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子どもにとって絵本とは?――それは確かな手ごたえのある世界が存在し、そこへ入り楽しむことができるもの。『ぐりとぐら』『てぶくろ』『どろんこハリー』など、読み継がれる絵本にはどんな仕掛けがあるのか。日本のイラストレーション史における赤羽末吉、安野光雅、加古里子らの魅力と重要性とは。福音館書店で数多の名作を手がけた著者による不朽の絵本論。解説 古川信夫
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Posted by ブクログ
絵本を描く人には傍に長く置いておきたい本だと思いました。講義を受けているような感覚になりましたし、読んだことのない絵本を読むきっかけにもなりました。
「絵本は子供に読ませる本ではなく、大人が子供に読んであげる本です」「絵本の世界は鮮明な印象を心に残す」子供は「絵を読む」 ・子供にとって「絵本とは」創造する事への出発点となる ・子供が絵本で見て楽しむものではなく絵本の世界に入って楽しめるものでなければならない ・大人の読み方:心を開いて素直に語りか...続きを読むける姿勢:子どもに語りかけることに努める 「絵本」の大切なところは、絵が変える力、文が書ける力、物語の世界を構成する力、絵と文章の組み合わせ方に独創的な方法を持つこと。(絵が文の説明としてはいけない)よく知っている「桃太郎」は平安時代から時代の妄想を描きながら伝わった、とある。江戸時代の「桃太郎」は嫁取りの部分を強調し、明治時代は社会主義者から軍国主義者へと物語の主旨が変わった。 絵本を作るにあたっての心構えは、大人の独りよがりに陥らないこと、絵本を評価するとき大人の粗雑な思い込みの言葉で語らないこと、子供の声をシカと聞くこと、と言う。
絵本編集者による「絵本とは何か」に次ぐ絵本評論 「絵本は子どもが読む本ではなく、大人が子どもに読んで聞かせる本だ」「子どもがはいっていって楽しむことができる絵本」といった独自の感性、 「自分の内面に表現したいものがなければ編集者ではない。読者の側からの発想ができなければ編集者ではない。つくりだすと...続きを読むいうことへほ主体的な取り組みがなければ編集者ではない」といった職人魂で、様々な絵本を解説
1978年の本が文庫化。現代の幼児をとりまく言語環境は、「早く」のような、言葉というより掛け声の騒音語と、テレビから流れてくる聞き流すための機械語に満たされている。そのため、生きた言葉に触れることがなかなかできない。絵本は子供に「楽しい」と思わせるために、言葉や絵を表現として使う。その物語る力を知る...続きを読むきっかけになった。また、子供はどのように絵本を見るかというところから大人の見方との違い。そして、桃太郎の変遷から、元々語られてきたというライブ感、戦時中のための思想に使われたという話も興味深かった。
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