本売る日々

本売る日々

800円 (税込)

4pt

4.2

本を愛し知識を欲する村人たちを描く!

文政5(1822)年。月に1回、城下の店から在へ行商に出て、
20余りの村の寺や手習所、名主の家を回る本屋の「私」。
上得意先のひとり、小曾根村の名主・惣兵衛は
近頃、孫ほどの年の少女を後添えにもらったというが、
彼女に何か良い本を見繕って欲しいと言われ――
用意した貴重な画譜(絵本)が、目を離した隙に2冊なくなっていた。(本売る日々)

村の名主たちは、本居宣長の『古事記伝』、塙保己一が編纂した『群書類従』など
高価な本を購い、書店主と語り合う。
村人が決して実用的でない知識を求めるのはなぜなのか。
徐々に彼らが知識を、特に古代や朝廷を研究する「国学」を求める
理由が分かってくる。

江戸時代の豊かさは村にこそ在り、と
考える著者が、本を行商する本屋を語り部にして
本を愛し知識を欲し人生を謳歌する
人びとの生き生きとした暮らしぶりを描いた中編集。

解説 平松洋子

単行本 2023年3月 文藝春秋刊
文庫版 2025年6月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

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本売る日々 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    とにかく良い  崇高な俗世間
    暗唱したくなる文の言葉の選び方
    文楽の舞台にかけたら、見事な一幕となりそう

    0
    2025年06月10日

    Posted by ブクログ

     江戸時代の後半、主人公・平助は本屋「松月堂」を営み、城下から在郷の名主らに本の行商に出ます。舞台が華やかさと無縁の村なのが特徴的です。
     平助は、人気の読み物などは扱わず、学術書にこだわる矜持をもっているのでした。異問や謎を、本を介して解き明かしていく3編の連作物語です。

     単なるエンタメやミス

    0
    2025年06月26日

    Posted by ブクログ

    本屋で見かけて一度は手に取ったものの、(いやいや積読半端ないし)と諦めた。
    しかし、やっぱり気になる。
    えーい、今買わねば後では出会えぬやもしれぬ!と購入。

    買って良かった。
    惣兵衛さんの御新造さんの森と里の際の話、これは自分の場合はまさに子供と社会との関わりについても言えるし、名主がなぜ国学をや

    0
    2025年06月15日

    Posted by ブクログ

    (とくに会話が)説明的・現代的すぎて、ちょっと自分が期待していた感じとは違っていたのだけど、最後まで読んでしまった。理屈から出来たみたいでありながら、「山怪」要素のあるお話も入っていてそこは面白い。

    0
    2025年06月22日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    目次
    ・本売る日々
    ・鬼に喰われた女(ひと)
    ・淇一(きいつ)先生

    主人公の松月平助(しょうげつへいすけ)は、本屋である。
    江戸時代、本屋というのは二種類あって、一つは読本や浮世絵を売る地本屋、つまり今年の大河ドラマの主人公である蔦谷重三郎がやっているようなものと、もうひとつはこの主人公のような物

    0
    2025年06月18日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    医は一人では前へ進みません。みんなが技を高めて、全体の水準が上がって、初めて、その先へ踏み出すものが出るのです。そのためには、みんなが最新の成果を明らかにして、みんなで試して、互いに認め合い、互いに叩き合わなければなりません。

    0
    2025年09月01日

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