皇帝廟の花嫁探し ～就職試験は毒茶葉とともに～

藤乃早雪

第８回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門《特別賞》受賞の成り上がり後宮ロマンス！

家族を養うため田舎から皇帝廟の採用試験を受けに来た雨蘭。しかし、良家の令嬢ばかりを集めた試験の真の目的は皇太子の花嫁探しだった！
何も知らない雨蘭は管理人として雇ってもらうべく、得意な掃除や料理の手伝いを手際よくこなして大奮闘。なぜか毒舌補佐官の明にまで気に入られてしまう。しかし、明こそ素性を隠した皇太子で!?
超ポジティブ思考の雨蘭だが、恋愛は未経験。皇帝廟で起こった毒茶事件の調査を任されてから明の態度はますます甘くなっていき――。

【登場人物】
・雨蘭（ゆーらん）
田舎で生まれ育ったが、家族を養うため都で仕事を探している。
並外れたポジティブ思考の持ち主で料理が得意。

・明（みん）
現皇帝の孫で皇太子。
美青年だが女性が苦手で、皇帝廟では身分と容姿を偽っている。
口は悪いが面倒見の良い一面も。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内小説
• 出版社: KADOKAWA
• 掲載誌・レーベル: メディアワークス文庫
• 電子版発売日: 2023年12月25日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 3MB

[ブクログ · ★★★☆☆]

雨蘭がフィジカルもメンタルも激強なので、陰湿なイジメに耐性強く、笑って読めるという。
馬も顔負けな脚力とスタミナ。
大の男抱えて歩けるパワフルさ。
ゆえに、そんな彼女が泣いた場面は衝撃的だった。
読んでいるこちらがそうなのだから、明様の抱いた衝撃は如何許りか。
お察しである。

最初は女性ばかりの花嫁選びの場で、田舎娘が居場所を獲得していく展開。
途中から、毒茶に関わる真相を探るミステリに。
最後は明様との恋愛の決着という感じで、内容が変化していくように感じた。
毒茶の真相は想像つきやすかったので、絡まったこの状況をどう解すのか、そちらの方が気になった。
絡まった状況と言えば、明様との恋愛面もか。
言葉が決定的に足りないから、彼は。
そして、雨蘭は物覚えが悪いわけではないが、頭を使いすぎると鼻血出しちゃうタイプだから、はっきり言わないと察してくれないという。

そこを悟って開き直った明様は完全に別キャラでしたね……惚れた女を落とすと決めたお偉いさんは怖い怖い。