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高永家の子供たちは四兄妹。中学の新米教師で正義感の強い長男、いわゆる美容男子である高三の次男、スカートを穿いて進学校に通う高一の三男、いちばん如才なく兄たちのことを観察している中二の末娘たちだ。父親は再婚しているけれど、離婚した「ママ」も気ままに子供たちに会いに来る。そんなフクザツな家庭で過ごす四兄妹が夏休みを経て、新学期の「9月1日」を迎えるまでを描いた青春家族小説。9月1日、それは学校に通う子どもたちにとって、とても大きな意味をもつ日――。
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Posted by ブクログ
胸がギュッとなる瞬間がたくさんあった一冊でした。
高永家の四兄妹の連作短編集。
学生時代って、毎日が本当にしんどいよなぁとつくづく思う。
自分をしっかり持っていることはとても大事なことだけれど、それが周りから受け入れられないこともある。自分が思っている自分と、周りから見えている自分が全然違うこともある。
大人でもしんどいのに、10代の頃にはもうこの世の終わりのように感じるだろうと思います。
四兄妹のそれぞれの辛い思いで、読んでいるこちらも胸が締め付けられて、外出先で読んでいたのに涙がこぼれそうでとても困りました。
でも、この兄妹は理解し合えていたのでそれが救いでした。理解してくれる人がいるかいないかで世界は全く違ったものになります。
四兄妹の中で唯一10代ではなく仕事をしている長男が、この物語の中では大人、世間の目の役割をしていて、彼がだんだんと弟、妹のことを理解していく様子が印象的でした。中高生にはもちろん、大人にもぜひ読んでもらいたい一冊です。
Posted by ブクログ
YAの書架にもおいてティーンエイジャーにも読んでほしい。『しずかな日々』を読んだ時も思ったが、それぞれの年代の子どもの心理描写がすごい。そして本作でも同じく、登場する大人たちがとてもよい。児童文学では特に大人がよい人間でいてくれることがとても救いになるし、物語があたたかいものになる重要な要素だと思う。本作の4兄弟(長男は社会人、中学校教師で子どもたちと真剣に向き合っている)のそれぞれの視点で描かれる心の内がリアルに迫ってくる。特に末っ子の中2の民の章ではささいなことをきっかけにいじめのターゲットになっていく様子が現代のSNS事情などをからめてリアルに語られる。本当にいじめなのかどうか判断に迷うような微妙なライン上にいきなり投げ出された者の痛みが伝わってくる。子ども社会だけじゃなく大人にとっても同じだと思うけれどSNSでの中傷や属している集団から無視されることは、まさに真綿で首を絞められるに等しいことで、死の寸前、またはボーダーラインを超えてしまうことは何ら不思議ではないと改めて感じた。
中学生の自死など思いテーマも含まれているが、家族や友人たちの中でお互い少しずつ成長し次の一歩を踏み出す希望が見えるラストでよかった。
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