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貧困、暴力、搾取、死。 自らを「宇宙人」と呼ぶ男の人生は、はたして“絶望”なのか――。 木原音瀬が挑む新境地。 漫画家・平庫ワカ氏によるカバーイラストにも注目! 「ジブンは地球の人間じゃない。早く宇宙の星に帰りたい」 自称「宇宙人」の男・ムラは、ドヤ街でホームレス生活を送っていた。空腹に耐え、過酷な日雇い労働をし、ある時には金をだまし取られながらも淡々と日々を過ごすなかで、ひとりの芸術家の青年に出会う。そんなある日、「星」にいるはずの父親の遺体が解体現場から発見される――。
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Posted by ブクログ
終始ムラの一人称で展開していく。 『箱の中』の喜多川と通じるところがある。 自らを客観的に把握できる第三者的な視点を持っていること、持てること。 それを欠くと世界はこんなにも... 〜〜〜以下(ちょっとだけ)ネタバレかも〜〜〜 木原先生は商業本の完結編を同人...続きを読む誌で書かれるパターンが結構多いので、期待してしまいます。
ジブンは、宇宙人だと思っているムラ。 彼はホームレス生活や日雇い労働をして暮らしている。 生きづらさを感じているだろうが、それを表現できずに淡々と暮らしている。 母が出て行った記憶もあり、父と一緒に働いた記憶もあるのだが、それがいつだったのかは定かではない。 ただ、早く父や母のいる宇宙の星に帰りたい...続きを読むらしい。 ある日、解体現場で遺体が発見され、それが父だと判明するのだが、ジブンの星にいると思っているムラは信じない。 足を挫いた雨の日に芸術家の青年に助けられ、前に会ったことのある坊主のお兄ちゃんだと思い出す。 そのままそこで泊まることになり…。 一人称で語るムラに精神障害があることや生きづらさはジブンが宇宙人だからだと思っていることに周りは気づいているのか、見えない明日にどうやっていくのか… 気になって仕方なかった。 ページを捲る手が止まらず、ムラから目が離せなくなる。 特に目を引くようなことや驚きもないはずなのにムラが最後まで気になった。
主人公ムラ 彼が自分で見ることのできた社会 理解できた物事 を一人称で描く 彼は貧困の中に育ち、母親からのネグレクト 人物像としては、それだけでなく先天的な精神的障害をも持たせているかと思う 母親が失踪した後 父親は、ムラに土工の仕事を教え その社会の中で生きていく約束事を伝える 父親が不在とな...続きを読むっても それに忠実に生きようとする 母親から自分達が宇宙人だと教えられ いつか自分の星に帰ることが彼の希望 生きにくさを異星人であるからと納得して 達観とは違う 彼は真理がわからない 俯瞰とも違う 彼の視野は狭い 彼の善悪の基準は父親の教え それに無いものは、理解を放棄する この社会は彼にとって別の惑星 生きづらさを越して一人では生きられないほど そんな彼に芸術家の卵の青年が手を差し伸べる 優しさなのか 寂しさなのか 変人なのか 青年は理解できないムラの生活を支えてきたが ラストのムラの認識を超えた事柄に 「マジで 今、ちょっと無理なんで」 と、距離を置き冷静になる時間を求める 貧困と暴力と孤独と不認識 それゆえに純真でもあるのだけど そう、私も同じ気持ちだった この小説は無理かなと サイン会の特別記念プレゼントは 作ムラの小冊子 10ページに満たない 13行の この小説の後のムラの言葉 そこから ストーリーには続きがあるはず 青年に再び会える為のムラの変化 その後に期待しております
凄い世界観でした! 一人称小説で、初めは謎が多く、どういう方向性のお話なのかなってページを捲っていくうちに話に惹き込まれ、いつの間にか夢中になって最後までいっきに読んでしまいました! 主人公ムラさん、掴めそうで無自覚のまま掴みきれてないものをどうか掴んで欲しいなぁ。 続きが読みたくなるストーリーでし...続きを読むた!
これからムラはどうなるんだろう、最後契約したところからなんらかの理由で出てカンさんと幸せに暮らしてほしいな、
Web連載のときには最初は読みづらさを感じたものの先が気になり引き込まれ続きが気になって待ち遠しくて更新を楽しみにしてました。ここで終わるの?って衝撃を受けたので、単行本は加筆があるとのことでどんなラストになるのかも気になり(救いも求めて)一気に読んでしまいました。 ムラ視点中心なのでムラの惑星に迷...続きを読むい込んだ気分。まだ引きずってます。最近の木原先生はハピエンが続いてた気がしてたので油断してた。えぐられました。 胸が苦しい。でもあぁ好き…この世界観。ってなる不思議な魅力なのがまさに木原音瀬先生の作品。 コミコミ特典のカードにあるSSは、宮口の結婚式の二次会とその帰り道のカンさん視点。カンさんがムラを探してしまう、心にムラがまだいることが救い。(宮口は本編で来月結婚するって言ってたのでそんなに月日は経ってないはず) 北の海の近く(原発?)に実は行ってなくて、まだ近くにいてカンさんがムラを見つけてまた拾ってくれないかな…。切ない。悲しい。このままだと母親と同じくムラも搾取され続けて… 表紙カバーを外したら、なんとイラストが。雰囲気あって素敵です。カンさんもみたかったなぁ。 余韻冷めやらずまたパラパラとめくって読んだ ムラとしては、カンさんのところにはもう住めないけど寝床とご飯代払わないといけないという意識はあるから、原発に行ったとしても帰ってくる!…あ、いやムラは近所でも迷子になるくらいだから…うわああ カンさんは飼い猫の気もちについて語ってたけど、猫をムラになぞらえて考えてしまった。ムラはカンさんのことは恋愛感情はなさそう(ないというか疎い)だけど心地よくて好きであったんだから、なんとか探し出してまたふたりで穏やかに暮らしてほしい。 ムラの父親は誰になぜ殺されたんだろう? 恨みをかうような性格ではなさそうだし、お金貸した人とかかな…。まだ謎もあるし、続きが読みたい。 先進国日本でも、仕事を選べずに、文化的な生活からはじき出されてしまい人がしたがらない仕事にだまされるように流されたどりついて利用されてしまう人がいる…などと色々んなことが頭をめぐって惑星の世界からなかなか離れられない。
主人公ムラによる完全な一人称の小説。ムラの目を通して世界を見るため、ムラがわからないところはわからないし、話を聞かなかったら会話も描写されない。記憶もあやふやで、人の感情の機微もわからない。それでも、小説を読んでる読者はわかってしまう。 そこが面白かった。 ネット連載の単行本化。連載のその先がわかる...続きを読むかなと思ったが、特典SSで少しわかる程度。 続きが読みたいです。
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