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貧困、暴力、搾取、死。 自らを「宇宙人」と呼ぶ男の人生は、はたして“絶望”なのか――。 木原音瀬が挑む新境地。 漫画家・平庫ワカ氏によるカバーイラストにも注目! 「ジブンは地球の人間じゃない。早く宇宙の星に帰りたい」 自称「宇宙人」の男・ムラは、ドヤ街でホームレス生活を送っていた。空腹に耐え、過酷な日雇い労働をし、ある時には金をだまし取られながらも淡々と日々を過ごすなかで、ひとりの芸術家の青年に出会う。そんなある日、「星」にいるはずの父親の遺体が解体現場から発見される――。
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Posted by ブクログ
木原さんならではの後味で、「そうだ、この人の本はこういう味だったな」と思わされた。 それもまた人生。
ドヤ街で日雇いで生活するムラさん。 「ジブン」は宇宙人でいつか迎えが来て帰ると信ている。 幼いまま大人になってしまったみたいで「ジブン」 知〇障害なんだろうなと。 人に騙されお金を貸しても返してもらえると信じていたりと人を疑う事を知らない。 ある日出会った「カン」さん。 成り行きでカンさんの家に...続きを読むお世話になる事になった「ジブン」 そこでの生活がとても居心地よく辛い時もカンさんに癒されてこのままでいられたら良いのにと思っていたけれど、カンさんの居ない時に空腹たねかえてした行動がカンさんからのまかさの「拒絶」にあい読んでいてもどかしく苦しかった。 思った事を口に出して何故言わないの?と何度も思いましたが言えないのが「ジブン」なのであってとにかく悲しかった。 そしてラストの「いいなぁ」 先生の作品だとしみじみ感じました。
終始ムラの一人称で展開していく。 『箱の中』の喜多川と通じるところがある。 自らを客観的に把握できる第三者的な視点を持っていること、持てること。 それを欠くと世界はこんなにも... 〜〜〜以下(ちょっとだけ)ネタバレかも〜〜〜 木原先生は商業本の完結編を同人...続きを読む誌で書かれるパターンが結構多いので、期待してしまいます。
これは、木原さんじゃないと書けないというより木原さんじゃないと成り立たないんだろうなぁ わたしなんぞの頭にある言葉ではムラの生を表せないし、読み終わった自分の感情すら言語化できない。 木原さんはほんとに唯一無二の作家さんだなぁ。 読むたびに圧倒される。
もうさあ………。 著者、何を食べてどう考えたら、こういう内容の本を 「書こう」 と、思いはるんやろうね…。(悪口ではない) すごいな。色々な意味で。 まやまシリーズがわりとハートフル(著者比)やったから油断してたわ。 何この、何も始まってなけりゃ何も終わってないのに何とも言えない感触だけ残され...続きを読むる感じ。 しんどい生き方すぎるのに、このしんどさの終わりないやん。 なにかわかりやすい「しんどいこと」があって、それをなんとか乗り越えて、克服していく、と、いう話ではなく、「日常」がしんどいというか…。 ムラにとって生きづらいであろう世界に、生きやすくするすべはない(ことが「日常」)ので救いがないというか…。 そもそも「救われる先」すらムラにはないというか…。 そういう、出口のなさがしんどい…。 惑星てそういう意味か……。 排泄ネタが苦手なのは前述の通りなので、そういう意味でちょっとしんどかったかもしれん。 …正月早々読んだ本が立て続けに…(笑)。 ちょっと、ハートウォーミング小説を読もう。
父や母のいる宇宙の星に帰りたい 日雇いなどで暮らしながらも、星からの迎えを待つムラ 芸術家を志すカンとの出会い カンとムラと一緒に生活していく中で、微かな絆が生まれていくが、ある出来事がキッカケで、穏やかだった歯車が狂ってしまう。 ムラは父親の注意を忘れ、東北の現場(原発?)に向かう車に乗ってし...続きを読むまう。きっと「ここは辛いなぁ」と言いながらも、カンさんにお金を返そうと働き、いつかまた、カンさんに会いたいと願い続けるのだろう。 カンさんは、自分の言動でムラがいなくなってしまったと自分を責めるのではないだろうか。 誰が悪いわけではないが、なんとも切ない、やりきれなさを感じる。
ジブンは、宇宙人だと思っているムラ。 彼はホームレス生活や日雇い労働をして暮らしている。 生きづらさを感じているだろうが、それを表現できずに淡々と暮らしている。 母が出て行った記憶もあり、父と一緒に働いた記憶もあるのだが、それがいつだったのかは定かではない。 ただ、早く父や母のいる宇宙の星に帰りたい...続きを読むらしい。 ある日、解体現場で遺体が発見され、それが父だと判明するのだが、ジブンの星にいると思っているムラは信じない。 足を挫いた雨の日に芸術家の青年に助けられ、前に会ったことのある坊主のお兄ちゃんだと思い出す。 そのままそこで泊まることになり…。 一人称で語るムラに精神障害があることや生きづらさはジブンが宇宙人だからだと思っていることに周りは気づいているのか、見えない明日にどうやっていくのか… 気になって仕方なかった。 ページを捲る手が止まらず、ムラから目が離せなくなる。 特に目を引くようなことや驚きもないはずなのにムラが最後まで気になった。
主人公ムラ 彼が自分で見ることのできた社会 理解できた物事 を一人称で描く 彼は貧困の中に育ち、母親からのネグレクト 人物像としては、それだけでなく先天的な精神的障害をも持たせているかと思う 母親が失踪した後 父親は、ムラに土工の仕事を教え その社会の中で生きていく約束事を伝える 父親が不在とな...続きを読むっても それに忠実に生きようとする 母親から自分達が宇宙人だと教えられ いつか自分の星に帰ることが彼の希望 生きにくさを異星人であるからと納得して 達観とは違う 彼は真理がわからない 俯瞰とも違う 彼の視野は狭い 彼の善悪の基準は父親の教え それに無いものは、理解を放棄する この社会は彼にとって別の惑星 生きづらさを越して一人では生きられないほど そんな彼に芸術家の卵の青年が手を差し伸べる 優しさなのか 寂しさなのか 変人なのか 青年は理解できないムラの生活を支えてきたが ラストのムラの認識を超えた事柄に 「マジで 今、ちょっと無理なんで」 と、距離を置き冷静になる時間を求める 貧困と暴力と孤独と不認識 それゆえに純真でもあるのだけど そう、私も同じ気持ちだった この小説は無理かなと サイン会の特別記念プレゼントは 作ムラの小冊子 10ページに満たない 13行の この小説の後のムラの言葉 そこから ストーリーには続きがあるはず 青年に再び会える為のムラの変化 その後に期待しております
凄い世界観でした! 一人称小説で、初めは謎が多く、どういう方向性のお話なのかなってページを捲っていくうちに話に惹き込まれ、いつの間にか夢中になって最後までいっきに読んでしまいました! 主人公ムラさん、掴めそうで無自覚のまま掴みきれてないものをどうか掴んで欲しいなぁ。 続きが読みたくなるストーリーでし...続きを読むた!
読み終わった瞬間頭に浮かんだのは 「え、どうしよう」 でした。 ずっとムラの後ろについて ムラを見てきたような気持ちで読んでいました。 それはこうだよ、とか 今のはこういう意味、みたいに 教えたいけど自分の声は届かない、透明人間になったような。 不格好でも彼が暖かい時間を過ごしたのを見たから こ...続きを読むの結末が悲しい。 エピローグも解説も 続編の告知もない。 どうしよう……… (追記) 生れた場所や境遇によって 見える世界や感じ方ってすごくすごく違うけど 絶望のなかにまれにある救いみたいなものを考えさせられたなと思いました。 それもまたあっけなく遠のくこともある まとまりません
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木原音瀬
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