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Posted by ブクログ 2024年01月24日
居場所を求める主人公の姿が痛々しく、悲しい気持ちになった。これまで読んだ小川洋子さんの作品の中で最も恋愛描写が濃厚だった。そして、孤独感も一層強かった。
暴力を振るう夫との離婚、叶わない恋。次々と身の回りのものを失い、自分の存在を受け入れてくれる場所を探していく。淡々とした態度は達観してるようでもあ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月27日
空気感が素晴らしいです。
はっきりと書かれていないけれど、みんな、ほんとうに全員が置かれている状況を理解しています。
わかったうえで、どうすべきか、行動しています。
でも、人も動物です。
したい、触れたい、という気持ちは抑えられない。
それが限りあるものであり、失う危険もあるものだから、だからなおの...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年04月09日
人はそれぞれに収まる居場所がある。新田さんと薫さんはチェンバロという共通の世界の中で幸せを共有する2人でありその世界に瑠璃子が入ることはできない。不倫で分かれた旦那と不倫相手にもそんな世界があったのだろう。奪われた側は呆気なく感じるが、奪う側に立つとなかなか共通の世界に入り込むということはできない瑠...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年04月09日
こんなにも徹頭徹尾「苦手かもこの人」と思う主人公がかつていたかしら。
という感想を主人公の女性・瑠璃子にもった。
とにかく視野が狭くて、自分のことしか考えていないのだ。
好きな人とセックスに持ち込むことをねらい、持ち込めたら
それを恋敵にチラつかせてマウンティングする。
形成が不利になってきたら飼...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年04月13日
楽器職人とか調律師にあこがれがあるのでそのモチーフの面白さで読み進めた記憶がある。
音楽を介した繋がりと身体を介した繋がり。どちらも言葉を使わない。
「音楽」が、第三者の踏み込めない関係や空間を作るけど、音楽自体は、人対人だとお互いに遠慮して距離を取ってしまうところを埋められる。
踏み込めないは...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月07日
ニ短調。「やさしい訴え」は18世紀フランスの宮廷作曲家ジャン=フィイリップ・ラモーの作品。僕には判りませんがラモーにしてはしっとりとした小品だそうだ。洋子さんの創作する物語は既にここにある。誰もが平穏の中にいる。洋子さんの長編4作目はピアノを弾けない指、殺された婚約者、暴力を奮う夫。それに私が今回の...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月01日
あなたは、”三角”にどんなイメージを持つでしょうか?
全ての形の中で最も鋭角に囲まれる”三角”。その形からは、一見鋭くて攻撃的な印象も受けます。しかし一方でピラミッドや山のイメージが思い浮かぶようにバランス感のある安定した印象も受けます。しかし、そんな一見安定した印象のある”三角”も、それを180...続きを読む
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