自衛隊物を得意とする福田和代の声掛けによって、実現した陸海空の自衛隊のアンソロジー。
陸上自衛隊の看護官を描いた「明細の天使」
ダイヤモンド・プリンセス号に派遣された看護官の畠山。
きちんとした情報が無い中で、ダイヤモンド・プリンセス号での治療に当たった皆さんには頭が上がらない思いをずっとしてきた。
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その当事者である畠山を通して、未知のウイルスへの恐怖と自衛官である矜持との間で揺れ動く心の描写が絶妙であった。
いつ自分がかかっても分からない中で、実際医療関係者の方たちの必死の努力があったことが裏付けられた作品だった。
南極観測船を舞台とした「氷海」
海上自衛隊が南極観測隊の輸送を担っているということを今作で初めて知った。
少し前に「南極物語」のデジタルリマスタが放送されていたので、描かれる氷の世界が目に浮かぶよう。
そして、自衛隊の中での優秀な人物しか乗ることを許されない南極観測船。
知らない世界で、とても興味深かった。
ラストは航空自衛隊を舞台に描いた「空のプライド」
正直内容はイマイチ。
コードネームで呼び合うのも、、何だか違和感。
バードストライクの話をメインで描いているのかもしれないけど、軸が分かりにくかった。
それでも陸海空全ての自衛隊のお話は、常日頃、日本や国民を守るために訓練を頑張ってくれている隊員の方に感謝の気持ちでいっぱいになる。
災害は別として、これ以上自衛隊の方々が危険な局面に出会わないように、祈らずにはいられない。