小説 - 切ないの検索結果
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4.3「ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない? 自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか」 失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、<虫>によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを――。
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3.0ある日、目の前に死神が立っていた。その正体は同じクラスの茅野花織。彼女に連れられ向かったのは、僕の唯一の肉親、叔母の入院先だった。 いつからか、この世界から『忘却』される人が現れたという。少しずつ存在が薄れ、そして『死』とともに完全に忘れ去られる。そんな人々の未練を解消する彼女の――死神の見習いとなった僕は、大切な人との最期の「繋がり」を求める人々と出会う。そんな中、唐突に告げられる僕と彼女の最期の仕事。その時蘇る、僕のとある記憶とは――。 鎌倉を舞台に描かれる、ひと夏の『忘却』と運命の物語。
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4.3夫がいても、息子がいても、恋はするわ。 名門高校に息子を通わせる縁で出会った3人の母たち。 浮気相手と失踪した夫を待つ杏、 不倫夫に悩むセレブ妻・まり、 専業主夫を持つバリキャリ妻・優子――三様の人生はやがて交錯し始める。 それぞれが夫に不満や諦め、怒りを抱え、 落第寸前の息子たちへの不安も募る。 これまで築き上げてきた人生、キャリア、そして家族―― 守るべき尊さと、何か物足りない虚しさを奥底に秘めた3人がふとした瞬間に向き合ったのは、「妻」でも「母」でもない、「女」としての自分だった。 平凡な毎日に突如現れた“恋”との出会いは、母たちの人生に何をもたらし、何を失わさせるのか。 『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』などの代表作がある柴門ふみの同名漫画を原作に、『セカンドバージン』『大恋愛~僕を忘れる君と』など社会現象を巻き起こした名ドラマを世に送り出した大石静が脚本を執筆。 木村佳乃、吉田羊、仲里依紗という豪華キャストが織りなす母たちの惑い、揺らぎ、エロスが話題となったドラマでは、心に響くセリフも多数。 読み返す度に、彼女たちの迷いに共感し、よろめきにトキメキ、強さに背中を押されるサプリメントのような一冊です。
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3.970年代、80年代、90年代~行間からヒット曲が聴こえる。 2039年。 今まさに、この世を去ろうとしているラジヲ君は、 音楽の神様から、「恋するラジオ」を渡された。 「恋するラジオ」は、音楽を愛した者だけに手渡されるもので、 人生の中で、とりわけ印象的だった音楽と、その音楽が響き渡った街を、 一つひとつ確かめる時間旅行への操縦桿のようだ。 ―――あの日、あの時に戻れたら…… あなたの「恋するラジオ」からは何が流れるだろう? あなたが、人生の最期に聴きたいのは誰の曲? アリス、サザン、達郎、オザケン、クイーン、そして、ビートルズ・・・ 恋するラジオに誘われて、時空を超えた音楽の旅が今、始まる! 懐かしくも甘ずっぱい、著者初の「音楽私小説」。
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3.9この社会に生きる全ての人々がきっと笑顔になれる、唯一無二の“ラブでない”コメディ 「恋愛や性的な話を振られてもよくわからない。でも愛想笑いをしていれば大丈夫……」 咲子は、そんなもやもやとした気持ちを家族や友人、同僚に理解されないまま、恋愛や結婚を促され続け、居心地の悪さを感じていた。そんなある日、「アセクシュアル・アロマンティック」というセクシュアリティを自認する男性・高橋と出会い、驚くと同時にどこか救われた気持ちになる。 誰にも恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれないふたりが、自分たちなりの生き方を模索すべく始めた共同生活は、家族、同僚、元彼、ご近所と周囲に波紋をひろげていく。その生活の先にある、それぞれの「幸せ」のあり方とは!? NHKで話題沸騰のドラマ「恋せぬふたり」の小説版! ドラマの脚本を手がける作家・吉田恵里香による完全書き下ろし! 〈目次〉 第1章 「兒玉咲子、高橋を知る」 第2章 「高橋羽、擬態を試みる」 第3章 「咲子、自分語り再び」 第4章 「高橋、未知との遭遇」 第5章 「咲子、お別れをする」 第6章 「咲子、次に進む」 第7章 「咲子と高橋と、一人の女」 第8章 「恋せぬふたり」
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3.9やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。 その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。 善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。 「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」 変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられかった彼が辿り着く地獄とは? 斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!
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4.2靴職人を目指す高校生の歩橙(あゆと)は、同じ学年の青緒(あお)に恋心を寄せている。彼女はいつもボロボロのローファーを履き、友達も作らず、ひとりぼっちで笑顔を見せたことすらない。歩橙はそんな青緒に手作りの靴をプレゼントしようと思い立つ。不器用に、真っ直ぐに、恋する気持ちを靴に込めようとする歩橙。そのひたむきな想いに触れ、青緒も次第に彼に惹かれてゆく。しかし青緒は、彼を愛おしく思う気持ちが身体に痛みを与える不思議な病を発症してしまう。歩橙の言葉が、愛情が、してあげることのすべてが、青緒の身体を焦がすように傷つけ…。切なく胸を焦がす、かけがえのない恋の物語。
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3.5※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 恋はいつも少し足りない。 それでもたったひとりの君に巡り会うために恋をする―― 著者TikTok総再生回数2500万回超! 1ページで泣ける恋の超短編集、待望の文庫化。 140字小説のパイオニア・神田澪が紡ぐ、“恋”の物語のみを集めた140字小説集。 文庫化にあたり新たに書き下ろし作品も収録。 甘酸っぱい青春から切ない別れまで、165通りの恋の物語を楽しむことができる1冊です。 【著者について】 神田澪(かんだ・みお) 熊本県出身。2017年よりX上で140字ちょうどの物語を投稿し始める。時に感動を呼び、時に切なくなる物語が支持される。SNSの総フォロワーは16万人を超える(2025年10月時点)。主な著作に『最後は会ってさよならをしよう』『最後は笑ってさよならをしよう』『真夜中のウラノメトリア』(以上、KADOKAWA)、『私達は、月が綺麗だねと囁き合うことさえできない』(大和書房)、『すべての季節に君がいて』(シンコーミュージック)。
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3.34年間行方不明だった親友の足は、動かなくなっていた――。高校時代にいつも一緒だった翔・健司・萌子の時間は、1本の電話をきっかけに再び動き出す。美しく才気あふれた翔のやりきれない現実に戸惑う健司とその恋人・萌子。さらに翔には親子ほど歳の離れた「妻」がいて――。25歳の男女は挫折と迷いを経てどんな明日を見出すのか。
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3.8※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『あすなろ白書』『愛していると言ってくれ』『ロングバケーション』『ビューティフルライフ』『オレンジデイズ』など、数々の名作ドラマを世に送り出した北川悦吏子氏による、大人の女性のための贅沢な恋の詩集。極上の言葉とあさぎ空豆氏の写真とが織りなす世界に引き込まれます。書き下ろしの詩に加え、自身のTwitterにおける人気連載「空から降るツイート」からも選りすぐりのツイートを掲載。ツイートの選出にあたり、フォロワーの方々から多くの票が寄せられました。
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3.0触れた相手を安らぎに導く不思議な手を持つ撫子は、どんな子どもも眠らせるという評判から子守りとして男爵家に勤めていた。けれど孤独な身の上で、幼い頃から愛されることを知らなかった。 ある時、勤め先の主人に迫られていたところを皇宮軍人・朝霧優雅に助けられる。撫子の力を知ることとなった優雅に、「厳しい教育で心を患ってしまった帝の御子――幼い東宮さまの心を癒やしてほしい」と頼まれ、撫子は彼と契約婚を交わして女官として宮廷に上がることに。 新参者への風当たりは強いものだったが、宮中の文化に戸惑いながらも、ひたむきに仕事に励む撫子。その行動が、閉鎖的だった東宮御所にやがて新風をもたらしていく。 当初は東宮のための任務と割り切り、「妻としての役割は求めない」と言っていた優雅も、徐々に撫子に惹かれていって――。 愛を知らない少女と不器用な軍人の、帝都宮廷ロマンス!
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3.0凱国の後宮で不正を取り締まる宮正の魏蛍雪は、刑部令の祖父から皇帝の傍仕えを命じられた。大好きな捕り物のために女性武官に扮して後宮に入ってくるというのだ。渋々引き受けた蛍雪だったが、皇帝と対面したその日、早速事件が持ち込まれて……。ワケありコンビが不可解な事件の謎を追う! 数々の事件の裏には、後宮の闇が!? 中華後宮ミステリー堂々開幕!!
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4.0黄鈴雨(こう りんう)は国で唯一、命ある人形「魂人形」を作ることができる。 けれど人が怖くて友達は魂人形の毛毛(マオマオ)だけ、祖母のくれた猫の仮面がないと人と話すこともできないひきこもりの十八歳だ。 ある日、帝から「不幸続きの後宮の妃たちを守れ」と勅命が下る。 鈴雨は猫の魂人形の毛毛を連れ後宮で働きはじめる。仕事はできるが感情が希薄すぎる官吏・李長雲に世話をやかれながら、妃たちと心を通わせ、鈴雨の世界は少しずつ広がっていく。 けれどその裏で国を揺るがす謀略が張り巡らされていて――。 絆と成長の傑作アジアン・ファンタジー、開幕! ※特典として、発売記念書き下ろし短編【毛毛散歩】を収録しています。
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3.6【無料試し読み版】今こそ読むべき、日本の快挙。圧倒的歴史エンタテインメント元防衛大臣 石破茂推薦!―1900年春、砂塵舞う北京では外国人排斥を叫ぶ武装集団・義和団が勢力を増していた。暴徒化して教会を焼き討ち、外国公使館区域を包囲する義和団。足並み揃わぬ列強11ヵ国を先導したのは、新任の駐在武官・柴五郎率いる日本だった。日本人の叡智と勇気を初めて世界が認めた、壮絶な闘いが今よみがえる。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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3.51944年2月、ナチス・ドイツの空襲がつづいているロンドン。13歳のバーティは空襲警報を受け、民間防衛隊の伝令係としてはじめての任務のため、街へ飛びだしていった。自転車のかごにのっている相棒は、救助犬のリトル・ルーだ。大あわてで自転車をこいでいたバーティは、女の子にぶつかってふたりとも転んでしまった。女の子が立ち去ったあと、バーティは通りで一冊のノートを拾う。それは秘密諜報員になるための訓練を受けた女性のもので、文章の後半は暗号になっていた。ノートを道に落としていったアメリカ人の少女エレノアに再会したバーティは、ノートを書いたフランス人女性・ヴィオレットが行方不明になったと知る。彼女を探すため、エレノアと探偵志望の友だち・デイヴィッドといっしょに、ノートの暗号の解読に取り組むが……。数々の文学賞に輝いた児童文学作家が贈る、子どもたちの勇気と謎解きを描くミステリ!
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4.5独演会チケットは即日完売! 講談普及の先頭に立つ稀代の講談師 六代目 神田伯山の著書、いよいよ登場!! 講談ゆかりの地を訪ねて、 講談の魅力を発見するーー。 伯山が名作講談の舞台となった場所を訪ねて、 講談の持つ物語としての魅力を紹介します。 また、他芸能・他ジャンルの城ともいうべき場所を訪ねて、 講談という芸能の未来について再考しています。 現場に行っての論考だからこその臨場感が迫ってきます。 2021~2022年の1年間にわたった 文芸誌「群像」連載を大幅加筆。 加えて、師匠・人間国宝の神田松鯉氏との 師弟対談も収録! 目次 第一部 講談の舞台を訪ねる 第一章 『赤穂義士伝』泉岳寺が伝える四十七士の虚実 第二章 『天保水滸伝』房総に遺された侠客たちの息吹 第三章 『源平盛衰記』壇ノ浦で死して生きる源氏と平家の物語 第四章 『出世の春駒』愛宕神社の石段数とリアリティ 第五章 『四谷怪談』お岩さまと伊右衛門夫婦のフィクション性 第六章 『寛永宮本武蔵伝』巌流島に伝わる決闘の真実 第二部 来るべき講釈場のために 第七章 国技館と相撲幻想 第八章 歌舞伎座での新たな邂逅 第九章 いまを生きる寄席の魅力 第十章 日光東照宮で想う江戸の講釈 第十一章 失われた講談の城、本牧亭の面影 特別師弟対談 人間国宝・神田松鯉に講談の神髄を聞く
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4.0「王子光(ワンツーコアン)」とは何か。滅びの街の物語 汚穢と奇怪な噂に満ちた街の奇妙な出来事 空から黒い灰が降り、ゴミと糞で溢れ、様々な奇怪な噂が流れる幻の街の出来事を、黒い笑いと圧倒的な文体で描いた世界文学の最前線。 黄泥街は狭く長い一本の通りだ。両側には様々な格好の小さな家がひしめき、黄ばんだ灰色の空からはいつも真っ黒な灰が降っている。灰と泥に覆われた街には人々が捨てたゴミの山がそこらじゅうにあり、店の果物は腐り、動物はやたらに気が狂う。この汚物に塗れ、時間の止まったような混沌の街で、ある男が夢の中で発した「王子光」という言葉が、すべての始まりだった。その正体をめぐって議論百出、様々な噂が流れるなか、ついに「王子光」がやって来ると、街は大雨と洪水に襲われ、奇怪な出来事が頻発する。あらゆるものが腐り、溶解し、崩れていく世界の滅びの物語を、言葉の奔流のような圧倒的な文体で語った、現代中国文学を代表する作家、残雪(ツァンシュエ)の第一長篇にして世界文学の最前線。残雪研究の第一人者でもある訳者の「わからないこと 残雪『黄泥街』試論」を併録。
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4.2「『文學界』にこの作品が掲載されるときは、心配で夜も眠れなかった」(著者談)――本作は雑誌発売と同時に大きな反響を呼び、津村さんの不安を吹き飛ばす賞賛の声が相次いだ。2005年2月に舌癌と診断された、夫で作家の吉村昭氏。舌癌の放射線治療から1年後、よもやの膵臓癌告知。全摘手術のあと夫は「いい死に方はないかな」と呟き、自らの死を強く意識するようになる。一方で、締切を抱え満足に看病ができない妻は、小説を書く女なんて最低だと自分を責める。吉村昭氏の闘病と死を、作家と妻両方の目から見つめ、全身全霊で文学に昇華させた衝撃作。第59回菊池寛賞受賞。
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4.0異人館街にある隠れ家カフェの裏家業は人助け。闇落ちしかけた心、祓います。兵庫県出身・神戸市在住の著者がおくる、あやかし×刀剣和ファンタジー。 故郷を捨て鬱屈とした日々をすごしていた浅緋は、黒いあやかしに襲われ、異人館街にあるカフェバーの店主・桐夜に助けられる。桐夜の正体は古の時代から、不思議な刀を使い心の闇に憑く魔を祓う一族「鬼人」の生き残りだった。彼の「仕事」に惹かれ、押しかけバイトになった浅緋はやがて桐夜たち鬼人の過去を知り……。 モダントレトロ、六甲の豊かな自然が織り交ざる街・神戸。お人好しヤンキーと美貌の鬼人が奇妙な運命で引き合う――
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3.52022年2月5日に急逝した著者の、読者からの熱烈な要望によって実現した未刊行小説集。 完結した小説としては著者最後の作品となった表題作をはじめ、著者の本領たる藤澤清造“歿後弟子”としての覚悟を扱った3篇を収録。 北町貫多30歳、地元に残された藤澤清造資料の調査に本腰を入れるため、東京の自室とは別に七尾に部屋を借りる(「廻雪出航」)。貫多31歳、七尾の部屋に清造の書簡を飾るため額装を依頼したが、思ってもいない仕上がりになる(「黄ばんだ手蹟」)。死の前年、53歳の貫多の姿を描く。ここ数年の自身を振り返り、“歿後弟子”の責を全うすべく新たなスタートを誓う(「蝙蝠か燕か」)。
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3.01945年、晩秋。日本は太平洋戦争に敗れ、朝鮮半島で生まれ育った阪上群青は、母と引揚船に乗った。だが船中で母とはぐれた直後、群青は何かが海に落ちる音を聞く。その場にいたのは赤城壮一郎という男。ひとり下船した群青に〈謎の中年男〉が「赤城が君の母親を海に突き落とした」と告げる。疑惑を拭えぬまま、群青は声をかけてくれた赤城とともに「焼け野原の東京」を生き抜くことに。戦後の混乱期、上野の闇市で商売をするうちに人々が衣食の次に欲するのは「清潔」だと気づいた二人は石鹸会社を立ち上げた。困難に立ち向かう日々のなか、群青にとって赤城がかけがえのない存在となっていく。だがそんな群青の前に引揚港で遭遇した〈謎の中年男〉が姿を現し、衝撃の事実を伝えた。果たして二人の行きつく未来は・・・・・・。瓦礫から這い上がった少年は、その瞳にどんな未来を映すのか。『炎の蜃気楼』『遺跡発掘師は笑わない』の著者が贈る、混沌の時代を生き抜いた男達の、反骨と絆の物語!
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4.4母さんを殺したのは、俺だ――。 許せなかった。自分自身も、父の再婚も、大好きだった音楽も。 高校2年生の羽山陽介は母を亡くした幼少期の記憶に今も囚われていた。 男手一つで育ててくれた父と、突然紹介された父の恋人に懐く無邪気な妹。 あの人が家に来るたび作ってくれるカレーは、母の得意料理だった。 「俺、絶対認めないから」。 気持ちの整理がつかない日々の中、学校で不可解な事件が起こる。 切り刻まれた幼馴染のイヤホン、階段から突き落とされた友達。 突然部活を辞めたエース、誰とも長続きしない人気者、善意の押し売りに苦しむクラスメイト――。 それぞれの無言の叫びは渦となり、やがて溢れ出していく。 本当は誰かに叱ってほしい。お前を許すと言ってほしい。 誰も本当の意味では分かり合えない、それでも分かり合いたい。 僕たちは、必死にもがいて手を伸ばしている。 デビュー作で青春の「痛み」を暴いた若き才能が掬い上げるのは、 「痛み」の先にある一筋の「救い」。
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3.8入院中、同室となった男に、盛り場で雀荘を経営する妹の安否を確かめてほしいと頼まれた大学生の〈私〉は、戦後の焼け跡が広がる仙台の街を、彼女の影を追ってひたすらにさまよう。米兵相手の特飲街に、彼女はいた。だが、そこには危険な男たちの影がうごめいていた――。米兵が闊歩する戦後の仙台を舞台に、日本ハードボイルドの黎明を飾った「X橋付近」ほか、日本人娼婦と米兵の炎熱の夏の悲劇を乾いた筆致で活写した「ラ・クカラチャ」、北海道の原野に消えた友の追跡行を描く「淋しい草原に」、そしてひとりの〈運命の女〉を追う連作「由利」シリーズなど11作品に、エッセーも収録した、高城高、珠玉の短編集!
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3.412月、イーリーの公営アパートで、デクランという男が肘掛け椅子に座ったまま死んだ。閉所恐怖症の彼は扉を外し、窓を開け放したまま寝たために凍死したらしい。自殺の可能性が高いとされたが、取材に訪れた新聞記者のドライデンは疑問をおぼえる。デクランは金に困っていたが、部屋のコイン式電気メーターには硬貨がたっぷり補充されていた。自殺する人間がそんな行動をとるだろうか? 小さな謎は思いもかけない真相の手がかりだった。ドライデンの丹念な調査と明晰な推理によって少しずつ解かれていく人々の秘密。端正な英国本格ミステリ。/解説=若林踏
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3.7フレッド・フィリプスが走っている……その言葉は八月の静かな午後、さながら牧師のお茶会で誰かが発したおならのように鳴りひびいた。庭師を周章狼狽させたのは、邸の氷室に鎮座していた無惨な死骸――性別は男。だが、胴体を何ものかに食い荒らされたその死骸は、人々の嘔吐を誘うばかりで、いっこうに素姓を明示しようとしない。はたして彼は何者なのか? 迷走する推理と精妙な人物造形が読む者を八幡の藪知らずに彷徨わせ、伝統的な探偵小説に織りこまれた洞察の数々が清冽な感動を呼ぶ。新しい古典と言うにふさわしい、まさに斬新な物語。英国推理作家協会最優秀新人賞受賞作!/解説=巽昌章
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4.3「ずっと、好きでした」 泣いて、隠して、あきらめて。それでも女の子になりたかった――。 『罪の声』の著者がたどりついた「本当に人を愛する」ということ。感動の傑作長編。 ******* 「えっ、真壁君、ほんまにするの?」 「目つむれ」 「へっ? あかん、あかん」 後ずさった翔太郎の肩を真壁君が両手でがっしりとつかんだ。 「深呼吸しろ」 言われるがままに大きく息を吸って、長く吐いた。その間、お互い顔を見られなかった。(本文p111-112より) ******* 小学四年の春、同じクラスになった真壁君の顔を見たとき、翔太郎は恋のきらめきと痛みを知った。小さな希望すらも打ち砕かれる人生。仮面の下、ずっと女の子になりたかった――。終章、二十四年後の春に明かされる優しく美しい秘密とは。生きてゆくことの切なさに共感せずにはいられない感動の青春恋愛小説。
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4.0その華やかで美しい旋律は、凄惨な死を引き寄せる。 音楽の都で出会った孤高の天才バイオリニストと、純真無垢なピアニスト。 相反する彼らを待ち受ける悲しき運命とは……。 音楽×ミステリ×ファンタジーの傑作、待望の邦訳。 すべての音楽家の故郷であり聖地であるエダン。 この平和な都市のはずれで惨たらしい殺人が起きた。 その中心にいたのは孤高の天才バイオリニスト、アナトーゼ・バイエル。 そして、数多の音楽家を魅了し、その命を奪ってきた罪深きバイオリン〈黎明(れいめい)〉。 稀代の音楽家と伝説の名器、そして、導かれた者しかたどり着けない『氷の木の森』。 数奇な運命がもたらすのは世にも美しい旋律か、残酷な死の呪いか―― 世代を超えて愛される韓国ファンタジーの名作!
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3.5私はこの誓いを絶対に忘れない。 雪に閉ざされたノルウェーの田舎町。11歳の少女シスの通う学校に、同じ年の少女ウンが転入してくる。ためらいがちに距離を詰め、運命の絆で結ばれたふたりの少女が、それぞれの思いを胸に、森深くの滝の麓につくられた神秘的な〈氷の城〉を目指す……類稀な研ぎ澄まされた文体により、魂の交歓、孤独、喪失からの再生を、幻想的・象徴的に描き上げたヴェーソスの代表作。 凛とした切なさを湛えた、出会いと別れの物語。 【英ペンギン・クラシックス収録の20世紀世界文学の名作】 【1965年度北欧理事会文学賞受賞作】 記憶に残る〈映画の名セリフ〉をイラストレーションとともに紹介する本シリーズは、「キネマ旬報」で1973年から23年のあいだ断続的に連載され、全7巻の単行本にまとまり長年映画ファンに愛されてきた。各巻に書き下ろしエッセイを掲載した栞を付す。