ビジネス・実用 - 筑摩書房 - ちくま新書作品一覧

  • 教育の職業的意義 ――若者、学校、社会をつなぐ
    4.1
    1990年代に、若者の仕事は大きく変貌した。非正規社員の増加、不安定な雇用、劣悪な賃金…。なぜ若年労働者ばかりが、過酷な就労環境に甘んじなければならないのか。それは、戦後日本において「教育の職業的意義」が軽視され、学校で職業能力を形成する機会が失われてきたことと密接な関係がある。本書では、教育学、社会学、運動論のさまざまな議論を整理しながら、“適応”と“抵抗”の両面を備えた「教育の職業的意義」をさぐっていく。「柔軟な専門性」という原理によって、遮断された教育と社会とにもういちど架橋し、教育という一隅から日本社会の再編に取り組む。
  • 今日から仕事に使える英語
    -
    英語はいまや仕事に不可欠の道具になった。しかし英語学習の必要性は痛感しつつも、どこから始めればいいのかわからない、という人が多いのも事実。闇雲に単語や文法を覚えていても埓があかない。仕事の現場で実際に使われる英語を身につけるのが上達への近道。会議や交渉、Eメールでの連絡など、具体的な状況に従って英語力を身につける実践的な一冊。
  • 京大人気講義 生き抜くための地震学
    3.9
    未曾有の震災も過去となりつつあり、被災地も平穏な日々を取り戻し始めた。本当の危機は、しかし、いま、迫ってきている。西日本を襲う南海トラフ巨大地震は、2030年代に起きるという。しかもそれは首都圏も直撃する、最悪の「五連動地震」となる可能性が高い。さらに日本列島の活火山は噴火スタンバイ状態にある。だが、恐れすぎてはいけない。地震のメカニズムを理解し、地球科学の思考法を体得すれば、着実に、巨大災害は減らせるのだ。本書を読んで一人一人が自律して行動することが、明日の震災を「生き抜く」ための第一歩となる。
  • 京都がなぜいちばんなのか
    3.5
    日本のみならず、世界中の人をひきつける有数の観光地、京都。なぜ、京都は今の京都になってきたのか、その過程を探る。対象となるのは名高い京都の神社仏閣だ。それぞれに歴史があり、謎がある。その謎を一つ一つ解いていくと、今とは違う姿をとっていたことが明らかになってくる。「清水の舞台は飛び降りるためにあった?」「焼失前の金閣寺の姿とは?」「苔寺に苔はあったのか?」京都のいまだ隠された魅力を見つけ、人を惹きつけてやまない源泉を明らかにする。
  • 京都思想逍遥
    4.0
    千二百年にわたる人々の記憶が集積した古都をそぞろ歩く。するとたちまち、源氏物語や古今和歌集に始まり、道元、世阿弥、頼山陽、鈴木大拙、三島由紀夫に至るまでのさまざまな言葉と交錯し、その〈たましひ〉と交響することになる。逍遥によってこそ、諸行無常の悲哀を追体験でき、権力者がつくりあげたものではない本当の歴史が理解できるのだ。東アジアの思想のみならず、古今東西の思想・文学を広く渉猟してきた著者ならではの、京都の「奥深きところ」をめぐる思想案内。
  • 教養としてのゲーム史
    3.6
    「名作」「傑作」とされるゲームはいったいどこがスゴかったのか。新しいゲームジャンルはどのように誕生するのか。──それは、ゲームの歴史を「アイディアの進化史」としてとらえることで見えてくる。『インベーダー』『ゼビウス』『スーパーマリオ』『ドラクエ』『ときメモ』『ラブプラス』……数々の歴史的作品は、「創造性」「大衆性」「技術とアイディアの関係」などについて、大きなヒントを与えてくれる。ゲームを「学ぶ」時代の幕明けだ。
  • 教養としての政治学入門
    4.3
    政治学をこれから学ぼうとする読者や、社会人として最低限知っておくべき教養として政治学を身につけたいという読者に向けて、最先端の研究者が最新の論点を提示。いま政治学で何が問題になっているのか、なぜそれが争点なのかを、政治史・政治理論・国際政治・福祉政治・行政学・地方自治などの専門研究者が、「日本と世界」「歴史と思想」「比較と地域」の3部構成、12のテーマで幅広く、わかりやすく論じる。学問の面白さ、大切さを伝える、初学者から学べる現代政治学案内。
  • 教養としての能楽史
    3.0
    能は退屈どころか、本当はとてつもなく面白い。700年におよぶ日本の伝統文化の蓄積があるからだ。太閤・秀吉や五代将軍綱吉は相当な能狂いだった、桃山時代までの能は今のおよそ2倍の速度で演じられていた、世阿弥の晩年はよくわからず、その著書『風姿花伝』は明治末年まで一般にはその存在すら知られていなかった――等々、能の歴史を楽しく学びつつ、日本の伝統芸能の本質も理解できる。日本人なら教養として知っておきたい、確かな史料に基づいた能楽史の入門書決定版。
  • 教養としての仏教思想史
    3.7
    紀元前6世紀頃にゴータマがインドで始め、現在も日本文化に深く根を張る仏教。神を絶対者として崇める西洋的な宗教とは一線を画すこの信仰は、時代と地域を超えていかにして現在の形になったのか。上座部、大乗、密教、禅宗など、数多く存在する部派・宗派を歴史の中に位置づけ、それらの発展に秘められた膨大な知の全貌を俯瞰。さらに中国、朝鮮半島をはじめ地域ごとの展開にも目を配り、わかりやすく解説する。これだけは知っておきたい仏教の知識が満載の決定版入門書。
  • キリスト教とシャーマニズム ──なぜ韓国にはクリスチャンが多いのか
    -
    韓国はクリスチャン大国だ。韓国人の19.7%がプロテスタント、7.9%がカトリックで、キリスト教が第一宗教である。近代以降、伝統的なシャーマニズムが形を変えてキリスト教伸張につながった。また、その独特な布教でも知られている。こうしたキリスト教の実態はいかなるものなのか。韓国シャーマニズム研究の第一人者である著者が、自身のシャーマニズム研究と韓国社会調査をベースに、わかりやすく解説する。
  • キリスト教と日本人 ──宣教史から信仰の本質を問う
    4.0
    日本人の九九%はキリスト教を信じていない。世界最大の宗教は、なぜ日本では広まらなかったのか。宣教師たちは慈善事業や教育の一方、貿易、軍事にも関与し、仏教弾圧も指導した。禁教期を経て明治時代には日本の近代化にも貢献したが、結局その「信仰」が定着することはなかった。宗教を「信じる」とはどういうことか? そもそも「宗教」とは何か? 宣教師たちの言動や、日本人のキリスト教に対する複雑な眼差しを糸口に、宗教についての固定観念を問い直す。
  • キリスト教の真実 ─―西洋近代をもたらした宗教思想
    3.5
    キリスト教は、出現した当時のギリシャ世界において、既存の宗教の枠を超える「型やぶり」な思想であった。ユダヤ教から派生した「突然変異」ともいえるキリスト教が、ギリシャ思想の精髄を吸収しながら古代ローマ世界に浸透し、やがて近代ヨーロッパを覚醒させる。本書では、教義に内在する普遍主義の歴史的連続性を読み解き、修道院がその伝承を担った中世の世界をさぐる。近代主義者たちはキリスト教の歴史事実を意図的に否定するが、その歪曲がなぜ必要だったのかを考える。キリスト教という合わせ鏡をとおして、現代世界の底流にある設計思想を解明する探究の書。
  • キリスト教を問いなおす
    3.6
    平和を説くキリスト教が、なぜ十字軍など戦争を起こしてきたのか? キリスト教信者には偽善者が多いのではないか? 信仰心に篤い人が、不幸な目に遭ったりするのはなぜか? キリスト教徒によるユダヤ人迫害などの事例から、神とは何かを真摯に問うラディカルなキリスト教思想の入門書。
  • キレる女 懲りない男 ──男と女の脳科学
    4.0
    些細なひと言に突然キレる。昔のことを蒸し返す。とりとめなく関係ない話をする。思い込みが激しい。根拠なしに「絶対これがいい」と断言する。まったく女は厄介だ。確かに女性脳は厄介だが、それゆえに潜在能を秘め、扱い方を間違わなければ、強い味方になって奇跡をも起こす(間違えれば敵になる!)。本書では、男女脳の違いをつぶさに解きながら、わかりあうための処方箋を示す。職場の人材活用に使え、恋愛指南になり、夫婦の老後の備えともなる究極の男女脳取扱説明書。
  • 近世史講義 ──女性の力を問いなおす
    3.3
    日本の近世史については、近年さまざまに研究が進展しているにもかかわらず、その成果が一般に知られていない。江戸時代がユートピアであったかのように評されたり、反対に女性が虐げられていた時代であったと強調されたりといった極端な議論が近年も見られる。そこで女性が江戸時代に果たした役割や、女性が時代を担って改革した力について第一線の研究者が実証研究に基づき考察を加えつつ、近世の通史としても読める形でわかりやすく講義を展開する。全く新しい形の入門書。
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政
    4.4
    我々がいま生きているこの政治体制は、近代の政治哲学が構想したものだ。ならば、政治哲学やその概念を検討すれば、今日の民主主義体制の問題点についても、どこがどうおかしいのか理論的に把握できるはずだ! 人間が集団で生きていくための条件とは何か? “主権”の概念が政治哲学の中心におかれる中で、見落とされたのは何だったのか? 近代前史としての封建国家を出発点に、近代の夜明けから、その先鋭化・完成・自己批判に至るまで。ホッブズ・スピノザ・ルソー・ヒューム・カントの順に、基本の概念を明快に追っていく。
  • 近代中国史
    4.4
    中国とは何か。その原理を理解するための鍵は、近代史に隠されている。この時代に、「幇」とよばれる中国団体をはじめ、貨弊システム・財政制度・市場秩序など、中国固有の構造がつくられたからだ。本書は経済史の視座から一六世紀以降の中国を俯瞰し、その見取り図を明快に描く。かつて世界に先んじた中華帝国は、なぜ近代化に遅れたのか。現代中国の矛盾はどこに由来するのか。グローバル経済の奔流が渦巻きはじめた時代から、激動の歴史を構造的にとらえなおす。
  • 近代美学入門
    4.4
    近代美学は、17~19世紀のヨーロッパで成立しました。美学と言っても、難しく考えることはありません。「風に舞う桜の花びらに思わず足を止め、この感情はなんだろうと考えたなら、そのときはもう美学を始めている」ことになるからです。本書は、芸術、芸術家、美、崇高、ピクチャレスクといった概念の変遷をたどり、その成立過程を明らかにしていきます。
  • 金融化の世界史 ──大衆消費社会からGAFAの時代へ
    4.0
    現在も世界で大きくなり続ける所得格差。富める者は富み、そうではないものは貧しくなっていく。どうしてそんな社会になってしまったのか? 本書は、ヨーロッパとアメリカを中心に近世から現在に至る歴史を見なおし、大衆消費社会から金融社会への変化と所得格差拡大の関連を見ていく。大衆消費社会により縮まった格差は、社会の「金融化」により拡大し、現在の構造ができあがった。大航海時代からタックスヘイヴン、GAFAの時代までを見通す一冊。
  • 金融史がわかれば世界がわかる【新版】 ──「金融力」とは何か
    -
    金融という場には、長い歴史のなかで形成された制度が残存する。そうした遺構のうえに、現代的な問題が幾層にも堆積している。金や銀という一時代前の地金の問題、中央銀行の変化、変動する為替市場、金融技術の進展といった問題が複雑に絡み合っている。本書は、これらの相関を網羅的かつ歴史的にとらえ、世界の金融取引がどのように発展してきたかを観察する。旧版を大幅に改訂し、リーマン・ショックの衝撃やフィンテックの可能性などを検証しながら、実務的な視点から、今後の国際金融を展望する。
  • 行儀よくしろ。
    3.6
    「教育論」となると、学校教育を論じることになりがちだ。しかし、世の大人にとってもっと身近な、自分がすべき教育のことを忘れてはいけない。お葬式でどういう態度をとるか、困っている人をどう助けるか…などは文化の中にあることで、その文化を継承させていく責任が大人にはある。美しい日本人を育てるための教育論。
  • 行政学講義 ──日本官僚制を解剖する
    4.0
    1990年代に政治主導に向けたさまざまな政治・行政改革がなされたのに、かえって今や為政者の恣意と統治者への忖度が蔓延してしまっている。我々は悪しき支配から抜け出せないのか。支配・外界・身内・権力の4つの切り口で行政の作動様式を活写。その実相を解明したうえで、現在の官僚制とのつきあい方の心得を提示する。行政に携わる為政者にとっての「行政学の教科書」ではなく、支配と権力にさらされる被治者を読者として想定した、公務員対策たる「行政学の基本書」。
  • ギリシア哲学入門
    3.3
    幸福は二つの次元から成立する。一つは、生きるための基本的物財の確保、言論、集会、行動その他の自由、そして、諸権利の平等の実現である。これを可能にしうる社会構造がデモクラシーであり、それは古代ギリシア人の創造に始まり、現代においても、歴史を動かしている起動力である。他は、心の安らぎであり、それは、偶然と運命に翻弄される人間が、存在の根源に帰ることにより、達せられる。現代が直面している問題を、ギリシア哲学が切り開いた視野から考える。
  • 銀の世界史
    3.0
    一六世紀、南米ポトシ銀山で採掘された銀は、大量にヨーロッパに流入、世界中をかけめぐった。このとき地球をひとつの単位とする近代世界=グローバリゼーションという革命的状況が出現した。世界史は「銀の流れ」でつかむことができる。英国の綿工業・産業革命・覇権、黒人奴隷、プランテーション、スペインの凋落、オランダ独立、近代資本主義の誕生、コーヒーや茶の流行、明治の近代化、アヘン戦争、日清戦争……。銀で弾けた世界史のダイナミズムを、中心と周辺の関係から描き出す!
  • 空海に学ぶ仏教入門
    3.3
    私たちが苦しみから離れることができないのは、欲望のままにものを追いかけ続ける心のあり方に原因がある。では心を変えるにはどうすればよいか――伝統仏教が説いてきたその教えの全体像を空海が簡明に示したのが「十住心」である。『般若心経』や『法華経』『華厳経』、倶舎や唯識、中観などの教えの伝統的な意味と相互関係、苦しみを滅する実践における役割などを、空海の著『秘蔵宝鑰』『十住心論』から明らかにする。本当の仏教の全体像を描き出す、画期的な仏教入門。
  • 空海の思想
    3.3
    7世紀に勃興したイスラームの東進に抗してインド仏教は大きく変化する。マントラ(真言)を中心に据え、それを唱える身体的修行によって精神の在り様の根本的転換を図ろうとする新しい仏教が姿を現す。それは「密教」と呼ばれ、7世紀中頃から8世紀初めに中国に伝播する。その仏教の激動期に空海は生まれ、新しい教えを求めて入唐する。そこで空海は何を得たのだろうか。空海が遺した言葉に向き合うことによって、中世的「弘法大師」信仰を解体し、空海の言葉に込められた「いのちの思想」に迫る。
  • グロテスクな教養
    3.8
    大正教養主義から、八〇年代のニューアカ、そして、現在の「教養崩壊」まで、生産・批判・消費され続ける教養言説の底に潜む悲喜劇的な欲望を、さまざまな側面から映しだす。知的マゾヒズムを刺激しつつ、一風変わった教養主義の復権を目指す、ちょっと意地悪で少しさわやかな教養論。
  • グローバリゼーション ──移動から現代を読みとく
    3.0
    急増する移民・難民、各地で台頭する自国中心主義や排外主義、そしてますます拡大する経済格差……。ヒトやモノ、カネ、情報の国境を越えた移動を基礎に飛躍的な発展を遂げたはずの現代世界で、いったい何が起きているのか。本書では、現代をグローバリゼーションの時代と捉え、国民国家や国民経済といった近代社会の前提とされてきた枠組みを、移動という視点から再検討していく。グローバリゼーションと国家との逆説的な関係を解きほぐし、現代世界の深層に鋭く迫る。
  • グローバル経済を学ぶ
    3.6
    グローバル経済の拡大に取り残されつつあるといわれ続けてきたわが国の経済も、ようやく復調の兆しを見せ始めた。わたしたちは、改めてグローバル化する市場経済の現実を冷静に見つめなければならない。貿易、経常収支、為替レートなどの問題は、経済を理解するうえでの必須の基本事項である。本書では正しい国際経済学の見方を、グローバル経済の現実に即して解説する。
  • 軍国日本と『孫子』
    4.5
    今日も日本人に愛読される『孫子』。しかし、この中国古典と近代日本には秘められた関係がある。日本の軍国化が進むにつれ、『孫子』は精神的・実践的支柱となっていったのだ。各種軍令には『孫子』と共通する点があるとされ、実戦的『孫子』解説までが登場する。しかし実際の日本は、『孫子』が最も下策だとする長期消耗戦に突入していく時代、『孫子』はどのように読まれたのか。昭和天皇は敗因をどう分析したか。日本はなぜ戦争を始め、また敗れたのか。『孫子』の兵法を手がかりに考える。
  • 群衆――モンスターの誕生
    3.8
    群衆とは何か。近代資本主義の誕生とともに、歴史と社会の表舞台に主役として登場してきた群衆。二十世紀のナチズムもスターリニズムも群衆社会がつくりだした全体主義の脅威であったことは記憶にあたらしい。一体われわれは、激流のような群衆化傾向に対して抵抗できるのだろうか。ポー、ボードレールやニーチェ、メアリー・シェリーらの群衆への驚き、カネッティやモスコヴィッシの群衆分析、トクヴィルの民主主義論、ルボン、タルド、フロイトらの心理学的考察など、さまざまな視点からその怪物的性格を明らかにし、現代人の存在のあり方を根源から鋭く問う群衆社会批判。
  • ケアを問いなおす ――「深層の時間」と高齢化社会
    4.3
    「高齢者ケア」、「ターミナルケア」、「心のケア」など、ケアという言葉を耳にしない日はない。しかし、そもそもケアとは人間にとっていかなる意味をもつものなのだろうか? 「ケアする動物としての人間」という視点から出発し、高齢化社会をめぐる具体的な問題を論じながら、ケアのもつ深い意味へと接近していく。
  • 経営がわかる会計入門
    4.0
    この先どんな企業が成長するのか? 倒産しそうな会社とは? うちの会社の弱点はどこ? 長引く不況下を生きぬくために欠かせないのが「会計」の知識だ。現実の企業会計をふんだんに用いながら、「生きた数字」をとおして経営を理解するための基礎を平易に説きおこす。苦手な数字を味方につけるための必読書。
  • 経済学講義
    3.8
    経済学はビジネスや生活、あらゆる局面に応用可能な学問です。その一方で、わかりづらい学問でもあります。「何にでも応用できる」ために、「何に使えるのかがわからない」のです。本書は、初学者が経済学を学ぶにあたって必要な基礎知識をざっくりと解説しています。 ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学の主要三分野を一望し、その要点を一挙に学べるガイドブックです。
  • 経済学の思考軸 ――効率か公平かのジレンマ
    NEW
    -
    経済学は、資源や財源など与えられた制約の中でどうやりくりするかという問題に絶えず直面し、解決策をひねり出そうとします。「拡大する格差を何とかするには」「全世代型社会保障は可能なのか」「市場メカニズムのカギを握る情報というファクター」「人口減少下におけるトレードオフの大命題」……難題の数々に、経済学の“ものの考え方”を駆使して、効率と公平という2本の評価軸をもとに、その発想と思考を交通整理します。「経世済民」をとことん突き詰め、社会全体の「幸せ」について追究する一冊。
  • 経済学の名著30
    3.7
    市場経済はいかにして驚異的な経済成長を可能にするのか。スミス、マルクスから、ケインズ、ハイエクを経てセンまで、厳選された30冊の核心を明快に解きほぐすブックガイドである。それぞれの時代の経済問題に真っ直ぐ対峙することで生まれた古典は、私たちが直面する現下の危機を考えるうえで豊穣な知見に満ちていよう。
  • 経済学を学ぶ
    3.8
    交換と市場、需要と供給、企業・政府などミクロ経済学の基本問題から、国民所得、財政金融政策などマクロ経済学の基礎までを、豊富な例示とたくみな比喩で説く明快な入門書であるとともに、今日の複雑な経済・社会を正しく読み解きたいという読者にむけて、現実の経済・金融問題などを幅ひろくとりあげ解説する、役に立つ生きた「再」入門書である。
  • 経済人類学への招待 ――ヒトはどう生きてきたか
    3.5
    経済成長という死の舞踏を踊りつづける「豊かな」現代文明。コンピュータ・シミュレーションによる未来予測では、大量の生産と消費の果てに二十一世紀末には地球規模のカタストロフィが全人類を襲うという。はたして現代の経済システムの危機をのりこえる道はあるのか。本当の豊かさとは何かを考えるための経済人類学入門。
  • 経済大転換 ――反デフレ・反バブルの政策学
    3.5
    イラク戦争以後、アメリカの一国決定主義がますます突出し、世界は「分裂と不安定の時代」に入っている。一方で、経済状況は当分の間、世界同時デフレから抜け出せそうにない。それに苛立つかのように、日本国内ではバブル待望論が絶えないが、アメリカの景気頼みの日本経済回復シナリオは非常に危うい。むしろ地方へとデフレが波及し、さらに深刻化していく恐れがある。もはや古い時代の発想は通用しない。思考および政策の大転換が必要だ。日本経済の位相を確かな目でとらえた渾身のメッセージ。
  • 刑事法廷 ――有罪か無罪か?
    -
    刑事裁判において、被告人の人権はどのように守られているのだろうか。密室で行われる取調べをもとに有罪を主張する検察との闘いに、弁護人と被告人はどう立ち向かうのか。裁判官とは本当に「公正」なのか。冤罪事件はなぜ後を絶たないのか。刑事裁判の実例をあげて日本の司法制度が抱える問題点を明らかにする。
  • 結婚の社会学
    5.0
    結婚をめぐる常識は、日々変化しています。事実婚、ステップファミリー、同性パートナーシップ、選択的シングルなど、一対の男女による結婚→出産というモデルではとらえきれない家族のかたちがたくさんあるのです。この本では、国際比較、歴史的比較、理論という三つの視点から、結婚というものを解き明かしていきます。当たり前を疑ってみることで、「ふつうの結婚」「ふつうの家族」という考え方を相対化できるはずです。
  • 決定版 消費税のカラクリ
    5.0
    選挙のたびに、嘘をつかれている。膨れ上がる社会保障費の財源のためにというお題目で増税が繰り返されても社会保障はむしろ削減されてきた。そして、またさらなる増税が迫っている。軽減税率適用という“ニンジン”をぶら下げられたマスコミはダンマリを決め込んでいる。弱者の富を強者に移転することで格差を拡大する消費税のカラクリを明らかにしよう。
  • ケルト 再生の思想 ──ハロウィンからの生命循環
    3.8
    近年、急速に広まったイヴェント「ハロウィン」。その起源は、ヨーロッパの古層、ケルト文明の祭「サウィン(万霊節)」にたどりつく。ケルト暦では、10月31日が一年の終わりで始まり。厳しい冬の訪れとともに、世界は闇に閉ざされ、死者がよみがえると信じられてきた……。四つの季節祭と神話伝説を手がかりに、ケルト文明の循環的な生命思想を解きあかす。古代・中世ヨーロッパの精霊を現代へよみがえらせる芸術人類学的な試み。
  • ケルトの世界 ──神話と歴史のあいだ
    3.0
    ギリシア・ローマやキリスト教と並ぶもう一つのヨーロッパの源流とされ、 日本でも根強い人気を誇るケルト文化。だが、 近年ではケルト神話やケルト音楽からイメージされるような島のケルトと歴史上のケルト人との連続性にはさまざまな異論があり、なかにはその実在を疑う「ケルト否定論」すら展開されている。では、古代ケルト人とは何者だったのか。 著名な神話を入り口に、それを考古学的・歴史学的知見と照らし合わせることで、古代ケルトの生活世界へと分け入る入門書。
  • 健康寿命をのばす食べ物の科学
    3.5
    健康食品では病気は治せない? 筋肉を維持し老化を防ぐ食べ物とは? 腸内細菌を上手にコントロールするには? ふだんの食事をほんの少し工夫するだけで、こんなに元気になる! 複雑な代謝のメカニズムから、丈夫な骨格のしくみ、本当に必要不可欠な栄養素まで。食品生化学の第一人者が最新データと科学的エビデンスをもとに、健康に長生きするための食事と生活習慣のコツをわかりやすく解説。間違った情報にまどわされず、今日の食事を自分で選びとるための食の科学。
  • 検察の正義
    3.7
    無理やり引きずり込まれた検察の世界で目にしたものは、刑事司法の「正義」を独占してきた検察が社会・経済の構造変革から大きく立ち後れている姿だった。政治資金問題、被害者・遺族との関係、裁判員制度、検察審査会議決による起訴強制などで大きく揺れ動く「検察の正義」を問い直す。異色の検察OBによる渾身の書。
  • 建築家の解体
    4.3
    『建築の解体』の刊行から五〇年弱、後期近代の時代にあって、安藤忠雄や隈研吾に代表される従来の建築家のイメージは、見直しを迫られている。ブルデューの理論を用いて、建築家という職業がつくられていくプロセスを描写するとともに、解体していく建築家像の軌跡をたどる。フィールドワークの知見を盛り込み、「街場の建築家」という今後の可能性を最後に示す。
  • 建築から見た日本古代史
    3.7
    建築とは、権力者たちが駆使した政治的言語である──。日本誕生の舞台となる古代において建築は、権力者が自らの権威を明らかにし、体現する文明の壮大さ、美意識の優越を高らかに宣言する最大最強のメディアであった。飛鳥寺、法隆寺、四天王寺から本薬師寺、伊勢神宮式年遷宮にいたるまで、建築様式や構造、配置パターンのなかに、母系と父系、天皇と律令、ナショナリズムと文明開化、それぞれの葛藤と融合を見いだし、まったく新しい日本古代史を組み上げ、提示する。
  • 建築史的モンダイ
    3.8
    近代建築史研究一筋だった著者が中世ヨーロッパ建築、さらに初期キリスト教建築、新石器時代の建築へと歴史を遡るうちに気付いたのは、建築の発祥という大問題だった。何が始まりだろうか?住まいか?それとも神殿か?そもそも建築とは何をもって建築というのだろうか?長い長い年月を経て、石や穴だけとなった遺跡を訪ね、その遺跡のもらすつぶやきに耳をすませて見えてきたものとは?建築の起源、和洋の違い、日本独自の建築の歩み…「建築」にまつわる疑問を縦横無尽に解き明かす。
  • 憲法政治 ――「護憲か改憲か」を超えて
    4.0
    憲法と政治には、一筋縄ではいかない相互作用のダイナミズムが働いている。憲法は民主政治のプロセスを形づくる法であると同時に、そのプロセスを通じて、憲法自体が改正されることもありうるからだ。本書では、こうしたダイナミズムを「憲法政治」と定義し、国会の信任で内閣が成り立つ「議院内閣制」の統治構造に切り込んで、憲法改正の難しさの深層を考察する。緻密な取材を重ね、「憲法改正」をめぐる現実政治の潮流と統治構造の改革論を重層的に描くドキュメント。
  • 憲法と平和を問いなおす
    4.2
    日本国憲法第九条を改正すべきか否か、決断を迫られる時代が近づきつつある。しかし、立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点が見落とされてきた。その核心にある問いにたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす。情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。
  • K-POP現代史 ──韓国大衆音楽の誕生からBTSまで
    4.0
    いま世界を席巻するK-POPは、いかにして生まれたのか? 植民地支配下における韓国大衆音楽の誕生から、隣国日本との歴史的葛藤、「韓国といえば演歌」の時代、社会に議論を巻き起こしたヒップホップ、民主化、経済危機、IT化、「戦後最悪の日韓関係」の中で花開いたK-POPブーム、そして力強いメッセージ性とアイドル性を兼ね備えたBTSの世界的成功まで、激動の100年の情勢を押さえつつ、今日に至るジャンルと国境を越えたダイナミックな発展を通史的に論じる。
  • ゲノム編集の光と闇 ──人類の未来に何をもたらすか
    3.8
    2018年11月、中国の研究者が「ゲノム編集をした受精卵から双子の赤ちゃんを誕生させた」と発表した。生命の設計図をいとも簡単に操作し、実際に子どもを誕生させたという報告の衝撃は大きく、倫理的・社会的な議論が巻き起こっている。本書は「ゲノム編集」という最先端の生命科学技術を基礎から解きほぐして紹介しながら、それが拠って立つ生命科学の歴史と系譜をも辿ることで、私たちが手にする利益と内包する問題点のせめぎ合いを追う一冊である。
  • 言語学講義 ──その起源と未来
    3.5
    生成文法、構造主義、社会言語学、……旧来のイメージや枠組みを飛び越え、複雑系言語学、言語死の問題など、言語学には新しい知見や切り口がどんどん登場している。本書では、言語学の全体像や基本の構造を俯瞰しつつ、重要な分岐点にさしかかっている議論や新しい枠組みまでを縦横無尽に取り上げ「言語学の今」を浮かび上がらせてみたい。国家、発達障害、人工知能、……現代に即したキーワードも切り口に、最新言語学をガイドする。
  • 現代オカルトの根源
    4.1
    ヨハネ黙示録やマヤ暦に基づく終末予言、テレパシーや空中浮揚といった超能力、UFOに乗った宇宙人の来訪、レムリアやアトランティスをめぐる超古代史、爬虫類人陰謀論―。多様な奇想によって社会を驚かせる、現代のオカルティズム。その背景には、新たな人種の創出を目指す「霊性進化論」という思想体系が潜んでいた。ロシアの霊媒ブラヴァツキー夫人に始まる神智学の潮流から、米英のニューエイジを経て、オウム真理教と「幸福の科学」まで、現代オカルトの諸相を通覧する。
  • 現代語訳 学問のすすめ
    4.5
    近代日本最大の啓蒙思想家・福澤諭吉の大ベストセラー『学問のすすめ』を、原書のリズムをいかしつつ、文語を口語に移した現代語訳。国家と個人の関係を見つめ、世のために働くことで自分自身も充実する生き方を示した彼の言葉は色あせない。時代情勢を的確に見極め、今すべきことを客観的に判断する力を身につけよう。
  • 現代語訳 史記
    3.9
    歴史書の大古典にして、人間の在り方を描く文学書でもある司馬遷の『史記』を、「キャリア」をテーマにして選び出し現代語訳。帝王、英雄から、戦略家、道化、暗殺者まで、権力への距離違えども自らの力で歴史に名を残した人物たちの魅力は色あせない。適切なガイドと本物の感触を伝える訳文で『史記』の世界を案内する。
  • 現代語訳 日本国憲法
    4.0
    憲法とは何か。なぜ改正が議論になるのか。憲法を問うことは、「日本という国のあり方」を問うことにつながっている。天皇、戦争、人権、政治、司法、財政といった国の根幹を自分で考えるためには、憲法をしっかりと読むしかない。本書は、日本国憲法と大日本帝国憲法という「二つの憲法」の現代語訳・決定版である。明治から敗戦を経て現行憲法へ至る歩みから、この国の過去、現在、そして未来がみえてくる。
  • 現代語訳 般若心経
    4.0
    人はどうしたら苦しみから自由になれるのだろうか。私たちは、生まれ落ち成長するにしたがって、世界を言語によって認識し、概念を動員して理解する。それは、社会で生きる以上不可欠なものかもしれないが、いっぽうで迷いや苦しみの根源でもある。『般若心経』には、そうした合理的知性を超えた、もうひとつの「知」が凝縮されている。大いなる全体性のなかに溶け込んだ「いのち」のよろこびを取り戻すための現代語訳決定版。
  • 現代語訳 福澤諭吉幕末・維新論集
    4.0
    福澤諭吉の著した数多くの評論の中から、幕末・維新期の社会の様子を鋭く観察し画期的な提言が冴える四編を厳選して平易な現代語訳とした傑作選。旧幕臣の勝海舟・榎本武揚を筆で斬り、賊軍の首魁として散った西郷隆盛を弁護する。過去の封建社会・身分制の実情を浮き彫りにし、官尊民卑の風潮に痛烈な批判を浴びせ、民に用意された無限の可能性を力説する―新しい時代にふさわしい鮮やかな筆致で「この国のかたち」を大きく描き直す過程において何が必要か、我々に大きな示唆を与えてくれる。
  • 現代語訳 武士道
    4.0
    日本人は、宗教なしに道徳をどう学ぶのか―こうした外国人の疑問を受け英文で書かれた本書は、世界的ベストセラーとなった。私たちの道徳観を支えている「武士道」の源泉を、神道、仏教、儒教のなかに探り、普遍性をもつ思想であることを鮮やかに示す。日本文化論の嚆矢たる一冊を清新かつ平明な現代語訳と解説で甦らせる。
  • 現代語訳 老子
    4.0
    中国古代の社会に深く根ざした『老子』。そのテクストは、人の生死を確かな目で見つめ、宇宙と神話の悠遠な世界を語り、世のために恐れずに直言する、苛烈な戦国時代を生きた一人の思想家の姿を伝えている。この大古典を少しでも読みやすく、深く味わうために、本書はテーマによって内容を整理し、謎に包まれたテクストを明快に解きほぐす。二千年以上も読み継がれてきた中国の精髄へ、大胆かつ精密に接近し、そこに日本の神話と神道の原型を発見する。
  • 現代語訳 論語
    3.9
    温かく、刺激的で、ときには厳しく、ときにはユーモアが漂う孔子の言葉をすっきり読めるかたちで現代語訳。「学び続けることの中に人生がある」――二千五百年もの間、読み継がれ、多くの人々の「精神の基準」となった古典中の古典を紐解けば、いつでもどこでも生き生きとした精神に出会うことができる。
  • 現代語訳 論語と算盤
    4.1
    日本実業界の父が、生涯を通じて貫いた経営哲学とはなにか。「利潤と道徳を調和させる」という、経済人がなすべき道を示した『論語と算盤』は、すべての日本人が帰るべき原点である。明治期に資本主義の本質を見抜き、経営、労働、人材育成の核心をつく経営哲学は色あせず、未来を生きる知恵に満ちている。
  • 現代思想講義 ──人間の終焉と近未来社会のゆくえ
    -
    「自由で平等な個人」という近代にあった理想。だが、明らかにそれは誤りである。ポピュリズムが跋扈するポスト・トゥルースの現代は、「群れ」社会への転換をすでに遂げている。その転換も昨今急激に生じたのではない。現代思想で論じられてきたその社会の変容を、順に「人間」「国家」「意識」「政治」「道徳」「思考」の六つの主題について解き明かしていく。AIで人間が不要になる、といった皮相な議論よりもはるかに深い次元で人間の終焉を考察し、混迷する人類文明の行く末と、これからの生き方について講義する。
  • 現代思想史入門
    -
    二〇世紀のイデオロギー対立は終焉したが、新たな思想・哲学が出現していないように見える。近代のしがらみを捨てて、いま一度、現代思想の諸地層をもっとつぶさに見ていこう。そこに新たな思考が芽生えるきっかけが見つかりそうだ。生命、精神、歴史、情報、暴力の五つの層において現代思想をとらえ、それぞれ一九世紀後半あたりを出発点として、五度にわたってさらいなおす。現代思想の意義を探りつつ、その全体像を俯瞰する、初学者にもわかりやすい新しいタイプの入門書。
  • 現代思想の名著30
    3.5
    近代的思考の限界を乗り越えるため、新たな思考の様式を獲得しようとした「現代思想」。フランスを中心に影響力を及ぼした構造主義から、そこにある近代の残滓を批判的に捉えたポスト構造主義へと発展していった。それらは、従来の「哲学」に限定されることなく、精神分析や言語学など様々な方法論によっては展開された。さらに、その流れは、現代資本主義分析や脱近代的な方向での社会批判の潮流も生み出していく。幅広くかつ難解なものが多い現代思想といわれる著作を一人の書き手が丁寧に解説したこれまでにはないブックガイド。
  • 現代中国入門
    3.5
    中国は理解しにくい。だが理解せずにすむ時代は終わった。変化が速すぎる一方で、伝統中国もまだかなり残る。漢民族が圧倒的に見えても、国土は広く、民族的多様性も無視できない。中間層は増えたが地域間、社会階層間の経済格差も大きい。どの中国が正しい姿なのか。専門研究者・ジャーナリストによる中国研究の最新結果を結集し、中国をバランスよく見る視座を示す。現代史、文化史、思想、社会、軍事、地域研究など分野を異にする十一人が、明快で多彩な講義を繰り広げる。
  • 現代日本政治史 ──「改革の政治」とオルタナティヴ
    4.3
    「改革」はいかにして政治の表舞台に躍り出たのか。長らく戦後日本政治の基調であった「保守vs革新」という構図は冷戦終結とともに崩壊し、1993年の政界再編以後、保守の水ぶくれが進む。そこに現れたのが、旧来の保守政治を維持する守旧派と、その刷新を求める改革派という新たな対立軸だった。本書では「改革の政治」という視点から平成政治を再検討し、その混迷を打破するもう一つのヴィジョンを提示する。現実と格闘する政治学者が切り拓く、日本政治の新たな地平。
  • 現代の金融入門 [新版]
    3.9
    金融を原点から考え直す! 情報とは何か、信用はいかに創り出されるのかといった、金融の本質に鋭く切り込み、平明かつ簡潔に解説したロングセラー『現代の金融入門』を、金融危機の経験を総括すべく全面改訂。アメリカの金融におけるリスク取引の功罪を明らかにし、金融システムの安定に必要な規制・監督の仕組みを考察。
  • 現代の貧困 ――ワーキングプア/ホームレス/生活保護
    3.9
    格差社会の果てにワーキングプアや生活保護世帯が急増中。だが本当にそうなのだろうか? バブルの時代にも貧困問題はあった。ただこの国は「ない」ことにしてきたのだ。貧困問題をどう捉え、その実態はどうなっているのか。ある特定の「不利な人々」ばかりが苦しみ、抜け出せずにいる現状を明らかにし、処方箋を示す。
  • 現代フランス哲学
    5.0
    1968年五月にパリで起こった「革命」を起点に、若者や労働者を巻き込み、時代や経験に深く根ざす思想運動として発展した現代フランス哲学。資本主義の矛盾や構造的な抑圧がさまざまに露呈する1980年代以降、それは大きな変化を遂げた。構造主義からポスト構造主義を経て、政治や宗教、労働、ジェンダー/フェミニズム、科学と技術、エコロジーをめぐる諸思想にいたるまで。フーコー、ドゥルーズ、デリダに続き、変容する社会を鋭くとらえる強靭な思想の広がりを一望する。
  • 現代文明論講義 ――ニヒリズムをめぐる京大生との対話
    4.1
    「なぜ人を殺してはいけないのか」「なぜ民主主義はうまくいかないのか」―現代の社会の抱えるさまざまな難問について、京大生に問いかけ、語り合う。若い学生たちの意外な本音から、戦後日本、さらには現代文明の混迷が浮かび上がってくる。旧来の思想―戦後民主主義や功利主義、リベラリズム、リバタリアニズムでは解決しきれない問題をいかに考えるべきか。アポリアの深層にあるニヒリズムという病を見据え、それを乗り越えるべく、日本思想のもつ可能性を再考する。
  • 現代ロシアの軍事戦略
    3.9
    冷戦後、軍事的にも経済的にも超大国の座から滑り落ちたロシアは、なぜ世界的な大国であり続けられるのか。NATO、旧ソ連諸国、中国、米国を向こうに回し、宇宙、ドローン、サイバー攻撃などの最新の戦略を駆使するロシア。劣勢下の旧超大国は、戦争と平和の隙間を衝くハイブリッドな戦争観を磨き上げて返り咲いた。メディアでも活躍する異能の研究者が、ウクライナ、中東での紛争から極東での軍事演習まで、ロシアの「新しい戦争」を読み解き、未来の世界情勢を占う。
  • 現場主義の知的生産法
    4.2
    現場には常に「発見」がある!国内五〇〇〇工場、海外一〇〇〇工場を踏査した“歩く経済学者”が、現場調査の勘どころを初めて明かす。実際に行ったモンゴル二週間四〇社調査をケースに、海外調査のルートづくり、インタビューの要諦、調査結果のまとめ方など、その全プロセスを公開する。調査が終わったらとにかく早く形にする、整理はしない、現場は刈り取るだけではなく育てるもの、等々、IT時代だからこそ心に染みる、超アナログ知的生産のすべて。
  • 現場力 ──強い日本企業の秘密
    -
    IoT、AI、インダストリー4・0――。官主導で次々に仕掛けられる潮流に飲み込まれた日本の産業界は、重要なものを見落としている。それは、日本企業の技術開発が現場で行われてきたものであり、リーダーが計画できるものではないということだ。では、真に競争力のある企業が持っている「現場力」とはなんなのか。ドイツやタイ、そして日本のものづくりの現場を歩き、従来の完成品メーカー/下請けの関係を超えて地方発の新たな取引関係を打ち立てつつある、日本企業の強さの秘密に迫る。
  • 公安警察の手口
    3.8
    監視社会化が進む日本。こうしたなかで、不当逮捕を繰り返し、統治機構の末端で暴力を行使しているのが公安警察である。いったいヴェールの向こう側では何が起きているのだろうか? かつて赤報隊事件で公安警察に濡れ衣を着せられた経験を持つ著者が、その捜査手法や権力構造を照射し、知られざる公安警察の"真実"を追究する。
  • 公共哲学とは何か
    3.7
    シニシズムや無力感、モラルなき政治家や経済人、軍事力を行使したがる大国―こうした事態に直面して、いま「公共性」の回復が希求されている。本書は「個人を活かしつつ公共性を開花させる道筋」を根源から問う、公共哲学の世界に読者をいざなう試みである。「知の実践」への入門書決定版。
  • 航空のゆくえ ──自由化の先にあるもの
    -
    戦後、欧米主導の枠組みで発展してきた航空の世界は、国防上の必要による航空の制限が時代遅れとなり、航空技術の発展に伴って20世紀末には自由化へと向かうことになった。コードシェアやアライアンスの普及、LCCの登場、運賃の多様化で運航が柔軟になり、国々が地域として一体化し多国間での航空の自由化が目指されるようになっていくなか、世界の空が行きつく先には何が待っているのだろうか。航空の発展史をひもときつつ、エアラインの世界から地球の将来を展望する。
  • 高校生のための経済学入門
    3.5
    わが国の高校では、経済学がほとんど教えられていない。一方、世の人々の経済に対する関心はけっして低くない。本書では高校生にもわかるように、ポイントをきちんと抑えながら、経済学の基本的な考え方を解説する。理論よりも、現実の経済問題の解決に経済学の考え方がどのように生かせるかという、実践的な面を重視する。
  • 高校生のための経済学入門【新版】
    -
    毎日の経済ニュースの捉え方や見方を高校生が理解できるように、経済学の考え方を徹底的に分かりやすく解説します。需要と供給、市場メカニズム、金利、格差、効率と公平、景気、物価、GDP、人口減少と経済成長、インフレ、金融政策、税金と財政、社会保障、円高と円安、比較優位、貿易と世界経済……ポイントやキーワードを押さえながら、経済学の全体像を一気につかみましょう。ビジネスパーソンや大学生など、高校生以外の学びなおしにもピッタリの最高の入門書。
  • 高校生のための古文キーワード100
    3.0
    古文では、人の気持ちを表現する心情語が読解のキーワードである。本書は、その心情語を中心に、古語を100語ほど厳選して収録し、『源氏物語』『枕草子』など有名作品の例文を訳つきで紹介しながら、わかりやすく解説する。根本の語義・語感を重視し、関連語・慣用的用法などにも触れてあり、豊かな古典の世界への格好の案内者となるだろう。コラム「読解の知恵」は重要な構文・語法を説き、これも必読。
  • 高校生のための哲学入門
    3.8
    どんなふうにして社会はここまできたのか。西洋も日本も「近代」を通過することにより、自分で自分の生き方を決められる社会になってきた。しかし「個人」は一人では生きられない。他者との関係の中で自分の道を見きわめていくにはどうしたらいいのか。「知」の在り処を探ってきた著者が書き下ろす、万人のための哲学入門。
  • 考古学講義
    3.7
    科学的な手法の発達によって、近年、考古学の成果が多数挙がり、考古学の年表は全面的に書き換えられつつある。旧石器捏造事件で考古学の危うさが指摘されて以来、科学的な確からしさが常に問われている。そこで実証的な考古学の最新成果を一般の読者にわかりやすく伝えるとともに、通説をそのままなぞるような水準にとどまらない、挑戦的な研究を紹介。旧石器時代から古墳時代までの全貌がわかるだけでなく、考古学ファンの批判に耐え、知的好奇心を満たす最前線の研究案内。
  • 皇室一五〇年史
    4.0
    明治以降、皇室は常に危機にさらされてきた。なんとか男系皇位継承の目処が立ったところへ、今度は増え続ける皇族を減らそうという外部の圧力が働く。そのせめぎ合いの中で制度はさまざまに揺れ動き、やがて敗戦で皇室は激動の時代へと突入していく――近現代の皇室問題に精通する二人のジャーナリストが、皇族制度、結婚、外遊や財産といったテーマ別に皇室一五〇年の歴史をひもとき、知られざる皇族の真実の姿を描き出す。皇室問題の全貌を明らかにする、決定版入門書。
  • 皇室法入門
    4.0
    平成から令和へ、譲位によって皇位は途切れることなく継承された。そうした中、安定的な皇室制度維持のための課題――皇位継承問題は残されたままになっている。本書では、根本にある象徴制・世襲制を解きほぐし、主体となる天皇・国民・政府の位置づけを整理したうえで、課題を解決するための議論の基礎を確認する。制度の基本的な仕組みと内容を、第一人者が体系的に解説する決定版入門書。
  • 皇族と天皇
    -
    日本の歴史の中でも特異な存在であった明治以降の皇族。彼らはどのように古来の伝統から離れて生み出され、いかなる事件を様々に引き起こしてきたか。またそれにより、歴代天皇はいかに悩まされてきたのか。ときには政治や戦争にも関わり、陰に日向に日本を動かしてきた皇族たちの動きをつぶさに追い、日本近代史の忘れられた一面に光を当てる。皇族問題の長年にわたる探究をもとに、明治維新から、昭和天皇の退位問題まで、近現代の皇族と天皇の歩みを解明した通史決定版。
  • 高大接続改革 ──変わる入試と教育システム
    3.4
    2020年度から大学入試が激変する。従来の知識・技能型、得点重視の一発勝負試験から、主体的・協同的に学ぶアクティブラーニングの導入が前提とされる。塾や予備校は沸き立ち、中学や高校の現場は大混乱。この入試改革は文科省が進める高大接続システム改革の一環。そもそも高大接続とは何だろうか。塾や予備校に通わなければ、大学を目指せなくなるのか……。気鋭の教育ジャーナリストと、「学習学」を提唱し実践的な学びを指導してきた人気大学教授がタッグを組み、これから起こる教育改革の本質を解説。新制度に立ち向かうために、学校や家庭でできる対策を徹底指導する。
  • 公務員革命 ──彼らの〈やる気〉が地域社会を変える
    3.8
    財政難にあえぐ地方自治体。住民サービスの質を維持するためには、公務員が受け身の姿勢ではままならない。これからの時代、地域社会が元気であるかどうかは、すべて公務員の“やる気”にかかっている。その数およそ350万人。この巨大な人的資源を活用するためには、いたずらにバッシングするのではなく、彼らのモチベーションを改善して積極性を引き出すべきだ。本書では、財源も役職も不要の、「スーパー地方公務員」の育て方を考え、地域社会が豊かになる方途を描く。
  • 公務員教師にダメ出しを!
    3.0
    学校をより良くするためには、まず何よりも教師を変えなければいけない。馴れ合いの教育現場のなかには、ダメな教師や困った校長がまだまだ存在する。同時に、能力が高い教師は正しく評価されてはいない。それは、教育というサービスを受ける児童生徒と保護者をないがしろにしてきたからだ。今必要なのは学習者による評価制度だ。評価制度の具体例を提示しながら、その可能性に迫っていく。
  • 功利主義入門 ──はじめての倫理学
    4.3
    倫理学とは「倫理について批判的に考える」学問である。すなわち、よりよく生きるために、社会の常識やルールをきちんと考えなおすための技術である。本書では、「功利主義」という理論についてよく考えることで、倫理学を学ぶことの意義と、その使い方を示す。「ルールはどこまで尊重すべきか」や「公共性と自由のあり方」という問いから「幸福とは何か」「理性と感情の関係」まで、自分で考える人の書。
  • 高齢者うつ病 ――定年後に潜む落とし穴
    4.0
    定年になり仕事を失い、無気力になってしまう。妻を亡くして孤独になり喪失感に悩む。体が思うように動かなくなりひきこもりがちになる。六〇歳を過ぎてからこういった事態に直面し、うつ病を発症させる人が増えている。しかもその初期症状は頭痛だったり、身体の不調だったり、めまいだったり、一見してうつ病とはわかりにくい、本書ではそういった高齢者のうつ病発症のきっかけ、原因、特徴をエピソードを交えながら解説する。また、大病院を偏重する日本医療において高齢者はどのように扱われるか、その先に見える問題点まで掘り下げていく。
  • 国語教育 混迷する改革
    4.3
    新学習指導要領の告示から約二年経ち“戦後最大の改革”の中身がようやく見えてきた。「論理」と「文学」を切り分けると何が起きるか。今後の高校教育の方向性を示す「大学入学共通テスト」が扱う「実用文」「複数資料」の持つ構造的欠陥とは。この間に刊行された指導要領の解説本や、共通テストの試行調査から読み解く。好評既刊『国語教育の危機』の続編。歪められつつある国語教育の未来形を探る。
  • 国語教育の危機 ──大学入学共通テストと新学習指導要領
    4.0
    「大学入試センター試験」に代わって新しく導入される「大学入学共通テスト」。試行テスト等の内容を見る限りでは、本当に国語の大学入試問題なのかと首をかしげたくなる。新テストは、「新学習指導要領」の内容を先取りする形で作成されており、これが文部科学省の目指す理想形だとしたら、いま国語教育は重大な危機に瀕していると言えよう。「大学入学共通テスト」と「新学習指導要領」をつぶさに分析し、そこからかいま見える国語教育が抱える問題点を指摘し、警鐘を鳴らす。
  • 国語教科書の思想
    4.0
    戦後の学校教育は子供の人格形成を使命の一つとしてきた。現在、その役割を担っているのが国語である。小・中学校の教科書をテクストに、国語教科書が子供たちに伝えようとする「思想」が、どのような表現や構成によって作られているかを構造分析し、その中に隠されたイデオロギーを暴き出す。
  • 国語教科書の中の「日本」
    3.6
    「グローバル化」と「伝統重視」という相反する二つの流れの中で大転換期を迎える国語教育は、無意識のうちに「日本」という感性を押し付ける教育装置になってはいないか? 「古き良き日本」ばかりが描かれる小中学校の教科書をテクスト分析することで、書かれた言葉の裏に隠されたメッセージを読み解く。
  • 国際法
    4.5
    国際法とは何かと聞かれても、すぐにイメージしにくいかもしれない。でも、憲法や安全保障のような国民全体の大問題だけでなく、コンビニでパンを買うといった私的な問題にまで国際法は関わっている。そのように広く国際社会に通用している国際法をどう理解すればよいのか。弱肉強食の「国際社会」という不条理の世界で、法はどう働くのか。そうした「生きた国際法」を誰にでもわかる形で、国際法の第一人者が解説。グローバル時代を生きるすべての現代人にとって必読必携の書。
  • 国際報道を問いなおす ──ウクライナ戦争とメディアの使命
    4.3
    2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻によって世界は予測不能な激動の時代へと突入した。だがこの戦争の苛烈きわまる現実やその背景を、日本のメディアは的確に伝えられただろうか。「なぜこんな事態が起きたのか」という人々の切実な問いに向き合えただろうか。長年、国際報道の理想と現実の間で格闘してきた第一人者が、ウクライナ戦争によって浮き彫りになった日本メディアの抱えるジレンマを指摘するとともに、激変する世界を前に国際報道が果たすべき役割を考える。
  • 国際貿易法入門 ──WTOとFTAの共存へ
    4.0
    戦後すぐの「関税と貿易に関する一般協定(GATT)」で国際貿易法は確立し、世界貿易機関(WTO)が1995年に発足したが、近年ではWTOは弱体化し、自由貿易協定(FTA)が増加している。そのことを踏まえて、日本が関与している主だったFTAとして、TPPや日EU・EPA、RCEP、日米貿易協定を詳しく解説。最後にWTOとFTAが共存する新時代の国際貿易体制を提示し、日本を取り巻く国際環境の変化を見すえつつ解説する。ビジネスにも役立つ国際貿易法入門。
  • 黒人のアメリカ ――誕生の物語
    3.0
    「アメリカの黒人」はどのようにして誕生したのか?奴隷解放ののち、苦難の道を経て、彼らはアメリカに留まりアメリカ社会の一員たることを選択する。著者はその誕生の時の立ちもどり、黒人たちのさまざまな「物語」のなかに彼らの「共生」の夢を探っていく。しかし真の共生はいまだに実現していない。黒人文化などさまざまな異文化が対等につくりだす「多文化」のアメリカは可能なのだろうか?著者は歴史の声に耳を傾けながら、そう問いかける。

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