土井健司の作品一覧
「土井健司」の「神認識とエペクタシス ニュッサのグレゴリオスによるキリスト教的神認識論の形成」「救貧看護とフィランスロピア(関西学院大学研究叢書) 古代キリスト教におけるフィランスロピア論の生成」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「土井健司」の「神認識とエペクタシス ニュッサのグレゴリオスによるキリスト教的神認識論の形成」「救貧看護とフィランスロピア(関西学院大学研究叢書) 古代キリスト教におけるフィランスロピア論の生成」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
キリスト教に対して人びとが抱く素朴な疑問を手がかりとして、著者の考えるキリスト教の根幹的な発想が、わかりやすく解説されています。
著者はまず、平和を説くキリスト教がなぜ十字軍などの戦争を起こしてきたのかという疑問をとりあげます。そして、社会を特定の教義によってまとめあげる力ではなく、社会をまとめるために引かれた境界線を乗り越えることこそが、キリスト教を特徴づけていると論じています。またこれに続いて、「善きサマリア人」のたとえを参照し、キリスト教の説く「愛」についての考察も展開されています。
さらに著者は、一神教とは何かという疑問を取り上げ、一神教と多神教を対立させる見方に疑問を投げかけます
Posted by ブクログ
キリスト教は、「何者か」であることでなく「人間同士の出逢い」として向き合うこと。
上記の表現について、しっくりきた。
どうしても「何者か」「肩書きは何か」というところで人を判断する場合が多く、その場合にはやっぱり個別性というところは欠落してしまう。
しかしその個別性のなかにこそ「その人」たらしめるものがあり、そのゾーンに入っていくことがキリストの行った隣人愛である。
こうして人間が「わたしーあなた」の関係を作る場を提供するのが、「神」である。それを可視化したのがイエスだ、という説明にも納得がいった。
一応、ミッション系の大学だったので講義はあったが、個別の教義をどう解釈して何を伝えてい
Posted by ブクログ
キリスト教への疑問を真正面から受け止め、誠実に答えようとしてその姿勢は高く評価せねばならない。
例えば、十字軍のようにキリスト教の名前で幾多の戦争や残虐行為がなされたのはなぜか?
神の説く愛とは何か?
善人なのに不幸になるのは何故か?
祈っても通じないのはどうしてか?
一神教はどうして他の宗教に対して不寛容なのか?
何で神は見えないのか?
などなど・・・
これらの疑問に対して、聖書からはもちろんのこと、古今の書物を参照して説明している。
だけれども、説明すればするほど、こういう説明が必要なこと自体おかしいことに気付く。
そもそも宗教なんて、理屈じゃないんだ。
疑問を挟まず頭から信じてりゃいい
Posted by ブクログ
キリスト教徒でない人が理解の及ばない(認識しにくい)点を、キリスト教徒として真面目に論じた好著。
主体性をもたずには、隣人愛も神も祈りも理解出来ない。だからこれまで私にはキリスト教を知ろうとしても常にいいようのない違和感(気持ち悪さといってもいいかもしれない)が付き纏っていた。おそらくこれからもそうなのだろう。
でも、主体的でない立場にいるという事を自覚したのは、大事な一歩だったように思う。「あなたーわたし」のまさに主体的な関係から隣人愛、神、祈りが機能し、領域を超越する。そのことを認識することができたから。
しかしながら、一般論で語る以上、あるキリスト教徒個人の問題をすべて議論できないこ