甲州子守唄

甲州子守唄

1,463円 (税込)

7pt

3.8

「笛吹川」の現代版
庶民の無常の世界を独特の語りで描いた世捨て人の文学

明治末から大正、昭和と三代にわたる日本近代の歩みが、笛吹川のそばに住む貧しいオカア一家を舞台に展開する一大ロマン。生糸の暴落と農村の貧窮、明治天皇の崩御、関東大震災、戦争と出征、空襲と食糧難、敗戦とヤミ商売――その間には息子・徳次郎の二十年近くのアメリカへの出稼ぎがあり、薄情者となって帰国した息子とその一家をオカアの眼差しから描く。土俗的な語りによる時代批判。

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甲州子守唄 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2014年01月09日

    山梨の農村からアメリカに出稼ぎに出て財をなし、戻ってくる長男を中心にした一家の、母から見た戦前戦後の年代記。

    田舎の村の感じがこれでもかと書かれていて怖い。文体も独特で、冗語を多用してキレがないところが、田舎の雰囲気をバッチリだしている。

    主人公や主体といったものを軸にドラマが展開する近代の小説...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2012年11月18日

    「笛吹川」「千秋楽」などと同様に、延々と流れ続ける無窮の川のような趣の、深沢七郎作品。
    土俗的な「庶民」の生活をたいした起伏もなく描き続けるが、つまらないわけではない。退屈はしない。しかしクライマックスとか、見事着地、といった感の結末もない。
    冒頭、笛吹川岸辺に住む貧乏家族の徳次郎がアメリカへの出稼...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年08月24日

    相変わらず、自分がこれをどう捉え、どう感じているのかを言い表すことが難しい作品です。
    土俗的な語りと言われているが、素朴とか純真さはあまりなく、登場人物たちはどこまでも現金だ。人々の身も蓋もない本音の部分を包まず見せるからだろうか。母親の息子をみる眼が、最後まで子への無償の愛などからはかけ離れ、何を...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2020年07月28日

    母の想い、子の想いと考え。
    生活していくために、誠実さを無くしていく時代。

    スッキリしない読後感であるが、そういう時代が確実にあったのだと、気付かされる。

    0

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