「俺はユーチューバーになる」と宣言する父親と娘のお話
絵を描くことが好きな小学5年生の海香
将来は美大に行きたいと思っているが、父 勇吾はゲストハウスを営んでいるものの経営は他の人に任せっきり
自分は色々な商売のアイデアを思いついては失敗している
また、度々「東京に行ってくる」と数日間家を空けるこ
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そんな経済観念を持つ父親のため、進学費用はないであろうと見越している海香
同級生の間で流行っているユーチューバーのヒカリンの収入の話題を父の前で話したところ、「俺はユーチューバーになる」と宣言する勇吾
勇吾はユーチューバーとして成功するのか?そして、ユーチューバーとして有名になろうとする意図とは?
YouTuberという仕事のものすごく単純化したお仕事小説の側面
PVを稼ぐための工夫
編集、テロップ、特色、流行の段階、事務所、コラボ
ネタの過激化、そして炎上
世の中に簡単に儲ける仕事はそうそうないというのがわかる
勇吾のアイデアマンの特徴から、こち亀的な展開になるかもなぁとは思ったけど、まぁそんなもんでしょうねぇ
所々から感じる勇吾への不信感
事情があるにせよ、毎晩の深酒、海香の将来を顧みないようなお金の遣い方、海香との身勝手な関係の築き方、責任感の欠如が甚だしい
あと、一休をここに連れてきたのに結局同じようなな激務に追い込んでいるように思えるところはどうなのよ?と思う
こーゆー人ってやっぱり苦手
YouTubeは失敗できる環境(炎上案件を除く)
失敗するとわかっていても身をもって経験することの重要性
なんだかんだ言い訳をしてやらない事への批判など
実際に行動に移せる人や、それに結果が伴う人もそうそういないのではなかろうか
そんな世間一般的な自己啓発本に書かれてある事も上手くストーリーに取り込んでいる
ただ、そんな流行り物を扱ったお仕事小説なだけではなく家族の物語としての側面
ミステリではないけどネタバレ禁止という前情報があったため、色々と序盤で推測できる
元気の素性とか、勇吾の目的とか、海香との関係性など
思わせぶりな描写も結構あったのでね
勇吾がYouTuberとしてテレビに出る=有名になることにこだわっていた事や時々東京に行っていた事とか
虎太郎を含めて昔のエピソードの年数を考えればねぇ?
ただ、実際問題そんな簡単な手続きじゃないと思うんだけど、物語の本質とはズレるので言及はしない
途中からは「はいはい、この手の話ねー」と展開が読める
でも、わかっていても泣かされましたけど、何か?
親の不器用な素振りに隠された想い、親と子の絆
オチの演出としてもタイトルに相応しい展開でよい