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新聞社の文化部で各界の著名人たちと交流し、活躍していた姉信子に憧れていた妹の笠原祥子。楽しみにしていた東北旅行に出発した信子だが、行き先の仙台ではなく浜松で踏切事故に巻き込まれ亡くなったという、衝撃の知らせを祥子は受ける。確かに遺されたトランクは姉のもの。だが仕事の手帳がなくなっていた。二人きりの姉妹で、姉は今まで祥子に嘘はつかなかった。誰か同行者がいて、社会的立場上、事故現場から姉を見捨てて逃げ出したのではないか。運よく姉と同じ職場に勤務することになった祥子は、姉の仕事相手のクセの強い著名人たちに、疑いの目を向けていく。そんな中、先輩社員の野口知枝が多摩川川畔で何者かに殺された。この事件を機に社会部の青年記者吉井の協力も得て、姉の死の真相を追いかける祥子だが、手がかりとなる関係者が次々に不審死を遂げる。祥子の見立ては正しいのか? そして姉の死の驚くべき真相とは?
巨匠松本清張の正統派ミステリー、読みやすい新装版に!
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Posted by ブクログ
R新聞社に勤め、文化部の記者をしていた姉の信子が死んだ。静岡県の浜松市近くで起こったバスの衝突事故で。休暇を使って伯父の住んでいた仙台に向かっていたはずの姉が何故――? 死んだ姉のハンドバッグからは定期入れが抜き取られていた。誰かが姉と一緒に行動して、死んだ姉を見捨てて逃げたのだろうか。文化部長の口利きで姉の後を継ぐように、R新聞社に入社することになった妹の祥子は、記者として働く中で、姉の同行者をひそかに探しはじめる――。
というのが本作の導入。600ページ近くのそれなりの長さを持った作品ですが、松本清張の淀みのない(そして古びにくい)文章の読み心地の良さもあり、そんな長さを感じない作品になっています。うさん臭さのある犯人候補、連鎖するように起こる事件、孤独な闘いの中で現れる協力者……そして謎を追っていくうちに浮き彫りになっていく真相の〈醜さ〉や〈愚かしさ〉、〈どうにもならなさ〉に、とても魅力を感じてしまいます。
Posted by ブクログ
新聞社の才媛たる姉信子は妹祥子に告げた行先と違う場所でバス事故死。知り合いの同乗者が見捨てたと推理した祥子は縁故採用で新聞社に入社し各界の著名人達の中に犯人がいると睨み調査するが関係者が不審死を遂げていくサスペンス。
読後感としては祥子及び周囲は信子の優秀さを褒めていたが、寧ろ妹の方が男のあしらい方(主要人物の大半が彼女に肉欲的関心がある様な動きをしている)や事件を調査する行動力が優れている。
警察でないためにアリバイ調査や罠の掛け方が上手くいかずギリギリのところで死人が発生するというのはサスペンスとして上手くできている。あまりにも手際が良いので自分は犯人が解明編まで分からなかった。最後に決着をつけるところがスッキリした。
Posted by ブクログ
好きな話ではあるが、所々違和感(疑問)あり
ミステリとして
・前半は、姉の死で独りになった主人公が華やかな場に身を置き色んな人や土地に出会っていく展開にわくわくしたけれど、途中から特定の人物や自動車に拘っていて停滞を感じた
・とくに、自動車の話を細かく掘り下げていた割に種明かしの内容は粗く感じた
・謎解きが説明的に詰め込まれており、余韻がなかった。探偵役との受け答えもなく、犯人同士の会話の中で一気に説明&調書で補足しており、それまでの丁寧な描写とのギャップを感じた
人物描写として
・主人公がタフすぎる。姉とは顔も成績も就職先も違い、そんな姉からの圧倒に満足しているという冒頭の記載から、妹は普通の子なんだと思っていた。けど実際は姉と同じ職場で働いていけているし(働きながら事件の真相も追う)、顔も姉に似ていると言われる。ポテンシャル高かったんだなーというのに何気に驚いた。眠っていた力が花開いて姉をも凌ぐ、という感じ。
物語進行のノイズだからなのか本人が躓くシーンがなかったが、急に孤独になり、職が変わり、関わった人が(自分の行動も起因して)次々亡くなったら普通は気おかしくなるでしょと思い、主人公についていけない部分あり
・そもそも何故姉がすごいという描写をしたのかな。妹→姉の尊敬を示すにしても、姉の能力をそんなに強調しなくても成り立つのではないか?
・犯人たちが、主人公に怪しまれていると勘付きながらもデートの誘いにるんるんで応じるのが能天気すぎる
・主人公が犯人にとって最も危険な人物なのに命を狙われなかったのは、さすがに姉と妹両方に関与すると事件間の繋がりがばれちゃうから?
でも、姉を亡くした妹の激闘物語と思えばいいのかも。
犯人も、役を全うするプロ犯人じゃなくて普通の人。説明のつかない行動だってする。その方が、生っぽい。
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