やさしい訴え

やさしい訴え

小説・文芸
569円 (税込)

2pt

女のもとへ通う夫に傷つき、山あいの別荘へ隠れすんだ「わたし」。深い森の工房でチェンバロ職人とその女弟子と知り合い、くつろいだ気持ちをとり戻すが、しだいに湧きあがる情熱が三人の関係に入りこみ──。おごそかに楽器製作にうちこむ職人のまなざし、若い女弟子が奏でる『やさしい訴え』、カリグラフィーを専門とする「わたし」の器用な手先。繊細なうごきの奥にひそむ酷い記憶と情欲。三者の不思議な関係が織りなす、かぎりなくやさしく、ときに残酷な愛の物語。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    やさしい訴え
  • タイトルID
    :
    129377
  • ページ数
    :
    280ページ
  • 電子版発売日
    :
    2011年08月19日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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やさしい訴え のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    居場所を求める主人公の姿が痛々しく、悲しい気持ちになった。これまで読んだ小川洋子さんの作品の中で最も恋愛描写が濃厚だった。そして、孤独感も一層強かった。
    暴力を振るう夫との離婚、叶わない恋。次々と身の回りのものを失い、自分の存在を受け入れてくれる場所を探していく。淡々とした態度は達観してるようでもあり、しかし、嫉妬に燃え上がるほど情熱的な1面も見せる様は魅力的だった。
    やはり小川洋子さんの描く物語に常に香る切なさ、そう質感が大好きだと再確認した。

    0
    2024年01月24日

    Posted by ブクログ

    空気感が素晴らしいです。
    はっきりと書かれていないけれど、みんな、ほんとうに全員が置かれている状況を理解しています。
    わかったうえで、どうすべきか、行動しています。
    でも、人も動物です。
    したい、触れたい、という気持ちは抑えられない。
    それが限りあるものであり、失う危険もあるものだから、だからなおのこと感情が高まっていきます。

    札幌行きをやめさせるための咄嗟の行動(言動)には少なからず驚きました。
    でも、それは、行けばそうなる、ということがわかるから。もしも自分ならそうするだろう、そうなるだろう、ということの裏返しですね。

    結論としては敢えて言わない大人の対応で新しい道を踏み出すのですが、少し寂しいです。まあ、そうなるよな、という違和感のないストーリー展開。

    +++

    とてもこだわりを持って作品を作られているのに、鍵盤の色が近代タイプ。別の意味があるのかしらん。。。

    0
    2021年05月27日

    Posted by ブクログ

    人はそれぞれに収まる居場所がある。新田さんと薫さんはチェンバロという共通の世界の中で幸せを共有する2人でありその世界に瑠璃子が入ることはできない。不倫で分かれた旦那と不倫相手にもそんな世界があったのだろう。奪われた側は呆気なく感じるが、奪う側に立つとなかなか共通の世界に入り込むということはできない瑠璃子の気持ちが鮮明に描かれている。居場所がない孤独は自分自身しか知り得ないものだと思う。そんななかで生きるリアルさが鮮明に映し出される作品だった。
    小川洋子の作品は3作目だが情景や感情が非常に丁寧かつ繊細に描かれていた。

    0
    2020年04月09日

    Posted by ブクログ

    静かな別荘地でチェンバロ作家と離婚寸前で別荘に家でしてきた女性の静かな交流を描く、あまり起伏もオチもないストーリーだけど、この作者らしい、静かな心落ち着く雰囲気がある。

    0
    2019年07月10日

    Posted by ブクログ

    こんなにも徹頭徹尾「苦手かもこの人」と思う主人公がかつていたかしら。
    という感想を主人公の女性・瑠璃子にもった。

    とにかく視野が狭くて、自分のことしか考えていないのだ。
    好きな人とセックスに持ち込むことをねらい、持ち込めたら
    それを恋敵にチラつかせてマウンティングする。
    形成が不利になってきたら飼い犬を殺すと脅す。

    結構な感じにリアルにいやな女性なのである。
    小川洋子さんの文章力、すごい。
    ぐいぐい読んでしまった。

    きれいに振られるところが素敵な小説だと思った。
    人を書くって、きっとこういうことなんだろうなあ

    0
    2019年04月09日

    Posted by ブクログ

    深み、静謐を描ききった、チェンバロと三人を主軸に廻る物語。小川洋子の傑作。演奏家の方の解説で、チェンバロという楽器の持ち味を知る。

    全ては失われたのに、永遠が見つけられた。奇跡としか言いようのない読書体験。

    0
    2017年01月17日

    Posted by ブクログ

    村上春樹は井戸に潜るが、女性作家は森へ行く

    男性作家が孤独に「個」を掘り下げるのに対し、女性作家は対人関係という「森」に答えを求める。「西の魔女が死んだ」の森が「癒しの場所」なら、本作の森は「すべてを捨てるリセットの場所」。何もかも失うファンタジーなのに、残酷なほど美しい。小川洋子さんの文章、さすがに素敵すぎる……。

    0
    2026年08月03日

    Posted by ブクログ

    小川さんの作品の中でも、ファンタジー要素がかなり少なく、ただ、そこには小川さんらしい透明感や静けさがきちんとあって、痛みを伴う男女関係の中にも澄んだせせらぎのような愛の流れを感じられるお話だった。

    チェンバロとカリグラフィー、目と耳、犬と猫、男と女。象徴的なもの達が作中で、自分の役割を行儀よく待っている。
    小川さんは誰よりも愛が失われていく様を美しく書く人だと思うので、この作品はそれがすごく表現されているように感じた。

    0
    2025年05月10日

    Posted by ブクログ

    ニ短調。「やさしい訴え」は18世紀フランスの宮廷作曲家ジャン=フィイリップ・ラモーの作品。僕には判りませんがラモーにしてはしっとりとした小品だそうだ。洋子さんの創作する物語は既にここにある。誰もが平穏の中にいる。洋子さんの長編4作目はピアノを弾けない指、殺された婚約者、暴力を奮う夫。それに私が今回の登場人物。快い旋律は気分を高揚させる。それはまるで愛の営みの様に。

    洋子さん節を勝手に哀妖艶愛小説って命名してますが、今回は妖と艶の部分は感じません。純愛と独占欲。結婚と愛情について問題を投げ掛けられました。今まで気付きませんでしたが発問性に惹かれているのかも。

    結婚したい人と愛する人の違い。結婚したい人には相手が嫌がる自分を隠してしまう。愛する人は相手が嫌がる事まで理解し合い、逆にそれが好きだったりする。自分の全てを曝け出し、リラックスできる空間を共存し合う。一般的に互いに愛しているから結婚するんでしょうが実は互いに全ての自分を見せていないケースもあるんではないでしょうか?どこかで見えてしまうとこんな人ではなかったなんてことに。今回の主人公はちょっと自分の愛に貪欲でちょっと残酷。こんなキャラ、新鮮でした。でも根本は優しいのかな。いいわ。Myヨコフェス第19弾

    0
    2022年07月07日

    Posted by ブクログ

    勧められて初めて小川さんの本を読んでみた。
    感情の機微が伝わり、ゆっくり読めるような感じだった。
    違うのも読んでみたいと思えた。

    0
    2020年08月02日

やさしい訴え の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    やさしい訴え
  • タイトルID
    :
    129377
  • ページ数
    :
    280ページ
  • 電子版発売日
    :
    2011年08月19日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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