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グローバル経済の拡大に取り残されつつあるといわれ続けてきたわが国の経済も、ようやく復調の兆しを見せ始めた。わたしたちは、改めてグローバル化する市場経済の現実を冷静に見つめなければならない。貿易、経常収支、為替レートなどの問題は、経済を理解するうえでの必須の基本事項である。本書では正しい国際経済学の見方を、グローバル経済の現実に即して解説する。
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Posted by ブクログ
貿易収支、比較生産費原理、、、等々 平易な言葉で説明されており分かりやすい。 なんかこの著者、同じような内容の本をたくさん書いているような気がするけど、ま、いっか。 面白いし、まいっか。
著者の新書版「経済対立は何故起こるのか」の改訂版らしい。というのも、野口旭の前著は、絶版扱いであって筆者は読んでいなかった、読めなかったのである。 野口には、基本から解き明かし理詰めで説明してくれる分りやすさがあって筆者好みの論述がいいのである。扱っている内容は、グローバリズムのことだが、グロー...続きを読むがリズムの肯定面を貿易の観点から、比較優位説に従って述べてあって素人の筆者にも理解しやすい。グローバリズムという言辞を表題に持ってくるというのも中々に挑戦的今日的だが、「景気拡大」が持続しており、その恩恵を受けている上場企業では、グロバーリズムの否定面を見る向きは少なくなっているだろう今日、出版のタイミングがずれたかなという印象がある。従って、国際経済を基本から根本的に見るというような表題の方が、長期的には売れただろうにと老婆心ながら思ったが・・・。国際経済といっても、経常収支=輸出ー輸入=GDP−民間消費を機軸に、イギリスの通貨危機、アジアの通貨危機が、為替の安定と金融政策、資本移動の自由、のトリレンマによって引き起こされたというきわめてオーソドックスな基本に沿った説明が丁寧に、また、素人にも分るように述べられている。無根拠な扇情的な経済評論や経済の名を騙った意図的な政治評論に流されることに疑問がある人は是非手にとって考えて見るべき参考経済本である。但し、中国の固定相場は、通貨危機に陥る可能性は、今日ほぼゼロであるという理由なき断定する箇所があったが、それがどうにも解せない。と同時に通貨危機が起きないという理由をぜひとも知りたくなった・・・。
自分の頭ではどうも理解できない部分もあった。 例えば、比較優位産業は労働集約的産業→資本集約的産業→R&D集約的産業に移行していくとあったが、これは為替の問題で解決できるようなことではないのか。例えば、現在中国で繊維産業などが盛んに作られているが、これは中国が為替を固定させているからではないか。日本...続きを読むも円安になりさえすれば、そのような産業も少しは栄えたりもするのではないのでしょうか。 他の歴史的事実などの説明に関してはとても分かりやすく、勉強になりました。 中国に関してはイギリスなどのような通貨危機はないかもしれないが、物価を抑えられなくなってバブルになるってのがオチのような気がしてなりません。 「経済的敗者を生み出すのはグローバル化ではなく、市場経済の問題」という言葉は共感です。そりゃ、市場経済はなんらかのリスクをとらなければならないから、全員が勝者になることはないでしょう。それこそ社会主義の復活になってしまいます。 最後に、結局は日本一国の問題は何なのかと思うと、為替の問題、デフレの問題だと思えてなりません。そりゃ、グローバル化で世界ハッピーになっても日本がハッピーにならなければ意味がありません。それを考慮すると、まずはデフレを解消することが先決なのではないのでしょうか。 あと、貿易不均衡などのグローバル・インバランスなどは解消しなくてよいのでしょうか。 読み終わっても疑問が残り、自分の理解能力の不足に幻滅するばかりです。さらに勉強してから再読したいです。
[ 内容 ] グローバル経済の拡大に取り残されつつあるといわれ続けてきたわが国の経済も、ようやく復調の兆しを見せ始めた。 わたしたちは、改めてグローバル化する市場経済の現実を冷静に見つめなければならない。 貿易、経常収支、為替レートなどの問題は、経済を理解するうえでの必須の基本事項である。 本書では...続きを読む正しい国際経済学の見方を、グローバル経済の現実に即して解説する。 [ 目次 ] 第1章 グローバル経済の虚像と実像(グローバル経済を学ぶ意味 グローバリゼーションの光と陰 「グローバル資本主義の危機」は本当か) 第2章 貿易は何のためにあるのか(国際競争主義はなぜダメなのか 比較優位の考え方 貿易についての誤解を解く) 第3章 国際分業のグローバルな展開とその変貌(変貌する国際分業構造 国際貿易体制の過去と現在) 第4章 貿易黒字・赤字の正しい考え方(国際収支の見方 貿易不均衡はなぜ起きるのか 貿易黒字・赤字の誤解を解く) 第5章 「グローバル資本主義」の真実(国際通貨制度の過去と現実 国際通貨制度の行方) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
経済学の初歩の教科書を読まされているような感じ。「グローバル化に疑問を呈する連中は、この程度も知らないのか」といわんばかりの意欲にあふれた本。 現にグローバル化の陰で起きていることについては巧みに逃げているが、全体的な経済的効率がどのように達成されるかについてはきちんと書かれている。
グローバル経済とは、通貨制度の問題であるという視点。経済学的観点から、グローバル経済とはなにかをすっきりと整理する。
クルーグマンの教科書だと分厚すぎて読むのに疲れる内容をコンパクトにまとめてくれてる。 主にグローバリズムに焦点を当てて、比較生産比説、ヘクシャ=オリーンの定理、経常収支に関する俗論を論破している。 目からウロコ。
ニュース等でいわれている「国際競争力」や「グローバル経済」というよく使われているが、実は定義があいまいで社会通念上スケープゴートとしても使われている等、面白く読める。 本書の一節に下記の文章があった。 「一国が貿易を行うということは、比較優位産業に特化することであり、それは同時に、比較劣位産業を縮小...続きを読むさせるということ。」要は得意なことしてお金儲けようねってこと。これって結局個人の経済活動にもあてはまるよな。得意なことを職業にしないとつらいし。
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