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Posted by ブクログ
海辺の町で緩く繋がる短編集。
この町は多分私がかつて住んでいた町だ。
山育ちの私は海への憧れが強く、一度でいいからと会社を辞めて移り住んだのだが、経済的にうまく行かずその地を離れた苦い思いがある。
この小説の人びとの様にもう少し根を張れなかったかと悔やむ。
何しろ海の風景描写がいい。
そしてそこで生活をする人達の、あまりの当たり前さ。
更には綺麗に見える風景に垣間見える闇。
それでも生活は続く。
最後の『鯨骨』が本当にいい締め方をしていて、切なさが大半を占めるものの明るさも差しているのが良かった。
が、私の一番は何と言っても『渦』。
主人公の梓がそのまんま私で、何なら恥ずかしい位だった。
ママ活こそした事はないが、夫の偉そうに説教を垂れる感じ、夫からは得られない安らぎを他に求め暴走する場面は分かりすぎる程分かる。
自分が出来てない分、離婚出来てすっきりとした気持ち。
だから星5つ。
Posted by ブクログ
各お話の読後感が似ていて、ふしぎだった。本当に海のように、さらりとしていながらも、髪や肌にはすこしベタつきが残る、でも気持ちはスッキリするような。切ないお話も多かったけど、梓さんと櫂くんのお話が1番好きだった。
p.260 いつだったか、二人で海岸を撮りに行った日。知らない女の人が、浜辺に座って泣いていた。潮田はその人にカメラを向けることなく、海を撮り続けながら言った。
海も涙も、しょっぱいじゃん。だからさ、実は海は、たくさんの生き物や、人間や、もしかするとこの星自体が流した涙が、流れ着いて集まった場所なのかもしれない。この星は涙でできていて、海は乾くことはない。だからみんな、海に泣きに行くのかもしれないな。
Posted by ブクログ
この間、カツセマサヒコさんの「あのときマカロンさえ買わなければ」を読んで、小説も読んでみたくなり、海が好きだから、読むことにした。
よかった!7つの章で構成されていて、それぞれ違う主人公。少しずつ人につながりがあったりする。
みんな、海の近くに住んでる。それもいい。
海関連の名前を持っていたりするのもいい!
海が出てくる本好きになること多い。
「岬と珊瑚礁」って章が一番好きだった
特にこの部分
『大丈夫、だと思う。なぎとくんの昔一番好きだった色が水色で、今日のTシャツの色も、それだし。』
こういう感じの好き
あと、ここも苦しいくらい感情が分かった
『高校時代、部活の後輩と同じ電車に乗ることになって、話すこともないから黙っていたら、「俺、ここでおりるんで」と、後輩が言った。センパイぶったわけではないが、「またな」と俺は告げて、なんとなく、そいつの背中を目で追った。すると後輩は、ドアを出てから猛スピードで走っていき、同じ電車の、ふたつ先の車両にまた乗り込んだ。
そのときの、居心地の悪さ。それに近い何かを、ふと、感じていた。』
表現も好きだった。好きなとこ抜粋
『またみんなが憶測を紙ヒコーキのようにら飛ばし始めた。』
紙飛行機じゃなくて、ヒコーキってしているところが、鋭い感じしていいなと思った。
『あらゆる変化を拒み続けて天然記念物みたくなっていた父さん』
出てくる描写や想いがいいなと思えた。
家族関係の話も多く出てくる。「海のはじまり」思い出した。舞台海だし。
他のカツセマサヒコさんの本も読んでみようと思った。
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