ、日野市へ行ってしまった。この小説と自分の肉体を、つなげたいと思った。 ――古川日出男さん(作家) 魅了されている。誠たちの生きる世界のめくるめく目映さに。 ――大塚真祐子さん(文筆家・元書店員) 単行本 2023年6月 文藝春秋刊 文庫版 2026年4月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
別冊ダ・ヴィンチ 有栖川有栖のミステリな世界
火村英生、江神二郎、濱地健三郎――魅力的な探偵たちと謎を追い、ミステリ界の最前線で活躍し続ける有栖川有栖を徹底解剖! ロングインタビューに書斎紹介、単行本未収録作品や、火村シリーズの書き下ろし短編を収録。 さらに「ダ・ヴィンチ」「怪と幽」ほかに掲載された特集記事や貴重な対談も再録します。 【新規収録】 ロングインタビュー「有栖川有栖と三人の探偵」 火村英生シリーズ書き下ろし短編「足跡と轍」 未収録短編「猫が消えた」 グラビア「有栖川有栖の書斎探訪」 論考 杉江松恋、千街晶之、朝宮運河 作者コメント付き!有栖川有栖全小説ガイド 【再録】 対談・鼎談 一穂ミチ、土屋礼央、法月綸太郎、山崎ハルタ、米澤穂信、北村薫・宮部みゆき 漫画 麻々原絵里依、山崎ハルタ ルポ「作家の犯行現場[中之島編]」「有栖川有栖と行く幻想鉄道旅」 講演「推理小説の世界」 ほか -
ジョヴァンニの部屋
ボールドウィン生誕100年 代表作を記念復刊! LGBTQ文学の傑作 アメリカで再注目されている黒人文学作家であり、マルコムX、キング牧師らとともに60年代公民権運動の中心的役割を担った思想家でもあるボールドウィンの生誕100年を記念し、代表作を復刊する。 小説の舞台は50年代のパリ。パリに遊学中のアメリカ人青年デイヴィッドは、婚約者ヘラが長期旅行で不在の間に、バーで知り合ったイタリア人男性ジョヴァンニと恋愛関係になり、ジョヴァンニの部屋で二人は同棲生活を送るうちに、デイヴィッドは封印してきた過去がよみがえり、苦しみを募らせる。婚約者ヘラが戻ってくると、デイヴィッドは自分の気持ちを押し殺そうとするが……。 「内なる自分と出会ったときの恐怖、罪悪感、喪失感をこんなにも激しく魅力的に描くことのできる作家がほかにいるだろうか。――いま、われわれの作品として大きく呼吸を始める」(金原瑞人「解説」より) -
運命と希望
北欧史に残る謎を子孫が描く、圧倒的野心作! 「自分以外には扱えない主題と、 それを実際に物語として形にできる筆力。 その両輪を備えた作家のみが作ることのできる物語。 うらやましい。」 ――漫画家・幸村 誠氏(『ヴィンランド・サガ』) 1436年春、後にスウェーデン最古の貴族ナット・オ・ダーグ家として知られる一族の一人息子モンス・ベンクトソンが、反乱指導者エンゲルブレクト・エンゲルブレクトソンを斧で殺害した。モンスはエンゲルブレクトの忠実な従者であったが、殺害の動機は600年が経った今も謎のまま。その北欧史の謎を、モンスの子孫である著者が史実を基にフィクションという形で解き明かした野心作。 家族、戦争、反乱、愛と裏切り、権力欲と奸計。ブロマンス、シスターフッドも盛り込んだ圧倒的面白さ!『1793』三部作で北欧ミステリー界に実力を知らしめ、第76回日本推理作家協会賞(翻訳部門)を受賞した著者による傑作歴史ミステリー。 -
良いこと悪いこと シナリオブック
TVer再生回数が日本テレビレギュラードラマ歴代1位を更新した『良いこと悪いこと』(主演:間宮祥太朗×新木優子)のシナリオブックが発売! 全10話+Huluオリジナルストーリーのシナリオを完全収録。さらに、本書でしか読めない〈脚本家・ガクカワサキ×プロデューサー・鈴木将大 対談〉も掲載! ドラマの誕生秘話や放送中に話題となった伏線、なぜ主題歌に「アゲハ蝶」を起用したのか、実はこんなエンディングもあった、などの裏話が収録されており、SNSで白熱した“考察”の答え合わせもできる本として、ドラマファンには欠かせない一冊に仕上がっています。 ※紙版書籍に収録されている冒頭口絵については電子書籍版では掲載がございません。予めご了承ください。 -
トイレの怖い話
その個室、あなた一人? 最も身近で最も逃げ場のない場所 「トイレ」に纏わる超厳選怪談集 誰もが毎日使う「トイレ」。学校や駅、公園のトイレ─その個室の扉を閉めた瞬間、あなたは本当に一人だろうか。 ・学校の怪談話を確かめに旧校舎に入った男子生徒は…「花子降臨」(黒木あるじ) ・タクシー運転手が休憩場所に使っていた公園のトイレ、ある夜のこと…「公園の便所にて」(鳥蔵柳浅) ・壮絶な幼少期を送った女性の避難場所はトイレだった。やがて…「入ってます」(つくね乱蔵) ・女友達と温泉旅館に泊まった夜の恐怖「旅館で」(西浦和也) ――ほか小田イ輔、神薫、黒史郎、真白圭、いたこ28号による書き下ろし24話を含む選りすぐり、トイレばかりの怖い話を全54話収録。 -
秀長暗殺
天正十九年一月、大和大納言たる豊臣秀長が自らの城で毒殺された。彼個人に対する恨みか、それとも豊臣政権に対する不満か。いずれにせよ、このまま放置すれば、大和大納言家、ひいては豊臣の世が揺らぎかねない。そこで、一刻も早く事件の首謀者を見つけるべく、秀長の股肱の臣、藤堂高虎が秘かに動くことになった。疑わしき者は四人。千利休、徳川家康、豊臣秀吉、そして石田三成。いずれも当代きっての権力者だ。高虎は愚直にも、正面からこの曲者たちに話を聞いていく。そうして彼らと対話をするうちに、高虎が知らなかった、豊臣政権の抱える闇が徐々に明らかになっていくのだが―― -
私たちが刈り取った男たち
全米批評家協会賞最終候補作! 最愛の弟をはじめとする、五人の親しい男たちの相次ぐ早世。自身と家族たち、仲間たちの苦悩と苦闘。そして、アメリカ南部で黒人として生きていくことの困難。全米図書賞を二度受賞した、現代アメリカ文学最重要の作家による、痛切なメモワール。 私はターシャとブランドンの言葉を思い出し、ログを殺したのは何者なのか、私たちを間引いていくのは何者なのか、考えた。ログの死は自らの行為、彼自身の心臓がもたらした結果だ。ならば私たちを殺す〈何者か〉とは、私たち自身なのだろうか? それともこうして死が累々と重なっていくそばで、愛する者たちが死んでいくそばで、私はなにか、もっと大きな物語を見落としているのだろうか? そもそも相手は人間なのか? ヘッドライトの明かりが闇のなかに銀色の筋となって浮かびあがり、ふいに、その〈何者か〉が闇のようにとほうもなく広大で、底なしで、すぐそこに迫っているような気がしてきた。私は音楽を止め、歌の語りを消して、甲高い虫の鳴き声と窓のそばをひゅうと過ぎていく熱風だけに耳を傾け、家路をたどった。それらのなかに物語を聞き取り、私たちの筋書きを書いている〈何者か〉の正体を突き止めてやろうと試みた。(本書より) 【内容目次】 プロローグ ここは狼の町 遠い過去~一九七七年 ロジャー・エリック・ダニエルズ三世 一九八一年三月五日生まれ 二〇〇四年六月三日没 私たちが生まれる 一九七七年~一九八四年 デモンド・クック 一九七二年五月十五日生まれ 二〇〇四年二月二十六日没 私たちは傷つく 一九八四年~一九八七年 チャールズ・ジョセフ・マーティン 一九八三年五月五日生まれ 二〇〇四年一月五日没 私たちは見ている 一九八七年~一九九一年 ロナルド・ウェイン・リザナ 一九八三年九月二十日生まれ 二〇〇二年十二月十六日没 私たちは学んでいる 一九九一年~一九九五年 ジョシュア・アダム・デドー 一九八〇年十月二十七日生まれ 二〇〇〇年十月二日没 私たちはここにいる 謝辞 訳者あとがき 【著・訳者プロフィール】 ジェスミン・ウォード (Jesmyn Ward)(著) ミシガン大学ファインアーツ修士課程修了。マッカーサー天才賞、ステグナー・フェローシップ、ジョン・アンド・レネイ・グリシャム・ライターズ・レジデンシー、ストラウス・リヴィング・プライズ、の各奨学金を獲得、および2022年米国議会図書館アメリカ・フィクション賞を受賞。『骨を引き上げろ(Salvage the Bones)』(2011年)と『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え(Sing, Unburied, Sing)』(2017年)の全米図書賞受賞により、同賞を2度にわたり受賞した初の女性作家となる。そのほかの著書に小説『線が血を流すところ(Where the Line Bleeds)』、『降りていこう(Let Us Descend)』およびメモワール『わたしたちが刈り取った男たち(Men We Reaped)』(本書)などが、編書にアンソロジー『今度は火だ(The Fire This Time)』がある。『わたしたちが刈り取った男たち』は全米批評家協会賞の最終候補に選ばれたほか、シカゴ・トリビューン・ハートランド賞および公正な社会のためのメディア賞を受賞。現在はルイジアナ州テュレーン大学創作科にて教鞭を執る。ミシシッピ州在住。 石川 由美子(いしかわ・ゆみこ)(訳) 琉球大学文学科英文学専攻課程修了。通信会社に入社後、フェロー・アカデミーにて翻訳を学び、フリーランス翻訳者として独立。ロマンス小説をはじめ、「ヴォーグニッポン」、「ナショナルジオグラフィック」、学術論文、実務文書など、多方面の翻訳を手掛ける。訳書に、『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』、『骨を引き上げろ』、『線が血を流すところ』、『降りていこう』(以上作品社)など。
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