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伯林蝋人形館
あらゆる文化ジャンルが爛熟を極めたドイツ〈黄金の1920年代〉を背景に、6人の男女の人生模様が交錯する! 第1次世界大戦に敗れたドイツ。極端なインフレと共産主義との闘いで混迷するなか、退廃的な文化は爛熟を深めてゆく。映画界では「カリガリ博士」に続きフリッツ・ラングやフリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウらの〈光と影の芸術〉が花開き、表現主義建築が人々を驚かせ、演劇界ではブレヒトが独自の理論を引っさげて彗星のごとく登場する。 元プロイセン貴族の士官で戦後はベルリンでジゴロとして無為に生きるアルトゥール――彼を巡って紡がれた、視点の異なる6つの物語の中に、ナチス台頭直前の1920年代のドイツの幻影と現実が描かれる壮大な歴史絵巻。 解説・瀬川裕司 -
ペット・ショップ・ストーリー
東村アキコ氏絶賛「不倫の漫画を描くのに、とても参考になりました」 女が本当に怖くなる11の物語。 理由あって、都会から実家に戻った「私」は、年老いた母とペットのマルチーズと暮らしている。 時どき立ち寄るペットショップの女主人・中山圭子は、犬や猫をあやしながら、さり気なく飼い主から話を聞き出すのが得意。 圭子のもたらす情報が、「私」のどす黒い過去を甦えらせる――。 表題作ほか、婚期をのがした娘の子宮切除手術の前夜、娘の傍らで眠る父の悲哀と甘やかな妄想を描く「初夜」。 バーで独り飲む女にバーテンダーが語った奇妙な体験「眠れる美女」。 可愛かった妹の人生が低迷してゆくのを見守る兄の心理「いもうと」。 初めての不倫にふみだす妻のためらい「春の海へ」。 故郷の町に戻ってきた三人の女たちに渦巻くねたみと憎しみ「帰郷」など、10篇の恋愛官能小説集。 解説・東村アキコ *本書は2005年6月に文藝春秋より刊行された文春文庫『初夜』を改題し、解説を加えた新装版です。収録している短篇は同じです。 -
崩壊の森
日本人特派員、土井垣が降り立ったソ連は“特ダネ禁止”の地だった。 謎に包まれた帝国で監視の目を潜り、取材を開始する土井垣。しかし、その周囲では次々に不可解な出来事が起こる──。 ソ連崩壊という世界的スクープを報じた斎藤勉をモデルに、魑魅魍魎が蠢くソ連崩壊前夜を圧倒的リアルで描き尽くす。 今、読むべき本物のインテリジェンス小説! 諜報、盗聴、罠、駆け引き、裏切り…… “ソ連崩壊”を世界に先駆けて報じた 日本人記者が見た「真実」とは? 「どうやら、この国のことを少し甘く見ていたらしい──」 吉川英治文学新人賞を受賞した『ミッドナイト・ジャーナル』、直木賞候補となった『傍流の記者』。 気鋭の著者が放つ、極寒の氷をも溶かす熱き闘いの物語! 解説は、保守派に換金されたゴルバチョフの生存情報の第一報を伝えた、当時、在ソ連日本国大使館の三等書記官だった作家の佐藤優さんです。 ※この電子書籍は2019年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ほしのこ
わたしはひとりじゃない。 夜、見上げれば、わたしには わたしが生まれた あの赤い星の近くの星が見える。 子どもと、かつて子どもだった人へ贈る物語。 芥川賞受賞第一作! 「生きるというのは永遠に巡ってゆく 回ってゆくのだと、流れるイメージの 中でほしのこが可愛く力強く教えて くれました。天ちゃん、カッコイイ。」 のん(女優・創作あーちすと) 【出てくる人】 天――海辺の小屋で暮らす少女。父は大雨の日、山から星に帰ってしまった。 ルル――その冬はじめての雪が降った日、小屋にあらわれた女の子。 飛行機乗り――山に、飛行機が落ちてくる。飛行機乗りは、ケガをしている。 -
ホライズン
主人公の真知子は海外企業に職を得た夫の転勤で南半球へ。 幼い娘と共に海外での新生活が始まった。 美しく小さな異国の街に暮らす日本人達のコミュニティには、暗黙のヒエラルキーがあり、夫の職業や現地の家の場所によって厳然たる階級が築かれていた。 その中で真知子は、投資銀行に勤める夫を持つ佐倉郁子、商社マンの妻の津田宏美、現地の日本人シェフと再婚した木村弓子と親しくなる。 しかし、日本人会のバザーで起こった事件をきっかけに、彼女たちの関係は一気にあやういものになっていく。 内気な真知子は翻弄されつつも、壊れかけた友情の糸を結び合わせながら、少しずつ自分の居場所を獲得していく…。 結婚、出産、仕事、お金…。 今、女性が「生きる」ことについて、真摯に、正面から向き合った傑作長篇。 -
ホリデー・イン
「初めまして、お父さん」。 元ヤンでホストの沖田大和の生活が、しっかり者の小学生・進の登場で一変! 思いもよらず突然現れた息子と暮らすことになった大和は、宅配便会社「ハニー・ビー・エクスプレス」のドライバーに転身するが、荷物の世界も親子の世界も謎とトラブルの連続。 宅配便会社の仲間や、ホストクラブ経営者のおかま・ジャスミン、ナンバーワンホストの雪夜らも巻き込んでの、大騒動を描いた『ワーキング・ホリデー』が刊行されたのは2007年。その後の大和と進の物語を書いた『ウィンター・ホリデー』が2012年、同年には『ワーキング・ホリデー』が映画化され、文庫も含め「ホリデー」は人気シリーズへと成長。 本書には親子の物語ではなく、彼らを取り巻く人々の物語、いわば「ホリデー」シリーズの外伝ともいえる6つの短編が収録。 1 「ジャスミンの部屋」 …… ジャスミンが拾った謎の中年男の正体は? 2 「大東の彼女」 …… お気楽フリーターの大東の家族には実は重い過去があった 3 「雪夜の朝」 …… 完璧すぎるホストの雪夜にだってムカつく相手はいるんだ! 4 「ナナの好きなくちびる」 …… お嬢さまナナがクラブ・ジャスミンにはまった理由 5 「前へ、進」 …… まだ見ぬ父を探し当てた小学生の進の目の前には―― 6 「ジャスミンの残像」 …… ヤンキーだった大和とジャスミンの出逢いの瞬間 ハートウォーミングな6つの物語。 解説・藤田香織 -
本売る日々
本を愛し知識を欲する村人たちを描く! 文政5(1822)年。月に1回、城下の店から在へ行商に出て、 20余りの村の寺や手習所、名主の家を回る本屋の「私」。 上得意先のひとり、小曾根村の名主・惣兵衛は 近頃、孫ほどの年の少女を後添えにもらったというが、 彼女に何か良い本を見繕って欲しいと言われ―― 用意した貴重な画譜(絵本)が、目を離した隙に2冊なくなっていた。(本売る日々) 村の名主たちは、本居宣長の『古事記伝』、塙保己一が編纂した『群書類従』など 高価な本を購い、書店主と語り合う。 村人が決して実用的でない知識を求めるのはなぜなのか。 徐々に彼らが知識を、特に古代や朝廷を研究する「国学」を求める 理由が分かってくる。 江戸時代の豊かさは村にこそ在り、と 考える著者が、本を行商する本屋を語り部にして 本を愛し知識を欲し人生を謳歌する 人びとの生き生きとした暮らしぶりを描いた中編集。 解説 平松洋子 単行本 2023年3月 文藝春秋刊 文庫版 2025年6月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
僕たちの保存
メモリ16KBの青春がよみがえる。サブカル満載、大人のロードノベル 語り手“ゲンさん”「胃袋だけは十年前と同じで老けてないのかな」 年上の友人・武上さん「クラウドってのは、なんなの。なんか、たまに聞くけど」 その引きこもりの甥シンスケ「昭和のオタクは、足だけは丈夫なんです」 人気漫画家の亀谷さん「すごくいい話ですね」 ――新幹線、自転車、バス、テスラに乗って、おかしな一行は旅に出る。 震災被害者の形見のMSXパソコンが過去と現在をつなぎ、思いもよらぬ光が未来を照らす。 イーロン・マスクやホリエモンにはならなかった、あのとき無数にいた「僕たち」の物語。 千葉雅也氏推薦! 「何かが残る。残らないものもある。忘れられたものが回帰する。歴史とは、「どのように保存するかの歴史」だとも言えるし、文学もそのメディアのひとつだ。長嶋有の新作は、情報とモノの置き場が劇的に変わっていったこの約半世紀、すなわち「パソコン以後の世界」の本質を、静かに描き出そうとする。」 -
僕のなかの壊れていない部分
「どうして自分はあのことを忘れることができないんだろう?」 剥きだしの叫ぶが響く、著者の初期傑作。 美しい恋人・枝里子をサプライズで京都に誘った。 それは、昔の男が住む京都で枝里子の反応を見ようという悪意だった――。 東大卒出版社勤務、驚異的な記憶力を持つ「僕」は、同時に3人の女性と関係を持ちながら、誰とも深いつながりを結ぼうとしない。 その「理屈っぽく嫌味な」言動の奥にあるのは、絶望なのか渇望なのか。 彼の特異な過去を知った枝里子は。 「自分の人生にとって本質的なことからは決して逃れられない」 切実な言葉たちが読む者の胸を貫いてロングセラーとなった傑作が文春文庫に登場。 解説・窪美澄 -
ぼくらの犯した罪の半分【文春e-Books】
ぼくと彼女は共犯関係にある――。 第一回「週刊文春」小説大賞、準大賞受賞作が電子書籍化! 発行部数65万部のNo.1週刊誌「週刊文春」と、 小説投稿サイト「エブリスタ」が夢のコラボ。 「週刊文春」小説大賞が堂々誕生! 「表の顔、裏の顔」をテーマに募った多数の作品の中から、 第一回の準大賞を受賞した「ぼくらの犯した罪の半分」を 電子書籍オリジナルコンテンツで配信いたします。 【あらすじ】 半年前に起こったある事件、ぼくはその一部始終を書き記そうとしている。 SNSで出会った顔も知らない女性・ユリアと、ふと立ち寄った花屋で働いていた香純。 二人の女性の間で起こった悲劇、そしてその時ぼくがとった行動とは――。 驚愕のサスペンス小説! 表紙イラスト・くろのくろ -
ボラード病
日本中を震撼させた傑作がついに文庫化! B県海塚市は、過去の厄災から蘇りつつある復興の町。 皆が心を一つに強く結び合って「海塚讃歌」を歌い、新鮮な地元の魚や野菜を食べ、 港の清掃活動に励み、同級生が次々と死んでいく――。 集団心理の歪み、蔓延る同調圧力の不穏さを、少女の回想でつづり、 読む者を震撼させたディストピア小説の傑作。 (解説・いとうせいこう) 「誰も触れたがらないきわどいポイントを錐で揉みこむように突いてみせた、とびきりスキャンダラスな作品」(松浦寿輝) 「この作品に描かれた社会が、近未来の日本に現れないことを願っている」(佐藤優) 「世界をありのままに感じることがいかに困難であるかを描きだした魂の小説」(若松英輔) -
ポップ・フィクション
エンタメの深層をつかめ。 大正時代、出版華やかなりし頃。 「市民公論」編集部の松川は、窮地に立たされていた。 担当した企画のせいで、筆者が大学を追われることになったのだ。 奔走する松川に、主幹は驚きの決断を下す。 同じころ、当代きっての人気作家・菊谷は、 「書きたいものを書く」ための雑誌を立ち上げようとして…… 「100万部突破の常勝雑誌を作る」宿願は叶うのか? 徳川夢声、谷崎潤一郎―― 作家や文化人たちが侃々諤々の議論を交わしながら、 面白いものを作ろうと奮闘する様を描く。 刊行点数200冊に迫るエンタメ界のトップランナーが送る、出版お仕事小説。 -
ポーラースター
ゲバラ、カストロ、エビータらを活写! キューバ革命に至る壮大な物語がいま始まる。 喘息持ちだった少年エルネストは舞台女優のジャスミンとの恋など青春を謳歌しつつ、やがて医学生となる。 そして1952年、ペロン政権下の母国アルゼンチンから出発して、親友ピョートルと共に南米大陸縦断の旅へ。 そこで社会の弱者らと出会いながら、成長していく――。 ゲバラ、カストロというキューバ革命の英雄たちが躍動する著者渾身のシリーズ。 第一巻では、ゲバラ、エビータらを活写。キューバ革命に至る壮大な物語の青春編が開幕! 巻末に著者と女優・鶴田真由さんとの対談のほかに、電子版オリジナルの特典付き。 【電子特典】 全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。 電子版あとがき 『ポーラースター1 ゲバラ覚醒』 【関連小文】1 「キューバ・ラブワゴン」 1話「余はいかにしてキューバへたどりついたか。」 【関連小文】2 「キューバ・ラブワゴン」 2話「オラ、ハバナ」 【関連小文】3 「私の週刊食卓日記」 【関連小文】4 「ペルーに酔う」 【関連小文】5 「〈エビータ〉と〈チェ・ゲバラ〉の接点」 【関連小文】6 「テーマソングは成り行きまかせ」 -
マイ・ディア・キッチン
~『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』の 大木亜希子が贈る最新作は、“人生が愛おしくなるお料理エンタメ”~ 「ずっと、人に振り回されてきた。私さ、心が空っぽなの。 これからはもっと、自分のために生きたい」 元料理人の主婦・白石葉は、夫のモラハラに耐える日々を送っていた。 財布の紐、交友関係、食事、体型まで徹底的に管理されてきたが、 ある日事件が起きる。家から逃げ出した葉が辿り着いたのは、 街の小さなレストランだった。 ☆大人気料理家・今井真実さんのレシピつき!☆ 自立とはなにか。その答えを葉とともに追う、旅のような物語――寺地はるな(作家) 食べることは、生きること。一つのお店を通して交差するいくつもの人生を追体験して、 何度も心が揺れました。――深川麻衣(女優) -
魔王の島
――彼女のはなしは信じるな。 2019年度コニャック・ミステリ大賞受賞、 幾重もの罠を張り巡らせた真のサイコ・ミステリー。 祖母の訃報を受け、彼女は孤島に渡った。終戦直後に祖母とここで働き始めた者たちだけが住む島。本土への船が来る日までを島で過ごす彼女は、やがてこの島に漂う不吉な影に気づきはじめる。ここには何か忌まわしい過去がある。そして若き日の祖母の手記にも謎の「魔王」の影が……。 島で行われていたというナチスの実験。 この島に逗留し、やがて海で死んだ子供たち。 何かを封じた開かずの扉。 すべての核心となる「サンドリーヌの避難所」事件。 積み重なる謎。高まりゆく不安と恐怖。 誰かが誰かを欺こうとしている。 誰が誰を欺こうとしているのか? いったい何が真実なのか? 読めば読むほど深まる謎また謎。曲折しながら突進する行先不明のストーリー。反則スレスレの大驚愕。――この種の不敵なミステリーの名産地といえばフランス。そこから新たな鬼才が登場しました。不吉なイメージの乱舞と恐ろしい出来事の連打の中に編み込まれた幾重もの罠! 『その女アレックス』のルメートル、『黒い睡蓮』のビュッシ、『パリのアパルトマン』のミュッソに続くフランスの刺客、ジェローム・ルブリ。その大胆不敵な怪技をご体験ください。 -
マスク スペイン風邪をめぐる小説集
100年前の日本人は、疫病とどう戦ったのか? 文庫オリジナル! マスクをし、うがいをし、できるだけ外出をしない……あの文豪だって感染対策をしていた。 スペイン風邪が猛威をふるった100年前。作家の菊池寛は恰幅が良くて丈夫に見えるが、実は人一倍体が弱かった。 そこでうがいやマスクで感染予防を徹底。その様子はコロナ禍の現在となんら変わらない。スペイン風邪流行下の実体験をもとに描かれた短編「マスク」ほか8篇、心のひだを丹念に描き出す傑作小説集。 【収録作品「マスク」あらすじ】 見かけは頑健に思われているが、実は心臓も肺も、胃腸も弱い。そんな自分に医者は「流行性感冒にかかったら、助かりっこありません」と言う。だから、徹底的に感染予防に努めた。でも暖かくなったある晴れた日に、黒いマスクの男を見かけて――。 ※この電子版には辻仁成氏の解説は収録していません。 -
真冬の大満足プレシャスパック2時間【文春e-Books】
セックスって、こんなに簡単なものだったっけ? 15年間、一緒に暮した元夫とのそれは、とにかく気合と努力と体力が必要な大仕事だったのに。 離婚して1年、46歳の私は、ホームセンターのパートとして働いている。その店のつかえない営業担当の男に誘われるままカラオケボックスへ行き、ソファの上でタイツと下着を脱がされて・・・。それから私と男は何度もカラオケボックスの二時間コースを利用している。お互いに一度も達していないから、セックスフレンドでさえない。中途半端で、ささやかな間柄がちょうどいい。 一年ぶりに元夫と会ったとき分かった。若い女と結婚したこの人も、カラオケ屋で若い男とイチャつく私も、前線に復帰したのだ。入籍から離婚まで、ひと通りを経験してわかった結婚生活の正体を描く。 -
まほろ駅前狂騒曲
まほろ市は東京都南西部最大の町。 駅前で便利屋「多田便利軒」を営む多田啓介と、 居候になって丸二年がたつ行天春彦。 二人のもとに、かつてない依頼が…… それは、夏の間、四歳の女の子「はる」を預かること。 慣れないことに悪戦苦闘する二人に、忍び寄る「魔の手」! まほろ市内で無農薬野菜を生産販売する「家庭と健康食品協会」の幹部・沢村。 まほろの裏社会を仕切る、若きボス・星。 地元のバス会社・横浜中央交通(横中)に目を光らす岡老人。 彼らのおかげで、二人は前代未聞の大騒動に巻き込まれる! 文庫特典 短篇「サンタとトナカイはいい相棒」収録。 解説・岸本佐知子(翻訳家)。 太っ腹の全528ページ。見た目は「最厚」、中身は最高! 『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』に続く、 三浦しをんが心血をそそいだ「まほろシリーズ」 堂々の完・結・篇! -
まほろ駅前番外地
映画化もされた第135回直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』の多田と行天が帰ってきた!相変わらず、汚部屋清掃、老人の見舞い、庭掃除に遺品整理、子守も料理も引き受ける多田便利軒。ルルとハイシー、星良一、岡老人、田村由良ら、お馴染みの愉快な奴らも健在。多田・行天の物語とともに、曾根田のばあちゃんの若き日のロマンス「思い出の銀幕」や岡老人の細君の視点で描く「岡夫人は観察する」など、脇役たちが主人公となるスピンアウトストーリーを収録。 ※この電子書籍は、2012年10月に文藝春秋より刊行された電子書籍の表紙を変更したもので、内容に変更はありません -
ママがやった
或る家族の半世紀を描いた、愛をめぐる8つの物語。 小料理屋の女主人・百々子(79歳)と、若いころから女が切れない奇妙な魅力をもった夫・拓人(72歳)。半世紀連れ添った男を、ある日水で濡らしたタオルを顔にかぶせ、その上に枕をおき全体重で押さえ、殺した。 急きょ集まった三人の子供たちに向かって「あんたたち、お昼食べていくんでしょう」と、百々子は米をとぎはじめる。 「ママはいいわよ。べつに、刑務所に入ったって」警察に連絡するしないでもめている三人に、のんびりした口調で話す。 死体処理の相談をする姉たちは弟・創太にブルーシートを買ってくるよう命じるが、創太の足は父親との思い出の店・小鳥屋へ向いていた―― 表題作ほか、「五、六回」「ミック・ジャガーごっこ」「コネティカットの分譲霊園」「恥」「はやくうちに帰りたい」「自転車」「縦覧謝絶」の全八篇。 解説:池上冬樹 -
ミカエルの鼓動
この者は、神か、悪魔か――。 気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編。 大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、とてつもない速さで完遂する。 あるとき、難病の少年の治療方針をめぐって、二人は対立。 「ミカエル」を用いた最先端医療か、従来の術式による開胸手術か。 そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。 大学病院の闇を暴こうとする記者は、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。 天才心臓外科医の正義と葛藤を描く。 -
水色の娼婦
日露戦争から第二次世界大戦、激動の時代に翻弄された美貌の混血ダンサーがいた! 図らずも日本のスパイとして活躍した波乱の人生が甦る、感動のノンフィクション・ノベル。 1990年春。ベルリンの壁崩壊を取材に訪れたジャーナリストは、日本人の母親を持つという元タンゴダンサーの老女、エヴァ・ミツ・ロドリゲスと知り合う。 娼婦だった母はアルゼンチンで入水自殺を遂げ、母親の元同僚トミエに育てられたエヴァはタンゴダンサーとなる。 やがてエヴァはコンチネンタルタンゴの本場ドイツへと渡るが、欧州はナチス・ドイツにより戦火の坩堝と化していく。 その美貌とダンスでナチスの大物にもかわいがられるようになったエヴァに近づいてきたのは、日本の商社員・吉川公夫だった。 陸軍の諜報員である吉川に魅入られ恋に落ちたエヴァは、日本側の女スパイとして活動することを余儀なくされる……。 -
南の島のティオ
小さな南の島に住むティオと出会った人々を中心に、つつましくも精神的には豊かな島の暮らしをさわやかに描く。 お父さんとティオが経営しているホテルに絵はがき屋さんがやってくる。島やホテルの風景の絵はがきをお客さんが買って手紙を出すと、もらった相手は、どうしてもこの景色をみたくなる。だから、このホテルに必ず人を連れてくるはがきなのだという。 この夢のような話を信じたティオに、絵ハガキ屋さんが最後におまけにくれた一枚とは? 花火で「空いっぱいの大きな絵」を描いた黒い鞄の男などの個性的な人々とティオとの出会いを通して、つつましさのなかに精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに、かつ鮮やかに描き出す連作短篇集。第41回小学館文学賞受賞した作品に、「海の向こうに帰った兵士たち」を加えた増補版。解説・神沢利子 ※この電子書籍は2010年11月に文藝春秋より刊行された増補版文庫を底本としています。 -
ミナミの春
愛する娘を傷つけたくない。著者渾身の人情譚 痛みも後悔も乗り越えて、いつかみんなできっと笑える。 『銀花の蔵』で直木賞候補、 いま注目の作家が放つ“傑作家族小説”! 売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生…… 大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。 ◎松虫通のファミリア 「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。 ◎ミナミの春、万国の春 元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。 (他、計6篇) -
見果てぬ王道
孫文を支え続けた日本人実業家の、スケール感溢れる一代記 映画事業で大成功をおさめ、その資金で革命家・孫文を支援し続けた梅屋庄吉。その情熱と葛藤、国境を越えた友情を直木賞作家が描く。 長崎の貿易商・梅屋商店の跡継ぎとして育った庄吉は、香港で写真館を経営する。そこで出会ったのが、清朝を打倒し、西洋の武力支配からの自立を目指す若き孫文だった。西洋列強による東洋の侵略に理不尽を感じていた庄吉は、孫文の情熱を知り、革命を支援することを約束する。庄吉はやがて、日活の前身となるMパテー商会を創立。黎明期の映画事業は大成功を収め、その資金で革命を支援し続ける。 実業家・梅屋庄吉の熱き生涯! -
未来の自分に出会える古書店
著書発行部数1000万部を超える齋藤孝・明治大学教授がはじめて小説スタイルに挑戦。 現代版『君たちはどう生きるか」。 サッカーに熱中する中学二年生の「メッシ君」と、絵を描くことが大好きな高校二年生の「ゴッホ君」の兄弟。 二人の家の近所に、古書店「人生堂」が開店した。 その店主「サイトウさん」は、二人がさまざまな悩みを相談するたびに、さりげないアドバイスとともに、何冊かの本を教えてくれる。 コンプレックス、いじめ、進学、恋愛、身近な人の死……思春期の少年なら誰しも突き当たるような問題に、本は道しるべを与えてくれ、成長に誘ってくれる。 またそれらの本を読んでいるうち、格差社会や環境問題など、未来を生きていく上での指針も見つかるだろう。 あまり読書が好きではなかった二人だが、サイトウさんの店に通う半年弱の期間に、みるみる本が好きになっていった。 カバー絵は「漫画 君たちはどう生きるか」の羽賀翔一氏。 ポストコロナの時代を生き抜く青少年に贈る決定版の読書・人生の手引きです。 -
MILK
心と身体がざわつく恋愛短篇集 恋をして求め合う。その普遍的な欲求は、時にあたたかく、時にスリリングに日常を照らす。生きることの輝く半分は、ここにある――。 一人息子を妊娠して以来、夫とはセックスレス。このままでは三十代の十年間を一度もセックスしないですごすことになる、と思った皆子は、同じような境遇の男性と関係を持つことを決意する。(「アローン・トゥゲザー」) 結婚して七年になる直哉は、何気なく食事に誘ったアルバイトの女性と帰り道でキスをしてしまう。はじめ驚いていた彼女は、次の瞬間、思いもかけぬ提案をしてきた。(「いれない」) アメリカのブルーフィルムを上映している映画館で、年上の女性と出会った男子高校生の一志。彼女は脚本家で、AVの脚本を書く参考に一志の話を聞きたいという。(「水の香り」) など10篇を収録。 解説・いしいのりえ -
ムーンナイト・ダイバー
慟哭の夜から救済の光さす海へ。 3・11後のフクシマを舞台に、鎮魂と生への祈りをこめた著者の新たな代表作。 ダイビングのインストラクターをつとめる舟作は、秘密の依頼者グループの命をうけて、亡父の親友である文平とともに立入禁止の海域で引き揚げを行っていた。 光源は月光だけ――ふたりが《光のエリア》と呼ぶ、建屋周辺地域を抜けた先の海底には「あの日」がまだそのまま残されていた。 依頼者グループの会が決めたルールにそむき、直接舟作とコンタクトをとった眞部透子は、行方不明者である夫のしていた指輪を探さないでほしいと告げるのだが……。 巻末に著者によるエッセイ、「失われた命への誠実な祈り(文庫版あとがきに代えて)」を収録。 -
もう明日が待っている
放送作家・鈴木おさむが引退と同時に贈る、覚悟の一冊! これは「小説SMAP」である。 メンバーの脱退、トップアイドルのまさかの結婚、 誰にも言えなかった苦悩、戦い。 国民的スターとして沢山の夢を与えてきた彼らの全てが、 たった一夜の「放送」で壊れていった。そして日本中が悲しんだ解散。 彼らと20年間走ってきた放送作家にしか書けなかった奇跡の物語。 新たなテレビ文学、ここに誕生。 その先に明日はきっと、ある……。 目次より 第1章 素敵な夢をかなえておくれ 第2章 あれからぼくたちは 第3章 世界で二番目にスキだと話そう 第4章 1・2・3・4 FIVE RESPECT 第5章 WELCOME ようこそ日本へ 第6章 とってもとっても僕のBEST FRIEND 第7章 くじけずにがんばりましょう 第8章 20160118 第9章 もう明日が待っている -
もう「はい」としか言えない
浮気がばれて、パリへ逃げた。そこに悪夢が待っていた。 もう笑うしかない……松尾スズキ、衝撃の最新小説! 二年間の浮気が、キレイにばれた。別れたくない。二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。 妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。 無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。 性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。 半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。 「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」 胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。 飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。 これが悪夢の旅になったのである。 表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。 天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ! 〈著者プロフィール〉 一九六二年、福岡県出身。 一九八八年に「大人計画」を旗揚げする。主宰として多数の作・演出・出演を務めるほか、エッセイや小説の執筆、映画監督など、その活躍は多岐にわたる。 一九九七年、岸田國士戯曲賞受賞。二〇〇一年、ゴールデン・アロー賞演劇賞受賞。二〇〇六年、小説『クワイエットルームにようこそ』が芥川賞にノミネート。二〇〇八年、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の脚本で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。二〇一〇年、小説『老人賭博』が芥川賞にノミネート。 二〇一八年、「大人計画」は三十周年を迎えた。 -
もしも、私があなただったら
大企業を辞め福岡に戻った男。 東京から追ってきた、友人の妻。 人生の半ばを過ぎた二人は再出発できるのか――。 大企業を辞め、故郷の博多で小さなバーを営む藤川圭吾の前に、かつての同僚の妻・美奈が現れた。 心の通い合いを強く感じる啓吾だったが、あるひとつの疑念が頭を離れない――。 人生の半ばを過ぎた男女が再出発に向けて研ぎ澄まされていく。 企業の倫理、愛情の深淵をあますところなく描きこんだ長編恋愛小説。 解説・池上冬樹 ※この電子書籍は2006年に光文社より刊行され、文藝春秋より2020年5月に刊行した文庫版を底本としています。 -
ものごころ
子供の世界へダイブする、カラフルな短篇集 植物や花、虫やさまざまな生き物が乱舞する、色鮮やかで心躍る「子供の世界」へ! 二人の少年が川原で拾った、怪我をした犬の命運は。(「心臓」) 子供が飲み込んでしまったスモモの種はいつ出てくるのか。(「種」) 「穴」で芥川賞を受賞して以来、独自の小説世界を築いてきた小山田浩子さん。近年では海外に招かれる機会も多く、「日本発のマジックリアリズム」の旗手として注目を集める著者が、言葉の奔流のような文体と、顕微鏡をのぞきこむような高精細な描写で「子供の世界」に挑む9篇。 子供の世界へ身体ごとダイブし、子供が見るように世界を見る、唯一無二のカラフルな小説集。
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